学位論文要旨



No 114657
著者(漢字) 林,燕平
著者(英字)
著者(カナ) リン,エンペイ
標題(和) 中国における地域間所得格差の要因に関する分析 : 産業構造・人口・教育水準を中心に
標題(洋)
報告番号 114657
報告番号 甲14657
学位授与日 1999.04.22
学位種別 課程博士
学位種類 博士(学術)
学位記番号 博総合第223号
研究科 総合文化研究科
専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 廣松,毅
 東京大学 教授 柳田,辰雄
 東京大学 教授 石井,明
 東京大学 教授 松原,望
 東京大学 教授 中兼,和津次
内容要旨 研究の背景

 新中国建国からほぼ半世紀を経て、中国では今本格的に社会主義計画経済に市場的要素を取り入れる実験が行われている。この社会主義計画経済と資本主義市場経済の長所の結合を図る経済発展の実験は、必ずしも人間の理性と意志によって始められたものではない。それは、苦難の連続であった中国国民の貧しい生活の経験から得られた教訓と、その選択の結果と見るべきであろう。別の言い方をするならば、これまでの貧困からの脱出の道を、試行錯誤を繰り返しながら歩むなかで、「社会主義」と「市場経済」を意図的に結びつけるという抽象的な思考実験の余裕はあるはずもなく、むしろ困窮からの脱出、よりよい暮らしを得たいという国民の希求、鋭い民意の反映と見るべきであろう。

 現在、中国が選択した市場経済の導入は、中国に大きな経済発展をもたらしつつある。しかし、この経済発展を広大な国土の隅々にまで押し広げていくにはまだまだ長期にわたる時間が必要である。それだけではなくて、その経済発展の過程においてさまざまな問題が発生しつつある。その一つの深刻な問題が拡大しつつある所得格差、貧富格差である。この問題について、中国の国内外の人々が大きな関心をもつ同時に、数多くの研究者がさまざまな研究を行っている。

 本論文は、これまでの先行研究を踏まえて、中国の地域間所得格差の変化メカニズムを明らかにした上で、所得分布の変化に関する一般法則を発見しようとするものである。具体的に、本論文では、数千年に及ぶ歴史、広大な国土、膨大な人口、多様な民族、文化を複合的に抱える中国の経済発展に伴って顕在化した地域間所得格差は、さまざまな複雑な要因によるものであるが、基本的に産業構造、人口、教育水準という三つの要因に制約されているという仮説を立ててそれを実証的に分析する。この仮説および分析手法は、特定の単一の学問分野に基づくものではなくて、あくまでも統合的、学際的な視点に立つものである。

研究の目的と方法

 本論文の研究目的は、中国の地域間所得格差がどのような要因によるのか、それらの要因はどう関連しているのか、そして所得分布の変化に関する一般法則は何のかを明らかにすることである。具体的に言えば、(1)地域間所得格差の現状および変化のメカニズムを数量的に検証することによって、クズネッツの「逆U字型仮説」、中国の地域間所得格差に関する「縮小説」の検証を試みること、(2)複雑かつ多様な中国社会に生じた地域間所得格差について、産業構造、人口、教育水準という三つの規定要因を基本的なものとみなして、所得格差とそれらの関連性を明らかにすること、(3)さらには所得分布の変化に関して一般的な法則を発見することである。

 研究手法としては、主に実証的・統計的な方法を用いる。具体的には、近代経済学の理論に依拠しつつ、現段階で入手可能な限りの統計資料に基づく時系列データとクロス・セクションデータに各種の統計手法を適用して、中国の経済発展に伴って生じてきた地域間所得格差と産業構造、人口、教育水準との間に有意な相関関係があることを検証する。そのために中国の公式統計、および統計的に不平等度を表す指標であるジニ係数の限界性を検討した上で、本論文で仮定した仮説の妥当性を検証する。

論文の概要

 本論文は、序章、第一章:中国の地域間所得格差の現状、第二章:中国の地域間所得格差と産業構造、第三章:中国の地域間所得格差と人口、第四章:中国の地域間所得格差と教育水準、そして終章の六つの部分から成る。その主な内容は次の通りである。

 序章では、本論文の問題意識を明らかにした上で、その背景を概説する。すなわち、近年、中国の地域間所得格差に関する研究が盛んになってきているなかで、本論文の研究視点、研究目的、研究方法を明確にするとともに、各章の構成を概説する。

 第一章では、まず中国の公式統計としての国民所得の概念を明確にした後、その国民所得の誤差を生産面、分配面、支出面の三つの側面から明らかにした。さらに国民所得における「地下経済」の扱いについても考察した。これらの予備的検討の上で、地域間所得格差の動きとそのメカニズムを解明するために、これまでに公表されている統計資料に基づいて、中国における各省・市・自治区1人当たり所得を求め、その平均水準と分布の不平等度という二つの指標を分析することを行った。この分析の結果によって、所得の絶対格差は拡大傾向に向かっているのに対して、所得の相対格差はやや縮小傾向に向かっていることが分かった。次に、分配面、支出面の所得格差について、職員1人当たり年間賃金、城鎮・農村世帯1人当たり年間収入および1人当たり支出に基づいて分析した。その結果は、地域的な所得格差、特に都市と農村の所得格差が拡大しつつあることを示している。

 第二章では、まず中国各地区の経済成長の格差について、歴史的、地理的背景および政策的背景を論じた上で、中国の1949年から1995年までの46年間における国民総生産、1人当たり所得、貿易総額などの推移を通じてその特徴を確認した。次に、中国の産業分類の特徴、産業別労働力構成の変化および産業別所得構成の変化に基づいてその不平等係数、産業別比較生産性の変化、産業間の相対所得の格差を検証した上で、先進諸国の産業構造との差異を明らかにした。さらに、各地区の産業間の賃金格差、労働生産性、工業化水準指標の差異を分析した上で、工業化水準指標と所得水準指標の関連を検証した。その分析の結果から、各地区の産業構造の差異が中国の地域間所得格差に大きな影響を与えていることが明らかになった。

 第三章では、まず中国の人口規模を、新中国建国以降の4回にわたる人口調査の結果に基づいて、1995までの46年間における人口増加および人口転換の動きを先進諸国の人口転換に照らして論じた。次に、中国の人口動態と人口構造が所得分布にどのような影響を与えるかを明らかにするために、中国の人口動態と人口構造の動き、各地区の人口動態と人口構造の差異を詳細に分析した。その結果から得られた各地区の人口動態および人口構造の差異と所得格差との関連を明らかにした。その結果は、1人当たり所得と人口分布、人口増加率、年齢別人口、産業別人口、学歴別人口とが強い相関関係をもつことを示している。すなわち、各地区の人口現象の差異は中国の地域間所得格差に大きく制約していることが明らかになった。

 第四章では、まず教育水準と経済発展の関連を「人的資本論」の立場から検討した。その上で、中国の教育水準について、義務教育の就学率、人口に占める在学者の割合、国民所得に占める公的な教育支出などの教育関連の指標によって、主に日本と比較しながら、中国の教育水準を明らかにした。次に、中国の非識字人口の分布を検証した上で、非識字人口分布の不平等の諸要因について実証的に分析した。その結果、各地区の1人当たり所得と非識字人口との関連が明らかになった。さらに、中国の教育水準と1人当たり所得の関連、特に高等教育と1人当たり所得の関連を検証した。その結果によると、各地区の教育水準、特に高等教育のレベルが中国の地域間所得格差に大きな影響を与えていることは明らかである。

 終章では、第一章から第四章に至る実証分析の結果を踏まえて、中国の地域間所得格差が産業構造、人口、教育水準という三つの基本的な要因によって規定されており、これら三つの要因の変化によって変化するという仮説が妥当性をもつことを示した。そして、経済発展が低い段階から高い段階へと段階的に発展する過程の中で、所得の絶対格差は拡大傾向、相対格差は縮小傾向に向かう傾向を明らかにした。この結果は、筆者が終章で主張する所得分布の変化に関する一般的な法則を支持している。

今後の課題

 本論文の研究結果によって、中国の地域間所得格差が、市場経済が導入されたことによる中国各地区の産業、人口、教育の構造的な開きによるものであることが明らかになった。そして、本論文の実証研究の結果は、クズネッツの所得格差に関する「逆U字型仮説」の前半部分は妥当性を有するものの、後半部分の妥当性は問われるべきであることも示している。しかし、本論文の実証分析は限られた統計資料に基づいたものであるため、クズネッツの「逆U字型仮説」そのものに関して結論を下すのは早計である。また、終章で作成した地域間所得格差モデルの適用性についての検証については、今後より長期的、ミクロ的な統計資料に基づいて、より精緻でかつ厳密な分析と議論を展開しなければならない。これらは今後の課題としたい。

審査要旨

 本論文は、現代中国における、主として省レベルの地域間所得格差の現状を明らかにした上で、そのような所得格差がどのような要因によって規定されているのかを明らかにしようとしたものである。1949年の建国以来さまざまな変遷を経た後、中国は1978年の経済改革、さらには1992年の社会主義市場経済の導入によって、急速な経済発展を遂げつつある。しかし同時に、マクロ的な経済発展の過程においてさまざまな問題が発生しつつあり、それらが中国社会の安定性を脅かし、ひいては長期的な経済発展をも阻害する危険性のあることが指摘されている。その1つが拡大しつつある深刻な所得格差の問題である。この問題については、中国国内外の人々が大きな関心をもつと同時に、多くの研究者がさまざまな角度から分析を行っている。

 そのような中で、本論文は、近年の中国における統計制度の整備にともない公表され始めたマクロ経済データ、および各地域に関する膨大な統計データを収集・整理し、それらにいくつかの統計手法を適用して地域間の所得格差の現状を明らかにした上で、その基本的な要因の抽出とそれらに関する詳細な分析を行っている点が大きな特徴である。具体的に、本論文では、数千年に及ぶ歴史、広大な国土、膨大な人口、多様な民族と文化を複合的に抱える中国において、特に経済改革以降の経済発展に伴って顕在化した地域間所得格差がさまざまな要因の絡まりあった結果であるとはいえ、基本的には産業構造、人口、教育水準という3つの要因に規定されているという仮説を立て、それを実証的に検証している点が、大きな特徴である。さらには、中国における地域間所得格差の現状およびその要因分析に基づき、クズネッツの「逆U字型仮説」の検証を試みている点も、本論文の特徴として挙げることができる。

 本論文は、序章と本論4章、および終章からなる。さらに巻末には、統計分析を補足した補論と中国の古代からの社会・経済発展の概要を一覧表の形にした付録が付けられている。また、本論および補論、付録の論述にかかわるデータや概念を表示するために、総計87の表と43の図(グラフ)が本文中に提示されている。具体的な内容は、以下のとおりである。

 まず、序章では、現代中国における地域間所得格差問題の深刻さと重大さを確認した後、先行研究の成果も踏まえて研究の目的と方法を明示している。特に、研究方法として、1949年の建国から1995年までの46年間の時系列データと、主として省単位のクロスセクション・データに各種の統計手法を適用するという実証的な分析方法を採用することを強調している。その上で、中国における地域間所得格差の問題は国内の「南北問題」であると位置付け、クズネッツの「逆U字型仮説」の妥当性に関する問題提起も行っている。

 第一章「中国の地域間所得格差の現状」では、まず中国国家統計局がSNA体系(国民経済計算体系)に基づく公式の統計として公表しているGNP、国民所得の概念を明確にした後、その精度を生産面、分配面、支出面の三つの側面から明らかにしている。その中で、特に「地下経済」の扱いが不十分であり、改善の余地があることを主張している。これらデータに関する予備的検討の上で、地域間所得格差の現状を把握するために、公表されている統計データに基づいて、中国の各省・市・自治区について1人当たり所得を求め、ジニ係数と分布の不平等度を示す「所得水準指標」(その地域の1人当たり所得と全国の1人当たり所得との比)という二つの指標を用いて分析している。その結果として、省を単位として1人当たり所得の中国全体(全省間)の格差をジニ係数で見たとき、長期的にそれほど大きな変化は見られないものの、沿海地区と内陸地区の所得格差をレンジ(最大所得と最低所得の差)や「所得水準指標」で見たときには格差は拡大しつつあるとしている。また、職員・労働者世帯の1人当たり年間賃金と城鎮・農村の世帯1人当たり年間収入、およびそれぞれの世帯の1人当たり支出を分析した結果、地域的な所得格差、特に都市と農村の所得格差が拡大しつつあることを明らかしている。

 第二章「中国の地域間所得格差と産業構造」では、まず中国各地区の地域経済と経済成長の関係について、歴史的、地理的および政策的背景を論じた上で、1949年以降46年間のGNP、1人当たり所得、貿易総額などの推移を見ることによって、時系列的にその特徴を明確にしている。そして、中国の産業分類の特質について論じた後、産業別労働力構成および産業別所得構成のデータに基づいて、その不平等度、産業別生産性の変化、産業間の所得格差を検証している。さらに、各地区毎の産業間の賃金格差、労働生産性、「工業化水準指標」(その地域の工業人口比率と全国の工業人口比率との比)の差異、そして「工業化水準指標」と「所得水準指標」の関連性を分析した結果、各地区の産業構造の差異が中国の地域間所得格差に大きな影響を与えているとしている。

 第三章「中国の地域間所得格差と人口」では、まず中国の人口規模の推移を、1949年以降4回にわたる人口調査の結果に基づいて、先進諸国の人口転換と比較しながら論じている。その中で、特に現在の政策的課題として貧困人口と人口移動の関係の問題を強調している。次に、マクロ的な人口構造・人口動態と各地区の人口構造・人口動態の差異を「人口増加率指標」(その地域の人口増加率と全国の人口増加率との比)を用いて詳細に分析した上で、所得格差との関連を明らかにしている。また回帰分析を行い、1人当たり所得を説明する変数として人口密度、人口増加率、年齢別人口、産業別人口、学歴別人口が強い説明力をもつという結果を得ている。

 第四章「中国の地域間所得格差と教育水準」では、まず教育水準と経済発展の関連を「人的資本」論の立場から検討している。そして、中国の教育水準に関して、義務教育の就学率、人口に占める在学者の割合、国民所得に占める公的な教育支出などの教育関連の指標によって、主に日本と比較しながら、中国の現状を明らかにしている。そして、各地区の非識字人口の分布を比較するとともに、その不平等の諸要因について分析した結果、各地区の1人当たり所得と非識字人口との間には明白に負の相関があることを見出している。さらに、中国の教育水準と1人当たり所得の関係、特に高等教育と1人当たり所得の関係を検証した結果から、各地区の教育水準、特に高等教育のレベルが中国の地域間所得格差に大きな影響を与えているとしている。

 終章では、第一章から第四章に至る実証分析の結果を踏まえて、結論として中国の地域間所得格差が産業構造、人口、教育水準という3つの基本的な要因によって制約されている、すなわち、これら3つの要因に大きく影響されているという仮説が妥当性をもつことを主張している。そして、中国において経済発展が低い段階から高い段階へと発展する過程の中で、所得の格差が拡大傾向に向かっているということから、クズネッツの「逆U字型仮説」の前半部分は妥当性を有するものの、後半部分の妥当性は今後さらに問われるべきであることを主張している。そして最後に、今後の課題として、本論文の実証分析は限られた統計データに基づいたものであることから、地域間所得格差のさらなる研究には、より長期的、ミクロ的な統計データに基づいた、より精緻でかつ厳密な分析と議論を展開しなければならないこと、またクズネッツの「逆U字型仮説」全体に関して結論を下すのは早計であり、国際比較も含めてより一層詳細な分析が必要であることを述べて、締めくくっている。

 以上のような内容をもつ本論文には、次のような長所が認められる。

 まず第1に、中国の膨大なマクロ経済データおよび地域データを網羅的に収集・整理し、それらを所得格差という観点から図表化するとともに分析している点である。ここ1-2年、中国の経済データの整備とその磁気媒体化が急速に進みつつあるものの、本論文で筆者が提示している多数のデータは今後の研究の基礎資料として十分価値をもつものと評価できる。第2に、そのような膨大なデータを統計的に分析することによって、中国における地域間所得格差を規定する基本的な要因として、産業構造、人口、教育水準の3つを抽出している点である。これまで、地域間所得格差を規定している要因に関して、定性的にはさまざまなものが挙げられてきたが、そのうち上記3つの要因について統計データを用いて定量的に詳細に分析した点は、本論文の独創的な貢献として高く評価できる。なお、この部分についてはすでに日本計画行政学会学会誌『計画行政』第19巻2号および3号(1996年4月および7月)に掲載されている。第3に、特に第四章の教育水準に関する章において、非識字人口の分布を地域別・都市農村別・民族別・男女別・行政管理能力(教育政策の遂行能力)別に詳しく分析し、それらと所得格差の関係を明かにしている点である。というのは、現在、国際的にも、所得格差の問題も含めて経済発展と教育の関連性の問題が注目されているからであり、その問題に関して本論文は一つの知見を与えていると評価しうるからである。さらに第4に、中国の地域間所得格差の分析結果を踏まえて、クズネッツの「逆U字型仮説」の検証を行うとともに、それも包含した形で所得格差の変化に関するモデルを構築している点も、本論文の独創的な点として、評価できる。構築したモデルの有効性に関する実証的な分析は今後の課題であるとはいえ、十分検討する価値のあるモデルを提示している点は、この分野の発展に貢献しうるものと評価できる。

 しかしながら、本論文にも問題点がないわけではない。具体的に、第1には、中国の地域間所得格差を規定している基本的要因として抽出されている産業構造、人口、教育水準の3つがたとえ基本的であるにしても、それ以外の要因が所得格差に影響を与えていることは明かであるにもかかわらず、それらについて触れられていないことである。さらに第2に、これら3つの要因は決して互いに独立ではなくて、きわめて密接に関係していると考えられるが、その点についての分析が必ずしも十分とはいえないことである。補論において、この点を補う試みを行おうとしているものの、必ずしも成功はしていない。要因間の関連性という視点をもっと取りこむべきであったと考えられる。第3に、データ上の制約とはいえ、本論文では1949年以降の期間しか扱っておらず、それ以前の各地区の経済状態、すなわち初期条件が現在の所得格差に及ぼしている影響について言及されていないことである。

 このような欠点は、しかし、本論文の価値を損なうものではない。中国の経済データが整備されつつある段階にあることを考慮すれば、これらの欠点はこの分野における今後の課題を示しているものといえる。

 以上、本論文は若干の欠点をもつとはいえ、豊富なデータと着実な実証分析によって、中国における地域間所得格差に関する研究に十分貢献するものであると評価できる。

 よって、審査委員会は全員一致をもって、本論文が博士(学術)の学位にふさわしいものと判定する。

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