学位論文要旨



No 111707
著者(漢字) 泉谷,秀昌
著者(英字)
著者(カナ) イズミヤ,ヒデマサ
標題(和) 分裂酵母の有性生殖過程におけるヌクレオシド二リン酸キナーゼ遺伝子の機能解析
標題(洋)
報告番号 111707
報告番号 甲11707
学位授与日 1996.03.29
学位種別 課程博士
学位種類 博士(理学)
学位記番号 博理第3071号
研究科 理学系研究科
専攻 生物化学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 山本,正幸
 東京大学 教授 堀田,凱樹
 東京大学 教授 芳賀,達也
 東京大学 助教授 中村,義一
 東京大学 助教授 榎森,康文
内容要旨

 分裂酵母(Schizosa ccharomyces pombe)は、遺伝学および分子遺伝学による解析に適した研究材料として広く利用されている単細胞真核生物である。分裂酵母は通常の栄養条件下では一倍体として増殖を繰り返すが、栄養環境の劣化に伴い、h+、h-という異なる接合型を持つ細胞同士で接合して二倍体となり、次いで減数分裂を経て胞子を形成する。胞子は栄養環境が回復すると発芽して、体細胞分裂を再開する。この接合・胞子形成からなる有性生殖過程においては、三量体Gタンパク質を介してcAMPを第二メッセンジャーとする栄養源からの情報伝達、および同じく三量体Gタンパク質、RasそしてMAPキナーゼカスケードによりシグナルを伝達する接合フェロモンからの情報伝達経路が機能している。接合フェロモンは、接合にあたって細胞同士の間で授受される低分子量ペプチドで、これにより相手細胞の存在を認識する。これらの制御因子は哺乳動物などの高等生物における増殖因子の情報伝達系とほぼ同様の分子相互作用を行っている。さらに、細胞周期を進行させるp34cdc2などのマシナリー、浸透圧ストレスに応答するMAPキナーゼカスケード、細胞形態に関わる低分子量Gタンパク質カスケードなども、他の生物種と相同な機構である。従って、他の生物種において機能解析が遅れている分子に対する分子遺伝学的アプローチを考えた場合、分裂酵母は適切なモデル系となる。本研究では、そのような分子の一つであるヌクレオシド二リン酸キナーゼをターゲットに分裂酵母を用いた解析を行った。

 ヌクレオシド二リン酸キナーゼ(nucleoside diphosphate kinase;NDK)は、生物界に普遍的に存在する酵素である。本酵素はping-pong機構により

 N1DP+N2TP→N1TP+N2DP

 という反応を触媒する。NDKは約17kDaのサブユニットからなるオリゴマーとして機能する。サブユニットをコードする遺伝子は様々な生物種から単離されており、原核、真核を問わず、そのアミノ酸配列は高度に保存されている。そのアミノ酸配列から、哺乳動物の癌転移に関与するnm23遺伝子、ショウジョウバエの形態形成遺伝子の一つabnormal wing discs(awd)遺伝子、そして血球系の分化におけるサイトカインの一つであるI因子、原癌遺伝子c-mycの転写促進因子PuFをコードする遺伝子などが、NDKをコードしていることが明らかにされ、NDKにはhouse keepingな機能以外に制御因子としての機能が備わっていると考えられるようになってきた。しかし、NDKの解析は生化学的解析が主で、遺伝学的解析はあまり進んでいない。本研究は、分裂酵母のNDK遺伝子の解析を通じて、NDKが関与する細胞内情報伝達系の解明も目的とした。

 NDKのアミノ酸配列が高度に保存されていることから、数種類のプライマーを作製し、これを用いて分裂酵母ゲノムDNAに対するPCRを行った。その結果、NDK相同遺伝子が1種単離され、これをndk1と命名した。ndk1遺伝子は151アミノ酸をコードし得るORFを有し、このアミノ酸配列の相同性検索を行ったところ、出芽酵母のYNK遺伝子産物との62.3%をはじめ、種々のNDKと、約60%のアミノ酸が一致するという高い相同性を示した。ndk1遺伝子産物は配列上の相同性の他に、実際にNDKとしての活性を示すこと、抗ラットNDK抗体と交差反応することなどから、分裂酵母のNDKをコードすると結論された。

 ndk1遺伝子の破壊は致死性をもたらさず、また顕著な表現型を示さなかった。しかしクローン化した遺伝子に変異を導入して、分裂酵母の有性生殖過程を優性に阻害する変異アリル(ndk1-dn)を単離することができた。また、有性生殖過程の起こる窒素源飢餓下において、ndk1 mRNA量の上昇が観察された。これらの結果は、ndk1遺伝子が有性生殖過程に関与することを示唆している。ndk1-dnアリルの塩基配列解析の結果から、点変異によりNDKの活性中心とされるヒスチジン残基の隣のアミノ酸(#116)に変異が生じていることが明らかとなった。Ndk1-dnタンパク質にはNDK酵素としての活性はなく、また分裂酵母で発現させると細胞内NDK活性の低下をもたらした。一方、活性中心と考えられるヒスチジンそのものに変異を導入したものでは、有性生殖過程への影響が見られなかったことから、Ndk1-dn変異は単に酵素として失活しただけではないことが示唆された。

 ndk1-dnの導入により、有性生殖過程において誘導される遺伝子の幾つかが抑制を受けることが観察された。抑制を受けた遺伝子は接合フェロモンからのシグナルにより誘導されるものだった。さらに、ndk1-dnによる接合率低下は、ras相同遺伝子ras1またはRas1の下流で働く接合フェロモン受容のMAPKカスケードの遺伝子ste8/byr2もしくはste1/byr1(それぞれMAPKKK、MAPKKのホモログをコードする)を過剰発現させることで回復したことから、Ndk1がこの経路と何らかの関係を有していることが推測された。

 ndk1-dnアリルの接合率低下を多コピー抑圧する遺伝子として単離された新規の遺伝子mcy1(multicopy suppressor of ndk1C116Y)は、約1kbと2kbの転写産物を生じる。配列解析の結果より、mcy1遺伝子領域のORFは最大でも258bpしか含まない。しかしながら、そのORFを人為的に破壊したサブクローンでは抑圧遺伝子としての活性が失われることから、このORF部分が機能に必須であることが示された。また、サブクローン化を進めた結果、mcy1mRNAの5’端側、3’端側ともに、その安定性に寄与していることが示され、非常にユニークな遺伝子構造を持つことが判明した。

 分裂酵母の有性生殖過程では、先のras-MAPKカスケードが接合フェロモンのシグナル伝達に必須の機能を果たしている。今回単離されたmcy1は、ras1遺伝子の欠損をはじめ、ras1遺伝子の制御に関わる幾つかの遺伝子の変異をも多コピーで抑圧できることが判明した。また、mcy1遺伝子がndk1-dn株に加えて、ras1遺伝子欠損株も抑圧することは、前述のNdk1が接合フェロモンの情報伝達系に作用していることを支持している。

 mcy1遺伝子の破壊は接合率の低下をもたらし、この低下はRas1の下流に位置するSte8の活性化型を発現させることにより抑圧された。しかし、mcy1遺伝子の過剰発現は、ste8遺伝子破壊による胞子形成不能を抑圧できなかった。以上の結果は、Mcy1がRas1からSte8への情報伝達に関わる可能性を示唆している。

 mcy1遺伝子破壊は上記の表現型の他に、高カリウム培地などの高浸透圧培地において細胞が変形するという表現型も示した。分裂酵母では、接合フェロモンシグナルを制御するMAPKカスケードとは別に、浸透圧ストレスに応答するMAPKカスケードが存在し、wis1はその中のMAPKKにあたるキナーゼをコードする遺伝子である。mcy1遺伝子とwis1遺伝子の関係を調べたところ、wis1過剰発現による細胞増殖の抑制ならびに細胞の変形が、mcy1遺伝子破壊により抑圧された。また、wis1遺伝子破壊株は接合不能の表現型を示すが、mcy1過剰発現によりこれが回復した。但し、wis1遺伝子破壊による高浸透圧培地上での細胞伸長などの表現型を抑圧するには至らなかった。従って、Mcy1は浸透圧シグナルに関して、Wis1の下流にあってそのシグナルの一部を受け取っているものと考えられる。

 mcy1遺伝子はこのように接合フェロモンと浸透圧の二つの情報伝達経路に関与している、即ち、この二つの経路を構成するMAPKカスケードの接点となっていると考えられる。ndk1-dnをもつ株は、高浸透圧培地中でmcy1遺伝子破壊株のような表現型を示さないことから、ndk1はmcy1の接合フェロモンシグナル活性化能にのみ関連していると考えられる。接合フェロモンと浸透圧の間には関連がないように見えるが、接合フェロモンが分泌される栄養源飢餓という環境要因は一種のストレスと考えられ、それに応答してWis1の経路がある程度活性化されると推測される。またwis1遺伝子の破壊も過剰発現もともに細胞の変形をもたらすが、Ras1の下流には、Ste8を含むMAPKカスケードとは別に、細胞の形態を制御するカスケードが存在していることから、その経路とWis1の経路の間に関連があるのかもしれない。本研究で、mcy1遺伝子により分裂酵母の二つのMAPKカスケードの接点が提供されたことは、これらのカスケードを複合的に考える上で興味深い。

審査要旨

 分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)は、遺伝学および分子遺伝学による解析に適した研究材料として広く利用されている単細胞真核生物である。分裂酵母は通常の栄養条件下では一倍体として増殖を繰り返し、栄養環境の劣化に伴い異なる接合型を持つ細胞同士で接合して二倍体となり、減数分裂を経て胞子を形成する。接合・胞子形成からなる有性生殖過程においては、三量体Gタンパク質を介してcAMPを第二メッセンジャーとする栄養源からの情報伝達、および同じく三量体Gタンパク質、RasそしてMAPキナーゼカスケードによりシグナルを伝達する接合フェロモンからの情報伝達経路が機能している。接合フェロモンは、接合にあたって細胞同士の間で授受される低分子量ペプチドである。これらの制御因子は哺乳動物などの高等生物における増殖因子の情報伝達系とよく似た分子相互作用を行っている。さらに、細胞周期を進行させるp34cdc2などのマシナリー、浸透圧ストレスに応答するMAPキナーゼカスケード、細胞形態に関わる低分子量Gタンパク質カスケードなども、他の生物種と相同な機構である。従って、他の生物種において機能解析が遅れている分子に対する分子遺伝学的アプローチを考えた場合、分裂酵母は適切なモデル系となると考えられる。申請者はそのような考えに基づいて、ヌクレオシド二リン酸キナーゼを研究対象に取り上げて、分裂酵母を用いた解析を行った。

 ヌクレオシド二リン酸キナーゼ(nucleoside diphosphate kinase;NDK)は、生物界に普遍的に存在する酵素である。本酵素はping-pong機構により

 N1DP+N2TP→N1TP+N2DP

 という反応を触媒する。NDKは約17kDaのサブユニットからなるオリゴマーとして機能する。サブユニットをコードする遺伝子は様々な生物種から単離されており、原核、真核を問わず、そのアミノ酸配列は高度に保存されている。そのアミノ酸配列から、哺乳動物の癌転移に関与するnm23遺伝子、ショウジョウバエの形態形成遺伝子の一つabnormal wing discs(awd)遺伝子、そして血球系の分化におけるサイトカインの一つであるI因子、原癌遺伝子c-mycの転写促進因子PuFをコードする遺伝子などが、NDKをコードしていることが明らかにされ、NDKにはhouse keepingな機能以外に制御因子としての機能が備わっていると考えられるようになってきた。しかし、NDKの解析は従来生化学的解析が主流を占めており、遺伝学的解析はあまり進んでいない現状があった。申請者は分裂酵母のNDK遺伝子の解析を通じて、NDKの制御因子としての側面をより明確にできることを期待し、またNDKが関与する細胞内情報伝達系についても新たな知見が得られることを期待して本研究を行っている。

 NDKのアミノ酸配列が高度に保存されていることより、申請者は数種類のプライマーを作製し、これを用いて分裂酵母ゲノムDNAに対するPCRを行った。その結果、NDK相同遺伝子が1種単離され、これをndk1と命名した。ndk1遺伝子は151アミノ酸をコードし得るORFを有し、このアミノ酸配列の相同性検索を行ったところ、出芽酵母のYNK遺伝子産物との62.3%をはじめ、種々のNDKと、約60%のアミノ酸が一致するという高い相同性を示した。ndk1遺伝子産物は配列上の相同性の他に、実際にNDKとしての活性を示すこと、抗ラットNDK抗体と交差反応することなどから、分裂酵母のNDKをコードすると結論された。

 申請者は次いでndk1遺伝子の破壊実験をおこなったが、ndk1遺伝子破壊は致死性をもたらさず、また顕著な表現型を与えなかった。しかし申請者はクローン化した遺伝子に変異を導入して、分裂酵母の有性生殖過程を優性に阻害する変異アリル(ndk1-dn)を単離することに成功した。また、ndk1遺伝子の発現を調べたところ、有性生殖過程の起こる窒素源飢餓下において、ndk1mRNA量の上昇が観察された。これらの結果は、ndk1遺伝子が有性生殖過程に関与することを強く示唆している。申請者はndk1-dnアリルの塩基配列解析を行い、NDKの活性中心とされるヒスチジン残基の隣のアミノ酸(#116)に点突然変異が生じていることを明らかとした。Ndk1-dnタンパク質にはNDK酵素としての活性はなく、また分裂酵母で発現させると細胞内NDK活性の低下をもたらした。一方、活性中心と考えられるヒスチジンそのものに変異を導入したものでは、有性生殖過程への影響が見られなかった。申請者の得たこれらの結果から、Ndk1-dn変異は単に酵素として失活しただけではないことが示唆された。

 申請者は分裂酵母有性生殖時の遺伝子発現を解析し、有性生殖過程において誘導される遺伝子の幾つかがndk1-dnの導入によって抑制を受けることを明らかにした。抑制を受けた一群の遺伝子は接合フェロモンからのシグナルにより誘導されるものであった。さらに、ndk1-dnによる接合率低下は、分裂酵母におけるras相同遺伝子ras1またはRas1の下流で働く接合フェロモン受容のMAPKカスケードの遺伝子ste8/byr2もしくはste1/byr1(それぞれMAPKKK、MAPKKのホモログをコードする)を過剰発現させることで回復した。これらのことから、申請者はNdk1がこの経路と何らかの関係を有していることを推測している。

 申請者は本研究の後半部において、ndk1-dnアリルにより誘起された接合率低下を、多コピー抑圧する遺伝子として新規の遺伝子mcy1(multicopy suppressor of ndk1C116Y)を単離し、その解析を行った。mcy1遺伝子は、約1kbと2kbの転写産物を生じていた。塩基配列解析を行ったところ、mcy1遺伝子領域のORFは最大でも258bpしか含まないことが明らかになった。しかしながら、そのORFを人為的に破壊したサブクローンでは抑圧遺伝子としての活性が失われ、このORF部分が機能に必須であることが示された。また、申請者がサブクローン化を進めたところ、mcy1mRNAでは5’端側、3’端側ともにその安定性に寄与していることが示され、非常にユニークな構造を持つことが判明した。

 分裂酵母の有性生殖過程では、ras-MAPKカスケードが接合フェロモンのシグナル伝達に必須の機能を果たしている。申請者が今回単離したmcy1は、ras1遺伝子の欠損をはじめ、ras1遺伝子の制御に関わる幾つかの遺伝子の変異をも多コピーで抑圧できることが判明した。mcy1遺伝子がndk1-dn株に加えてras1遺伝子欠損株も抑圧することは、Ndk1が接合フェロモンの情報伝達系に作用しているとする申請者の考えを支持している。mcy1遺伝子の破壊は接合率の低下をもたらし、この低下はRas1の下流に位置するSte8を過剰発現させる、あるいはその活性化型を発現させることにより抑圧できることを申請者は示したが、mcy1遺伝子の過剰発現がste8遺伝子破壊による胞子形成不能を抑圧することはなかった。このことから申請者は、Mcy1がRas1からSte8への情報伝達に関わる可能性を指摘している。

 さらに、mcy1遺伝子破壊は上記の表現型の他に、高カリウム培地などの高浸透圧培地において細胞が変形するという表現型をもつことが示された。分裂酵母では、接合フェロモンシグナルを制御するMAPKカスケードとは別に、浸透圧ストレスに応答するMAPKカスケードが存在し、wis1はその中のMAPKKにあたるキナーゼをコードする遺伝子である。申請者はmcy1遺伝子とwis1遺伝子の関係に注目し、wis1過剰発現による細胞増殖の抑制ならびに細胞の変形が、mcy1遺伝子破壊により抑圧されることを見いだした。また、wis1遺伝子破壊株は接合不能の表現型を示すが、mcy1過剰発現によりこれが回復することも示した。ただし、wis1遺伝子破壊による高浸透圧培地上での細胞伸長などの表現型までは抑圧されなかった。従って、Mcy1は浸透圧シグナルに関して、Wis1の下流にあってそのシグナルの一部を受け取っている可能性があると申請者は結論している。

 以上の知見を総合すると、mcy1遺伝子は接合フェロモンと浸透圧の二つの情報伝達経路に関与している、即ち、この二つの経路を構成するMAPKカスケードの接点となっていると考えられる。ndk1-dnをもつ株は、高浸透圧培地中でmcy1遺伝子破壊株のような表現型を示さないことから、ndk1はmcy1のもつ接合フェロモンシグナル活性化能にのみ関連していると申請者は推論している。接合フェロモンと浸透圧の間には関連がないように見えるが、接合フェロモンが分泌される栄養源飢餓という環境要因は細胞にとって一種のストレスと考えられ、それに応答してWis1MAPKカスケードの経路がある程度活性化されると推測される。またwis1遺伝子の破壊も、その過剰発現もともに細胞の変形をもたらすが、Ras1の下流には、Ste8を含むMAPKカスケードとは別に、細胞の形態を制御するカスケードの存在が知られており、その経路とWis1の経路の間に関連がある可能性も今後検討さるべき新たな課題として浮上した。本研究によって、mcy1遺伝子が分裂酵母の二つのMAPKカスケードの接点に関係する可能性が示されたことは、これらのカスケードのクロストークを複合的に考える上で興味深く、また真核細胞一般の情報伝達機構の解明に資するところが大である。

 以上を総合して、申請者が得た研究成果は情報伝達機構の理解に新たな前進をもたらしたと評価でき、委員会は全員一致で申請者が博士(理学)の称号を得るに値するものと判断した。なお、共同研究としてなされた部分について、申請者が最も主要に寄与していることを確認済みである。

UTokyo Repositoryリンク http://hdl.handle.net/2261/54502