学位論文要旨



No 117489
著者(漢字) 趙,屹東
著者(英字)
著者(カナ) チャオ,イートウ
標題(和) 構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムの研究
標題(洋)
報告番号 117489
報告番号 甲17489
学位授与日 2002.05.17
学位種別 課程博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 博工第5291号
研究科 工学系研究科
専攻 産業機械工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 光石,衛
 東京大学 教授 木村,文彦
 東京大学 教授 中尾,政之
 東京大学 助教授 柳本,潤
 東京大学 講師 割澤,伸一
内容要旨 要旨を表示する

 近年、ユーザ・ニーズの多様化と市場競争激化、グローバル化の加速にともない、産業界はこれまで以上に生産能率を高めることが求められているが、さらに、ユーザのニーズを反映した商品に迅速かつ臨機応変に対応しなければならない。そのため、変種変量生産に対応でき、変化に対するシステム構築の迅速性と柔軟性がある生産システムの実現が望まれている。また、情報技術の急速な発展にともない、製造業を取り巻く環境は大きく変貌しディジタル化された生産情報、製品情報、並びに管理情報に対応可能な生産システム構成は不可避である。生産システムの運用体制については、これまでのように一箇所に集中したあるいは階層構造を持つ大規模工場を統一的な考え方で運用するのではなく、適切な規模をもつネットワーク上において、工場やそれを構成するハードウェアや機能を分散させ、適した場所で、適した時間に、適した仕様で運用することが求められている。このような要求に応えるために、本論文では構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムを提案する。

 構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムは、生産の情報化、グローバル化を目指して、地理的に遠く離れた設計者、管理者、操作者、および工作機械をはじめとする生産システム構成機器をそれぞれ分散オブジェクトとしてとらえ、それぞれ自律的かつコンカレントに稼動するとともに、ネットワークを介して情報資源を共有することにより、相互の協調が保たれるような生産システムである。また、需要によって、動的に構成変更することが可能であり、予期せぬ生産設備の増減や入れ替え、アプリケーション構成や機能の変化などに迅速に対応できる生産システムである(図1)。

 本論文は

1.生産システムのオープン化、自律分散化、迅速なシステム拡張や再構成機能を特徴とする構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムの概念及び構成法を提案すること、

2.特に、生産システム用ソフトウェアの生産性や再利用性の向上を目指し、異なるベンダーが提供する生産設備をネットワーク上で一元管理運用するために、分散オブジェクト技術を採用し、IDL(Interface Definition Language)を用いてCNC用API(Application Program Interface)を実装する手法を提案すること、

3.生産システムを迅速かつ統一的に構築でき、生産要求変化に俊敏に対応できるため、機能コンポーネントのコンセプトを提案し、ネットワーク型遠隔生産システムのための共通フレームワークを提案すること、

4.インターネット/イントラネット技術を用い、ネットワークに接続された自律工作機械を対象とするネットワーク型遠隔生産システムの開発手法を提案すること、

5.提案した概念及び方法論に基づいて、ネットワーク型遠隔生産システムを構築し、その有効性を示すこと

 をその内容としている。

 ネットワーク上で分散したマルチ・ベンダー機器から遠隔生産システムを構築する場合に、

1.工作機械がネットワークと接続できるオープン・アーキテクチャCNCを有すること、

2.工作機械が加工現象及び自己稼働状態をとらえるための各種センサを有し、加工現象や稼働状態とともに操作環境を遠隔地へ伝送できること、

3.異機種の工作機械を一元的に管理する汎用なインターフェイスを有すること、

4.生産システムの構成要素を適切な単位で分割し、モジュール化すること、

5.ネットワーク上で通信方式の統一化を考えて、それらの汎用インターフェイスや、モジュール化される構成要素を動的に利用できるオープンな実施環境を採用すること、

 が必要とされる。

 工作機械制御装置のオープン化、ネットワーク化の進展にともない、CNC装置メーカは自社のCNC用APIの整備を進めた。CNCの機能をAPIとして整備することによって、CNCを対象とするアプリケーションの開発が効率よく実現できる。CNC用APIが標準化されれば、異なるベンダーが提供するCNCを同一のヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)を用いて操作可能であり、使用環境に合わせたHMIアプリケーションのカスタマイズも容易になる。本研究ではJOP(Japan FA Open Systems Promotion Group))が提唱するHMI-CNC間の標準APIであるPAPI(Principle API)を実装し、異なるベンダーの工作機械を一元的に制御する実験を行なった(図2)。

 生産システム用ソフトウェアの生産性や再利用性の向上を目指し、異なるベンダー機器をネットワーク上で一元管理するため、本研究では分散オブジェクト技術CORBA(Common Object Request Broker Architecture)を採用し、IDLを用いてCNC用標準APIを実装する手法を提案する。IDLを用いてCNC用標準APIの定義を行なえば、各OSに対応した通信部分の記述が簡易になり、工作機械の外部制御用計算機上のAPI関数をオブジェクト化し、ネットワークを介して直接呼び出すことが可能となる。これにより、同一アプリケーションによる異なるベンダーが提供する工作機械群を一元的にリモート操作・管理するシステムの構築が容易になる。また、リモート操作・管理アプリケーションの仕様変更の必要が生じた際に、開発者は外部制御用計算機上の通信に関する部分を変更する必要が無く、アプリケーションのみを変更すれば良い。その結果、制御ロジックの変更や生産設備の組替えなどに迅速に対応可能なソフトウェア・システムの構築が可能となる。提案した手法の有効性を確認するために、遠隔加工システムを構築し実験を行なった(図3)。実験では、操作者側を名古屋工業大学と東京大学、工作機械側を東京大学と日立地区とし、両サイトをISDN回線で結んだ。工作機械側から操作者側への画像・音声の伝送はCODECを用いて行なった。実験の結果、構築したシステムによって正常な動作をすることが確認できた。また、異なるベンダーの工作機械を一元的に遠隔操作・管理できることも確認した。

 ユーザ・ニーズの多様化と市場の激しい変化に対応できるために、それぞれの企業や職場の特徴に合わせて生産システムを作ることができること、また長期的に市場や環境の変化に迅速に対応する生産システムが作られることが期待されている。このような生産システムを実現するために、システムを構成する各要素を独立してモジュール化すること、これらの独立した要素の関係が明らかにされて、適切な情報交換で連携できること、各構成要素を共通の操作環境で操作することなどが要求されている。つまり、生産システムを構成する工作機械およびアプリケーション・ソフトウェアを適切な単位に分割し、モジュール化させ、モジュールがそれぞれのインターフェイスを明らかにし、共通のプラットフォーム上で自由に組み合わせることでシステムを構成することである。本研究ではこのモジュール化される生産システムの構成要素を機能コンポーネントと定義している。機能コンポーネントは明確に定義されたインターフェイスを持ち、一定の機能を有する自己完結型ソフトウェアであり、ネットワーク・アドレッシング可能、プラグ・アンド・プレイで利用可能なソフトウェアである。機能コンポーネントは他の機能コンポーネントとを組み合わせられることで動的にシステムを構築するこができ、また、機能コンポーネントを置き換えられることによりシステムの構成変更も容易に実現できる。

 本研究では機能コンポーネントをもとに、構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムのための共通フレームワークを提案する。共通フレームワークは図4に示すようなアーキテクチャになる。図中の第1層はアプリケーションのために分散コンピューティング環境を提供する基盤部分である。オペレーティング・システム、通信、データストレージ、イベント配信、例外処理などがこの層によりサポートされる。第2層は各アプリケーションに共通の機能要素からなる機能コンポーネント層である。具体的にはアプリケーション間の相互運用を実現する共通機能コンポーネントのデータ、振舞いならびにインターフェイスを定義している。第3層はアプリケーション層である。アプリケーションは共通機能コンポーネントを通じてインターフェイスを取ることで迅速に構築できるし、また、アプリケーション間の相互運用も可能になる。共通フレームワークでは応用対象によって、クライアント機能コンポーネントとサーバ機能コンポーネントと分類することができる。クライアント機能コンポーネントはオペレータと対話するための画面ビューを持ち、工作機械のHMIの構築を指向した機能コンポーネントである。サーバ機能コンポーネントは工作機械を制御するアプリケーションの構築を指向した機能コンポーネントである。各種の機能コンポーネント間ではクライアント/サーバモデルならびに遠隔手続き呼び出しとイベント駆動タイプ制御を利用してやり取りを行なう。本研究では分散コンポーネント・オブジェクト・モデル(DCOM)を用いて、この共通フレームワークを実装した。また共通フレームワークを用いて遠隔加工・監視システムを構築し、遠隔加工、加工状態監視の実験を行なった(図5)。実験はLAN上で行なった。工作機械はマシニング・センタと旋盤を用いた。実験の結果、構築したシステムによって実際に加工・加工状態監視を行なえることが確認できた。また、共通フレームワークを利用することで、生産システムの迅速な構築、変化に対して機能と構成の変更が俊敏に対応できることも確認できた。

 近年、インターネットの普及とNCコントローラのオープン化、ネットワーク化にともない、ネットワーク時代の生産システムの姿に関しては種々の議論が行なわれている。本研究ではWWW(World Wide Web)技術とネットワーク親和性を有するJAVA言語を用いて、遠隔加工とモニタリングシステムを作成した。遠隔加工やモニタリングに必要である通信の連続性と実時間性を考慮し、本研究ではWWW上でソケット通信に基づくクライアント/サーバの双方向的なインタラクティブ手法を提案する。図6のように、クライアントからの接続要求があったら、WWWサーバはまずHTTPで遠隔操作とモニタリング用インターフェイスを含むJAVA Appletをクライアントヘダウン・ロードし、引き続いてこのクライアントに応じてスレッドを生成する。WWWサーバとクライアント側で実行されるJAVA Appletはその生成したスレッドの中でTCP/IPのソケット通信を用いて、相互に連続に情報のやり取りを行なう。提案した手法の有効性を確認するために、遠隔加工システムを構築し実験を行なった。工作機械は東京大学に設置しており、操作サイトは日本国内(東京都大田区)とアメリカBerkeley大学に設置した。加工機械と操作サイトとの間の情報伝達には、ISDN回線とインターネットを利用した(図7)。実験の結果、本システムを用いて操作者がどこからでも、どんなプラットフォームからでも、センサ情報を遠隔地からモニタリングしながら遠隔加工することができ、システムの有効性が確認できた。

 本研究では、実証システムの構築に際して、それぞれの目的に応じて、代表的な3種類の分散処理環境であるCORBA、DCOMとWWW+JAVAを利用した。CORBAが複数種のOSに対応できる実状に着目し、様々なOS上で動作する異なるベンダー機器をネットワーク上で一元的に操作・管理する場合に非常に有効であり、それを実装し検証した。DCOMのコンポーネントの概念は本論文で提案する機能コンポーネントの概念に近く、また、実際に産業界でもPC及びWindowsがデファクト・スタンダードになることに着目し、ネットワーク型遠隔生産システムのための共通フレームワーク及び実証システムの構築に用いた。WWWの普及状況、システム・アーキテクチャと通信の標準的位置付けなどに着目し、WWWによる遠隔加工・モニタリングシステムの開発に用いた。今後、分散オブジェクト技術はますます進展していくことで、それぞれの分散処理環境の実装の間で互換性の確立や統合化が期待される。その際には、本研究で提案した概念及び方法が真に一元的に実現することが可能になる。

 本研究より以下の結論を得た。

1.HMI-CNC間の標準APIを実装し、異なるベンダーが提供するCNCを同一のHMIを用いて制御可能であることを実証した。

2.生産システム用ソフトウェアの生産性や再利用性の向上を目指し、異なるベンダー機器をネットワーク上で一元的に操作・管理するため、IDLを用いてCNC用標準APIを定義する手法を提案した。遠隔実験により、この手法の有効性を確認した。

3.生産システムを迅速に統一的に構築でき、変化に俊敏に対応できるため、機能コンポーネントの概念、ネットワーク型遠隔生産システムのための共通フレームワークを提案し、遠隔加工・監視システムを構築した。実験により、提案した共通フレームワークによるネットワーク型遠隔生産システムの迅速な構築、変化に対して機能と構成の変更が俊敏に対応できることが確認した。

4.WWW上でソケットによるクライアント/サーバのインタラクティブ手法を提案し、WWWによる遠隔加工・モニタリングシステムを開発した。実験によって、システムの有効性を確認できた。

図1 構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムの概念

図2 PAPIを用いた標準的なHMIの実装

図3 CORBAを用いて構築した遠隔生産システム

図4 構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムのための共通フレームワーク

図5 共通フレームワークを用いて構築した遠隔生産システム

図6 WWW上でソケットによるクライアント/サーバのインタラクティブ方式

図7 WWWを用いる遠隔生産システムの構成

審査要旨 要旨を表示する

 本論文は「構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムの研究」と題して、全8章で構成される。

 近年、ユーザ・ニーズの多様化と市場競争激化、グローバル化の加速に伴い、産業界はこれまで以上に生産能率を高めることが求められているが、さらに、ユーザ・ニーズを反映した商品に迅速かつ臨機応変に対応しなければならない。そのため、変種変量生産に対応でき、変化に対するシステム構築の迅速性と柔軟性がある生産システムの実現が望まれている。

 本研究では、ネットワークによる分散環境下で生産システムのオープン化、自律分散化、拡張や再構築などの変化に迅速に対応可能を特徴とする構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムを提案し、それを実現するための抽象階層構造、機能コンポーネントの概念とモデル、システムの構築法を提案する。そして、提案した概念や手法を用いて、ネットワーク型遠隔生産システムを構築し、実証実験を通して、ネットワーク型遠隔生産システムの迅速な構築、変化に対して機能と構成の変更が俊敏に対応できることが示されている。

 第1章「序論」では、構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムの開発を行なう目的と意義を述べ、本研究と関連する従来の研究と本論文の内容と構成を紹介している。

 第2章「構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システム」では、構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムの概念を定義し、システムの要求機能を分析することで、構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムの3層の抽象階層構造を提案する。具体的には、第1層として、異機種の工作機械の制御装置の差異を吸収するため、共通インターフェイス層がある。この共通インターフェイス層にはネットワーク透過性を実現する仕組みを新たに提案している。第2層として、ネットワーク型遠隔生産システムの迅速な構築、構成変更が可能にする機能コンポーネント層がある。第3層として、機能コンポーネントを組み合わせることによりアプリケーションが存在し、ネットワーク型遠隔生産システムが構築される。

 第3章「ネットワーク型遠隔生産システムのための要素技術」では、構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムを実現するための機能コンポーネントの概念とモデル、機能コンポーネントの構成法およびアプリケーションと機能コンポーネントとの3種類の通信パターンを提案している。機能コンポーネントは生産設備やアプリケーションなどの生産システムの構成要素を独立させモジュール化し、明確に定義されたインターフェイスを持ち、ネットワーク・アドレッシング可能、プラグ・アンド・プレイで利用可能なソフトウェアである。機能コンポーネントは他の機能コンポーネントと組み合わせることで動的にシステムを構築することができ、また、機能コンポーネントを置き換えることによりシステムの構成変更も容易に実現できる。本章では、機能コンポーネントのもとに、構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムのための共通フレームワークを提案している。共通フレームワークでは7種類のアプリケーションを取り上げ、要求機能分解を行なうことにより、14種類の機能コンポーネントを設けている。

 第4章「高拡張性ネットワーク型遠隔生産システム」では、生産システム用ソフトウェアの生産性や再利用性の向上を目指し、異なるベンダー機器をネットワーク上で一元管理するため、CNC用標準インターフェイスのネットワーク透過性を実現する仕組みを提案し、分散オブジェクト技術CORBAを用いて遠隔生産システムを構築している。構築したシステムを用いて行なった遠隔加工実験により、異なるベンダーの工作機械を一元的に遠隔操作・管理できることを確認し、その有効性を示している。

 第5章「構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システム」では、迅速かつ統一的に構築でき、生産要求変化に俊敏に対応できる生産システムの実現を目指して、分散コンポーネント・オブジェクト・モデル(DCOM)を用いて、提案した構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムのための共通フレームワークを実装している。システムの構成変更可能であることを示すために、共通フレームワークを用いてアプリケーションを作成している。それぞれのアプリケーションは必要な機能コンポーネントを組み合わせることで実現している。また、工作機械に関しては異なるベンダーのものを利用している。実験の結果、構築したシステムによって、実際に遠隔加工・加工状態監視を行なえることが確認でき、また、共通フレームワークを利用することで、生産システムの迅速な構築、変化に対して機能と構成の変更が俊敏に対応できることも確認されている。

 第6章「WWWによるネットワーク型遠隔生産システム」では、遠隔加工や加工状態監視に必要である通信の連続性と実時間性を考慮し、WWW上でソケットに基づくクライアント/サーバの実時間的なインタラクティブ手法を提案し、WWWによる異なるベンダーの工作機械を対象とするネットワーク型遠隔生産システムを作成している。遠隔加工実験では、構築したシステムを用いてどこからでも、どのようなプラットフォームからでも加工状態をモニタリングしながら遠隔加工することができ、システムの有効性が確認されている。

 第7章「総合的考察と展望」では、提案した概念、開発手法について考察を加え、分散処理環境、本研究で提案した概念、手法を用いて遠隔保守/メンテナンスシステムの実現および将来の生産システムについて述べている。

 第8章「結論」では、本論文全体の結論を述べている。

 以上を要するに、本論文は、構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムの階層構造を示し、それを実現するために、インターフェイスの標準化、機能コンポーネントのモデルと構成法および共通フレームワークを提案して、それにしたがってネットワーク型遠隔生産システムを構築し、構成変更可能であることを実証している。

 市場競争激化、生産のグローバル化の加速に伴い、これからの生産システムのあり方として、市場の変化に対する高い適応性を持ち、変種変量生産に対応でき、規模や仕様が迅速に変更可能なネットワーク型分散システムであるべきだという考え方から立つと、本研究のような構成変更可能なネットワーク型遠隔生産システムの構成法は非常に意義の大きいものと考えられる。

 よって、本論文は博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる。

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