No | 115890 | |
著者(漢字) | 松村,啓 | |
著者(英字) | ||
著者(カナ) | マツムラ,ハジメ | |
標題(和) | ナノチューブ系のトポロジーと輸送現象 | |
標題(洋) | Topology and Conductance of Nanotube Network | |
報告番号 | 115890 | |
報告番号 | 甲15890 | |
学位授与日 | 2001.03.29 | |
学位種別 | 課程博士 | |
学位種類 | 博士(理学) | |
学位記番号 | 博理第3934号 | |
研究科 | 理学系研究科 | |
専攻 | 物理学専攻 | |
論文審査委員 | ||
内容要旨 | カーボンナノチューブ系に、5員環や7員環などの、グラファイト中の6員環とは異質の結合構造を導入すると、有限の曲率が生まれるために物質の形状が変わるのみならず、新しい電子構造が生じることが、いくつかの系に対して示されている。例えば、カーボンナノチューブ系に5員環と7員環の対を導入することで、2種類の異なるチューブを接続した、ナノチューブ接合系とよばれる系がある。また、互いに隣接する4つの6員環の結合が交替することにより、5員環-7員環の対二つが生じる、ストーン・ウェールズ転位とよばれる構造も存在する。これらの構造が、カーボンナノチューブ系の電子状態にどう影響するか、ひいては系の電気伝導にいかに反映するかは、興味深いテーマである。 アウトラインは以下の通りである。 1.接合系(ゼロ磁場下)のコンダクタンス 2.接合系(有限磁場下)のコンダクタンス 3.ストーン・ウェールズ転位を含むナノチューブのコンダクタンス 1.接合系(ゼロ磁場下)のコンダクタンス 本研究は、ナノチューブ接合系における電子状態を、有効質量方程式によって解析し、その結果を用いて接合系のコンダクタンスを数値計算した最初の仕事を中心としている。 研究の動機は以下の通りである。先行して行われていた強束縛模型計算によると、金属的チューブを接続する接合系のコンダクタンスは、ゼロエネルギーにおいて、各チューブの螺旋度によらず、ただそれらの周比のみによって与えられ、その依存性は冪的である。具体的には、接合部が長くなるにつれて、コンダクタンスは周比の3乗に比例して減衰する。強束縛模型計算の結果だけからは、コンダクタンスがこのような振る舞いを見せるメカニズムは明らかではなかった。以下に述べるように、有効質量近似は、このメカニズムに明快な説明を与える。 グラファイト系の電子状態に特徴的なことは、フェルミエネルギーがゼロにおいて、フェルミ点とよばれる二つの独立な状態(K点、K’点)がある。これらはブリユアン域の端の点であり、電気伝導などの系の低エネルギー物理に最も寄与する状態である。有効質量方程式は、ナノチューブ系の電子状態を、これらフェルミ点の近傍の状態で有効的に記述するものである。系の電子状態は、4成分の波動関数で記述され、この波動関数が従うシュレーディンガー方程式は、質量ゼロのディラック方程式(ニュートリノに対するワイル方程式)と同じ形となる。この方程式を、ナノチューブの結合構造に応じた境界条件の下で解くことにより、具体的に各構造での波動関数を求めることができる。 本研究では、まず、5員環や7員環を含む接合部において、有効質量質量方程式の波動関数がどのような境界条件に従うのかを導いた。その結果、波動関数は接合部を1周するごとに、異なるフェルミ点近傍の状態が入れ替わることを明らかにした。これは、5員環や7員環の周囲では、60度の回位のために、それらを1周するごとにグラファイトのAサイトとBサイト、K点とK’点が入れ替わることに由来している。この結果、チューブ領域で独立であったK点とK’点の状態は接合部において混合し、ポテンシャルが存在しないにも関わらず散乱が生じる。これはトポロジー的効果による新しい散乱機構である。 次に、波動関数を、上の境界条件の下で具体的にシュレーディンガー方程式を解くことによって求めた。まず、エネルギーがゼロの場合のみを扱う。この場合、5員環や7員環の周りでは、その中央からの距離の冪で波動関数の振幅が与えられることを導いた。さらに、接合部における波動関数が、接合部の展開図の頂点からの距離の幕関数になることも示した。この中で、最も減衰の遅い解の解のコンダクタンスへの寄与は、両チューブの周比の3乗を与える。このことは、強束縛模型計算で示唆されていた、コンダクタンスの周比の3乗での減衰を説明する。 最後に、接合部および2種類のチューブ領域でそれぞれ求められた解を、各々の境界において接続することによって、透過・反射係数を数値計算し、ランダウアー公式に従いコンダクタンスを求めた。強束縛模型の計算結果は、この計算と非常によく一致する。最も簡単な近似では、コンダクタンスが両チューブの周比の関数として解析的に与えられる。すなわち、チューブ側では、伝導に寄与するモード(トラベリングモード)と、伝導に寄与しないモード(エバネッセントモード)の2種類が存在するが、トラベリングモードだけを採用して解の接続を行う近似方法(2モード近似)では、スピン自由度を考慮して、コンダクタンスは次式で与えられる。 G=2(e2/h)・4L53L73/(L53+L73)2 ここに、L5、L7はそれぞれ、太い側、細い側のチューブの周長である。接合部が長く、周比(L7/L5)が小さいところでは、コンダクタンスは周比の3乗に比例して減少する。長いチューブに対しては、右辺は周比の3乗に比例し、強束縛模型計算のデータで示唆されていたところの、チューブの構造によらないコンダクタンスの冪的依存性を与える。 さらに、有限のエネルギーに対しても波動関数を求めることができ、これらを再び境界で接続することにより、与えられたエネルギーでのコンダクタンスを得ることができる。コンダクタンスのエネルギー依存に特徴的な点はふたつあり、ひとつは、コンダクタンスがエネルギーの増加とともに振動する点、もうひとつは、太いチューブの第1バンド底の直前で、それまでエネルギーとともに増大していたコンダクタンスが突然ゼロへと落ちることである。後者の振る舞いは、先に述べた2モード近似では現れず、より上のバンドを考慮してはじめて得られる。 2.接合系(有限磁場下)のコンダクタンス 強束縛模型計算により、接合系に、軸に垂直な磁場をかけた時の、コンダクタンスの磁場依存が計算されている。定性的に、短い接合系のコンダクタンスは、弱磁場では磁場依存が殆どみられないが、中磁場で急激に減少し、強磁場で殆どゼロとなる。一方、長い接合系では、弱磁場で値が増加を開始し、中磁場〜強磁場でピークを持つ。そこでのコンダクタンスは完全透過の半分となる。こうした磁場依存性の原因も明らかでなかったので、有効質量近似を用いた解析を試みた。 磁場中でも、ゼロエネルギーにおいては、有効質量近似のハミルトニアンにある変換を施せば、ゼロ磁場の場合に帰着することがわかる。これを利用して、チューブ、および接合部の波動関数が得られる。コンダクタンスは、有効質量方程式の解を接続することにより求めた。計算結果が収束した範囲内で得られた結果によると、コンダクタンスの磁場依存は見られない。接合部の境界条件に反映されていたトポロジー的効果は、強束縛模型でみられたようなコンダクタンスの磁場依存特性をもたらさない。強束縛模型で磁場依存が現れた原因としてはいくつか原因が考えられるが、詳しい解析は将来の課題である。 3.ストーン・ウェールズ転位を含むナノチューブのコンダクタンス 最後に、ストーン・ウェールズ転位に関して、有効質量方程式による解析、強束縛模型計算の双方を行い比較した。この場合は、今までのように、系のボンド結合が大域的な境界条件として現れるという扱いよりも、結合交替を、元の有効質量方程式に加わった非局所的なポテンシャル項として扱うほうが便利である。具体的には、まず純粋なナノチューブ系に、適当なボンドを付加することで、ボンド交替の起きた系と等価な系を作る。この系に対する有効質量方程式を導くと、無摂動部分からは通常の有効質量方程式、付加したボンドからは非局所的ポテンシャル項が得られる。系の透過・反射係数を、ポテンシャル項を摂動として、ダイソン方程式を解いて計算し、ランダウアー公式に従ってコンダクタンスを求める。 波数のカットオフをどの程度の値に調整するかは微妙な問題となる。これを見るために、まず予備的に、一個のサイトが抜けた系のコンダクタンスを計算する。これは欠陥サイトに繋がるボンドに、逆符号のボンドを摂動ポテンシャルとして加えたモデルとして扱える。一方、同じく有効質量近似で、欠陥サイトに大きいポテンシャルが存在する系のコンダクタンスを計算できる。比較の結果、ボンドポテンシャルを用いた計算で、カットオフを格子間隔の2.33倍相当にとれば、元の系を再現することがわかった。 以上の準備を終え、ストーン・ウェールズ転位系の計算を行った。強束縛模型でも計算を行い、その結果と比較した。コンダクタンスは、エネルギー正負両側に一つずつ、半分透過になるディップを持つ。その位置はエネルギーに関して非対称であり、負側のディップの方がよりゼロから遠くに位置する。先に行われていた、擬ポテンシャルを用いて得られたコンダクタンスと比較すると、ほぼ同じ位置にディップが現れている。 以上、ナノチューブ系のトポロジーと輸送現象の関係を、5員環や7員環を含むいくつかの系について行った。接合系においては、トポロジー的効果は接合部の境界条件として現れ、これはK点とK’点の状態を混合させ散乱を引き起こす。とくにゼロエネルギーにおいては、接合部の波動関数は展開図の原点からの距離の冪で増加・減衰し、このことはコンダクタンスの周比への冪依存性をもたらす。一方、磁場中では、このトポロジー効果からは、コンダクタンスの磁場効果はみられていない。ストーン・ウェールズ転位を含む系については、境界条件として現れるような大きなトポロジー的効果は生じないが、接合部同様フェルミ点間の散乱が起きることを、転位を非局所的ポテンシャルとして扱うことにより明らかにし、具体的にコンダクタンスを計算した。 まとめると、強束縛模型計算では明らかではなかった、電子の散乱へのトポロジー的効果が、有効質量近似により解明された。 | |
審査要旨 | 本論文は9章からなり、第1章は序論、第2章は研究の背景、第3章は有効質量近似について、第4章は境界条件について、第5章はゼロエネルギーのときの結果、第6章はコンダクタンスのエネルギー依存性、第7章は磁場中における接合、第8章はストーン・ウェールズ転位を含むナノチューブのコンダクタンス、第9章はまとめと結論、をそれぞれ論じている。 本論文は、カーボンナノチューブ系のトポロジーと輸送現象を理論的に論じている。カーボンナノチューブ系に、5員環や7員環などの、グラファイト中の6員環とは異質の結合構造を導入すると、有限の曲率が生まれるために物質の形状が変わるのみならず、新しい電子構造が生じることが、いくつかの系に対して示されている。例えば、カーボンナノチューブ系に5員環と7員環の対を導入することで、2種類の異なるチューブを接続した、ナノチューブ接合系とよばれる系がある。また、互いに隣接する4つの6員環の結合が交替することにより、5員環-7員環の対二つが生じる、ストーン・ウェールズ転位とよばれる構造も存在する。これらの構造が、カーボンナノチューブ系の電子状態にどう影響するか、ひいては系の電気伝導にいかに反映するかを、考察している。 まず、接合系(ゼロ磁場下)のコンダクタンスであるが、ナノチューブ接合系における電子状態を、有効質量方程式によって解析し、その結果を用いて接合系のコンダクタンスを数値計算した最初の仕事を中心としている。研究の動機は以下の通りである。先行して行われていた強束縛模型計算によると、金属的チューブを接続する接合系のコンダクタンスは、ゼロエネルギーにおいて、各チューブの螺旋度によらず、ただそれらの周比のみによって与えられ、その依存性は冪的である。具体的には、接合部が長くなるにつれて、コンダクタンスは周比の3乗に比例して減衰する。強束縛模型計算の結果だけからは、コンダクタンスがこのような振る舞いを見せるメカニズムは明らかではなかった。以下に述べるように、有効質量近似は、このメカニズムに明快な説明を与える。グラファイト系の電子状態に特徴的なことは、フェルミエネルギーがゼロにおいて、フェルミ点とよばれる二つの独立な状態(K点、K’点)がある。これらはブリユアン域の端の点であり、電気伝導などの系の低エネルギー物理に最も寄与する状態である。有効質量方程式は、ナノチューブ系の電子状態を、これらフェルミ点の近傍の状態で有効的に記述するものである。系の電子状態は、4成分の波動関数で記述され、この波動関数が従うシュレーディンガー方程式は、質量ゼロのディラック方程式(ニュートリノに対するワイル方程式)と同じ形となる。この方程式を、ナノチューブの結合構造に応じた境界条件の下で解くことにより、具体的に各構造での波動関数を求めることができる。本研究では、まず、5員環や7員環を含む接合部において、有効質量質量方程式の波動関数がどのような境界条件に従うのかを導いた。その結果、波動関数は接合部を1周するごとに、異なるフェルミ点近傍の状態が入れ替わることを明らかにした。これは、5員環や7員環の周囲では、60度の回位のために、それらを1周するごとにグラファイトのAサイトとBサイト、K点とK’点が入れ替わることに由来している。この結果、チューブ領域で独立であったK点とK’点の状態は接合部において混合し、ポテンシャルが存在しないにも関わらず散乱が生じる。これはトポロジー的効果による新しい散乱機構である。次に、波動関数を、上の境界条件の下で具体的にシュレーディンガー方程式を解くことによって求めた。まず、エネルギーがゼロの場合のみを扱う。この場合、5員環や7員環の周りでは、その中央からの距離の冪で波動関数の振幅が与えられることを導いた。さらに、接合部における波動関数が、接合部の展開図の頂点からの距離の冪関数になることも示した。この中で、最も減衰の遅い解の解のコンダクタンスへの寄与は、両チューブの周比の3乗を与える。このことは、強束縛模型計算で示唆されていた、コンダクタンスの周比の3乗での減衰を説明する。最後に、接合部および2種類のチューブ領域でそれぞれ求められた解を、各々の境界において接続することによって、透過・反射係数を数値計算し、ランダウアー公式に従いコンダクタンスを求めた。強束縛模型の計算結果は、この計算と非常によく一致する。接合部が長く、周比(L7/L5)が小さいところでは、コンダクタンスは周比の3乗に比例して減少する。長いチューブに対しては、右辺は周比の3乗に比例し、強束縛模型計算のデータで示唆されていたところの、チューブの構造によらないコンダクタンスの冪的依存性を与える。さらに、有限のエネルギーに対しても波動関数を求めることができ、これらを再び境界で接続することにより、与えられたエネルギーでのコンダクタンスを得ることができる。コンダクタンスのエネルギー依存に特徴的な点はふたつあり、ひとつは、コンダクタンスがエネルギーの増加とともに振動する点、もうひとつは、太いチューブの第1バンド底の直前で、それまでエネルギーとともに増大していたコンダクタンスが突然ゼロへと落ちることである。後者の振る舞いは、先に述べた2モード近似では現れず、より上のバンドを考慮してはじめて得られる。 次に、接合系(有限磁場下)のコンダクタンスであるが、強束縛模型計算により、接合系に、軸に垂直な磁場をかけた時の、コンダクタンスの磁場依存が計算されている。定性的に、短い接合系のコンダクタンスは、弱磁場では磁場依存が殆どみられないが、中磁場で急激に減少し、強磁場で殆どゼロとなる。一方、長い接合系では、弱磁場で値が増加を開始し、中磁場〜強磁場でピークを持つ。そこでのコンダクタンスは完全透過の半分となる。こうした磁場依存性の原因も明らかでなかったので、有効質量近似を用いた解析を試みた。磁場中でも、ゼロエネルギーにおいては、有効質量近似のハミルトニアンにある変換を施せば、ゼロ磁場の場合に帰着することがわかる。これを利用して、チューブ、および接合部の波動関数が得られる。コンダクタンスは、有効質量方程式の解を接続することにより求めた。計算結果が収束した範囲内で得られた結果によると、コンダクタンスの磁場依存は見られない。接合部の境界条件に反映されていたトポロジー的効果は、強束縛模型でみられたようなコンダクタンスの磁場依存特性をもたらさない。強束縛模型で磁場依存が現れた原因としてはいくつか原因が考えられるが、詳しい解析は将来の課題である。 最後に、ストーン・ウェールズ転位を含むナノチューブのコンダクタンスであるが、有効質量方程式による解析、強束縛模型計算の双方を行い比較した。この場合は、今までのように、系のボンド結合が大域的な境界条件として現れるという扱いよりも、結合交替を、元の有効質量方程式に加わった非局所的なポテンシャル項として扱うほうが便利である。具体的には、まず純粋なナノチューブ系に、適当なボンドを付加することで、ボンド交替の起きた系と等価な系を作る。この系に対する有効質量方程式を導くと、無摂動部分からは通常の有効質量方程式、付加したボンドからは非局所的ポテンシャル項が得られる。系の透過・反射係数を、ポテンシャル項を摂動として、ダイソン方程式を解いて計算し、ランダウアー公式に従ってコンダクタンスを求める。波数のカットオフをどの程度の値に調整するかは微妙な問題となる。これを見るために、まず予備的に、一個のサイトが抜けた系のコンダクタンスを計算する。これは欠陥サイトに繋がるボンドに、逆符号のボンドを摂動ポテンシャルとして加えたモデルとして扱える。一方、同じく有効質量近似で、欠陥サイトに大きいポテンシャルが存在する系のコンダクタンスを計算できる。比較の結果、ボンドポテンシャルを用いた計算で、カットオフを格子間隔の2.33倍相当にとれば、元の系を再現することがわかった。以上の準備を終え、ストーン・ウェールズ転位系の計算を行った。強束縛模型でも計算を行い、その結果と比較した。コンダクタンスは、エネルギー正負両側に一つずつ、半分透過になるディップを持つ。その位置はエネルギーに関して非対称であり、負側のディップの方がよりゼロから遠くに位置する。先に行われていた、擬ポテンシャルを用いて得られたコンダクタンスと比較すると、ほぼ同じ位置にディップが現れている。以上、ナノチューブ系のトポロジーと輸送現象の関係を、5員環や7員環を含むいくつかの系について行った。接合系においては、トポロジー的効果は接合部の境界条件として現れ、これはK点とK’点の状態を混合させ散乱を引き起こす。とくにゼロエネルギーにおいては、接合部の波動関数は展開図の原点からの距離の冪で増加・減衰し、このことはコンダクタンスの周比への冪依存性をもたらす。一方、磁場中では、このトポロジー効果からは、コンダクタンスの磁場効果はみられていない。ストーン・ウェールズ転位を含む系については、境界条件として現れるような大きなトポロジー的効果は生じないが、接合部同様フェルミ点間の散乱が起きることを、転位を非局所的ポテンシャルとして扱うことにより明らかにし、具体的にコンダクタンスを計算した。まとめると、強束縛模型計算では明らかではなかった、電子の散乱へのトポロジー的効果が、有効質量近似により解明された。 なお、本論文は、安藤恒也との共同研究であるが、論文提出者が主体になって分析及び検証を行ったもので、論文提出者の寄与が十分であると判断する。 よって、博士(理学)の学位を授与できると認める。 | |
UTokyo Repositoryリンク |