学位論文要旨



No 116135
著者(漢字) 本多,謙介
著者(英字)
著者(カナ) ホンダ,ケンスケ
標題(和) ナノ構造化ダイヤモンド電極における電気化学反応に関する研究
標題(洋) Electrochemical Studies at Nano-Honeycomb Diamond Electrodes
報告番号 116135
報告番号 甲16135
学位授与日 2001.03.29
学位種別 課程博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 博工第4972号
研究科 工学系研究科
専攻 応用化学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 藤嶋,昭
 東京大学 教授 尾嶋,正治
 東京大学 助教授 TRYK,DONALD
 東京大学 助教授 岸本,昭
 東京大学 助教授 瀬川,浩司
内容要旨 要旨を表示する

1. はじめに

 天然ダイヤモンドは、高熱伝導率、高硬度、高屈折率、化学的安定性など優れた材料特性を示し、この特徴を活かしてさまざまな分野で応用されている。ダイヤモンドの特筆すべき特性の一つは、1016Ωcm程度の絶縁体であるということである。しかし、不純物としてボロンをドープすることで、抵抗率を10-2Ωcmまで低減し、導電性を付与することができる。これにより電極材料としての利用が可能となる。導電性ダイヤモンド電極の電気化学的特徴としては、グラッシーカーボンなどの他の電極に比べて、電位窓が広く、容量・残余電流が低く、電気化学的な安定性が高いことである。現在、これらの特性から、微量分析用センサー材料としての応用研究が広く行われている。本研究では、ダイヤモンド電極に新たな機能を付加することを目的として、導電性ダイヤモンド表面にナノ構造を構築し、さらに表面修飾を試みた。 このナノ構造体内部の電気化学反応プロセスに関して、構造パラメータの与える影響を明らかにした。

2. ナノ構造化ダイヤモンド電極の電気二重層充電に対する交流インピーダンス特性

2.1 緒言

 導電性ダイヤモンドは、水溶液中で3.5Vにわたる電位窓をもつ。この特性は、高エネルギー密度の電気二重層キャパシタへの応用が期待されるものである。電気二重層キャパシタの高エネルギー化手法としては、電位窓の広い有機溶媒を使用するのが一般的であるが、導電率が水溶液に対して約一桁低い有機溶媒を使用すると、高出力放電が不可能となる。水溶液系で広い電位窓を持つダイヤモンド電極は、高エネルギー・高出力を兼ね備えた電気二重層キャパシタを実現可能であると期待される。 しかしながら、ダイヤモンドの材料特性として、二重層容量が非常に小さいというデメリットがある。本研究では、ダイヤモンド電極表面に、化学静幾何的微細加工を施すことにより、ダイヤモンド電極の容量増加を試み、さらにナノ構造体内での電気二重層充電プロセスの解明を目的とした。

2.2 実験

 ボロンをドープしたダイヤモンド薄膜表面をナノオーダーの規則性をもつ多孔質アルミナによりマスキングし、マスクを介して酸素プラズマによりエッチングを行うことにより、ダイヤモンド表面にナノ構造を転写した。エッチング時間とマスクの形状を変化させ、ポアタイプ(直径×深さ)が、(30×50nm)、(60×500nm)、(400nm×3μm)、のホールアレイを持つ、3種類のナノハニカムダイヤモンド電極を作製した。

 ACインピーダンス計測にはTOHO T.R.製ポテンショガルバノスタット(model 2020)を用いた。測定した周波数領域は0.01Hz-100KHzであり、交流振幅は 10mV、各測定ポイントにおいて、10サイクル分の平均値を計測データとした。電気化学測定はすべて、電極面積0.071cm2にて、電解液は硫酸水溶液(1M)を用いた。

2.3 結果と考察

(1)ナノハニカムダイヤモンド電極(60×500nm)断面のSEM像を図1に示す。電極表面には直径60nm、深さ500nm、間隔100nmのホールアレイが構築されているのがわかる。

 このナノハニカム電極の電位窓は加工前のダイヤモンド(as-depositedダイヤモンド)と変化がない。 したがって、酸素プラズマを用いた表面加工前後で、広い電位窓というダイヤモンド特性が保たれることを確認した。

 ナノハニカムダイヤモンドについてACインピーダンスを計測、電気化学的応答性と静電容量の測定を行った。図2にポアタイプ(60×500nm)と(30×50nm)のハニカムダイヤモンドのCole-Coleプロットを○で示す。ポアタイプ(60×500nm)はポーラス電極に特徴的な2つのドメイン構造をとる。高周波側では45°に近いアングルを描き、低周波側では平坦な電極に近い垂直なラインを描く。これに対し、ポアタイプ(30×50nm)はこのドメインのうちの高周波部分のみが観測されている。このポアタイプは、ポアインピーダンスが高いため、ポアの底まで二重層が形成されないと推測される。静電容量値としては、3種類のハニカム電極の中で(400nm×3μm)が最大の容量値3.9mFcm-2を示した。

 酸素プラズマによる表面ナノ構造化により、ハニカム電極の容量はas-depositedダイヤモンド(12.9μFcm-2)の約400倍に増加することができることが示された。このハニカム電極の二重層充電に対するエネルギー密度を二重層容量Cと電位窓の計測値Vを用いてE=1/2CV2により算出すると、ポアタイプ(400nm×3μm)のエネルギー密度は、225J g-1となる。通常、電気二重層コンデンサーで用いられる活性炭電極のエネルギー密度は50-200J g-1であるので、得られた結果と比較すると、ナノハニカム加工により、ダイヤモンドのエネルギー密度は従来の炭素材料と同じオーダーまで引き上げられたと結論づけられる。

(2)ナノハニカム電極のポア径変化に対するACインピーダンスの応答性変化を解釈するため、ポーラス電極に用いられるtransmission lineモデルに、実際のポアパラメータを適用し、ACインピーダンスの数値シミュレーションを行った。シミュレーション結果を実線で図2に示す。図から明らかなように、測定で得られたインピーダンスは数値シミュレーションにより再現可能であり、ハニカム電極は理想的なシリンドリカルポアとして挙動していることが明らかになった。

 シミュレート結果に用いたポア内部の微分容量は140μFcm-2であり、as-depositedダイヤモンド(12.9μFcm-2)の約10倍である。この微分容量はダイヤモンド表面に酸素プラズマを1分間照射した場合の微分容量238μFcm-2に近い。ナノハニカム電極の容量増加には、酸素プラズマエッチングにより電極表面に導入された炭素一酸素官能基が大きく寄与しているものと推測される。また、ポアタイプ(30×50nm)内部の電解液の導電率(70μScm-1)は、ポアタイプ(60×500nm)(15mScm-1)の1/200の値を用いることによって、実測を再現可能である。したがって、ポアタイプ(30×50nm)内では、イオンの移動度が極端に抑制されることが明らかになった。本研究の結果は、ナノポア内部の電気化学プロセスが、transmission lineモデルでモデル化可能であることを示している。また、ナノオーダーのポア内部でのイオンの移動度は、ポアサイズに敏感であり、ポア内部は分子の移動に関して抑制された環境であることを示している。

3. ナノハニカム−金属複合電極における電気化学触媒反応

3.1 緒言

 ナノハニカムダイヤモンド電極は、ダイヤモンドの優れた電気化学的特性とナノオーダーの表面幾何構造を合わせもつ電極材料である。ハニカムダイヤモンドは表面ナノ構造により、(1)広い電位窓かつ高い静電容量、(2)有機電解液中に対して高いポアインピーダンスを示し、(3)ポア内では特定酸化還元種に対してのみ反応電流増幅効果があり、幾何構造による反応選択性を示すことが報告されている。また、ダイヤモンドは、酸・アルカリ溶液中での高電圧印加に対して高い耐腐食性を示すことから、電池集電体・触媒保持体としての利用が期待されている。触媒保持体としては、一般的に、高表面積を利用して、多孔質材料が用いられている。本研究では、このナノハニカムポア内部に電気化学的触媒反応を起こす白金微粒子を担冶し、反応分子サイズに対して選択的な電気化学的触媒反応場としての応用を検証する。

3.2 実験

 多孔質アルミナと酸素プラズマを併用した表面加工技術によりダイヤモンド表面に2種類のポア径(60nm,400nm)を持つナノハニカム構造を作製した。このハニカムダイヤモンドを塩化白金酸溶液に浸漬後、水素雰囲気下で熱的(580℃)に還元することにより白金ナノ微粒子の担冶処理を行った。

 このハニカムポア内白金微粒子上でのアルコール類の酸化反応、酸素還元反応について、サイクリックボルタモグラム(CV)とACインピーダンスにより電気化学特性を計測した。

3.3 結果と考察

(1)ナノハニカム(400nm×3μm)/Pt電極断面のSEM像を図3に示す。直径400nm、深さ3μm、ホールアレイのポア内部に、直径10-150nmの白金微粒子が担冶されているのが確認される。さらにポアタイプ(60×500nm)のハニカムダイヤモンドとAs-depositedダイヤモンドに白金微粒子を担冶した電極の3種の電極について、バックグランドCVを測定し、水素の吸・脱離波から白金表面原子数を算出した。白金表面原子数は電極ラフネスに比例し、実表面積あたり、1.07×1015cm-2の白金原子が活性であることが確認された。

(2)ハニカム/Pt電極はダイヤモンド電極にない、メタノールの酸化反応に対する高い触媒活性を示し、CVにおけるピーク電流値は、同じマクロ表面積を持つ白金電極の約16倍となった。この高い触媒活性はハニカム電極の高表面積と、白金微粒子の高い触媒活性のためと考えられる。このハニカム/Pt電極の触媒活性はハニカム幾何構造とアルコール分子サイズに依存する。

図4にメタノール、エタノール、2-プロパノールに対するハニカム/Pt電極のAs-deposited/Pt電極に対するピーク電流密度比を示す。この値は各電極に担持された表面白金原子数で規格化してある。したがって、このピーク電流密度比はハニカム/Pt電極で触媒反応に利用可能な白金原子数比に対応する。両ハニカム電極とも反応分子がメタノールの場合、担持された白金表面原子をすべて利用可能であるが、エタノールになると、ポアタイプ(60×500nm)ハニカム内部での触媒活性が急激に低下、利用できる白金表面原子の割合が0.2と、ポアタイプ(400nm×3μm)の1/3となった。さらに、2-プロパノールでは、ポアタイプ(400nm×3μm)でもピーク電流密度比が0.1となった。これらの結果はハニカム/Pt電極において、アルコール酸化反応に対する分子サイズ効果を示している。これは、アルコール分子の拡散係数の違いだけではなく、ナノオーダーの側壁との相互作用等の二次的な影響が強いものと推測される。

(3)さらに、ハニカム/Pt電極の触媒反応に対するACインピーダンスを計測、transmission lineモデルを用いた等価回路シミュレーションにより、反応が進行可能なポア深さ(ペネトレーションデプス)と反応抵抗の解析を行った。図5にメタノール・エタノールの酸化反応に対するCole-Coleプロットを示す。ポアタイプ(400nm×3μm)では、いずれの触媒反応に対しても、ペネトレーションデプスはそのポア深さ3μmまで到達している。ポアタイプ(60×500nm)のメタノール酸化反応では、460nmとポア深さ程度まで到達しているが、エタノール酸化反応では、190nmと40%程度にとどまった。また、メタノール酸化反応に対する反応抵抗値は各電極ともほぼ等しい値をとるが、エタノール酸化反応の反応抵抗値は、ポアタイプ(400nm×3μm)ではAs-deposited/Ptの4倍に、ポアタイプ(60×500nm)では10倍となった。この反応抵抗の上昇値は、ポア内部でエタノール濃度がそれぞれ1/10、1/200程度になっていることに相当する。反応分子サイズとナノ構造による触媒活性の変化は、反応分子の拡散阻害によるペネトレーションデプスと反応抵抗の変化が要因となっていると推測される。本研究では、ナノハニカムダイヤモンドにアルコール酸化反応に対する高い触媒活性を付与し、ポア内部での触媒活性をナノ構造と分子サイズにより制御することが可能であることを示すことができた。

4.まとめ

(1) ダイヤモンド表面にナノ構造を付与することにより高容量化を達成、電気二重層充電に対するエネルギー密度を、既存の炭素材料に匹敵するレベルまで上昇させることが可能なことを示した。ハニカムダイヤモンドのACインピーダンス結果から、ナノ構造体内部でのイオンの移動度は、その形状変化に対して敏感であり、ポア内部はイオンの動きが抑制される空間であることが明らかにした。

(2)ハニカムポア内に白金微粒子を担持することにより、アルコール酸化反応および酸素還元反応に対して高い触媒活性を付与できた。その触媒活性はバルク白金電極に対して約16倍であった。ハニカム/Pt電極は、アルコール分子のサイズにより触媒活性の制御が可能である。ハニカム形状と反応分子サイズのコントロールにより電気化学触媒反応に対する選択性の発現の可能性を示した。

Fig.1. SEM image of the pore type 60×500nm nano-honeycomb diamond electrode.

Fig.2. Complex-plane impedance diagram of the pore type (a) 60×500nm and (b) 30×50nm nano-honeycomb, (○) experimental and (-) theoretical.

Fig.3. SEM image of the Pt-modified nano-honeycomb(400nm×3μm)diamond.

Fig4. Relatopmship of peak current ratio for Pt-modified nano-honeycomb electrode.

Fig.5. Impedance plots for (A) methanol and (B) ethanol oxidation for (△) as-deposited/Pt,pore type (□) 60×500nm/Pt, and (○) 400nm×3mm/Pt. The simulated curves are shown as lines.

審査要旨 要旨を表示する

 本論文は九章より構成されており、ナノ構造化ダイヤモンド電極の電気二重層コンデンサー電極材料としての応用を主眼においた電気化学的特性の評価と、金属ナノ微粒子を用いた新規ダイヤモンド複合電極の創製について述べている。 第一章では、研究の概要を、第二章では、ナノ構造化の手法とその評価手法、ダイヤモンド電極の研究の背景について述べ、本論文での研究の方向付けがなされ、第四章以降に具体的な研究成果を示している。最後の章は全体の総括と研究に関する将来展望を述べている。

 第二章は序論であり、前半では、ナノ構造化材料が近年積極的に研究されるようになってきた背景とその特徴を述べている。また、ナノ構造材料として用いたダイヤモンドの電気化学特性の特異性について、さらにはダイヤモンド材料の選択の狙いについても述べている。 ナノオーダーで構造が規定された材料は、電気化学特性における構造依存性の評価が不可欠であるのにもかかわらず、その応用段階が初期であるため、ナノ構造体内部での電気化学プロセスが確立されていないことを指摘し、このためには電気化学インピーダンス法とその解析が有用であることを述べている。さらに後半には、そのナノ構造化電極のモデルとして、トランスミッションラインモデルの有用性を提示しており、同様な構造をもつナノ構造化電極の開発という観点から、この手法がナノ構造体内部での現象解明に大きな可能性を秘めていることを述べている。第三章には、新規に導入したダイヤモンド表面のナノ構造化手法について、詳しく解説している。

 第四章では、水溶液系におけるナノ構造化ダイヤモンド電極の電気化学インピーダンス法を用いた評価について具体的に述べている。 はじめに、ナノ構造化ダイヤモンド電極は、そのナノオーダーの細孔のもつ高いラフネスとナノ構造化の際にポア表面に導入される酸素官能基の影響により、二重層容量が劇的に増加することを明らかにしている。この高容量特性とダイヤモンド固有の広い電位窓という性質から、この材料は、電気二重層コンデンサーとして、活性炭電極に匹敵するエネルギー密度をもつということを示している。次に、ナノ構造体内部での二重層充電プロセスを、ナノポア径の異なるナノ構造化ダイヤモンドについて具体的に解析している。 はじめに、ナノ構造体表面に導入される含酸素官能基の電極部位による差を明らかにし、ポア内部への酸素官能基導入量がポア径に大きく影響を受けることを明らかにしている。さらには、ナノポア径の変化に対して、ポア内部の液抵抗が敏感に変化すること、つまり、二重層充電におけるイオンの移動度がナノ構造に大きく影響をうけることをインピーダンスの詳細解析により明らかにしている。

  第五章では、カーボン材料での電気二重層コンデンサーの高エネルギー化手法である非水電解液中におけるダイヤモンド電極の特性について述べている。非水電解液中でのダイヤモンド電極の電位窓を決定する酸化・還元電位は、グラッシー・カーボン電極と一致することを明らかにし、有機溶媒の電気化学的酸化反応の反応過程に、外圏的なラジカル生成が関与していることを示唆している。第六章では、更なる高エネルギー化を目指して、この非水電解液中でのナノ構造化ダイヤモンド電極の二重層充電挙動を述べている。非水電解液中では、バルク電解液自体の低い導電率により、ポアインピーダンスがさらに増加することを明らかにし、ダイヤモンド電極の二重層コンデンサー応用には水溶液系電解液の適用がアドバンテージが高いことを示している。

 第七章では、電極表面状態に応じて反応性の変化する無機酸化・還元種を用いることによって、ナノ構造化ダイヤモンド電極上での反応メカニズムを議論している。イオンサイズの大きい錯イオン状の酸化・還元種では、ナノ構造化電極のフロントサーフェースにおいて電荷移動反応が優先的に進んでおり、比較的のサイズの小さな金属イオン種に対してのみ、ポア内部での電荷移動が可能であることが述べられている。さらに、いずれの反応種に対しても、表面ナノ構造化による反応性増幅は非常に少ないことが明らかにされている。金属イオンの場合、ナノポア内に反応物の大きな濃度勾配が生じていることがインピーダンス法により明確にされており、ナノポア内での濃度勾配の生成が反応抑制の要因であることが示唆されている。

 第八章では、ナノ構造化ダイヤモンド電極と、触媒反応を引き起こす金属材料として白金ナノ微粒子を複合化させた、分子選択的な電気化学触媒反応場の設計について述べている。 触媒反応に関与する分子サイズによりナノ構造体内部での拡散速度が大きく変化するため、反応分子のポア内濃度をコントロールすることが可能であり、それによりナノ構造体内部での触媒活性の制御が可能であることが示されている。この結果は、電気化学触媒のみならず、ナノ構造体と機能性材料との複合化によって、新たな機能を発現させ得る大きな可能性があることを示唆している。

 第九章では、本研究で得られた結果の総括および将来への展望が述べられている。この中で、表面ナノ構造化のような手法で新たな機能を発現させる試みが電気化学材料の分野への更なる発展につながる可能性を示唆している。

 本論文における結果は、ナノ構造の材料科学という分野において、新機能の創製という点できわめて有益な知見を与えるものである。さらには、そのような機能性材料の開発に伴い、電気化学インピーダンス法をはじめとする電気化学プロセスの解明が、材料設計にきわめて有用となることを示しており、基礎、応用いずれの見地からも高く評価でき、かつこれらの分野における今後の発展に大きく寄与するものと認められる。

 よって、本論文は博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる。

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