学位論文要旨



No 116099
著者(漢字) 安平,俊伸
著者(英字)
著者(カナ) ヤスヒラ,トシノブ
標題(和) 強磁場におけるII-VI族半導体量子構造の励起子に関する研究
標題(洋)
報告番号 116099
報告番号 甲16099
学位授与日 2001.03.29
学位種別 課程博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 博工第4936号
研究科 工学系研究科
専攻 物理工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 三浦,登
 東京大学 教授 白木,靖寛
 東京大学 教授 尾鍋,研太郎
 東京大学 教授 五神,真
 東京大学 助教授 長田,俊人
内容要旨 要旨を表示する

●序論

 1970年代からの分子線エピタキシー(MBE)や有機金属気相成長法(MOCVD)など結晶成長技術の著しい発展によって、半導体では原子レベルで膜厚制御された量子井戸・超格子・変調ドーピング構造などの超構造が、容易に形成されるようになった。平面的な量子構造のみならず量子細線、量子ドットを作製する技術も進歩し、それらの物性も明らかにされつつある。これまでの半導体量子構造の研究の多くはGaAsなどを典型例とするIII-V族の半導体を対象とした研究が中心であったが、近年において、同様の試みをII-VI族半導体において実行するという研究例が多々報告されつつある。II-VI族半導体の最大の特徴としては、幅広くバンドギャップを占めるということがあげられる。たとえば、0eVのバンドギャップをもつHgTeからはじまって、ZnSでは3.8eVであることからわかるように、遠赤外の領域から可視領域、そして紫外の領域へとII-VI族半導体を組み合わせて混晶を作成することで広いエネルギー領域での光学デバイスへ応用される可能性があり、実際HgCdTeは赤外センサーとして広く使用されている。ここへ量子構造を導入することで、さらに複雑な物性制御の可能性が開かれるのである。III-V族半導体と同様に平面的な量子構造の作製技術は進歩し、近年では量子細線、量子ドット等の超微細構造の作製も手がけられ、将来の可視光量子ドットレーザーなどへの期待が高まっている。

 また、Cd1-xMnxTe、Zn1-xMnxSeに代表されるような半導体中に磁性イオンをドープした希薄磁半導体と呼ばれる系は、良質な結晶成長が可能であったために、歴史的にはII-VI族半導体をホスト結晶とした系の研究が盛んに行われてきた。希薄磁性半導体は、半導体としての性質に加え磁気的性質を兼ね備えた物質であり、磁場下においては磁性イオンの効果により巨大ゼーマン分裂、巨大ファラデー回転といった特有の磁気光学効果が現れることで知られている。つまり、磁性オンのドープにより、磁場によっても結晶の性質を制御できることが可能になるのである。以上の意味において、II-VI族半導体に対して工学応用に向けた様々な可能性が考えられるため、その基礎的な研究データの獲得は重要な意義を持つものであると考えられる。

●研究目的

 近年、量子ドットの作製方法として歪みを利用することで量子ドットを自然に形成させる自己組織化という方法が注目を浴び、II-VI族半導体においては研究は始まったばかりの段階である。形状としては確認できているドット構造の中において、実際にそこに三次元的に量子的な閉じ込め状態が実現しているかという問題に関する理論的、実験的な考察はほとんど皆無であるというのが現状であるため、具体的にCdSe/ZnSe、CdTe/ZnTe II-VI族半導体量子ドットを研究対象として取り上げ、三次元的な量子閉じ込め状態が実現しているかに関して、強磁場下における発光スペクトルを通じて、詳細な研究を行う。

 また、これまでバルクにおいて盛んに研究されてきた希薄磁性半導体をナノスケールサイズの低次元化構造にした場合、バンドの閉じ込め効果により波動関数が変化するため、バンド電子と磁性イオンとの相互作用が系のサイズに依存し、またバルクとは異なった新たな現象が生まれる可能性が理論的にも予測されている。希薄磁性半導体量子井戸Cd1-xMnxTe/Cd1-yMgyを研究対象とし、量子サイズ効果によって制御された半導体のp軌道と磁性イオンのd軌道の混成がどの様な低次元化による効果を受けるのか、そしてその性質はバルクと比べてどの様にちがってくるのか、強磁場下における励起子の発光スペクトルを通じて、詳細な研究を行う。

 以上を本研究の目的とし、強磁場・高圧・低温の極限的な環境下での発光スペクトルの研究を行った。

●CdSe/ZnSe量子ドットに関する実験結果と考察

 強磁場下における発光スペクトルの測定に際し、試料中のドットサイズがことなる二つの量子ドット試料(EK34,EK9)とwetting layerの性質を観測するための参考としての量子井戸(EK44)を用意した。試料成長のプロセスの違いから、EK34の試料平面内に存在する平均的なドット形状は、EK9のそれよりも大きいと考えている。大きなドットのEK34と量子井戸に対して、磁場を試料表面に垂直(Faraday配置)に加えた場合の発光ピークのエネルギーシフトを、励起光として無偏光のArイオンレーザー351nmラインを用いて4.2Kで測定すると、いずれの試料も反磁性シフトを反映した高エネルギーシフトを示した。

しかし、ドットのサイズの小さなEK9の発光ピークの磁場依存性は図1に示すように、ピークは磁場と共に低エネルギーシフトをし、発光強度も磁場と共に減少しているという特異な現象が観測された。これは通常の反磁性シフトの描像では説明できない結果である。この特異な磁場依存性に関して、組成の揺らぎに起因するバンドギャップの揺らぎの効果が励起子のダイナミクスに与える影響を考慮し、GaInAs合金の発光スペクトルの形状を励起子の輻射再結合寿命をパラメータとして記述したSchubert等(P.R.B 34(1986)2991)によるモデルを用いて、この磁場下における低エネルギーシフトを解析した。0Tと40Tにおける発光スペクトルの形状に関して、このモデルを適用すると、磁場の影響で輻射再結合寿命が延びるという結果を得た。電子とホールが空間的に離れている場合、磁場の下では励起子の輻射再結合寿命が延びるという実験結果の報告(P.R.B 60(1999)8753)があり、ドットのサイズの小さなEK9の試料では、電子と正孔が試料内部に存在する欠陥や歪みなどの影響で空間に離れた結合をしており、そのため磁場下において、輻射再結合寿命が延びるという空間的に離れた励起子状態を形成しているのではないかと考えている。また、発光スペクトルの温度依存性に関しても、ドットの大きさの違いによって大きく異なった結果が得られ、大小のドットにおいて、その励起子の閉じ込めの様子が異なっている可能性を示唆し、CdSe/ZnSe量子ドットにおいては、形状として確認できるドットには、それほど強い三次元的な束縛状態を実現することができないという可能性を示した。

●CdTe/ZnTe量子ドットに関する実験結果と考察

 量子ドット試料およびその比較として、量子井戸試料を磁場下において測定した。励起光は無偏光のArイオンレーザー488nmライン、測定温度は4.2Kである。図3に示すのは、試料表面に垂直(Faraday配置)、平行(Voigt配置)で磁場を加えた場合の発光エネルギーの磁場依存性である。横軸はB2でプロットした。この試料に存在するドット形状は、AFMより観測されたデータから半径約20nm、高さ2.7MLである。

 二つの磁場配置でエネルギーシフトが異なることの理由として、励起子がそれぞれの磁場方位の下でサイクロトロン運動できる空間が、このドット形状の異方性に左右されたことを反映していると考えている。次にバルクにおいて観測されている効果が量子ドットという微細構造になった場合どのような変化を受けるのかを調べるために、圧力下における実験も行った。静水圧下の実験では、圧力と供にバンドギャップが開くことを反映した高エネルギーシフトが観測された。発光ピークシフトの静水圧力依存性はdE/dP=87.2(meV/GPa)と求められ、バルクで報告されている圧力依存性dE/dP-64.5(meV/GPa)よりも若干大きな結果が得られた。静水圧と磁場を組み合わせた環境での発光スペクトルの測定では、圧力(0.6GPaまで)を加えた状態では、そのエネルギーシフトの磁場依存性がわずかながらB<10Tにおいて低エネルギー側にシフトする傾向を確認した。一軸方向の圧力と磁場を組み合わせた実験では、この低磁場領域での低エネルギーシフトがさらに顕著に観測された。発光スペクトルが低磁場領域で一度低エネルギー側へシフトし、強磁場領域で高エネルギーシフトに転ずるという実験結果は、GaAsの二重量子井戸において、電界でバンド構造を曲げ、空間的にindirect結合実現させた励起子からの発光スペクトルの磁場依存性で報告されている結果と全く同じ振る舞いである(Solid State Commun.113(2000)437)。これを考慮すると、圧力を加えるとCdTe/ZnTe量子ドットの励起子は空間的に離れた結合へと変化している可能性が示唆されていることになるが、一軸応力下では、量子ドットの発光ピークが約0.2(GPa)で分裂する現象が観測されており、そのような励起子の状態が変化していることを反映したものだと考えている。

●Cd1-xMnxTe/Cd1-yMgyTe(希薄磁性半導体量子構造)に関する実験結果と考察

 希薄磁性半導体は、半導体のバンド電子(s,p)と磁性イオンのd電子が相互作用(sp-d交換相互作用)するため、その磁性イオンの影響で希薄磁性半導体に特有な巨大ゼーマン分裂と呼ばれる非常に大きなゼーマン効果を示す。図4は、ほぼ同じ井戸幅(25A,54A,140A)を持つMn49% Mg37%の試料とMnO% Mg37%の発光スペクトルの磁場依存性をプロットしたものである。測定は4.2Kで励起光として、無偏光の514.5nmを用いた。得られた結果に対して、現象論的に強磁場領域における巨大ゼーマン分裂を表現する式を用いて解析を行うと、井戸幅の減少と共に孤立する磁性イオンが増加するという傾向をしめし、また井戸幅の減少と共にsp-d交換相互作用定数が減少する振る舞いも確認した。次元性の減少にともないsp-d交換相互作用定数が減少することは、A.K.Bhatmcharjee(P.R.B Vol.58(1998)15660)が、理論的に予測しており、実験的に観測する事ができた。

 更に低温の1.5Kにおいて発光スペクトルの磁場依存性を測定すると、バルク結晶で報告されている磁化過程に現れるステップ状の変化を観測した。45Tまでの測定で、ステップに対応するピークのとびを4ヶ所観測した。ステップの磁場位置から、最隣接の磁性イオン間のd-d交換相互作用を求め、いずれの井戸幅でも、バルクで報告されている文献値とほぼ同じ値であり井戸幅依存性は確認できなかった。

 次に静水圧と強磁場を組み合わせた環境下において発光スペクトルの測定を行った。同様に巨大ゼーマン分裂を表現する式を用いて、圧力下での発光スペクトルの磁場依存性について解析を行った。図4に示すのは、sp-d交換相互作用の圧力依存性の結果である。比較的広い井戸に関しての圧力依存性は、バルクCdMnSeで報告されている圧力依存性とよく一致したが、井戸幅が狭くなるとその傾きが大きくずれてくることが確認できる。

 ここで、sp-d交換相互作用が井戸幅に依存する実験結果、およびsp-d交換相互作用の圧力依存性が井戸幅によって異なるという実験結果を説明するために、ヘテロ構造における界面の影響について考察した。界面近傍では、Mn-Te-Mnの結合(p軌道とd軌道の混成)の様子がバルク状態とは異なっていることが予想される。交換相互作用定数は、このMn-Teのボンド長やボンド角によって記述されるものであるので、界面近傍のsp-d交換相互作用定数はバルクなどで報告されている値とは異なっている可能性を考えた。結晶中の原子の配列は、井戸幅に大きく依存すると考えられるために、sp-d交換相互作用が井戸幅に依存する実験結果は、界面の影響による効果を実験的に観測したものであると考えている。また、界面近傍におけるボンド長およびボンド角の変更は、バルク状態と比較して、構造的に歪んでいることが予想される。これまでに、静水圧によって構造的な歪みが緩和されたという可能性を示す実験結果(H.Yokoi et al., Proc.23rd Int. Conf. on the Phys.of Semicond(1996)2039)が報告されており、狭い井戸ほど結晶構造に大きな歪みを持ち、静水圧の効果によってそれらが大きく緩和されるため、実効的に圧力の効果が大きく現れたものと解釈している。

●まとめ

 II-VI族半導体の低次元構造において、励起子発光を通じ、強磁場・高圧下の環境の下研究を行った。本研究で明らかになったことは以下のようである。

 磁場における研究例の非常に少ないII-VI族半導体量子ドット(CdSe/ZnSe、CdTe/ZnTe)について、ドット内部における量子閉じ込め状態に関する研究を行った。ドット内部における励起子の波動関数の分布について考察し、励起子に対する三次元量子閉じ込めはそれほど強くなく、ドットの形状サイズが小さくなるほど量子閉じ込め状態が実現しないという結果を示した。この結果は、将来のドットデバイス開発への重要な基礎データとなる筈であり、強力な三次元閉じ込めを実現する量子ドットの研究への動機になるものだと考えられる。希薄磁性半導体低次元構造の研究においては、井戸層として希薄磁性半導体を考えた、Cd1-xMnxTe/Cd1-yMgyTe系において、sp-d交換相互作用定数の次元性に関する研究を行った。sp-d交換相互作用は、井戸幅(次元性)に強く依存することが示された。低次元構造においては、バルクとは異なり、界面の効果を考慮する必要があることが示された。この結果は、実験結果に対する理論的解釈を研究する動機となると考えられると同時に、将来的に半導体中でスピンを制御していくスピン工学への重要な基礎データを与えるものだと考えられる。

図1. Faraday配置におけるPLエネルギーシフトと発光強度の磁場依存性(CdSe/ZnSe dot)

図2. Faraday配置とVoigt配置のシフト(CdTe/ZnTe dot)

図3. Cd0.951Mn0.049Te/Cd0.63Mg0.37Teエネルギーシフトの磁場依存性

図4. sp-d交換相互定数の静水圧依存性

審査要旨 要旨を表示する

 量子井戸、量子細線、量子ドットなどの半導体量子構造においては、人工的につくられた量子ポテンシャルによって量子化された電子準位の示す種々の量子効果が基礎的物理学の新しい問題として、また新しい半導体デバイス応用という観点から関心を集めている。しかしながらこれらの研究は従来、非常に良質な結晶が得られるIII-V族半導体を中心に行われてきた。II-VI族半導体については、ゼロギャップの物質から広バンドギャップのものまで多様な結晶が存在すること、有効質量が比較的大きく励起子の束縛エネルギーが大きいこと、また電子・格子相互作用が大きいなどの特徴のためにきわめて興味深い物質群であるが、III-V族ほどの良質な結晶や量子構造が得られないことから研究が立ち後れていた。最近、非常に良質なデバイスが作製されるようになり、多くの興味深い現象が見出されるようになったが、その磁気光学的性質は、磁場に対する応答が小さいためにほとんど未開拓な領域であった。II-VI族半導体のもう一つの特徴はII族のカチオンをMn2+などの磁性イオンで置換することにより、半導体と磁性体の性質を併せ持った希薄磁性半導体を作製できることである。これについても多くの研究がなされているが、その量子構造や次元依存性に関してまだ未知の問題が数多く残されている。

 本論文は、「強磁場におけるII-VI族半導体量子構造の励起子に関する研究」と題し、II-VI族半導体の量子ドットおよび希薄磁性半導体の量子井戸について、強磁場、高圧下における磁気光学スペクトロスコピーを手段としてなされた研究をまとめたものである。

 第1章「序論」では、本研究の目的、意義、論文の概要などが述べられている。

 第2章「磁場中における半導体低次元励起子スペクトル」では、半導体低次元構造の電子状態、励起子準位、磁性イオン注入の効果など、本研究の背景にある基本的問題の要約が述べられている。

 第3章「実験技術」では、長時間パルス磁場下、高圧下での磁気光学スペクトロスコピーの実験法が述べられている。特にパルス磁場中で静水圧および一軸性の高圧を発生する方法、CCDと組み合わせたOMAによって時間分解スペクトルを測定する方法などは本研究の過程で開発が進んだ新しい実験技術である。

 第4章、第5章は本論文の中心をなすもので、本研究で得られた実験結果とその考察が議論されている。

 第4章「II-VI族半導体量子ドットの励起子発光スペクトル」では、CdSe/ZnSe、CdTe/ZnTe量子ドットについて励起子の反磁性シフトの異常な振る舞いが論じられている。励起子の反磁性シフトは励起子の波動関数の広がりを見積るのに有力な手段であるが、CdSe/ZnSeではドットの形状が小さいときには反磁性シフトが通常の励起子とは逆に低エネルギー側に起こることが見出された。この現象は正孔がドットの内部ではなく電子とは離れた位置に局在しているために、磁場の増加とともに電子、正孔の波動関数が収縮すると電子正孔対の再結合寿命が増大し、励起子が低ポテンシャルドットに緩和していくとするモデルによって定量的にも非常によく説明されている。比較的大きいドットについては、励起子の波動関数の広がりが見積られ、これがCdSeバルク結晶とあまり変わらないことが見出された。CdTe/ZnTeについては、励起子ピークのエネルギーが高いほど、すなわち小さいドットほど反磁性シフトが大きいという異常性が見出された。また一軸性圧力によって励起子ピークに異常な分裂が見られることが見出された。これらの結果は2次元電子系では価電子帯のバンドオフセットが小さいために正孔の閉じ込めが弱く、励起子のドット内部への閉じ込め効果が小さいためであるとして説明されている。

 第5章「希薄磁性半導体量子構造の励起子発光スペクトル」では、CdMnTe/CdMgTe量子井戸について、巨大ゼーマン効果のために低エネルギー側にシフトした励起子の発光ピークの磁場依存性、量子井戸幅依存性の測定結果が詳しく議論されている。シフトから得られる伝導電子、正孔と磁性イオンとの間のsp-d交換相互作用は井戸幅に依存すること、その依存性の一部は界面における波動関数の浸み出しの効果であるが残りの部分は相互作用の波数ベクトル依存性によるものであること、静水圧を加えるとsp-d交換相互作用は増加するが、増加率は井戸幅が狭いほど大きいこと、圧力効果の井戸幅依存性は界面の効果によるものであること、隣接Mnイオン間の交換相互作用JNNは井戸幅によらないなど多くの新しい知見が得られた。これらの現象は、sp-d交換相互作用が界面の影響を受け、また次元性によって変化するという観点から統一的に説明されている。

 第6章「総括」では、以上の研究の概要が要約されている。

 以上を要するに、本研究は45Tを越える長時間パルス強磁場、1.6GPaにおよぶ高圧下における励起子の磁気光学スペクトロスコピーを手段として、II-VI族半導体の量子ドット、および希薄磁性半導体量子井戸について系統的な研究を行い、従来、研究例の少なかったこの分野で多くの新しい知見を見出したものであり、物性物理学、物理工学の発展に寄与するところがきわめて大きい。

 よって本論文は博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる。

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