学位論文要旨



No 114325
著者(漢字) 野田,優
著者(英字)
著者(カナ) ノダ,スグル
標題(和) 気-固界面における気相OHラジカルの生成と反応
標題(洋) Generation and Reaction of Gas-Phase Hydroxyl Radicals in Gas-Solid Interfaces
報告番号 114325
報告番号 甲14325
学位授与日 1999.03.29
学位種別 課程博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 博工第4451号
研究科 工学系研究科
専攻 化学システム工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 定方,正毅
 東京大学 教授 幸田,清一郎
 東京大学 教授 小宮山,宏
 東京大学 教授 越,光男
 東京大学 助教授 水野,哲孝
内容要旨 第1章緒言

 気相OHラジカルは強い酸化力を有すとともに、燃焼系や大気化学1における主要な連鎖担体として知られているため、種々の反応の促進・制御への応用が期待される。しかしながら、気相ラジカル種はその活性の高さ故に容易に失活する点が、応用面での障害になっている。

 近年、気-固触媒反応において触媒表面から気相ラジカル種、特にOHが脱離することがわかってきた。従来の気-固触媒反応では、構造の複雑な生成物を生成するために、選択性の低い気相反応を抑制する方向で研究が行われていた。しかしながら、燃焼系の様に熱力学的に安定で構造の単純な生成物を得る際には、気相反応においても十分な選択性が得られる。速度論の観点からは物質輸送律速に支配される表面反応よりも気相反応の方が有利になるため、触媒表面反応によって誘起または安定化された気相均一反応が盛んに研究されている2.3

 本研究では気-固界面での気相OHラジカルの生成と反応を体系的に調べた。生成については、速度論的制御および熱力学的制御を試みた。第3章で、気-固触媒反応におけるOH生成を調べた。気相反応物-生成物間の部分平衡によってOH生成が支配されている条件下で、触媒による速度論的促進を試みた。第4章で、固体化合物の熱分解過程におけるOH生成を調べた。固体反応物-気相・固相生成物間の部分平衡によってOH生成が支配される条件下で、温度制御により固体反応物の熱力学的安定性を操作することで平衡濃度以上のOH生成を試みた。反応については生成場と反応場の分離および失活の抑制を念頭に、系を設計した。第5章で、OHを介した固-気-固触媒反応という新しい触媒反応の形態を研究した。触媒表面で生成、固体反応物表面で反応と、両者を分離しながらも、気相平衡濃度以下のOHを用いることで失活を抑制し、サイクルによる反応促進を試みた。第6章では、固体化合物の熱分解過程で生成するOHによる新しい気相着火現象を調べた。固相で熱力学平衡濃度以上のOHを生成し、気相へ供給することで、隣接した2つの場を用い失活を抑え、連鎖反応による反応促進を試みた。

第2章レーザー誘起蛍光法による固体表面近傍のOH絶対濃度測定

 レーザー誘起蛍光(LIF)法でOHの絶対濃度測定を行った。図1の様に、実験系は主に真空反応器、LIF測定系、四重極質量分析器(Q-MS)からなっている。本論文中の実験では、励起と測定の波長が異なる遷移を選択することでレーザー光の固体表面での散乱を抑制し、温度依存性の小さい遷移を選択することで広い温度域での測定を可能にした。文献値が揃っていないOH励起分子の衝突緩和については、石英製反応管を用いた予備実験によって補正し、相対濃度を導出し(図2)、平衡濃度のOH測定によるキャリブレーションから絶対濃度に換算した。

図1 実験系概略図図2 LIF強度とOH相対濃度▲LIF強度 ●相対濃度換算結果 ○相対濃度直接測定 -理論値
第3章気-固不均一触媒反応系におけるOH生成

 貴金属触媒、特にPt上でのOH生成については、表面化学の分野で実験による詳細な検討がなされており、中性化学種間の素反応に基づくシミュレーション計算によりOH生成を定量的に説明できるようになっている4-6。しかしながら、貴金属触媒は高価であり、高温場では揮散によって劣化し易いという欠点がある。一方、酸化物系については、Lusnfordらのグループによるランタノイド系酸化物の研究例7.8のみがあり、イオン種を含んだ反応機構により定性的な説明がなされ、塩基性が強い酸化物ほどOH生成に高活性であることが示されている。

 本研究では、代表的な塩基性酸化物である2A族酸化物の触媒活性を調べ、代表的な触媒であるPtおよび不活性な-Al2O3と比較した。反応物としては、系の熱力学平衡を支配している安定成分であるH2O/O2と、熱力学的に不安定であるH2/O2を用い、前者では熱力学平衡濃度以下での、後者ではH2/O2/OH系の比較的高い部分平衡濃度以下のOH生成を調べた。

 実験は図3に示す流通型反応器を用いて行い、温度・全圧・反応ガス組成のOH生成への影響を調べた。H2O/O2系(図4a,表1i)では、Al2O3以外の全ての表面上で滞留時間数msでOHは平衡濃度に達した。気相反応の時定数は約1000sであり、これらの触媒は非常に活性が高いことがわかった。一方、H2/O2系(図4b,表1ii)では触媒活性に顕著な違いが現れた。Ptでは、広い反応条件で安定な高濃度のOH生成が見られた。アルカリ土類酸化物(CaO,SrO,BaO)では、中程度の安定したOH生成が見られ、MgOではほとんどOH生成が見られなかった。一方、Al2O3では標準の実験条件ではほとんどOH生成が見られなかったが、温度・全圧の閾値を超えると、急激なOH生成が見られた。これらの現象のうち、安定したOH生成に関しては触媒反応由来と考えられ、活性はPt>アルカリ土類酸化物>MgO,Al2O3の順であった。急激な変化に関しては気相着火現象に由来していると考えられ、H2O/O2系の結果とあわせて、図5に示す部分平衡によって定性的に説明した。

表1 気-固不均一触媒反応系でのOH生成実験結果a図3 流通型反応器図4 気-固不均一触媒反応におけるOH濃度のアレニウスプロット図5 H2/O2系のOH生成機構の概念図

 本章では、2A族酸化物がH2O/O2系でのOH生成に高活性であることを明らかにするとともに、気相反応物-生成物間の部分平衡によってOH濃度が支配されている条件下での、OH生成の速度論的制御を実現した。

第4章アルカリ・アルカリ土類元素固体化合物の熱分解過程におけるOHの放出

 気-固界面でのOH生成に関する既往の研究は、レーザーアブレーションについての研究例9.10を除けば、気相化学種間の部分平衡によってOH生成が支配されている触媒反応に限られている。一方、固体化合物の化学変化を考えた際には、OH生成は固体反応物をも含めた化学種間の部分平衡によって決まるため、温度制御により固体反応物を熱力学的に不安定にすることで、平衡濃度以上のOH生成が可能となる。図6に300Kおよび1200KにおけるLiOH分解反応のギブスエネルギー変化を示す。1200KではOH生成が熱力学的に有利になることがわかる。

図6 ギブスエネルギー変化

 本章では、1A,2A族元素の以下の特徴に着目し、その熱分解過程におけるOH生成を調べた。

 i)酸化物のH2O/O2系の高いOH生成活性→カチオンと-OH基の適度な結合エネルギー

 ii)低温で水酸化物が高温で酸化物が安定→温度変化により部分平衡を操作可能

 iii)脱水・水和反応が容易→OH生成サイクル

 実験は図3の流通型反応器中で、キャリアガス流通条件下、昇温反応実験を行った。生成物については、OHはLIF法によりin situ測定を、その他の生成物は出口ガス中の安定成分をQ-MSで測定した。

 LiOHの昇温分解過程では、高濃度のOHが生成することが分かった。昇温分解実験時、励起波長がOHの遷移に一致したときにのみLIF信号のピークが現れ、OHが生成していることが確認された。酸化性(O2/Ar)または還元性(H2/Ar)のキャリアガスを用いてもOH生成量は変化せず、気相雰囲気の影響を受けずにLi化合物から直接生成することが分かった。あらかじめ脱水処理をしたLiOH/Li2Oサンプルの実験から、一部残留しているLiOHがOH生成に寄与していることがわかった。Li化合物についての文献から、Li2O表面の水酸基11もしくはLiOH/Li2O固溶体12がOH生成源と考えられた。LiOH担持量(図7)ならびに昇温速度を変えた実験では、OH生成量とLiOH担持量の比は一定値をとり、反応物が十分存在すると考えられる条件下では、OH濃度は温度のみによって決まることがわかった。熱力学計算と比較した結果、平衡濃度を大幅に上回るOH生成が確認され、部分平衡濃度からこの結果は説明できた(図8)。

図7 LiOH担持量依存性図8 OH生成の熱力学的検討

 アルカリ・アルカリ土類酸化物は、低温で水蒸気と速やかに反応して水酸化物になるため、前述の反応と組み合わせて、OH生成サイクルを組むことを試みた。Li化合物ではOH生成サイクルを組むことができなかった。これは高温域でのLi2Oの揮散によると考えられる13。一方、Sr化合物では、低濃度ながらOHの繰り返し生成が確認された(図9)。この現象は図10で表され、以下の反応・エネルギー変換が起きていると言える。

 

図9 Sr化合物によるOH生成サイクル図10 OH生成サイクルの概念図

 高温の熱エネルギー→低温の熱エネルギー+OHの化学ポテンシャル

 本章で、固体化合物の熱分解過程におけるOH放出現象を初めて明らかにするともに、OH生成の熱力学的制御を実現した。

第5章固体表面由来のOHによる固-気-固触媒反応

 本章は、本研究室の卒業論文生である松尾との共同研究である。

 第3章の研究から、アルカリ土類酸化物触媒を用いると、H2OとO2の反応により速やかにOHが生成することがわかった。しかしながらOH濃度が気相平衡濃度に達すると、その生成は止まってしまう。ここでは、固体反応物を触媒に近づけることでOHを目的の反応で速やかに消費し、OHの生成・反応サイクルを設計するとともに、具体的な反応系でその有用性を検討した。生成と反応場は、触媒表面と固体反応物表面という2つの気-固界面で分離しながら、平衡濃度以下のOHを利用することでその失活を抑制できる。この研究を通して、固-気-固触媒反応系という新しい触媒反応の形態を提案した。

第6章固体表面近傍での気相着火現象

 固体表面上での気相連鎖反応の初期過程である着火現象には、熱着火と触媒着火がある。後者は高効率・低NOX燃焼として注目されている触媒安定化気相燃焼3の初期過程にあたり、触媒表面の反応熱の気相への伝導による熱着火的効果と、ラジカル供給による反応開始の効果の2つがあると言われている。ラジカル供給の効果は、高真空下でのPtからのOH生成の知見を常圧での触媒燃焼系に適用したシミュレーション計算によって示されているが15、触媒反応では気相反応と表面反応を独立に制御できないため、実験的な明確な証拠はない。

 本研究では、LiOHの分解過程におけるOH放出を利用し、OH供給のH2/O2系の気相着火への効果を調べるとともに、Al2O3上での熱着火ならびにPt上での触媒着火と比較検討した。

 第4章と同様の手法で昇温反応実験を行った。現在までのところ、Al2O3およびLiOHについて実験を行っており、Ptについては第3章の結果および文献を元に考察を行った。Al2O3上では図13中のOHおよび図14中の安定成分(H2,O2,H2O)ともに、温度に対して閾値を持ち、高温側で急激な変化を起こした。Ptについては、アレニウス型の変化を示し、安定成分の転化率は触媒反応のために高いと予想される。一方、LiOHの分解においては、図13の様にLiOHからのOH生成と同じ温度でOHおよび安定成分の濃度変化が見られ、分解終了後は元の値に回復した。OH濃度は、LiOH分解単独での生成量より若干多く、LiOH担持量に対しては顕著な依存性を示さなかった。これはLiOHから十分な量のOHが供給された際には、OH濃度は気相連鎖反応によって決まることを示している。一方、LiOHからのOH供給が止まるとLi2O上でOHが再結合により失活し、気相着火の抑制が起きたと考えられる。図15の安定成分の濃度変化はOH供給濃度より3桁大きく、この結果からも気相連鎖反応が起きたことがわかる。熱着火が起きない温度域で着火が起きており、ラジカル供給による新しい気相着火現象と言える。

図13 着火時のOH濃度変化図14 熱着火時の濃度変化図15 OH供給時の濃度変化

 本章では、固体化合物の熱分解反応により気相平衡濃度を上回るOHを供給し、気相連鎖反応を起こすことに成功した。この際、生成場に固相、反応場に気相を用いることで、生成・反応の分離と供給時の失活抑制を両立させるとともに、ラジカル供給を気相反応と独立して制御した。この現象は、触媒着火におけるラジカル供給の効果の実験的証明であるとともに、既知の熱着火・触媒着火の2つの着火に次ぐ第3の新しい着火現象でもある。

第7章結言

 上記の成果を通して気-固界面における気相OHラジカルの生成と反応を体系的に研究した。

参考文献(1)Seinfeld,J.H.Atmospheric Chemistry and Physics of Air Pollution;Wiley-Interscience:New York,1986.(2)Driscoll,D.J.;Campbell,K.D.;Lunsford,J.H.Adv.Catal.1987,35,139.(3)Pfefferle,L.D.;Griffin,T.A.;Winter,M.;Crosley,D.R.;Dyer,M.J.Combust.Flame 1989,76,325.(4)Hsu,D.S.Y.;Hoffbauer,M A.;Lin,M.C.Surf.Sci.1987,184,25.(5)Williams,W.R.;Marks,C.M.;Schmidt,L.D.J.Phys.Chem.1992,96,5922.(6)Fridell,E.;Rosen,A.;Kasemo,B.Langmuir 1994,10,699.(7)Anderson,L.C.;Xu,M;Mooney,C.E.;Rosynek,M.P.;Lunhsford,J.H.J.Am.Chem.Soc.1993,115,6322.(8)Hewett,K.B.;Anderson,L.C.;Rosynek,M.P.;Lunsford,J.H.J.Am.Chem.Soc.1996,118,6992.(9)Deshmukh,S.;Rithe,E.W.;Reck,G.P.J.Phys.Chem.1991,95,8385.(10)Villanueva,J.;Deshmukh,S.;Reck,G.P.J.Phys.Chem.1993,97,11731.(11)Tanaka,S.;Taniguchi,M.Nakatani,M.;Yamaki,D.;Yamawaki,M.J.Nucl.Mater.1995,218,335.(12)Tetenbaum,M.;Fischer,A.K.;Johnson,C.E.Fusion Techonl.1985,7,53.(13)Kudo,H.;Wu,C.H.;Ihle,H.R.J.Nucl.Mater.1978,78,380.(14)Neeft,J.P.A.;Schipper,W.;Mul,G.;Makkee,M.;Moulijn,J.A.Appl.Catal.B 1997,11,365.(15)Park,Y.K.;Bui,P-A.;Vlachos,D.G.AlChE J.1998,44,2035.
審査要旨

 本論文は"Generation and Reaction of in Gas-Phase Hydroxyl Radicals in Gas-Solid Interfaces"(和訳「気-固界面における気相OHラジカルの生成と反応」)と題し、酸化反応の促進・気相連鎖反応の制御を目的とし、気-固界面における気相OHラジカルの生成と反応を体系的に研究した成果をまとめたもので、7章からなる。

 第1章は序論であり、本論文の研究の背景と既往の研究について概説し、本論文の目的と方針を明らかにしている。

 第2章では、本研究で一貫して用いた、レーザー誘起蛍光(LIF)法による固体表面近傍の気相OHラジカルの定量測定法についてまとめている。本研究では実験的に分光学データを揃え、LIF強度の絶対濃度換算を行っている。

 第3章では、気-固不均一触媒反応によるOH生成を研究した結果をまとめている。反応物には、熱力学的に安定なH2O/O2混合気と不安定なH2/O2混合気を用い、耐熱性・安価等の多くの利点にも関わらず研究例のないアルカリ土類酸化物の触媒活性を調べた。比較の対象として選んだPtは両者の反応ガスに対して高活性で、Al2O3は両者に不活性であるのに対しアルカリ土類金属酸化物はH2O/O2混合気からのOH生成に有利で、1200K、6Torrでは4msの滞留時間でOH濃度はほぼ平衡に達し気相反応の時定数1000sと比べて、非常に高速な反応であることを明らかにしている。この様に、アルカリ土類酸化物を触媒に用いることで、熱力学的に安定なH2O/O2からの高速なOH生成を速度論的に実現している。

 第4章では、固体化合物の熱分解反応におけるOH生成を調べている。ここでは常温では水酸化物、高温では酸化物が安定で、かつ酸化物がH2O/O2からのOH生成に高い活性を有する、アルカリ・アルカリ土類金属を対象にしている。LiOHの昇温分解では、2.5K/sの昇温速度で1100〜1200Kで気相平衡を数桁上回るOHが生成することを示している。さらにSr(OH)2-SrO間の脱水-水和反応により、OHが繰り返し生成出来ることを示している。以上のように本章では固体化合物の熱分解過程におけるOH放出現象を初めて明らかにするとともに、OH生成の熱力学的制御の可能性を示している。

 第5章では、OHを介した固-気-固触媒反応による煤の酸化を検討している。煤酸化の主流である固-固触媒反応とは異なり、触媒表面と煤表面を気相化学種のOHを介して、2つの2次元界面で繋げることで反応促進を試みている。気相平衡以下のOHが塩基性酸化物触媒表面でH2O/O2から生成し、気相を失活なしに煤表面に拡散し、煤表面で速やかに消費されることで、低濃度でありながら高速な反応の可能性を明らかにしている。この研究は、煤酸化の新しい手法のみならず、固-気-固触媒反応という新しい反応形態にもなり得ることを示している。

 第6章では、固体表面から放出されるOHによる、H2/O2系の気相着火現象を調べている。LiOH表面では、熱分解時のOH放出の際に、H2,O2の減少とH2Oの生成が確認されている。これらの変化量はOH供給量の103〜104倍に達し、気相連鎖反応が起きていることを示している。不活性表面と触媒表面では気相着火過程が大きく異なり、固体から気相への伝熱とラジカル放出の2つの要因があるとされている。LiOHからのOH生成を応用することで、後者の要因を明確にするとともに新しい気相着火形態を示している。さらに、平衡濃度以上のOH供給によって気相連鎖反応を誘起し、気相反応を促進できることを示している。

 第7章では、気-固界面における気相OHラジカルの生成と反応を体系的に研究した成果を総括している。

 本論文は、基礎研究に基づき気-固界面におけるOHの生成を複数見出すとともに、応用研究によって気相均一反応・気-固不均一反応の制御例を複数示したものであり、反応工学ならびに化学システム工学の発展に寄与するところが少なくない。よって、本論文は博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる。

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