学位論文要旨



No 111677
著者(漢字) 向井,香織
著者(英字)
著者(カナ) ムカイ,カオリ
標題(和) ブラックホールのまわりのディスクとコロナからなる降着円盤モデル
標題(洋) Disk-Coronal Accretion Disk Model around Black Hole
報告番号 111677
報告番号 甲11677
学位授与日 1996.03.29
学位種別 課程博士
学位種類 博士(理学)
学位記番号 博理第3041号
研究科 理学系研究科
専攻 天文学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 野本,憲一
 東京大学 教授 尾崎,洋二
 東京大学 助教授 柴橋,博資
 国立天文台 助教授 柴田,一成
 宇宙科学研究所 教授 井上,一
内容要旨

 プフックホール候補天体は銀河系内の明るいX線源である。この天体のX線のスペクトルの特徴は、(1)1-10keV程度のエネルギー範囲でみられる、色温度が1keV以下の黒体輻射で近似される軟X線成分と、(2)軟X線成分より高いエネルギー範囲でみられる、べき指数が約0.7のべき型のスペクトルで近似される硬X線成分である。

 一方、銀河系外にも様々な明るいX線源が存在し、そのうちの一つは活動銀河核である。活動銀河核は非常に明るく、また速い変光を示すために、その中心にはプラックホールが存在すると考えられている。活動銀河核のスペクトルの特徴は、(1)紫外線領域にみられる、スペクトルがこぶのように膨らんでいるUV-bumpと(2)X線領域にのびている、べき指数が約0.9のべき型のスペクトルである。

 これらの天体のX線のエネルギー源は、物質がプラックホールに落ち込むときの重力エネルギーだと考えられている。重力エネルギーの解放のメカニズムを説明するモデルとして降着円盤モデルがある。降着円盤モデルの解としては、光学的に厚い解と薄い解の2つが知られている。

 標準降着円盤モデルでは、ディスクは光学的に厚いと仮定されており、ディスクの温度分布にしたがって、黒体輻射を放射する。ディスクの温度分布はブラックホールからの距離の3/4乗に逆比例しており、その温度の黒体輻射の重ね合わせで、プラックホール候補天体の軟X線成分と活動銀河核のUV-bumpをうまく説明することができる。しかしながら、標準降着円盤モデルではべき型のX線のスペクトルを説明することは難しい。

 一方、二温度モデルではディスクは光学的に薄いことが仮定されており、電子の温度が109K程度と高温になるので、soft photon sourceが存在すれば、逆コンプトン散乱によってべき型のX線のスペクトルを再現できる。しかしながら、黒体輻射で近似できる軟X線成分やUV-bumpを説明することはできない。

 そこで、黒体輻射を放射する光学的に厚いディスクとべき型のX線を放射する光学的に薄いコロナからなるモデルを考える。このようなモデルには幾何学的な形状の違いによって、次のような2種類のモデルが存在する。(1)ディスクが中心面に存在し、それをはさむようにコロナが存在する。(2)動径方向の中心天体に近い部分は高温で光学的に薄く、その外側にディスクが存在する。

 ブラックホール候補天体では、軟X線成分の黒体輻射の重ね合わせによるモデルフィッティングから明るさが変化しても、ディスクの内縁の半径はほぼ一定で、その半径をシュヴァルツシルト半径の3倍としても、中心天体の質量に矛盾が生じないという研究がある。また、活動銀河核では、鉄のK殻輝線が赤方偏移しているという観測があり、これはシュヴァルツシルト半径の数倍から10倍程度の非常に速い回転をしている場所から放射されていると考えられる。鉄のK殻輝線はK殻の電子が高エネルギー光子によってたたきだされて、そこに電子が落ち込むときに放射されるので、鉄のイオン化があまり進んでいない程度の低温の領域から放射される。すなわちディスクにある鉄がコロナからのX線によって電離されて、K殻輝線は放射されると考えられる。

 このような観測より、(2)ではなく、(1)のような形状のモデルを考え、ディスク・コロナモデルと呼ぶ。ディスクとコロナは磁力線で強く結びついており、質量降着は同時に起こると仮定する。そのためディスクとコロナの局所的な関係を考えることができる。

 エネルギーの解放に関してはパラメータfを導入する。fは解放される全エネルギーに対するコロナで解放されるエネルギーの割合を表す。ディスクからは黒体輻射の形でコロナにsoft photonが供給される。コロナではそのsoft photonを逆コンプトン散乱し、エネルギーを高める。高エネルギーとなった光子の約半分はコロナを抜けるが、残りはディスクの方へ散乱される。ディスクの方へ散乱された光子の一部は反射され、残りはディスクに吸収される。ディスクに吸収された光子はreprocessされて、ディスクで解放されるエネルギーとともに再び黒体輻射として放射される。ディスクで解放されるエネルギーに関しては、パラメータを用いる。ただし、解放されるエネルギーは全圧力ではなく、ガス圧に比例すると仮定する。これは、ブラックホールの近傍では輻射圧が優勢になるが、全圧力に比例するモデルでは輻射圧が優勢になると熱的にも粘性に関しても不安定になることが知られているからである。

 ディスクとコロナはそれぞれ静水圧平衡にあると仮定する。また、ディスクの表面圧力とコロナの圧力が等しいとする。ディスクの表面圧力はディスクの中心面での圧力をディスクの光学的厚みで割ったもので評価する。

 コロナの電子の分布としては、熱的な分布であるマクスウェル分布と非熱的な分布であるべき型の分布を考える。べき型の分布の場合はべき指数とcutoff energyを固定する。べき指数は、3と2.5を考え、cutoff energyは電子の静止質量エネルギーを単位に100と10を考える。また、電子・陽電子対の対生成・対消滅を考慮したモデルも考える。

 得らえたモデルの構造は、ディスクの湿度はプラックホール候補天体では軟X線成分に、活動銀河核ではUV-bumpにそれぞれ適しており、またディスクの光学的厚みは1より十分に大きいので、黒体輻射を放射することがわかった。これらの結果はコロナの電子の分布に依存しない。

 一方、コロナの電子の分布が熱的な場合、コロナの温度は109K程度と非常に高く、またコロナの電子散乱による光学的厚みは1よりも小さく、逆コンプトン散乱によってべき型のX線を放射するのに適していることがわかった。

 電子・陽電子対を含んだモデルについては、コロナの電子が熱的分布をしているブラックホール候補天体に対するモデルでは、ペア優勢な解は得られなかった。活動銀河核に対するモデルでは、非常に質量降着率の低い場合にペアが優勢になっているが、ディスクとコロナの構造にはほとんど影響しない。コロナの電子がべき型の分布をしている場合にはブラックホール候補天体と活動銀河核の両方で、ペア優勢な解とペアの無視できる解の2種類の解がみつかった。しかしながら、ペア優勢な解はディスクの厚みが非常に大きく、またコロナのイオンの温度が非常に高いため、非現実的である。

 得られたスペクトルには、概ねディスクからの黒体輻射の成分とそれに続くべき型のスペクトルがみられた。また、べき型のスペクトルのべき指数は概ね1程度と観測と一致している。しかしながら、電子の分布が熱的な場合、質量降着率が低くなるとコロナからのスペクトルにこぶ状の膨らみがみられ、べき型とはいいがたくなる。これは、コロナの湿度が高く、光学的に薄いため、入射光子の1回散乱、2回散乱…の形が分離してみえているためである。一方、電子の分布がべき型の場合には、電子の分布のパラメータに依らずコロナからのスペクトルはべき型の分布をしている。べき指数は電子の分布のべき指数に依存して、電子の分布が平坦なほど、スペクトルも平坦になる。

 fの値を変化させた場合、電子の分布が熱的か非熱的かによって、スペクトルの変化の仕方は異なる。電子の分布が熱的な場合は、fの値が小さい程、黒体輻射の成分とべき型の成分がなめらかにつながっており、べき型の成分の傾きは急になる。一方、電子の分布が非熱的な場合は、fの値が小さい程、黒体輻射の成分とべき型の成分の差がはっきりしており、べき型の成分の傾きはfの値に依存しない。ブラックホール候補天体の場合、soft stateでは軟X線成分が優勢で、べき型の硬X線成分は軟X線成分に比べて小さいので、電子の分布は非熱的な場合の方が適している。活動銀河核の場合も、電子の分布が熱的な場合では、質量降着率がエディントン限界より一桁小さくなると、X線のスペクトルはべき型とはいいがたいので、電子の分布は非熱的な場合のモデルの方が適している。

審査要旨

 本論文は,ブラックホールを中心天体にもつ「ブラックホール候補X線連星」および「活動銀河中心核」の連続放射スペクトルについて,円盤コロナモデルという立場から理論的に説明を試みた論文である。

 クエーサーをはじめとする活動銀河核および銀河X線源,特にブラックホール候補天体は,宇宙のなかで最も大きなエネルギーを発生する天体現象である。これらの天体のエネルギー解放メカニズムとしては、中心天体がブラックホールで,ブラックホールの深いポテンシャルの井戸に物質が落ち込む際に解放されるエネルギーで輝いていると考えられている。ブラックホールの場合,中性子星などの場合と違って堅い表面を持たない。そこでこのような場合は,物質が降着円盤を経由してブラックホールに落ち込むことにより,重力エネルギーが解放されると考えられている。ブラックホール候補天体および活動銀河核の観測的特徴は以下のようである。

 ブラックホール候補天体は銀河系内の明るいX線源である。この天体のX線のスペクトルの特徴は、

 (1)1-10keV程度のエネルギー範囲でみられる、色温度が1keV以下の黒体放射で近似される軟X線成分と、

 (2)軟X線成分より高いエネルギー範囲でみられる、べき指数が約0.7のべき型のスペクトルで近似される硬X線成分である。

 一方、クエーサーに代表される活動銀河核は非常に明るい天体であり、また速い変光を示すために、その中心にはブラックホールが存在すると考えられている。活動銀河核のスペクトルの特徴は、

 (1)紫外線領域にみられる、スペクトルがこぶのように膨らんでいる"UV-bump"と

 (2)X線領域にのびている、べき指数が約0.9のべき型のスペクトルである。

 それに対して,降着円盤の理論としては標準降着円盤モデルがある。標準降着円盤モデルでは、ディスクは光学的に厚いと仮定されており、ディスクの温度分布にしたがって、黒体放射を放射する。ディスクの温度分布はブラックホールからの距離の3/4乗に逆比例しており、その温度の黒体放射の重ね合わせで表わされる。中心のブラックホールの質量として、ブラックホール候補天体の場合は,数太陽質量程度,また銀河核の場合は106〜108太陽質量程度を仮定すると,降着円盤の代表的温度として,それぞれ107Kおよび105Kを得る。これはブラックホール候補天体の軟X線成分,および活動銀河核のUV-bumpをうまく説明することができる。しかしながら、標準降着円盤モデルではべき型のX線のスペクトルを説明することは難しい。

 一方降着円盤モデルの解としては、標準降着円盤以外に光学的に薄く温度の高い解も存在することが知られている。この解は,円盤の放射能率が低い場合の解で,この場合解放されたエネルギーが放射で有効に逃げ出すことが出来ず,高温で低密度の構造をもつものである。このモデルでは,密度が低いため電子とイオンの相互作用が弱く,電子とイオンで温度が異なっており,二温度モデルとも呼ばれている。

 二温度モデルではディスクは光学的に薄く、電子の温度が109K程度と高温になるので、soft photon sourceが存在すれば、逆コンプトン散乱によってべき型のX線のスペクトルを再現できる。しかしながら、このモデルではディスクが光学的に薄いので黒体放射で近似できる軟X線成分やUV-bumpを説明することはできない。

 そこで、黒体放射を放射する光学的に厚いディスクと光学的に薄い高温な領域をもつ「混合モデル」が考えられる。このようなモデルには幾何学的な形状の違いによって、次のような2種類のモデルが存在する。(1)ディスクが中心面に存在し、それをはさむようにコロナが存在する。(2)動径方向の中心天体に近い部分は高温で光学的に薄く、その外側に低温で光学的に厚いディスクが存在する。

 一方観測の方から,モデルに対して次のような制限がついている。ブラックホール候補天体では、軟X線成分の黒体放射の重ね合わせによるモデルフィッティングから明るさが変化しても、ディスクの内縁の半径はほぼ一定で、その半径をシュヴァルツシルト半径の3倍としても、中心天体の質量に矛盾が生じないという研究がある。また、活動銀河核では、鉄のK殻輝線が赤方偏移しているという観測があり、これはシュヴァルツシルト半径の数倍から10倍程度の非常に速い回転をしている場所から放射されていると考えられる。鉄のK殻輝線はK殻の電子が高エネルギー光子によってたたきだされて、そこに電子が落ち込むときに放射されるので、鉄のイオン化があまり進んでいない程度の低温の領域から放射される。すなわちディスクにある鉄がコロナからのX線によって電離されて、K殻輝線は放射されると考えられる。

 このような観測の制限を満たすモデルとしては、(2)ではなく、(1)のような形状のモデルがふさわしいと考えられる。そこで,このようなモデルをディスク・コロナモデルと呼び,本研究ではこのモデルについて検討を加えた。モデルを構築するにあたり,次のような仮定を置いた。

 まず,ディスクとコロナは磁力線で強く結びついており、質量降着は同時に起こると仮定する。そのためディスクとコロナの局所的な関係を考えることができる。また,コロナの形成とそこでのエネルギー解放のメカニズムがまだよくわかっていないので,ここではコロナでのエネルギーの解放に関してはfと名付けるパラメータを導入する。ここで,fは解放される全エネルギーに対するコロナで解放されるエネルギーの割合を表す。ディスクからは黒体放射の形でコロナにsoft photonが供給される。コロナではそのsoft photonを逆コンプトン散乱し、エネルギーを高める。

 コロナ中での逆コンプトン散乱により高エネルギーとなった光子の約半分は,コロナを抜けるが、残りはディスクの方へ散乱される。ディスクの方へ散乱された光子の一部は反射され、残りはディスクに吸収される。ディスクに吸収された光子はreprocessされて、ディスクで解放されるエネルギーとともに再び黒体放射として放射される。

 ディスクで解放されるエネルギーに関しては、パラメータを用いる。ただし、解放されるエネルギーは全圧力ではなく、ガス圧に比例すると仮定する。

 ディスクとコロナはそれぞれ静水圧平衡にあると仮定する。また、ディスクの表面圧力とコロナの圧力が等しいとする。ディスクの表面圧力はディスクの中心面での圧力をディスクの光学的厚みで割ったもので評価する。

 コロナの電子の分布としては、熱的な分布であるマクスウェル分布と非熱的な分布であるべき型の分布を考える。べき型の分布の場合はべき指数とcutoff energyを固定する。べき指数は、3と2.5を考え、cutoff energyは電子の静止質量エネルギーを単位に100と10を考える。また、電子・陽電子対の対生成・対消滅を考慮したモデルも考える。

 これらの仮定を置くことにより,光学的に厚いディスクとコロナの構造を中心天体からの距離の関数として同時に解くことが出来ることが示される。ここで,モデルを指定するパラメータは,中心ブラックホールの質量,物質降着率,およびパラメータfの3つである。以下に,このようにして得られたモデルの構造について,まとめる。

 得らえたモデルでは、ディスクの温度としてはブラックホール候補天体では軟X線成分を、活動銀河核ではUV-bumpを説明するのに適した値が得られ、またディスクの光学的厚みは1より十分に大きいので、黒体放射を放射することがわかった。これらの結果はコロナの電子の分布に依存しない。

 一方、コロナの電子の分布が熱的な場合、コロナの温度は109K程度と非常に高く、またコロナの電子散乱による光学的厚みは1よりも小さく、逆コンプトン散乱によってべき型のX線を放射するのに適していることがわかった。

 電子・陽電子対を含んだモデルについては、コロナの電子が熱的分布をしているブラックホール候補天体に対するモデルでは、ペア優勢な解は得られなかった。活動銀河核に対するモデルでは、非常に質量降着率の低い場合にペアが優勢になっているが、ディスクとコロナの構造にはほとんど影響しない。コロナの電子がべき型の分布をしている場合にはブラックホール候補天体と活動銀河核の両方で、ペア優勢な解とペアの無視できる解の2種類の解がみつかった。しかしながら、ペア優勢な解はディスクの厚みが非常に大きく、またコロナのイオンの温度が非常に高いため、非現実的な解であることがわかった。

 つぎに,モンテカルロ法を使って,このモデルから期待される連続スペクトルを計算した。得られたスペクトルは、概ねディスクからの黒体放射の成分とそれに続くべき型のスペクトルを取ることが明らかになった。また、べき型のスペクトルのべき指数は概ね1程度と観測と一致しているがわかった。

 しかしながら、電子の分布が熱的な場合、質量降着率が低くなるとコロナからのスペクトルにこぶ状の膨らみがみられ、べき型とはいいがたくなる。これは、コロナの温度が高く、光学的に薄いため、入射光子の1回散乱、2回散乱…の形が分離してみえているためである。一方、電子の分布がべき型の場合には、電子の分布のパラメータに依らずコロナからのスペクトルはべき型の分布をしている。べき指数は電子の分布のべき指数に依存して、電子の分布が平坦なほど、スペクトルも平坦になる。

 また,モンテカルロ法により得られた連続スペクトルの3つのモデルパラメータに対する依存性についても調べた。まずfの値を変化させた場合、電子の分布が熱的か非熱的かによって、スペクトルの変化の仕方は異なることがわかった。電子の分布が熱的な場合は、fの値が小さい程、黒体放射の成分とべき型の成分がなめらかにつながっており、べき型の成分の傾きは急になる。一方、電子の分布が非熱的な場合は、fの値が小さい程、黒体放射の成分とべき型の成分の差がはっきりしており、べき型の成分の傾きはfの値に依存しない。ブラックホール候補天体の場合、soft stateでは軟X線成分が優勢で、べき型の硬X線成分は軟X線成分に比べて小さいので、電子の分布は非熱的な場合の方が観測をよりよく再現できることが分かった。

 活動銀河核の場合も、電子の分布が熱的な場合では、質量降着率がエディントン限界より一桁小さくなると、X線のスペクトルはべき型とはいいがたいので、電子の分布は非熱的な場合のモデルの方がよりよく観測を再現出来ることが分かった。

 以上見てきたように本論文は,ブラックホール候補天体および活動銀河核についてディスクとコロナが共存する降着円盤モデルを提案,その構造を解き,スペクトルを計算することに成功した論文である。そして,このようなディスク・コロナモデルにより,ブラックホール候補天体および活動銀河核で観測されるべき型のスペクトルを示す硬X線成分と熱放射である軟成分を,同時に説明することに初めて成功したものであると言える。

 これらの結果はブラックホール候補天体および活動銀河核の理論,天体X線放射の理論に新たな知見を加えたもので,天体物理学の分野での極めて重要な寄与をしたものとして高く評価できる。従って,審査委員一同は,本論文は博士(理学)の学位論文として合格であると判定した。

UTokyo Repositoryリンク