学位論文要旨



No 111885
著者(漢字) 前田,百美
著者(英字)
著者(カナ) マエダ,ユミ
標題(和) ウミホタル・ルシフェラーゼープロテインAキメラ蛋白の作製及び免疫測定への応用
標題(洋) Study of Chimeric Vargula Luciferase-Protein A and its Application in Immunoassay
報告番号 111885
報告番号 甲11885
学位授与日 1996.03.29
学位種別 課程博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 博工第3683号
研究科 工学系研究科
専攻 化学生命工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 長棟,輝行
 東京大学 教授 古崎,新太郎
 東京大学 教授 渡辺,公綱
 東京大学 教授 軽部,征夫
 東京大学 助教授 鈴木,栄二
内容要旨 1章:研究目的

 生物発光分析法は高感度で微量成分の検出ができ、反応の迅速化が可能であることから、注目されている。しかし市販されている昆虫の発光酵素ルシフェラーゼは一般に不安定で免疫診断試薬として用いるのが困難であった。最近になって、東レの風見ら(1)及びThompsonら(2)によりウミホタル(Vargula hilgendorfii)由来のルシフェラーゼのcDNAがクローニングされ、この酵素を免疫診断試薬へ応用することが考えられるようになった。この酵素は乾燥状態で長期にわたり安定であり、発光機構が非常に単純でATPなどのエネルギー源を必要とせず、また生成物阻害が見られないという特徴を持つ。

 化学的手法を用いてこの様な酵素を抗体などと結合した場合、酵素の活性が低くなったり、酵素と抗体の結合物の収量が低かったりするため、本研究では遺伝子のレベルでこれら二つの蛋白質を結合することを試みた。

 本研究では抗体結合能を持つプロテインA又はプロテインGと発光酵素であるウミホタル・ルシフェラーゼを結合したキメラ蛋白質を作製し、その発光活性及び抗体結合能が保たれていることを確認した。さらにルシフェラーゼのN末端の一部のみをプロテインAと結合したキメラ蛋白質を作製し、ルシフェラーゼの構造機能相関を検討した。

2章:緒言ウミホタル・ルシフェラーゼの特徴

 ウミホタル・ルシフェラーゼは555アミノ酸からなる、分子量約68kDaの蛋白である。反応に最適なpHは7.5で、Kmの値は0.52x10-6Mである。この酵素は乾燥状態でも非常に安定である。

プロテインA

 Staphylococcus aurcus由来のプロテインAは5つの相互にホモロジーの高いドメインD,A,B,C及びEを持つ。本研究で用いたDドメイン(SpA-D)は58残基のアミノ酸からなり、よく研究されているBドメインとは81%のアミノ酸ホモロジーを、Synthetic Composite Immunoglobulin Binder(SCIB)とは86.2%のアミノ酸ホモロジーを持つ。プロテインAは免疫グロブリンのFc領域に結合する。Dcisenhoferにより、BドメインとFc領域とのcomplexが結晶化されている。

プロテインG

 Streptococcus由来のプロテインGはIgGに結合できる3つのドメインB1,B2,B3を持ち、各種のIgGに結合する。プロテインAが3つのヘリックスで構成されているのに対し、プロテインGは4つのシートおよび1つのヘリックスで構成されている。

3章:実験方法遺伝子構築

 発現ベクターは一般的な遺伝子操作技術を用いて作製した。キメラ蛋白質を動物細胞で発現させるため、RousSarcoma VirusまたはCytomegalovirusのプロモーターとmouse VNP分泌シグナル配列をもつベクターに、プロテインA/GのC末端にウミホタル・ルシフェラーゼ(Pro29-Gln555)を結合したキメラ蛋白質の遺伝子を挿入した。

動物細胞での発現

 ルシフェラーゼはジスルフィド結合を多く持つため大腸菌では正しく折りたたまれず、活性を持った蛋白質を発現させることは出来なかった。そこで、動物細胞のCOS-1及びCHOに発現ベクターを導入し発現した。

キメラ蛋白の特性評価

 発現したキメラ蛋白質は、発光基質であるルシフェリンを加え、ATP Photometerで発光活性を測定した。また、キメラ蛋白質のIgGへの結合能は、IgG-Sepharoseに結合したキメラ蛋白質の発光活性で確認した。さらに、Western Blotting法を用いてキメラ蛋白質を検出を行った。

4章:プロテインA-ルシフェラーゼキメラ蛋白質の作製

 本研究ではプロテインAのDドメイン(SpA-D)を単独でルシフェラーゼと結合し、キメラ蛋白質を作製した。キメラ蛋白質発現ベクターpRSVPAclucではSpA-D遺伝子の3’末端にルシフェラーゼの遺伝子を結合した。

 COS-1細胞にpRSVPAclucを導入した場合、発現したキメラ蛋白質はルシフェラーゼの発光活性は示すが、SpA-DのIgGへの結合能は示さなかった。そこで、SpA-Dとルシフェラーゼの間にGlyGlyGlyGlySerの配列からなる5残基のアミノ酸のリンカーを導入した発現ベクターpRSVPALcluc(図1)を作製した。新たにこのpRSVPALclucをCOS-1に導入し、発現させたキメラ蛋白質は、発光活性及びIgGへの結合能が共に保たれていることが確認された。これは、リンカーの存在によってSpA-DのC末端(3)が正しい構造を形成でき、これがSpA-D全体の安定性を増したため、IgGへの結合能を保つことが出来たものと考えられる。さらに抗ルシフェラーゼ抗体を用いたWestern blotを図2に示す。その結果、分子量約76kDaのキメラ蛋白のバンドが確認できた(図2,lane1,2)。

図1 キメラ発現ベクター構築図

 このキメラ蛋白質を動物細胞で安定に生産させるため、CHO細胞にpRSVPALclucを導入した株を作製した。この株で遺伝子増幅を行った結果、培養上清に約100g/1のキメラ蛋白質を分泌させる事が出来た(図2,lane5,7)。

図2 発現したキメラ蛋白のWestern blot解析Lanes 1 & 2 : Cell lysates of COS cells transfected with pRSVPAcluc and pRSVPALcluc respectively, 3 : Mock transfection, 4 : The cell lysate of COS cells transfected with pccluc, 5 : stably transfected CHO cells with plasmid pRSVPALcluc, 6 & 7 : Culture supernatants of COS and CHO cells respectively transfected with pRSVPALclue.

 キメラ蛋白質SpA-D-ルシフェラーゼの免疫測定法への応用の可能性を評価するため幾つかのアッセイを行った。このキメラ蛋白は培養上清に分泌されているので、未精製の状態でキメラ蛋白質を測定系に用いることが可能であった。図3にヒトIgG-Sepharoseの濃度に対する発光活性の依存性を示す。IgG-Sepharoseを用いて10-9g/mlの感度でヒトIgGを検出できた。

 さらに、サンドイッチELISA法によってモノクローナル・マウス抗Tri-nitrophenyl(TNP)抗体の定量を行った。TNP-Sepharoseに種々の濃度で抗TNP抗体を固定し、ウサギ・抗マウスIgG抗体を反応させ、さらにキメラ蛋白質をこれに反応させた。このようにして抗TNP抗体に、ウサギ抗マウス抗体を介してキメラ蛋白質を固定し、その発光活性を測定した結果を図4に示す。発光活性はマウス抗TNP抗体の濃度に依存することが示された。

図表図3 IgG-Sepharose濃度に対する発光活性の依存性 / 図4 抗TNP抗体を用いたサンドイッチELISA

 以上の結果から、発光活性と抗体結合能の二つの機能を同時に持つキメラ蛋白質を用いた高感度な免疫測定が可能であることが確認できた。

5章:プロテインG-ルシフェラーゼキメラ蛋白質の作製

 プロテインAは結合特性が限定されてるため、本研究では各種のIgGに結合するプロテインGを用いることにした。プロテインGの3つのIgG結合ドメインの内、IgGのFc領域との結合状態での立体構造が明らかになっているB1ドメインをルシフェラーゼのN末端に結合する事にし、pRSVPGLclucを作製した。しかし、このベクターより発現させたキメラ蛋白ではFc領域との結合能は失われていた。この原因はプロテインGの立体構造が保たれなかったためと考えられ、そこで3つのヘリックスを持つプロテインAをプロテインGとルシフェラーゼの間に導入することでプロテインGが正しい構造を取るものと期待し、pcPGALclucを作製した。ヤギIgGに対するプロテインAの結合能は低いがプロテインGは高いことが分かっているため、このベクターより発現したキメラ蛋白の結合特性を解析するために、様々な濃度のヤギIgGにキメラ蛋白を反応させた。その結果、プロテインGの活性が回復したことが明らかになった。さらに、この蛋白質と4章で作製したプロテインA-ルシフェラーゼキメラ蛋白質のヒトIgG-Sepharoseに対する結合量の比較測定を行った結果を図5に示す。抗体結合ドメインを二つにすることでルシフェラーゼの発光量が2倍に上昇したことが分かる。以上の結果より、このキメラ蛋白を用いることで、免疫測定の感度をより高めることが可能になると期待できる。

図5 キメラ蛋白SpA-ルシフェラーゼ及びSpG-SpA-ルシフェラーゼを用いた結合活性の比較
6章:ルシフェラーゼの構造機能相関の解析

 ウミホタル・ルシフェラーゼの発光にはATPなどの高エネルギー化合物を必要とせず、その反応機構は他のルシフェラーゼに比べ単純である。このようなユニークな発光酵素であることに着目し、ウミホタル・ルシフェラーゼの内部ホモロジーを調べたところ、二つの領域(residucs 81-312,321-540)間のアミノ酸ホモロジーは19.3%であった。これらの領域はapoacquorinのアミノ酸配列にもホモロジーが高いことが報告されている。このような特徴からN末端側のホモロジーの高い領域単独でも発光活性を示すのではないかと考え、本研究ではpRSVPALclucTを構築し、蛋白質を発現させ、その構造機能相関を明らかにする事を試みた。

 まずpRSVPALclucのルシフェラーゼ部位を遺伝子操作によって切り詰め、pRSVPALclucTを作製した。その構造を図6に示す。このベクターをCOS-1細胞に導入し、発現したキメラ蛋白質が切り詰められていることをWestern Blottingにより確認した。

図6 ウミホタル・ルシフェラーゼを切り詰めた発現ベクターの構築図

 この蛋白の発光活性を測定したところ、N末端側領域のみを持つキメラ蛋白質(pRSVPALclucT)はルシフェラーゼの全領域を含むキメラ蛋白質(pRSVPALcluc)の約38%の発光活性を示した。これらの結果から、ウミホタル・ルシフェラーゼの発光にはホモロジーの高い領域単独でも発光活性を示すことが明らかになった。さらに図7に示すようにこのキメラ蛋白を免疫測定法に応用できることを明らかにした。

図7 切り詰めたルシフェラーゼを用いた発光活性のIgG濃度依存性
7章:結言

 本研究では、数多くの標識用酵素の中から特にウミホタルのルシフェラーゼの特質に注目し、プロテインAの抗体結合ドメインとのキメラ蛋白質を作製し、これが免疫診断等に応用できる可能性を示した。本研究の成果より以下のことが示された。

 1.発現ベクターpRSVPALclucを動物細胞に導入することで発光活性とIgG結合能を共に持つSpA-Dとルシフェラーゼのキメラ蛋白質を培地中に分泌させることに成功した。

 2.(Gly)4SerのリンカーをSpA-Dとルシフェラーゼの間に導入することで、SpAの単独のドメインをキメラ蛋白として安定に発現させ、そのIgG結合能を保つことが出来た。

 3.1と同様にプロテインG-ルシフェラーゼ発現ベクターpRSVPGLclucを動物細胞で発現したが、プロテインGのIgG結合能が低下していた。そこで3ヘリックスを持つプロテインAをプロテインG及びルシフェラーゼの間に導入することでプロテインGのIgG結合能が回復した。この結果から、キメラ蛋白を設計する際には結合する蛋白質同士の三次元構造レベルでの相互作用を考える必要があることが判明した。

 4.本研究で作製したキメラ蛋白を用いて免疫測定を行った結果、抗体や抗原を高感度で定量出来ることが示された。

 5.ルシフェラーゼのN末端側の領域のみを持つプロテインA-ルシフェラーゼを解析した結果、ルシフェラーゼの全領域を含むプロテインA-ルシフェラーゼに対し約38%の発光活性が保たれることが判明した。

参考文献1.W.Oshihara,J.Kazami,Nakamura,G.Kawano,and T.Kunitomo.1993.Bioluminescence and Chemiluminescence,John Wiley & Sons.361-3652.E.M.Thompson,E.Nagata,and F.I.Tsuji.1989.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.86:6567-65713.S.P.Bottomley,A.G.Popplewell,M.Scawen,T.Wan,B.J.Sutton,and M.R.Gore.1994.Protein Eng.,7:1463-1470.
審査要旨

 酵素標識抗体を用いた免疫測定法は、抗体-抗原反応を利用して微量な生体成分の濃度を感度良く分析測定する方法であり、臨床検査、免疫診断、微生物検査、ライフサイエンス研究などの分野において広く利用されている。発光酵素を抗体の標識に用いる生物発光法は、従来の発色反応を触媒する酵素や蛍光色素を標識に用いる吸光度法、蛍光法などの測定法と比較して原理的に高感度であり、光源を必要としないため光学測定系が単純化できるという特徴を有する。また、発光効率が化学発光法と比較して高く、バックグラウンド発光も低いため、化学発光法を凌ぐ高感度測定が期待できる。このような発光酵素としては、これまではホタルの発光酵素ルシフェラーゼの利用が試みられてきた。しかし、ホタル・ルシフェラーゼは安定性が低く、また、二官能性試薬を用いた酵素と抗体との化学的連結反応の位置特異性が低いため、目的とする酵素標識抗体の収率が低かったり、また抗原結合能や酵素活性が連結反応によって低下するなどの問題があった。このような点が、発光酵素を用いた生物発光免疫測定システムの実用化を阻む原因となっていた。

 本論文は、安定性が極めて高く、近年その遺伝子がクローニングされたウミホタル(Vargula hilgendorfii)由来のルシフェラーゼと抗体に対する結合能を持つ蛋白質とのキメラ蛋白質を構築し、これを生物発光免疫測定システムに応用することを目的として行われた研究の成果を述べており、以下の8章から構成されている。

 第1章は序論であり、本研究の背景と目的を述べている。

 第2章では、関連する既往の研究を解説するとともに、本研究で用いたウミホタル・ルシフェラーゼならびに抗体結合能を有するプロテインAおよびプロテインGの特徴について述べている。

 第3章では、本研究に用いた実験材料および遺伝子構築方法や動物細胞によるキメラ蛋白質の発現方法、キメラ蛋白質の特性の評価方法などの実験方法についてまとめている。

 第4章では、プロテインAのDドメインとウミホタル・ルシフェラーゼのキメラ蛋白質を遺伝子工学的に作製し、その発光活性と抗体結合能の評価ならびに本キメラ蛋白質を応用した生物発光免疫測定結果について述べている。すなわち、プロテインAのDドメインのC末端側にウミホタル・ルシフェラーゼを連結したキメラ蛋白質においても、ウミホタル・ルシフェラーゼの発光活性ならびにその特徴である温度およびpHに対する高い安定性が保持されることを明らかにしている。また、Dドメインとウミホタル・ルシフェラーゼを直接連結すると抗体に対する結合能は失われてしまうが、これらの問に5アミノ酸(Gly4Ser)からなる柔軟なリンカーペプチドを導入することによって抗体結合能が回復することを見出している。このように、抗体結合能がリンカーペプチドの有無によって変化する原因として、プロテインAのDドメインC末端側に存在するヘリックスの2次構造がルシフェラーゼに直接連結された場合には不安定となり、その結果、抗体との相互作用が低下した可能性を指摘している。さらに、本キメラ蛋白質を生物発光免疫測定システムに応用し、サンドイッチELISA法により10-11から10-9Mの抗原(モノクロナール・マウス抗Tri-nitrophenyl抗体)濃度を感度良く検出できることを明らかにしている。このように、抗体と本キメラ蛋白質を混合するだけでアフィニティ結合により抗体を高収率に標識化することが可能となり、また、化学的連結反応を用いた酵素標識法で問題となった、抗体との結合に伴うルシフェラーゼ発光活性の低下や標識された抗体の抗原結合能の低下もほとんど見られず、また広い濃度範囲の抗原濃度を感度良く検出できたことより、本キメラ蛋白質が免疫測定用試薬として極めて高い有用性を持つと結論づけている。

 第5章では、プロテインGのB1ドメインとウミホタル・ルシフェラーゼのキメラ蛋白質(SpG-Lu)およびプロテインGのB1ドメイン、プロテインAのDドメイン、ウミホタル・ルシフェラーゼの順にリンカーペプチドを介して結合したキメラ蛋白質(SpG-SpA-Lu)を遺伝子工学的に作製し、その発光活性と抗体結合能の評価結果について述べている。すなわち、SpG-Luの場合には、発光活性は保持されていたものの、リンカーペプチドの有無に関わらずB1ドメインの抗体結合能は失われていたが、DドメインをB1ドメインとルシフェラーゼの間に導入したSpG-SpA-LuではB1ドメインの抗体結合能が回復することを明らかにしている。また、ここで作製した2種の抗体結合ドメインを持つSpG-SpA-Luは、抗体に対する結合量がSpA-Luの約2〜3倍と高く、さらに、抗体のサブクラスに対する結合特異性のスペクトルがプロテインAおよびプロテインGそれぞれのスペクトルを足し合わせたものになるため、SpA-Luよりさらに高感度で、かつ多種のサブクラスの抗体に対して応用可能な免疫測定用試薬になったと結論づけている。

 第6章では、発光蛋白質アクオリンに存在し、かつ、ウミホタル・ルシフェラーゼのアミノ酸配列中のN末端側とC末端側に一箇所づつ存在する弱いホモロジー領域が発光活性を担う部位である可能性を検証するために、ウミホタル・ルシフェラーゼのC末端側に存在するホモロジー領域を含む約240個のアミノ酸を除いたSpG-Luを作製し、その発光活性および安定性について検討している。その結果、本キメラ蛋白質にはSpA-Luの約40%の発光活性が残存しており、弱いホモロジー領域が発光活性を担っている可能性が高いと推察している。しかし、C末端側約240個のアミノ酸の削除により発光活性の安定性は顕著に低下したため、ウミホタル・ルシフェラーゼの安定性の維持にはほぼ全体の領域が必要であると結論づけている。

 第7章では、本論文を総括し、今後の展望を述べている。第8章は、結言である。

 以上、本論文は安定性が極めて高いウミホタル・ルシフェラーゼと抗体結合能を持つプロテインAおよびプロテインGとのキメラ蛋白質を作製し、その発光活性ならびに抗体結合能を評価すると共に、本キメラ蛋白質が免疫測定用試薬として生物発光免疫測定システムへ応用可能なことを示したものであり、化学生命工学とくに免疫測定、免疫診断分野の進展に寄与するところが大きい。

 よって本論文ナは博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる。

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