学位論文要旨



No 113888
著者(漢字) 井野,恒洋
著者(英字)
著者(カナ) イノ,ツネヒロ
標題(和) C60アルカリ金属化合物の高圧下における相転移
標題(洋)
報告番号 113888
報告番号 甲13888
学位授与日 1998.12.14
学位種別 課程博士
学位種類 博士(理学)
学位記番号 博理第3482号
研究科 理学系研究科
専攻 物理学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 藤井,保彦
 東京大学 教授 家,泰弘
 東京大学 教授 石川,征靖
 東京大学 教授 小林,孝嘉
 東京大学 教授 毛利,信男
内容要旨 研究の目的

 A1C60(A=Cs,Rb,K)は350K以上の高温でNaCl型のfcc構造、350K以下の低温ではorthorhombic構造となる。Rb1C60やK1C60においては室温のorthorhombic構造においてC60分子が直鎖状にポリマー化していることがP.W.Stephansら[1]のX線構造解析によって知られていた。

 1.A1C60化合物中でもっともアルカリイオンの半径が大きいCs1C60では結晶格子定数が大きくなっていると考えられるため、室温orthorhombic構造のCs1C60においてはC60分子がポリマー化していないと予想される。このことを確認するため、Cs1C60の結晶構造解析を行う。

 2.上記のCs1C60の結晶構造解析の結果、室温常圧のorthorhombic構造Cs1C60においてもC60分子が直鎖状のポリマーを形成していることがわかった。この直鎖状ポリマー構造が高圧下で不安定化し、多様なポリマー状態を生じる可能性がある。このことを確認するため、Cs1C60の結晶構造に対する温度圧力相図を作製した。

 3.上記のCs1C60温度圧力相図作製の結果、相図の範囲に限ればfcc結晶構造の領域がorthorhombic結晶構造の領域に分断されていることが解った。このような相図を与える原因を調べるため、Cs1C60結晶の凝集エネルギーを計算して各構造の安定性を調べる。

 4.Cs1C60のCsをよりイオン半径の小さなアルカリ金属で置換した物質は、Cs1C60より低圧で構造相転移するものと予想される。このことを確認するため、アルカリイオンの平均半径を変化させたA1C60化合物を作製し、高圧下の結晶構造相転移を調べた。

 5.常圧下のCs1C60はT=40K以下で絶縁状態となるが、K1C60は低温まで金属状態であることが知られている。Cs1C60を高圧下で結晶体積がK1C60に匹敵する程度まで圧縮した場合、Cs1C60のバンド構造もK1C60と同様になってCs1C60が金属化することが予想される。このことを確認するため、Cs1C60の電気伝導度の温度依存性を高圧下で調べる。

実験

 単体C60試料を昇華精製後、実験室で合成したCsN3と混合して真空中加熱することでorthorhombic Cs1C60の多結晶試料を作製した。作製後のCs1C60試料は全工程ヘリウム雰囲気グローブボックス中で各種測定用密閉器具に設置した。

 X線回折の実験はKEK放射光施設のBL18Cに、縦型ゴニオメータとイメージングプレートを使用した高分解能粉末X線回折装置を設置して行った。高圧発生には時計型ダイヤモンドアンビルセルを用い、圧力媒体としてアルカリ金属との反応性が乏しいフロリナート75を使用した。

 高圧低温直流電気伝導実験には、低温下で圧力を常に一定に保つ機構を持ったクランプ型の高圧発生装置を使用した。圧力媒体としてフロリナート70とフロリナート76の1:1混合物を使用した。グローブボックス中で金または銀ペーストを使用して、サンプル上に金線の電極を設置した。

結果

 Cs1C60の室温常圧におけるX線回折ピークプロファイルをガウス-ローレンツ型ピーク関数でフィッティングを実行し、各ピークの積分強度比を求めた。得られたピーク強度比に対してC60を球殻で近似したモデルでフィッティングを試みたが、強度Rファクターは20%程度であった。合計11種類のモデルによるフィッティングを試みた結果、C60分子上の個々の炭素原子座標を導入し、隣り合うC60分子同士が四員環を形成し、四員環上の炭素原子の結合による変位を導入したモデルC1dによって図1のように強度Rファクターが3.4%まで低下する結果となった。

図1:室温orthorhombic Cs1C60のX線回折ピーク強度のフィッティング。

 様々な温度圧力下でCs1C60の高分解能X線回折実験を行うことで得られた結晶構造の相図を図2にまとめて示した。

図2:Cs1C60の結晶構造に対する温度圧力相図。(a)相図。(b)測定範囲。

 上記のCs1C60の温度圧力相図上に限れば、高圧fcc相と高温fcc相の間をorthorhombic相が分断している。この原因を調べるため、各々の結晶構造が持つ凝集エネルギーを計算した結果を図3に示した。

図3:Cs1C60の各結晶構造に対する凝集エネルギー。各圧力下の実際の結晶格子定数を用いて計算している。

 Cs1C60の0.6GPa以上の高圧下における電気伝導度の温度依存性は、Sheng Modelで記述できる粒界効果が存在する金属状態で記述できることが解った。F.Bommeliら[3]のESRの結果では常圧T<40KのCs1C60は絶縁体であったことを用いると、Cs1C60が高圧下で絶縁体状態から金属状態へ相転移したことを示せる。図4に示したように金属状態になる圧力におけるCs1C60の体積は、全温度領域で金属的であるK1C60の体積と同程度であることが解った。

図4:Cs1C60の結晶体積と電気伝導度の関係。横軸が高圧下あるいはアルカリ置換による体積変化、縦軸が温度である。
結論1.orthorhombic Cs1C60結晶構造の決定

 A1C60化合物中最大の結晶体積を持つorthorhombic Cs1C60に対して詳細なX線構造解析を行い、従来から知られていたRb1C60やK1C60の直鎖状ポリマーと良く似た結晶構造であることが解った。一致する部分はorthorhombic Cs1C60結晶中でa軸方向に隣り合うC60分子同士が、結合部位の二重結合を乖離して四員環を作ることによって重合している点である。異なる部分は四員環面とb軸の成す角がCs1C60の場合は56°となって五員環と二重結合を向き合わせる状態で配列される点と、隣り合うC60分子間の距離が1.64Åとやや長い点である。Cs1C60のアルカリ金属充填率は88%であることが解った。

2.Cs1C60化合物に対する温度-圧力相図の作成

 Cs1C60に対してX線回折実験を行って温度-圧力相図を作成し、室温常圧でorthorhombic構造だったCs1C60が300K,8.3GPa以上の高圧下で相転移を起こすことを発見した。高圧下のCs1C60は、C60を球殻近似したfccモデルによって良く説明できる。Cs1C60の圧縮曲線は相転移の前後で折れ曲がり、高圧fcc側で大きな体積弾性率を示すことが解った。orthorhombic相と高圧fcc相の境界線はほぼ圧力軸に平行である。さらにCs1C60の相図上で高温fcc相とorthorhombic相の境界を確定し、両相の境界の傾きから見積もった相転移時の比熱はL.Granasyら[2]が直接測定した値とほぼ等しいことが解った。一方でESRから金属絶縁体転移の存在が示されている40K,0GPa付近において何の異常も観測されず、超格子的な変位の上限値は、以下であることを見出した。

3.Cs1C60化合物のfcc相およびorthorhombic相の安定性

 Cs1C60に対して凝集エネルギーを見積もることによって相転移機構の解明を試みた。イオン結合エネルギーと分子間力結合エネルギーを計算することで、C60分子同士の共有結合エネルギーを1.17eV/結合と見積もった。高圧下においてCs1C60は高温fcc相よりorthorhombic相の方がエネルギーが低く、安定であることが解った。これは高圧下で高温fcc相からorthorhombic相へ相転移する実験事実を説明できる結果である。一方で高圧fcc相は高圧下におけるC60分子の縮小を考慮してもorthorhombic相よりエネルギーが高く、高圧fcc相の存在をファンデルワールス力的な結合だけでは説明できないことが明らかとなった。高圧fcc相はポリマー化することによってエネルギーを低下させている可能性がある。

4.A1C60(A=Cs,Rb,Cs(1-x)Rbx)化合物の構造相転移圧力に対するアルカリイオン置換効果

 Cs1C60より結晶体積が小さいRb1C60やCs(1-x)RbxC60に対して、高圧fcc相に相転移する圧力を調べた。その結果、単一のアルカリ金属のみが含まれるCs1C60やRb1C60より、複数のアルカリ金属が含まれるCs(1-x)RbxC60の相転移圧力が高いことが分かった。相転移圧力のアルカリイオン置換効果を理解するためには今後の更なる研究を要する。

5.高圧下でCs1C60が金属状態になることの発見

 Cs1C60に対して高圧下の電気伝導度温度変化の測定を行い、0.6GPa以上の高圧下でT→0Kの電気伝導が有限値となり、金属状態になることを発見した。本実験結果のみでは0.1GPa以下のCs1C60が絶縁体状態である可能性と金属状態である可能性が考えられる。F.Bommeliら[3]のESRの結果では、常圧Ti40KのCs1C60は絶縁体であったことを用いると、Cs1C60が高圧下で絶縁体状態から金属状態へ相転移したことを示せる。金属状態になる圧力におけるCs1C60の体積は、全温度領域で金属的であるK1C60の体積と同程度であることが解った。

 本研究によって、球対称な殻状分子であるC60が、Cs1C60化合物を作ることによって新たに発見された相を含む多様な結晶構造を取ることが明らかになり、Cs1C60化合物のポリマー化に関する新たな知見が得られた。凝集エネルギー的考察によって、温度-圧力相図内で現れる各相について統一的解釈を与えた。電気伝導についてはRb1C60やK1C60と統一的な観点でA1C60(A=Cs,Rb,K,Cs(1-x)Rbx)化合物系として取り扱うことが出来たものと思われる。

参考文献[1]P.W.Stephens,et al,Nature 370,636(1994).[2]L.Granasy,et al,Phys.Rev.B53(1996)5059.[3]F.Bommeli,et al,Phys.Rev.B51(1995),14794.
審査要旨

 本研究はC60アルカリ金属化合物のうち特にCs1C60の高低温・高圧下における結晶構造を、シンクロトロンX線解析により系統的に調べることにより、初めてその温度・圧力相図を作成し、新たに発見した高圧fcc構造を含む各相の結晶構造の安定性を明らかにする一方、圧力下の電気抵抗測定により圧力誘起金属-絶縁体転移を明らかにしたものである。

 本論文は全体で5章から成り、まづ第1章・序論では、本研究の背景としてC60アルカリ金属化合物A1C60(A=K,Cs,Rb)の結晶構造と電気的特性の現在までの研究の流れ、特にC60分子が重合したK1C60,Rb1C60のポリマー構造の詳細について述べてある。そして、最大イオン半径を持つA=Csの化合物Cs1C60を用い、さらに圧力により分子間距離を制御することにより、ポリマー化の機構とそれに伴う電気的特性を解明しようとする明確な研究動機と目的が示されている。

 第2章・実験では、まづ本論文提出者自ら作製した一連の試料A1C60(A=K,Rb,Cs)及びCs1-xRbxC60混晶の作製方法と、これら強嫌気性の試料の取り扱いの特別の工夫が述べてある。特に高圧力実験用のダイヤモンドアンビルセル(DAC)への試料装填は論文提出者が試行錯誤を繰り返して独自に考案した方法であり、高純度ヘリウムを充填したグローブボックス内にモニター用カメラを装着した顕微鏡とDAC加圧冶具をセットし、注意深くすり潰して粉末結晶化した試料を圧力媒体のフロリナートと測圧用ルビーと共に直径約0.5mmの金属ガスケット孔に的確に挿入する方法を開発して本実験を成功に導いた。これまでC60アルカリ金属化合物のDACによる高圧力実験はほとんどなく、本手法はそれに新たな道を開くものと期待される。X線回折による構造解析のためには、DAC内に装填された試料体積が極めて少量のため、高輝度X線源である放射光を単色・集光し、さらに高感度X線フィルムの役割を果たすイメージングプレート(IP)を検出器として利用し、圧力0.1MPa(常圧)<P<21GPa、温度10K<T<470Kの領域で信頼性の高い回折パターンを得ることに成功している。一方、高圧電気伝導度の測定は、毛利研究室(東大物性研究所)のクランプセル型高圧発生装置を用いた共同研究として実施しているが、ここでも本論文提出者による強嫌気性の試料をグローブボックス内でペレット状に成形する工夫がなされている。

 第3章は実験結果と解析である。まづ3.1節において、IP上に記録した粉末試料からのデバイ・シェラーリングの2次元X線回折パターンを、各リングに沿って積分し、通常の回折強度対回折角度の1次元データに変換する。本実験では入射X線は水平・垂直両方向に全反射ミラーで集光されているため、回折ピークが単純な単一関数ではうまくフィットできないが、筆者はガウス関数とローレンツ関数の重み付の和関数で非常によくフィット出来ることを見い出し、各ピークの回折角度と積分強度を信頼度高く得ている。そして、前者のデータから各温度・圧力における結晶の対称性と格子定数を求めている。中でも混晶系のCs1-xRbxC60は室温・常圧において斜方晶系に属し、その格子定数は組成変化に対して直線的に変化する、いわゆるベガール則が成り立ち、固溶系として安定して存在することを初めて示した。3.2節では、広範な温度・圧力領域で測定したCs1C60の結晶対称性をもとに相図を作成している。そして常温・常圧の斜方晶構造が360K(常圧)以上でこれまで報告されている面心立方晶fccに相転移することを確認した後、圧力を上昇しこの相境界が2.7MPa/Kの急峻な正の勾配を持つことを決定した。一方、室温加圧過程において、8.3GPaにおいて相転移が起こり、高圧力相は立方晶系fccに属すことを新たに発見した。これら2つのfcc相が、相図上で同一相か、異なった相に属すかは、極めて興味ある事柄であるが、それは次章において詳しく考察されている。3.3節ではCs1-xRbxC60のx=0.3,0.7,1.0の化合物について室温高圧下の格子定数を精密に測定し、各結晶軸の圧縮率、ならびに体積弾性率を決定した。これらの測定は基礎的に重要なデータを提供する。3.4節では低温高圧下におけるCs1C60の直流電気抵抗を、0.1-2.5GPaの圧力領域で6点の圧力を設定して、4.2-300Kの範囲で温度を変えて測定した結果を示している。そして、圧力0.6GPa以上で急激に金属的な振る舞いをする様子を観測しており、次節においてモデルに基づく解析を行う。

 第4章・考察では、まづ4.1節において室温常圧におけるX線回折データを用いて斜方晶Cs1C60の精密な結晶構造解析を行っている。C60分子を球殻として扱う近似から始めて10数個の結晶モデルを次第に精密化して行き、C60分子に含まれる60個の全炭素原子の位置を考慮して最終的にa軸方向に隣り合うC60分子同士が結合部位の二重結合を乖離して四員環を作ることによって重合しているポリマー構造に行き着いた。そして、その結晶の空間群はP2/m21/n21/n(Pmnn-D2h12)であること、分子間結合距離は1.50Å,R因子=3.3%と求まり、K1C60,Rb1C60で観測されているポリマー構造と類似していることを明らかにした。しかし、これらK,Rb化合物と異なるのは、重合している四員環面とb軸のなす角度が45度ではなく、56度であるという点である。この配置では異なる重合鎖に属して隣り合うC60分子同士が、一方の五員環の中心と他方の六員環の二重結合をほぼ正対していることになり、電荷的に疎な前者と密な後者が静電的相互作用を介してその相対配置を決定しているとして良く理解できる。また、Cs原子の充填率は約90%であることも解った。このようなCs1C60化合物の詳細な結晶構造解析は初めてであり、重要なデータを提供する。4.2節においては同化合物の温度・圧力相図について、特に常圧高温のfcc相と室温高圧のfcc相について詳細な考察が行われている。両者ともC60を球殻モデルで解析した結果、常圧高温fccは分子半径3.52Å,最近接分子間の結合距離2.94Åを持つ一方、室温高圧fccは8.3GPaにおいて、それぞれ3.59Å,2.2Åであることが解った。これら2つのfcc相の安定性について、4.3節ではそれらの凝集エネルギーを計算して考察を進めている。すなわち、マーデリングエネルギー、C60とCsの反発エネルギー、C60同士の結合エネルギーを、斜方晶系、2つの面心立方晶系fccの各々について見積もることにより、高温fccは加圧とともに斜方晶系に相転移する事実を説明できるが、高圧fcc相はこれらの相互作用のみでは安定化されないことを示し、高圧fccはポリマー化することによるエネルギー利得があるのではないかと推論している。すなわち、高温fccはC60分子がほぼ自由回転している状態であるのに対し、高圧fccは恐らくC60ポリマーからなる構造であろうと推定している。4.4節ではCs1-xRbxC60のx=0.3,0.7,1.0の化合物について斜方晶(低圧相)→面心立方晶(高圧相)への相転移圧力の系統性を調べ、すでに本実験で得られているx=0(Cs1C60)と比較検討し、3元系化合物では転移圧力が上昇することを見い出したが、その理由については今後の課題として残してある。4.5節においては前章で測定した高圧下の電気伝導度対温度データを、絶縁体の粒界によって隔てられている金属粒子のモデル(Sheng Model)を用いて解析している。粉末試料を加圧成形した試料を用いているので、その粒界が絶縁体に相当すると仮定していることになる。このモデルによる式を各圧力のデータにフィットすることにより、T→0Kの電気伝導度が0.6GPa以上の高圧領域で有限となる結果を得て、Cs1C60がこの圧力下で圧力誘起絶縁体→金属転移すると主張している。しかし、本実験では常圧において絶縁体であることの明確な実験的証拠が得られていないので、以前報告のあるBommeli et al.のESRの結果と総合してそのような結論を導いている。なお、この金属相におけるCs1C60の単位胞体積は、既に金属であるK1C60とほぼ同一であることを構造的の面から指摘している。4.6節は高圧下におけるX線回折実験と電気伝導度の結果を、物理的圧力と化学的圧力(アルカリ原子の種類による)として整理し、これまで報告のあるC60アルカリ金属化合物A1C60(A=K,Rb,Cs)における絶縁体→金属転移圧力を単位胞体積の関数としてプロットし、絶縁体相と金属相の存在する領域が整理できることを示している。

 最終の第5章は本研究のまとめに当てられており、巻末にはX線回折強度計算式を整理集録してある。

 以上、本論文はC60アルカリ金属化合物のうち特にCs1C60の高低温・高圧下における結晶構造を、シンクロトロンX線解析により系統的に調べることにより、初めてその温度・圧力相図を作成し、新たに発見した高圧fcc構造を含む各相の結晶構造の安定性を明らかにした。そして、この化合物が圧力誘起絶縁体-金属転移することを見い出した。これらの研究結果は関係分野に重要なインパクトを与えるオリジナルな成果として評価できる。

 よって、博士(理学)の学位を授与できるものと認める。

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