本研究は、韓国の多くの研究者及び経験者などから、その行き過ぎが指摘されつつある韓国高校の学校代表運動部活動を、Quality of Lifeの観点からアプローチし、その現状の解明および在り方を探るものであり、以下のような結論を得ている。 1。部活動の現状は、代表運動部群が一般運動部群や一般文化部群の2群に比べ、部活動の日数、時間がともに非常に多く、部活動の指導者も学外の専門の指導者が多く、代表運動部群の運営がかなり専門性を帯びていることが示唆された。 2。身体面・メンタル面の健康感をみると生きがい感については、3群間に有意差はみられないが、部活動との関連を見ると代表運動部群は、他の2群より関連があるものとして捉えていた。また、逸脱行動については、代表運動部群が最も低く、ついで一般文化部群、一般運動部群の順で逸脱行動を経験していた。また、健康感は3群のうち、代表運動部群が最も低く、部活動の関連性についても他の2群に比べ、全般的に高く捉え代表運動部活動が所属生徒たちの心身の健康に深く関わっていることが考えられた。 3。学校生活全般を見ると、代表運動部群が一般運動部群や一般文化部群に比べて、授業の重視度、他部生徒との同質感が最も低く、部活動による欠損授業及び成績の増減の経験が最も多く、学校先生との関係および校友との関係において部活動中心の傾向が強かった。 4。部活動と将来・進路問題との関連を見ると、代表運動部群は他の2群に比べ、今の部活動が自分の将来や進路に大きく影響し、また、社会に出てからも役立つものとして捉え、代表運動部活動が所属生徒たちの将来や進路問題に深く関わっていることが考えられる。 以上、本研究は韓国高校において代表運動部活動の現状をQOLの観点から明らかにした。本研究は、こらまでに未知に等しかった韓国高校性の学校代表運動部活動によるQOLへの影響を解明するにおいて重要な貢献をなすと考えられ、学位授与に値するものと考えられる。 |