学位論文要旨



No 114273
著者(漢字) 作村,勇一
著者(英字)
著者(カナ) サクムラ,ユウイチ
標題(和) 単一ニューロンの情報処理における神経膜能動特性の役割に関する研究
標題(洋) Roles of Neuronal Active Properties in a Single Neuronal Information Processing
報告番号 114273
報告番号 甲14273
学位授与日 1999.03.29
学位種別 課程博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 博工第4399号
研究科 工学系研究科
専攻 計数工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 合原,一幸
 東京大学 教授 伏見,正則
 東京大学 教授 岡部,洋一
 東京大学 教授 吉澤,修治
 東京大学 助教授 村重,淳
 東京大学 講師 堀田,武彦
内容要旨 1研究動機

 数理的・工学的アプローチによる脳研究は長年にわたって行なわれてきたが,現実の脳の情報処理機構の本当の原理を解明するという目的から少し離れている所が見受けられた.ところが近年,bottom-up的な研究が見直され,1個の神経細胞の性質を改めて考え直すための数理工学的研究も盛んになってきた.集団(脳)の挙動は,それを構成する要素(神経細胞)の性質によって大きく変化するため,その要素の機能を解明することは非常に重要なことである.そのような経緯から,本研究では単一神経細胞レベルの脳内情報処理を解明するため,現実の神経細胞の性質を良く表現するHodgkin-Huxley方程式の解析を行なった.

2Hodgkin-Huxley方程式とシナプスモデル

 神経細胞はシナプス入力を受けると内部の電位を急激に上昇させて電気パルス(スパイク)を発生し,結合先の神経細胞に情報を伝達すると考えられている.以下に示すHodgkin-Huxley方程式はこの様子を上手く表現する.

 

 

 ここで内部電位Vは静止電位Vrest=-65(mV)を基準としており,他のパラメータはVNa=50.0-Vrest,VK=-77.0-Vrest,Vl=-54.4-Vrest(mV)である.Naチャンネルの活性化,不活性化,Kチャンネルの活性化を表わすm,h,nの方程式におけるxx(x=m,h,n)はVの関数1である.

 

 (1)式におけるIsynは細胞膜の単位面積当たりのシナプス電流であり,シナプスコンダクタンスgsynを使って以下のように表わされる.

 

 

図表

 ここでtiはシナプス入力時刻(ミリ秒)であり,神経細胞は半径r=20mの球体と見なした.gsynがこのように時間の関数で近似できることは生理学的に分かっていることである.またここでは興奮・抑制とも,それぞれが全て同一パタメータのシナプス入力とする.

3情報処理の時間スケール

 これまでの単一神経細胞の数理モデルの多くは,単位時間のスパイク頻度を入出力に使われる情報と仮定している.そして神経細胞の内部状態は,入力スパイク頻度にシナプス結合の強さをかけることによって決定されるとしてきた.単位時間の頻度のみを情報としているということは,単位時間内における入力スパイクの時間的なパターンは出力に無関係であることになる.そのような時間幅はどれくらいであろうか.このような疑問を抱く理由は,もしこの時間幅が非常に小さいものであるならば,入力の頻度というものを決めることができないからである.

 この時間幅を推定するために,いくつかの時間幅W内でN個の入力タイミングtiを一様分布で作成し,(1)式の数値計算を行なった.図1はN個目の入力で発火するために必要なgpeakの大きさ(gth;gpeakの閾値)を求めた例である.図は入力パターンによって細胞の発火のし易さが大きく異なることを示している(MAXgthとMINgth).ではこの差は時間幅Wにどれだけ依存しているであろうか?これを見るためにMAXgthとMINgthの比と差を求めたのが図2である.発火の如何が入力パターンに依存しない理想の状況を考えると,比は1となり,差は0とならなければならない.しかし図よりそのような値になるためには1ミリ秒程度ということになってしまう.比や差に関して多少の許容範囲を認めたとしても,数ミリ秒が妥当なところである.したがって,神経細胞の入力スパイクを処理する時間スケールも数ミリ秒とすべきである.細胞が発火したとき,スパイクとその後に必ず発生する不応期の時間幅の総和も数ミリ秒レベルであることから,この計算で得られた時間幅における1つのシナプスから受けとるスパイク数は1か0となる.この事実は,発火頻度よりもむしろそのような短かい時間幅に入力されるためのタイミングの方を細胞が情報としていると言ってよいだろう.

図1:(左)一様分布で作成した入力パターンを,発火のしにくい順に上から並べたもの(tpeak=1.0msec,N=9,and W=3.0 msec).(右)左図のパターンで発火に必要なgpeakの大きさを横軸にとって描いたもの.図2:(左)MAXgthとMINgthの比をいくつかの時間幅W(横軸)と入力個数Nについて求めたもの.(右)全ての入力のgpeakの差の総和(MAXgthとMINgthの差とNの積)をいくつかの時間輻Wと入力個数Nについて求めたもの.点線は5.0nSであり,細胞はgpeak=5.15nS(tpeak=1.0msec)である入力1個で発火することから,その値の大きさが分かる.図3:(上)細胞の入出力関係の模式図.まずPoisson過程からfsig Hzの頻度で時刻iを決め,次に各iを平均とする標準偏差sigの正規分布でPsig個のスパイクタイミング(興奮性)を決めて1つの信号パケットとする((1)).こうして作られた凝集性のスパイクパケット列と,興奮性と抑制性のPiossonノイズ((2)(3),頻度はそれぞれfexc,finh Hz)を細胞に入力し,出力スパイク時刻((4))を計測する.(下)入力信号パケット時刻(i)と出力スパイク時刻からなるn組のスパイク列を一定のbin幅で区切ったもの.このとき各binのスパイク数はXi,Yi∈{0,1}(i=1,…,n)となるように4ミリ秒とした.計測時間は1200ミリ秒であり,解析には後半の1000ミリ秒のスパイク列を用いる.
4バックグラウンドノイズの役割

 近年Stochastic Resonance(確率共振,以下SR)という現象に関する研究が様々な分野で盛んに行なわれている.これは弱い信号がノイズと確率的に共振することによって増幅され,非線形システムからその信号が検出されるという現象である.その際,最も良い検出をするためにはノイズが強すぎても弱すぎてもいけない.脳研究におけるSR研究も含めて,ノイズとしては平均0の白色ノイズ,信号としてsin関数などが用いられている.しかし特に脳研究においては,もう少し現実的なモデルを仮定できると思われる.そこで本研究では,ノイズとしてPoisson過程のランダムスパイクを,信号としてはある程度凝集したスパイクパケットのタイミングを仮定し,SRの可能性を試みた.

 図3は本研究におけるSRの方法を模式化したものである.SRでは入力信号が何如に出力として検出されたかを数値化する必要があるので,ここでは"shuffled predictor"と呼ばれる以下の式を用いる.

 

 

 ここでX,Yはそれぞれbin番号jXとjYにおける総スパイク数であり,Zはそのbin番号間の同期スパイク数である.このC0(jX,jY)はベクトルx=(X1,X2,…,Xn),y=(Y1,Y2,…,Yn)がどれだけ近いかを表わす,[-1,1]の正規化された相互相関係数である.しかしここではスパイク列全体の相互相関を見る必要があるので,入出力スパイク列間でbin数kだけディレイのある全てのbin間のC0(jX,jY)の平均

 

 を求める(bin幅4ミリ秒,n=300).図4は上式を用いて実際に-5k5のkに対するC(k)を描いたものである.この図からfexcが5000Hzのときよりも3000Hzのときの方が相関係数のピーク値が大きく,そのピークは信号入力時刻から数ミリ秒後であることが分かる.

 さて,図4で見られたC(k)のピークはノイズの強さを表わすfexcにによってどうのような値を持つかを調べることが,ここでの目的である.その結果をfexcを横軸にとって描いたものが図5である.この図から興奮性ノイズ頻度が2000-3000Hzのときに信号のパターンを一番よく検出していることが分かる.これは,興奮性ノイズが小さい(fexcが小)ときは細胞の発火数が少ないため,ノイズが大きいとき(fexcが大)はバースト発火によって発火数が多すぎるためにC(k)のピークが小さくなるのである.前述したように,SRは適度な強さのノイズのときに信号検出能力が最大になる現象のことをいうが,図5の結果はまさにそのような結果を示していると思われる.

 しかし,本当に確率的な共振によって信号が検出されているのであろうか?というのはfexcの増加に共なって,入力平均も増加しているため,図5の結果は単にバイアス入力による底上げに過ぎないのではないかという反論が考えられるからである.確かに図6からも分かるように,fexcの増加とともに総シナプスコンダクタンス((4)式のgsyn(t-ti)/4r2)の平均と標準偏差は増加している.しかも平均は標準偏差よりも1桁オーダーが大きい.したがって上の反論は信憑性が高く,もしその通りであればこの信号検出に確率的要素はほとんどないことになってしまう.

 そこで,図5と同じ計算を,興奮性コンダクタンスの平均値にバイアスをかけて行なった結果が図7である.この図の結果は,平均値の大きさが信号検出のための底上げをしているわけではないことを示している.実際,図8を見ても分かるように,fexc=8000Hzのときでさえ,信号は半分程度かそれ以下しか検出できていない.もし底上げ効果が効いているのなら,検出率はもっと高いはずである.では何が信号検出を行なっているかは図9がよく示している.つまり,ノイズの興奮性が一度減少した後,急激な増加をし,同時にノイズの抑制性が減少しているときに信号が検出されているのである.これはシナプス電流(Isyn)が急激に増加するときであり,各fexcにおける標準偏差(変化の度合)が信号検出の指標であることを意味する.したがって,図5の結果はSR現象と言える.

 以上のような結果は神経細胞の「刺激の変化に対する鋭敏性」による.例えば図10は,シナプスコンダクタンスの大きさよりも変化があるときに細胞が発火するということをはっきりと示している.これは細胞の閾値が上昇したためであるが,図11はその閾値がどれだけ変化するかを表わしている.この図によるとコンダクタンスの底上げがあったとしても,閾値が下るわけではないことが分かる.こういった閾値上昇現象は生理学的にも古くから研究されており,Naチャンネルの不活性化などが原因とされ,(1)式からもそれを示すことができる.この事実は神経細胞がmodulation detector(変調検出器)という側面を持っていることを示すと同時に,伝統的な数理モデルとは大きく異なることを物語っている.

 脳内に頻度をコントロールでき,ランダム発火する領野があれば,それは本研究のようなバックグラウンドノイズのような働きをして,情報処理をする際に特定の情報を選んで検出する,いわゆる「選択的注意」の役割を果しているかもしれない.

図4: 信号スパイク列と出力スパイク列との相互相関の例.fsig=40Hz,sig=0.5msec,Psig=6,finh=50Hzで左がfexc=3000Hz,右がfexc=5000Hzの場合である.図5:図4の相関のピーク値を興奮性ノイズスパイクの頻度別にプロットしたもの.finh=10,50,100Hzの3種類の抑制性の場合について計算した.図中の数字の組は(Psig,sig)を表わす.図6:興奮性シナプス入力(gpeak=0.5)を異なる頻度(横軸)で行なったときの,興奮性シナプスコンダクタンスの平均(左図)と標準偏差(右図).ともに200ミリ秒の間計算させた後の100秒間について求めた.左図の直線と右図の曲線がに比例することは解析的に求められる.図7:図5の(Psig,sig)=(6,0.5)の場合と同じパラメータを使い,かつ左上の模式図が示すようにコンダクタンスの平均に一定のバイアスを強制的にかけたときのC(k)のピーク値を描いたもの.図において興奮性コンダクタンスの変化の仕方,あるいはその標準偏差は各fexcで同じであり,同じ線でリンクされた点は全て同じ平均コンダクタンスであることを意味する.例えば,finh=10Hzの図で矢印が差す点は興奮性コンダクタンスの平均がfexc=5kHzの値で標準偏差がfexc=3kHzの値である.図8:信号パケットの数に対する,3ミリ秒内で出力されたスパイクの数の割合.つまり信号検出の割合.図9:fexc=3000のときのreverse correlation.信号が入力された時刻から3ミリ秒内に出力されたスパイクの時刻を0とし,その前後で興奮性・抑制性ノイズがどのように入ってきたかをヒストグラムにして正規化したもの(横軸はミリ秒).図10:特殊な興奮性コンダクタンス変化(上)をさせた場合のシナプス電流(中)と電位変化V+Vrest(下).矩形のコンダクタンス変化の高さ(0.2mS/cm2)は,200ミリ秒以降の(4)式によるコンダクタンス変化の最大値の約2倍の大きさである.図11:興奮性gstepで膜電位が静止した後に(4)式のシナプス入力(tpeak=2.0msec)を上乗せして,ニューロンが発火するのに必要なgpeakの大きさgthを求めたもの(上図はコンダクタンス変化の模式図).横軸はgstepの値(mS/cm2)で,縦軸はgthの値(nS).4種類の抑制性gconst(上から0.3,0.2,0.1,0.0mS/cm2,Esyn=EinhmV)がある場合について描いた.途中でgpeakが0になるのは興奮性gstepのみでニューロンがバースト発火することを示す.
審査要旨

 近年,脳神経科学分野において,単一のニューロン(神経細胞)の性質を改めて考え直すbottom-up的研究が盛んになってきている.集団(脳)の挙動は,それを構成する要素(ニューロン)の性質によって大きく変化するため,その要素の機能を解明することの重要性は高い.本研究では現実のニューロンの性質を良く表現するHodgkin-Huxley方程式を用い,情報処理という観点から,入出力の時間変動データを解析することによって,単一ニューロンの機能を解明することを目的とする.

 本論文は,"Roles of Neuronal Active Properties in a Single Neuronal Information Processing"(和文題目「単一ニューロンの情報処理における神経膜能動特性の役割に関する研究」)と題し,6章より成る.

 第1章は序論で,本研究の動機と目的を述べている.

 第2章は"Cell Membrane Mechanism and Its Model"と題し,実際の神経膜の構造(イオンチャンネル,静止膜電位,活動電位のメカニズム)の解説をし,現実のニューロンの性質を良く表現するHodgkin-Huxley方程式とシナプスモデルとしてのalpha関数の解説を行なった.

 第3章は"Neuronal Time Window"と題する.これまでの単一ニューロンの数理モデルの多くは,単位時間のスパイク頻度が情報を担うと仮定している.単位時間の頻度のみを情報としているということは,単位時間内における入力スパイクの時間的なパターンは出力に無関係であることになる.このような時間幅を推定するために,次の方法で数値計算を行なった.まず,特定の時間幅に特定の数の入力タイミングのパターンを一様分布でいくつか作成する.次に,各々の入力パターンにおける最後の入力でニューロンが発火するために必要なシナプス入力の大きさ求める.このとき全ての入力の大きさは同じとする.このような操作を様々な時間幅と入力個数について行なう.この解析の結果,入力パターンによってニューロンが発火するためのシナプス入力の大きさにはかなりの違いが見られた.そこで,その違いの「比」と「差」を計算した.発火の如何が入力パターンに依存しない理想の状況を考えると,比は1となり,差は0とならなければならない.しかし結果は,そのような値になるためには1ミリ秒程度ということになってしまうことが分かった.比や差に関して多少の許容範囲を認めても,数ミリ秒が妥当であった.したがって,ニューロンの入力スパイクを処理する時間スケールも数ミリ秒程度と見なすことができる.活動電位と不応期の総時間幅も数ミリ秒レベルであることから,計算結果から得られた時間幅において1つのシナプスから受けとるスパイク数は1か0となる.この事実は,発火頻度よりもむしろそのような短かい時間幅に入力されるためのタイミングの方が情報を担っている可能性が示唆している.

 第4章は"Information Processing with Noise"と題する.近年Stochastic Resonance(確率共振,以下SR)という現象に関する研究が様々な分野で盛んに行なわれている.これは弱い信号がノイズと確率的に共振・増幅され,非線形システムからその信号が検出されるという現象である.その際,最も良い検出をするためにはノイズが強すぎても弱すぎてもいけない.従来のSR研究においては,ノイズとして平均0の白色ノイズ,信号としてsin関数などが用いられている.しかし脳研究においては,もう少し現実的なモデルを仮定できると思われる.すなわち本研究では,ノイズとして興奮性と抑制性のPoisson過程のランダムスパイクを仮定した.信号としてはスパイクのタイミングを仮定した.これは前章の情報処理の時間幅に関する研究結果を考慮している.Hodgkin-Huxley方程式とalpha関数を用いて,以上の入力を行ない,出力スパイク時刻を計測する.

 信号入力スパイク列と出力スパイク列の相互相関係数を,興奮性のノイズシナプス入力の頻度をパラメータとして求めると,興奮性ノイズがある頻度のときに相関係数が最大となり,その頻度より小さくても大きくても相関が減少することが分かった.これは,興奮性ノイズが小さいときは細胞の発火数が少ないため,ノイズが大きいときはバースト発火によって発火数が多すぎるために相互相関係数が小さくなるからである.SRは適度な強さのノイズのときに信号検出能力が最大になる現象のことをいうが,この結果は単一ニューロンにおける同様の結果を示しているように見える.しかし,この結果は比較的平坦な背景活性の上昇によるもので,「確率的な共振」によって信号が検出されているのではない,という反論が考えられる.実際,興奮性ノイズ頻度の増加に共なって,入力の標準偏差とともに平均も増加する.しかも平均は標準偏差より1桁大きいオーダーとなる.そこで,興奮性コンダクタンスの平均値にバイアスをかけることで,入力の標準偏差(変化の仕方)を変えずに平均を様々に変えて,入出力の相互相関係数を求めた.その結果,ノイズの平均値ではなく,ノイズの適度な標準偏差(ノイズの確率的変化の大きさ)が信号検出の役割を果たしていることが分かった.

 第5章は"Membrane Analysis"と題して,前章の結果を生じるメカニズムについて解析した.その結果,Hodgkin-Huxley方程式で表わされるニューロンが刺激の大きさ(ノイズ平均)よりも刺激の変化(ノイズ標準偏差)に対して鋭敏である性質が原因であることが明らかとなった.これは細胞の閾値が容易に変化し上昇するためであり,一定刺激を加えると,その刺激と同じくらいの大きさの閾値上昇が見られることも分かった.こうした閾値上昇現象は生理学的にも古くから研究されている.この事実はニューロンがmodulation detector(変調検出器)という側面を持っていることを示している.また生理学の研究で関係深い実験結果との関連についての考察も行なった.

 第6章は結論で,本研究の各章の結果をまとめた.特に背景活性に関しては,「選択的注意」の役割を果しているかもしれないという点で,非常に興味深いと言える.また,最後には今後の課題を列挙した.

 以上を要するに,本論文はHudgkin-Huxley方程式を用いて,入力パターンの時間スケールと発火の関係を考察し,さらに興奮性ノイズが発火に与える影響について解明したものである.これは数理工学上貢献するところが大きい.よって本論文は東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻における博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる.

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