学位論文要旨



No 115221
著者(漢字) 沈,新春
著者(英字)
著者(カナ) チン,シンシュン
標題(和) 小麦胚芽無細胞タンパク質合成系の能力向上に関する研究
標題(洋) Study on Improvement of Wheat Germ Cell-free Protein Synthesis System
報告番号 115221
報告番号 甲15221
学位授与日 2000.03.29
学位種別 課程博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 博工第4716号
研究科 工学系研究科
専攻 化学生命工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 長棟,輝行
 東京大学 教授 渡辺,公綱
 東京大学 教授 上田,卓也
 東京大学 助教授 関,実
 地球環境産業技術研究機構 主席研究員 鈴木,栄二
内容要旨 1.背景及び目的

 近年、遺伝子工学や細胞工学の発展に従い、クローン化したDNAを大腸菌や酵母に導入することによって、細胞内で多量のタンパク質を生成することが可能となり、基礎研究から病気の治療などにも利用されるようになってきた。しかし、このような生細胞を利用するタンパク質の生成方法には、目的のタンパク質を精製するという技術的な問題のほかに本質的な制約がある。すなわち、生物体はそれ自身の生命を保障する厳密な生命維持機構を備えており、宿主細胞にとって不都合な外来性タンパク質の合成はこれを妨害したり、あるいはその生成物を排除してしまう。また、使用できるアミノ酸が生体タンパク質を構成する20種類のL型アミノ酸に限定されることが生体内(in vivo)合成法の限界と考えられる。

 無細胞タンパク質合成系は、細胞抽出液中に存在するリボソームや翻訳因子、アミノアシル-tRNA合成酵素などの諸因子の働きにより、DNAあるいはmRNAからその遺伝子産物を生合成させるシステムである。この研究は1950年から始まった。Winnickにより腫瘍細胞を擦り潰した抽出液でタンパク質合成反応が進行することが確かめられた。1961年に至って、Nirenbergらが大腸菌抽出液に鋳型mRNAや、アミノ酸、エネルギーなどを添加した真の無細胞タンパク質合成系を用い、遺伝暗号の研究を行った。以後、小麦胚芽、ウサギ網状赤血球などからの抽出液を用いる多くの無細胞タンパク質合成系が開発された。さらに、DNAからmRNAを転写しながらタンパク質を合成する転写翻訳共役系も開発された。無細胞タンパク質合成系では細胞に毒性のあるタンパク質や、非天然型アミノ酸を含むタンパク質も合成可能である。これらの無細胞タンパク質合成系は遺伝学的或いは生化学的研究手段として広く利用されてきている。

 小麦胚芽の無細胞系は、小麦胚芽が安価、抽出液の調製が簡単、さらに調製した抽出液中に内在性mRNAの活性が殆どない等の利点があるので、将来、無細胞タンパク質合成系を用いたタンパク質生産の実用化を目指す際には、最も期待される系である。

 しかし、このようなシステムでのタンパク質の生産量はごくわずかであるため、タンパク質の生産手段としては利用できなかった。

 従って、本研究では従来の無細胞系におけるタンパク質合成量が少ない原因を究明すると同時に、その原因を解決することにより、小麦胚芽無細胞系におけるタンパク質合成能力の向上を目指した。

2、酸性ホスファターゼの除去による小麦胚芽無細胞系におけるタンパク質合成能力の向上

 小麦胚芽抽出液を用いた無細胞系タンパク質合成において、生化学的エネルギーの無駄な消費を抑制することにより、タンパク質合成能力の向上を目指した。

 小麦胚芽抽出液を用いた従来のバッチ系無細胞タンパク質合成系でタンパク質合成の停止原因を分析したところ、タンパク質合成停止原因の一つはエネルギーチャージ(([ATP]+[ADP]/2)/([ATP]+[ADP]+[AMP]))の低下であることが分かった。そして、小麦胚芽抽出液中の酸性ホスファターゼ活性を定量し、ATP消費量との関係を検討したところ、小麦胚芽抽出液中では、酸性ホスファターゼによるATP消費が全ATP消費の90%以上を占め、その結果、生化学エネルギーチャージが低下し、蛋白質合成が停止することを見いだした。そこで、蛋白質合成能力を向上させるため、小麦胚芽抽出液中の酸性ホスファターゼ活性の除去を目指した。

 抗体と抗原の特異的結合を利用し、酸性ホスファターゼの抗血清を用いる免疫沈降法で酸性ホスファターゼ活性を40%まで低減させることができた。この処理により無駄なATP消費が減少し、高い生化学的エネルギーレベルが3時間程度(通常は1時間)維持され、抽出液の蛋白質合成能力が5倍向上した(図1、図2)。

3、RNase活性の抑制による小麦胚芽無細胞系におけるタンパク質合成能力の向上

 また、回分方式の無細胞蛋白質合成系においては、生化学的エネルギーレベルが充分に高くても合成が停止するケースも多く見られる。その一つの原因は鋳型mRNAの劣化及び分解であることが知られている。そこで、小麦胚芽抽出液を調製する時に小麦胚芽から持ち込まれるRNA分解酵素に着目し、そのキャラクタリゼーションを行った。その結果、RNase活性分析ゲルを用い、小麦胚芽抽出液中にmRNAを分解する一種類のRNase、二種類のnucleaseが含まれていることを見いだした。その分子量はそれぞれ65、42、37KDaであった。次に、タンパク質合成反応には悪影響を与えずにRNA分解酵素の活性を抑える方法について探索した。その結果、poly[G]は分解されにくく、なおかつRNaseの抑制ができた結果が得られた(図3)。従って、分解されにくく、なおかつRNaseの抑制ができるpoly[G]を無細胞タンパク質合成反応に添加し、mRNAの分解実態を調べ、タンパク質合成を検討した。その結果、Poly[G]を無細胞タンパク質合成系に加えることにより、mRNA分解が抑制され、ホタル発光酵素を例として生産させたところ生産量が最大7倍になった(図4)。

図表Fig.1 Time-course profiles of ATP,ADP,and AMP concentrations(a),and energy charge in cell-free translation system using antiserum-treated(1)or blank-treated WGE(2).Symbols:●,ATP[1];○,ATP[2];■,ADP[1];□,ADP[2];▲,AMP[1];△,AMP[2];◆,energy charge[1];◇,energy charge[2]. / Fig.2 Effect of antiserum-treatment of wheat germ extract on protein productivity of cell-free translation.Symbols:●,with antiserum-treatment;■,with blank-treatment.Fig.4 Effect of poly[G]on protein productivity of cell-free translation system.Symbols:■,4.5g poly[G];◆,2.5g poly[G];●,2g poly[G];▲,1.5g poly[G];○,0.5g poly[G];□,control. / Fig.3 Effect of poly[G]on stability of mRNA in cell-free translation system.
4、抽出rRNAの添加による小麦胚芽無細胞系におけるタンパク質合成能力の向上

 安価で効率的な無細胞タンパク質合成系の構築を目指し、小麦胚芽無細胞系を以下のように改良した。

 安価な小麦胚芽からタンパク質合成用の抽出液を調製し、さらに、抽出液にphenol/chloroformでrRNAを抽出し、ethanolで沈殿させて得られたrRNA(WG-rRNA)を小麦胚芽無細胞タンパク質合成系に添加し、タンパク質合成量を測定した。その結果、WG-rRNAの添加によりタンパク質合成能力は最大で6倍向上した(図5)。しょ糖密度勾配遠心法でrRNAを28S rRNAと18S rRNAに分離し、得られた28S rRNAと18S rRNAをそれぞれ単独で添加した場合には、タンパク質合成能力はそれぞれ2倍、3.9倍にしか向上しなかった。一方、28S rRNAと18S rRNAの等モル同時に添加した場合はWG-rRNAと同等の効果が得られた。WG-rRNAのタンパク質合成系への添加によりmRNAの分解が若干抑制されたが、これはWG rRNA添加によるタンパク質合成能力向上の部分的な原因にすぎなかった。また、WG-rRNA量に相等するrRNAを含むリボソームまたはリボソーム含有小麦胚芽抽出液をタンパク質合成系へ添加してもタンパク質合成能力は向上しなかった。従って、リボソーム(rRNAとリボソームタンパク質の複合体)添加では、効果が無く、むしろrRNAのみの添加により著しいタンパク質合成能力向上効果があることが判明した。

 また、タンパク質合成系のリボソームをWG-rRNAで置換した場合には、タンパク質合成活性は消滅し、WG-rRNA自身の翻訳活性は無視できた。

5、三つの処理方法の組み合わせによる小麦胚芽無細胞タンパク質合成系における蛋白質合成能力の向上

 免疫沈降法酸性ホスファターゼを低減した小麦胚芽のタンパク質合成系にpoly[G]とWG-rRNAをそれぞれ添加し、蛋白質合成能力を検討した。その結果、タンパク質合成量はそれぞれ14倍と10.8倍になった(表1)。また、poly[G]とWG rRNAを同時に添加した場合には、そのタンパク質合成能力の増加は15倍程度であった。

 また、これらの方法を用いてDHFR(dihydrofolate reductase)の合成も行った。その結果、DHFR合成能力についてもluciferaseの場合と同程度の効果が見られ、これらの方法の汎用性及び有効性が確認された。

図表Fig.5 Effect of WG rRNA and the mixture of an equal mole of 28S rRNA and 18S on protein productivity.Assuming the following Mr(x10-6):28S rRNA,1.7;l8S rRNA,0.7;WG rRNA:2.5.Symbols:○,l8S rRNA;□,28S rRNA:●,the mixture of an equal mole of 28S rRNA and 18S rRNA;■,WG rRNA separared before. / Table 1 Summary of the results obtained in this study(Incubation time:150min)
6.結言

 本論文では無細胞タンパク質合成の主な停止原因の1つ、すなわちエネルギーチャージの低下が、小麦胚芽抽出液に含まれている酸性ホスファターゼによるエネルギー消費によるものであることを見出した。この知見に基づき、酸性ホスファターゼの抗血清を用いる免疫沈降法で酸性ホスファターゼ活性を40%まで低減することで、抽出液の蛋白質合成能力を無処理の場合と比較して5倍向上することに成功した。

 また、無細胞タンパク質合成においては、回分方式で生化学的エネルギーレベルが充分に高くても合成が停止するケースも多く見られる。その一つの原因である鋳型mRNAの劣化及び分解が、小麦胚芽抽出液に存在する一種類のRNaseと二種類のnucleaseによることを見出した。さらに、Poly[G]のRNaseに対する競合阻害剤を無細胞タンパク質合成系に加えることにより、mRNA分解が抑制され、ホタル発光酵素を例として生産させたところ生産量が最大7倍向上することに成功した。

 さらに、安価で効率的な無細胞タンパク質合成系の構築を目指し、簡便な調製法で得られたWG-rRNAを添加することで小麦胚芽無細胞系を改良した。その結果、タンパク質合成能力を最大6倍向上することができた。WG-rRNAの添加のために、新たに投入したコストは、1ml反応液あたり免疫沈降法の約二十分の一、poly[G]法の十分の一程度である。

 最後に、上記三つの方法の組み合わせの効果を見るため、酸性ホスファターゼを低減した小麦胚芽のタンパク質合成系にpoly[G]とWG-rRNAをそれぞれ添加し、蛋白質合成能力を検討した。その結果、タンパク質合成量はそれぞれ14倍と10.8倍になった。本研究で確立した小麦胚芽無細胞タンパク質合成系の改善系では合成されたルシフェラーゼタンパク質量は1ml反応液当たりgレベル(150min)に達した。

原著論文

 1.X.C.Shen,S.L.Yao,H.Fukano,A.Kitayama,T.Nagamune,&E.Suzuki,"Ribosomal RNA Supplementation Highly Reinforced Cell-Free Translation Activity of Wheat Germ",Journal of Bioscience and Bioengineering,89(1),(2000).

 2.X.C.Shen,S.L.Yao,H.Fukano,S.Terada,A.Kitayama,T.Nagamune,&E.Suzuki,"Poly[G]improved protein productivity of cell-free translation by inhibiting mRNase in wheat germ extract",Journal of Biotechnology,75,221-228(1999).

 3.X.C.Shen,S.L.Yao,S.Terada,T.Nagamune,& E.Suzuki,"Protein productivity of cell-free translation was improved by removing phosphatase from wheat germ extract with immunoprecipitation",Biochemical Engineering Journal,2,23-28(1998).

審査要旨

 無細胞蛋白質合成系は、細胞抽出液中に存在するリボソームや翻訳因子、アミノアシル-tRNA合成酵素などの諸因子の働きにより、DNAあるいはmRNAからその遺伝子産物である蛋白質を生合成するシステムである。これまで、この系はmRNAの翻訳機構の解明や、蛋白質合成の素過程とその調節機構の解明などを目的とする研究分野で主に用いられてきた。近年、放射性アミノ酸標識した蛋白質や、非天然アミノ酸を導入した蛋白質、細胞に毒性のある蛋白質など、生細胞で合成するのが不可能な蛋白質を生産する手段としても利用され始めている。

 真核生物である小麦胚芽の無細胞系は、小麦胚芽が安価、抽出液の調製が簡単、さらに調製した抽出液中に内在性mRNAの活性がほとんどない等の利点がある。しかし、無細胞系での蛋白質の生産量はごくわずかであるため、蛋白質の工業的生産手段としての利用は困難であった。

 本論文は、従来の無細胞系における蛋白質合成量が少ない原因を究明すると同時に、その原因を解決することにより、小麦胚芽無細胞系における蛋白質合成能力を向上させることを目的として行われた研究成果を述べており、以下の7章より構成されている。

 第一章は緒言であり、本研究の背景と目的、既往の研究について述べている。

 第二章では従来のAndersonらの方法を改良した小麦胚芽抽出液の調製法および鋳型mRNAのin vitro合成法と精製法について記述している。さらに、小麦胚芽無細胞蛋白質合成系での鋳型mRNAの最適添加量について検討している。

 第三章では、生化学的エネルギーの無駄な消費を抑制することにより、蛋白質合成量、すなわち、蛋白質合成能力を向上させるための方法について検討している。

 小麦胚芽抽出液中では、内在性の酸性ホスファターゼによるATP消費が全ATP消費の90%以上を占め、その結果、生化学的エネルギーが浪費されて低下し、蛋白質合成が停止することを見出している。そこで、蛋白質合成能力を向上させるため、抗血清を用いた免疫沈降法により小麦胚芽抽出液中の酸性ホスファターゼ活性の除去を試みている。この処理により、60%の酸性ホスファターゼ活性が除去され、高い生化学的エネルギーレベルを3時間程度(通常は1時間程度)維持することが可能となり、ホタル発光酵素の生産に関しては抽出液の蛋白質合成能力を5倍程度向上させることに成功している。

 第四章では、生化学的エネルギーレベルを充分に高く維持しても蛋白質合成が停止する原因の一つが鋳型mRNAの分解であることを示し、鋳型mRNAの分解を抑制する方法について検討を加えている。すなわち、小麦胚芽抽出液中に分子量65KDaのRNA分解酵素、分子量42、37KDaの二種類の核酸分解酵素が含まれていること、また、通常用いられている阻害剤ではこれらの核酸分解酵素の活性を充分には抑制できないことを見い出している。t-RNA,poly[C],poly[G]などRNA分解酵素に対する高い親和性が期待される核酸ポリマーの添加効果を検討した結果、poly[G]はこれらの核酸分解酵素に分解されることなく、分解活性を顕著に抑制することを明らかにしている。しかし、poly[G]の添加濃度が0.1g/l以上ではアミノアシルt-RNA形成反応の阻害効果も生じることを示している。このpoly[G]のmRNA分解抑制効果により、ホタル発光酵素の生産に関しては抽出液の蛋白質合成能力を最大7倍に向上させることに成功している。

 第五章では、高価なpoly[G]の代わりに、安価な小麦胚芽から抽出、精製したrRNA(WG-rRNA)の添加によって核酸分解酵素の活性を抑制し、蛋白質合成能力の向上を狙った研究の成果について述べている。その結果、予想に反してWG-rRNAには若干のmRNA分解抑制効果しか見られないものの、ホタル発光酵素の生産に関しては蛋白質合成能力を最大で6倍向上させる効果があることを見い出している。この蛋白質合成能力向上に関与するWG-rRNA中の成分を明らかにするために、しょ糖密度勾配遠心法でWG-rRNAを28S-rRNA,18S-rRNA,5.8S-rRNAと5S-rRNAの分離し、これらをそれぞれ小麦胚芽無細胞系に添加して蛋白質合成能力に及ぼす影響を検討している。その結果、28S-rRNAまたは18S-rRNAをそれぞれ単独で0.07M以上添加した場合には、蛋白質合成能力がそれぞれ2倍、3.9倍に向上するが、5S-rRNA,5.8S-rRNAの場合には添加効果は見られないことが明かとなった。28S-rRNAと18S-rRNAを等モル同時に0.07M以上添加した場合には、WG-rRNAを0.07M以上添加した場合と同等の6倍の蛋白質合成能力の増加効果が得られた。以上の結果に基づき、WG-rRNAの添加効果の機構については未だ不明であるが、28S-rRNAと18S-rRNAの添加が蛋白質合成能力の向上に有効であると結論付けている。

 第六章では、小麦胚芽無細胞蛋白質合成系において酸性ホスファターゼ活性の除去とpoly[G]、WG-rRNAの添加を組み合わせた場合についてそれぞれ蛋白質合成能力を評価している。その結果、酸性ホスファターゼ活性の除去とpoly[G]の添加の組み合わせでは蛋白質合成能力は14倍向上し、酸性ホスファターゼ活性の除去とWG-rRNAの添加の組み合わせでは約11倍向上することを明らかにしている。また、酸性ホスファターゼ活性の除去、Poly[G]とWG-rRNAの添加を同時に行った場合には、その蛋白質合成能力は、これらの処理を行わない場合の15倍程度まで増加することを示している。また、これらの処理を行った小麦胚芽無細胞蛋白質合成系でDHFR(dihydrofolate reductase)の合成を行った結果、DHFRについてもホタル発光酵素の場合と同程度の蛋白質合成能力の増加効果が得られ、これらの方法の汎用性及び有効性が示されたと結論付けている。

 第七章では、本論文を総括し、今後の展望を述べている。

 以上、本論文では、小麦胚芽無細胞蛋白質合成系における蛋白質合成量低下の主な原因である酸性ホスファターゼによる生化学的エネルギーの無駄な消費や内在性の核酸分解酵素による鋳型mRNAの分解などを抑制するための種々の方法を開発し、これらを組み合わせることによって従来法の約15倍の蛋白質合成量を達成することに成功している。これらの成果は、化学生命工学、特に無細胞蛋白質合成技術の進歩に奇与するところ大である。

 よって本論文は博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる。

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