学位論文要旨



No 111054
著者(漢字) 中村,元
著者(英字)
著者(カナ) ナカムラ,ハジメ
標題(和) 受動型マイクロ波リモートセンシングによる表層水分プロファイルの類型化に基づく土壌水分計測法
標題(洋)
報告番号 111054
報告番号 甲11054
学位授与日 1995.03.29
学位種別 課程博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 博工第3298号
研究科 工学系研究科
専攻 土木工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 虫明,功臣
 東京大学 教授 玉井,信行
 東京大学 教授 磯部,雅彦
 東京大学 助教授 Herath,A.S.
 東京大学 助教授 柴崎,亮介
内容要旨

 地表面からのマイクロ波放射は土壌水分量の変化に敏感であることから土壌水分計測への応用が期待されている。しかしながらその物理特性が必ずしも応用面で活用されているとはいい難く、近年物理現象に則したアルゴリズムの開発の必要性がたびたび指摘されている。

 本論では、そのような背景に基づき、以下の2つの問いかけ、即ち、

 1.物理現象に則した土壌水分計測法とは何か

 2.観測環境に則した土壌水分計測法とは何か

 への解答として(1)地表面からのマイクロ波の放射特性を考慮し(2)土壌水分プロファイルの類型に基づき(3)不飽和帯での水分-熱輸送特性を考慮した、鉛直一次元水分プロファイルの推定法を提示した。以下、それぞれについて各章で得られた結果とともに記す。

1放射特性を考慮した土壌水分計測

 本論第2章では、放射伝達モデルが地表面からのマイクロ波放射過程を忠実に再現するものと仮定し、輝度温度(放射量)が定量的かつ定性的な土壌水分情報を有していることを指摘した。定量的、定性的土壌水分情報とは以下の通りである。

1.定量的情報

 定量的情報とは、ここでは単周波輝度温度観測値が有する深度方向の水分分布情報のことを示す。第2章では水分-温度プロファイルの集中観測データーを用い深度方向の水分分布情報を重み関数で定量化することで、地表面水分量の推定を目的とした従来法の限界(特に蒸発抑制期)を指摘し、水分プロファイル推定の可能性を示した。

2.定性的情報

 定性的情報とは、ここでは2周波輝度温度差の蒸発抑制生起への判別能力のことを示す。第2章では、LバンドとXバンドの輝度温度差が地表面乾燥層の有無に敏感に反応することを示し、その特性を利用することにより水分プロファイルの定性的な判別(水分変化が地表面で連続か不連続か)が可能であることが示された。

 以上のことを総括すると、放射特性に則した土壌水分計測とは以下にまとめられる。

 1.地表面水分量の推定を目的とした従来法は、その特性、即ち、"対応深を間違えると水分量の量的な誤差よりも水分増減を取り違えるような質的な誤解を生む可能性がある"という点を充分留意する必要がある。

 2.地表面からの放射量に鉛直水分プロファイルを対応付けることは、放射特性を考えるとごく自然な性向で、また従来法に起こりうる質的な誤解を解消するものである。

 3.定量的、定性的プロファイル情報を総合的に活用するには、(1)最初に定性的情報を用いて無降雨期水分プロファイルを判別した上で(2)定量的情報からプロファイル推定法を構築することが好ましい。

2土壌水分プロファイルの類型に応じた土壌水分計測

 本論第3章では、表層水分プロファイルの類型を定義するとともに、特定の気候-土壌条件で固有な類型間の生起割合を明らかにした。気候側の条件としては、熱帯(タイ北部)、湿潤地(Boston)、半乾燥地(Santa Paula)の3地点を考え、土壌側の条件としては、砂、ローム、粘土の3土壌分類を考慮した。水分プロファイル群の疑似発生には、本論では、あらかじめ確率モデルを用いて地表面境界条件を疑似発生し、リチャーズ式を数値解法する手法を採用した。

 疑似発生した水分プロファイル群から決定されたプロファイルの類型は次の通りである。

1.降雨直後型

 文字通り降雨直後(終了後1日ぐらいまで)のプロファイルである。

(a)直線型

 表層部の水分量が先行降雨による浸透で均一化されているものをいう。生起する条件として、湿潤前線が降雨継続時間内に表層部を通過する必要がある。気象側の条件を固定して考えれば、土壌分類の中では透水性の高い砂で発生の割合が高い。土壌側の条件を固定して考えれば、気象条件としては一雨降雨継続時間が長い程湿潤前線が降雨継続時間内に表層部を通過する可能性が高くなると考えられる。

(b)非直線型

 粘土、ロームのように比較的透水性の悪い土壌では、降雨直後に表層部に地表面方向に水分が増加する状況が観察される。また、まれに透水性の良い土壌でも降雨継続時間の短い地域で地表面方向に水分が増加する状況が発生する。

2.地表面連続型

 降雨終了後数日から蒸発抑制が起きるまでに見られるプロファイルで、0フラックス面から地表面まで水分減少の連続性が保たれ、滑らかな曲線を描いて変化している状態を示す。

 地下水位が高い場合には地下水面の影響が地表面まで達する為に、地表面近傍でも水分が直線的に減少するプロファイルが観測されることがあるが、現実的な地下水位の範囲内ではあまり起こらない。

3.地表面不連続型

 無降雨期が長く続いた場合に見られるプロファイルで、地表面に不連続的に薄く、非常に乾いた層が形成されている状態を示す。

(a)直線型

 地表面での乾燥層以深で比較的水分量が鉛直均一に分布しているプロファイルをいう。これは、水分量の減少に伴って表層部での透水性が極端に落ち込み、地表面境界条件がflux境界条件からconcentration境界条件へと変わり、それ以深で水分プロファイルの均一化がおこなわれることによるものと考えられる。

(b)非直線型

 透水性の悪い土壌では地表面に形成された乾燥層以深で直線型のように水分量の鉛直均一化が行なわれないものが多い。このようなプロファイルを非直線型として定義する。

 本論では土壌側の状態を固定して考えた時、降雨直後型の生起割合は先行降雨事象の特性、即ち、平均的一雨降水量、平均的降雨継続時間で説明でき、地表面連続型、地表面不連続型の生起割合は無降雨期の特性、即ち、平均的無降雨期間長、平均的無降雨期可能蒸発散量で説明がつくと考えた。ここで、平均的無降雨期可能蒸発散量とは、平均的無降雨期間長(day)に日可能蒸発散量を掛け合わせた量で定義する。

 以下、表層での水分プロファイルの類型が先行降雨事象の特性で説明がつくものと、無降雨期間の特性で説明がつくものに分け、3つの比較対象地域(North Thailand、Boston、Santa Paula)それぞれについて3つの土壌分類(砂、ローム、粘土)について解析を進めた結果を示す。

2.0.1無降雨期間の特性と連続型、不連続型の生起

 ここでは、無降雨期間の特性で説明がつく類型として不連続型(直線)、不連続型(非直線)、連続型の3種類を考察した。

 以下、3種類の類型間の生起特性について結論付けられることを列記した。

 1.平均的無降雨期間長が短く、平均的無降雨期可能蒸発散量の小さいBostonでは、全ての土壌で連続型の生起率が高い(不連続型の生起率が極めて低い)。

 2.平均的無降雨期間長が長く、平均的無降雨期可能蒸発数量が大きなSanta Paulaでは、全ての土壌で不連続型の生起率が100%に近い(連続型の生起率が極めて低い)。

 3.平均的無降雨期可能蒸発散量が平均的なタイ北部では連続型と不連続型が混在しているのが特徴である。また、連続型と不連続型が混在する気候条件下では、土壌タイプによって両者の分配が決定されるのが特徴である。

 4.以上から、無降雨期可能蒸発散量が極端に大きいあるいは小さい気候条件下では、不連続型の生起は気候側の条件が決定的だが、無降雨期可能蒸発散量が平均的な場合には土壌側の条件が支配的であると言える。気候側の条件が支配的な時、即ち無降雨期可能蒸発散量が非常に大きい時(小さい時)、不連続型の生起率は土壌によらず100%(0%)に近付き、土壌側の条件に支配される時、即ち無降雨期可能蒸発散量が平均的な時はローム、粘土、砂の順に不連続型の生起率が高くなる。

2.0.2先行降雨事象の特性と降雨直後型の生起

 ここでは、先行降雨事象の特性で説明できる表層水分プロファイルの類型として、降雨直後型(直線)、降雨直後型(非直線)間の生起確率を考察する。結論付けられたことは、以下の通りである。

 1.粘土では、気候条件によらず降雨直後に水分プロファイルが非直線的である。また、気候条件によらず粘土-ロームー砂と透水性がよくなるにつれ鉛直水分プロファイルが直線的となる可能性が高まる。

 2.気候側の影響、即ち、"平均的一雨降水量の増加とともに降雨直後に直線型となる確率がたかまる傾向"は顕著では無い。

 3.以上から、降雨直後型の決定には、土壌側の条件が支配的で、透水性が良い土壌程プロファイルの鉛直均一性が高い。

 以上、類型の気候-土壌依存特性が確認できた上で、本論第4章では、類型ごとの静的プロファイル推定法を提案した。以下、本論で提案する推定法を簡潔に示す。

2.1降雨直後型プロファイル推定法2.1.1直線型

 侵入深の浅いXバンドを用いて地表面水分量を推定し、深さ方向に均一なプロファイルを仮定して表層部の水分プロファイルを推定するものである。

2.1.2非直線型

 粘土、ロームに多く見られる表層部で地表面方向に水分量が増加する状況下では、Xバンドによる地表面水分量の推定値から表層水分プロファイルを決定することは難しい。比較的侵入深の深いLバンドを観測手段として用いることも考えられるが、このような状況下では表層部のプロファイルに変曲点を有した0フラックス面が存在することが多く、関数形を用いた近似にも限界がある。

2.2連続型プロファイル推定法

 地表面での水分量の連続性が保たれ、水分量が地表面方向に単調減少ているこの段階では、なんらかの初等関数近似が可能である。ここでは2つのパラメーターを持つ関数でプロファイルを近似し、侵入深が深い周波数帯(Lバンド)と侵入深が非常に浅くて地表面のみの水分量変化に敏感な周波数帯(Xバンド)を併用して2つのパラメーターを決定する手法を提案する。

 単純に2つの既知量から2つの未知量を推定する問題であるが、地表面水分量のみから1つのパラメーターを決定できるような関数形を選ぶことで、数値的に繁雑な最適化法を用いずにパラメーターを推定することが可能である。

2.3不連続型プロファイル推定法

 不連続型のリモートセンシングはとくに注意を要する。即ち、地表面水分量観測を目的とした従来の手法を用いることで水分プロファイルのなかでも最も偏った量を計測することになりかねない。表層部が不連続的に変化するがゆえ、その観測値は深部の水分情報を有さない。ここでは、実際に応用面で重要な表層乾燥層以深の水分量の推定法を提案する。

2.3.1直線型

 ここでの考えの基礎となるのが表層乾燥層以深の水分の鉛直変化が小さいという経験的事実である。不連続型-直線型には、侵入深が深く、地表面水分量の変化に鈍感な観測周波数帯(Lバンド)を用い地表面乾燥層以深のプロファイルが鉛直方向に均一と仮定することで、表層乾燥層以深の比較的均一な水分プロファイルを推定することができる。

2.3.2非直線型

 粘土に代表される透水性の悪い土壌では、地表面に形成された乾燥層以深で直線型のように水分量の鉛直均一化がなされていないことが多い。このような状況下では、プロファイルの近似が極めて難しい。

 第4章後半では、数値実験をもとに地表面連続型の静的推定法を検証した結果、推定値がマイクロ波観測量の誤差に非常に敏感であることが指摘された。リモートセンシングによる土壌水分計測は必ずしも土壌水分自体を最終推定水文量としているわけではなく、直接リモートセンシングでは観測できない他の水文量(例えば流出量、蒸発散量)の推定に応用されることが大半である。このように直接リモートセンシングでは観測できない水文量をリモートセンシングで推定された土壌水分から推定する時、観測感度-土壌水分精度-最終推定水文量の精度の間でどのように誤差が伝搬されるか目安を知ることは重要である。そこで、第4章後半では、鉛直一次元土壌カラムが生成するホートン流出量を最終推定水文量とし、輝度温度の感度が推定プロファイルを介してどのようにホートン流出量の精度に影響を与えるか考察した。その結果、観測システムの中では優れたLバンドを用いても、輝度温度観測値に5%の誤差が生じるだけで降雨開始から2時間後のホートン流出量に62%の誤差が生じることを示した。

3不飽和帯での水分-熱輸送を考慮した土壌水分計測

 5章では静的逆探法のように関数近似を要さない地表面連続型プロファイルの推定法として動的逆探法を提案した。

 動的逆探法とは、不飽和帯での水分-熱移動方程式を放射伝達方程式に順次同化させ水分プロファイルを推定するものである。本動的逆探問題を過去の動的逆探問題の文献の中で位置付けた結果以下の点で特徴的であった。

1.観測系への物理モデルの導入

 動的逆探問題で観測系に物理モデルを用いたものは本研究の他に例を見ない。比較文献の観測系は全て物理モデルを使用しないものである。

2.観測系の非線形性

 観測系に非線形性が介入するものは他に例を見ない。比較文献の観測系は全て線形である。

3.分布型モデルの導入

 線形の集中型モデルでは明らかな数学的特性も分散型では線形問題ですら未解明である。従って、分布型モデルを採用するMcLaughlinら(1988)、Wendyら(1989)、Liら(1991)の研究でも数学的特性に関しては半ば半経験的に議論が行なわれているのが現状である。

4.強い動的非線形性

 不飽和帯の水分-熱輸送現象は水理水文分野の非線形現象の中でも強い部類に入り、数値解法的に不安定である。著者の知る限りでは、不飽和流の動的特性に動的逆探問題が応用された例は本研究が始めてである。

5.定常仮定のリモートセンシング応用面での制約

 時間的上限の無い応用例(被圧地下水の拡散問題等)と違い、本研究の適応期間が有限の無降雨期間であるため定常仮定が一般性を欠き、無降雨期間の比較的短い地域では期間内に準定常状態すら達成するのが難しい。

 以上から、本研究に類似した動的逆探問題の研究は過去に例を見ず、いまだ理論的にも発展途上の段階にあるといえる。本論第5章では、数値的不安定性という問題点を抱えながらも、良好な逆推定例を数例示すことができ、プロファイル収束の観測周波数及び初期推定プロファイルへの依存特性を半経験的に示すことができた。

審査要旨

 大気大循環モデルにおける大気-陸面結合サブモデルや流域水循環モデルの検証ならびにそれらに初期値を与える上で、広域土壌水分量を適切に計測・評価することが重要な課題となっている。地表面からのマイクロ波放射の強さは、土壌中の水分量の変化に敏感であることに着目して、受動型マイクロ波リモートセンシングによる表層土壌水分の計測に関する研究が進められている。しかし、従来の応用研究では、輝度温度とグランドトルースによる表層土壌水分量を半経験的に対応づけるものが多く、理論的根拠に則した土壌水分計測アルゴリズムの確立が必要とされている。

 本論文は、地表面からのマイクロ波の放射伝達理論ならびに不飽和帯の水分-熱輪送理論に基づき、受動型マイクロ波センサーによる土壌中の鉛直水分プロファイルの推定法を提案したものであり、7章で構成されている。

 第1章は序論であり、受動型マイクロ波リモートセンシングの土壌水分計測への応用の問題点と本研究の必要性を整理した後、本論文の内容を要約している。

 第2章では、土壌水分計測以外への応用例も含めて、受動型マイクロ波リモートセンシングの基本原理が解説されている。

 第3章では、土壌中の放射伝達モデルに表層土壌水分量と地表面温度の実観測データを適用することにより、XバンドとLバンドの2周波数に対する輝度温度の振舞いの相違、鉛直水分プロファイルが放射特性に与える効果を吟味している。この検討を通して、2つの周波数それぞれに対して放射率と含水率を対応づける従来の評価法の問題点が具体的に指摘されるとともに、放射量と鉛直水分プロファイルを対応付るべきであるという本研究の基本的立場が明示されている。

 第4章では、鉛直土壌水分プロファイルの推定法を提示するための前段として、異なる気候条件と土壌タイプの組み合わせに対応した表層水分プロファイルを類型化し、その生起特性を整理している。気候条件としては、熱帯半湿潤地としてタイ北部、温帯湿潤地としてボストン、半乾燥地としてサンタ・ポーラを、土壌タイプとしては砂、ローム、粘土をそれぞれ取り上げ、非定常確率モデルによって疑似発生させた降雨事象を地表面境界条件として、リチャーズ式に基づく数値シミュレーションにより水分プロファイルを計算している。その結果を、鉛直水分変化の連続性の視点から、降雨直後型(直線型、非直線型)、地表面連続型、地表面不連続型(直線型、非直線型)に分類して、前述の気候-土壌組み合わせ条件それぞれにおける各類型の発生時期および生起確率が整理されている。

 第5章では、XバンドとLバンドの深度による放射特性の相違と前章で類型化された水分プロファイルとの対応関係から、一時点でのセンサー情報を用いて各類型ごとに水分プロファイル推定が可能か否かを明らかにしている。具体的には、降雨直後型の直線型ではXバンドにより推定できるが、非直線型では推定できないこと、また、地表面不連続型の直線型ではLバンドにより推定可能であるが非直線型では推定できないことが指摘されている。さらに、地表面連続型の場合には鉛直水分分布形を関数近似して、XバンドとLバンドを併用した水分プロファイルの逆推定アルゴリズムを提案し、シミュレーションによりその妥当性を検討している。その結果、輝度温度のわずかな観測誤差が水分プロファイルの推定値に大きな差を生じるという避け難い限界のあることを指摘している。

 第6章では、上記の限界を克服すべく鉛直水分プロファイルの新たな動的逆探法が提案される。すなわち、観測系として放射伝達モデルと不飽和帯の水分-熱結合輸送モデルを同時に使用し、観測値としては輝度温度と地表面温度の時系列を適用してカルマンフィルターを用いた順次同化によって各深度での吸引圧値を逆探するものである。疑似発生させたいくつかのプロファイルに対して、良好な逆推定ができることが示されている。ここで定式化された逆探問題は、観測系に非線形の物理モデルを使用し、また動的に変化する分布型パラメータを推定するという従来ほとんど応用例がないものである。現状では、数値的不安定性の問題が残っており、すべての場合に逆推定ができる訳ではないが、新たな挑戦として高く評価できる。

 第7章では、本研究の結論がまとめられている。

 以上、本研究は、土壌中からのマイクロ波放射を支配する物理則に基づき、受動型マイクロ波センサーによる土壌水分プロファイルの推定可能性を数値実験的に明らかにしたものであり、今後の水文計測、広くは地球環境計測への受動型マイクロ波リモートセンシングの利用に対して有用な知見と手法を提示している。よって、本論文は博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる。

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