学位論文要旨



No 117903
著者(漢字) 井藤,純
著者(英字)
著者(カナ) イトウ,ジュン
標題(和) 管状要素自己分解プログラムにおける核分解機構の研究
標題(洋) A Study on the Mechanism of Nuclear Degradation during Autolysis of Tracheary Elements
報告番号 117903
報告番号 甲17903
学位授与日 2003.03.28
学位種別 課程博士
学位種類 博士(理学)
学位記番号 博理第4374号
研究科 理学系研究科
専攻 生物科学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 福田,裕穂
 東京大学 教授 長田,敏行
 東京大学 教授 内宮,博文
 東京大学 教授 河野,重行
 東京大学 助教授 杉山,宗隆
内容要旨 要旨を表示する

 道管・仮道管を構成する管状要素は、成熟すると、特徴的な二次壁を持つ中空の死細胞となる。管状要素の分化過程では、二次壁形成とほぼ同時にプログラム細胞死が誘導される。このプログラム細胞死の実行過程では、管状要素細胞が自ら細胞内容物を分解すること、この自己分解は液胞崩壊を引き金として進行すること、さらに、自己分解過程では、酸性加水分解酵素の活性が一過的に上昇することなどが明らかとなっている。細胞死の実行過程で起こる諸事象の中でも、核分解は細胞の死を決定付けるという意味において非常に重要な事象と考えられる。脊椎動物、昆虫や線虫の代表的なプログラム細胞死であるアポトーシスでは、少なくとも核DNAの分解過程は3段階に分けられ、これには複数のDNaseが厳密な制御下、協調的に作用していることが知られている。管状要素自己分解過程で起こる核分解は液胞崩壊後、10分以内に起こることが報告されているが、その分子機構については不明である。そこで、本研究では、核DNA分解を触媒するDNaseに着目し、管状要素自己分解過程で起こる核分解機構の解明を試みた。本研究では、まず、in vitroヒャクニチソウ管状要素分化系(図1)を用いて、管状要素分化過程で自己分解の時期に発現が上昇するS1型ヌクレアーゼ遺伝子ZEN1の遺伝子産物の免疫局在解析を行った。また、同時に、ZEN1と同じような発現パターンを示す他の加水分解酵素、ZRNaseI(リボヌクレアーゼ遺伝子)とZCP4(システインプロテアーゼ遺伝子)の遺伝子産物についても、特異抗体を作製し、免疫局在解析を行った。そして、これらの結果をもとに、自己分解特異的加水分解酵素の細胞内局在と機能との関係を考察した。次に、ZEN1を含め管状要素分化過程で活性化されるDNaseを再探索したのち、in vitroで核DNA分解能をもつDNaseを調査した。In vitroで核DNA分解能を有していたZEN1について、逆遺伝学的手法を用いてin vivoでの核分解に果たす役割を解析した。最後に、得られた結果を総合して、管状要素自己解過程について考察した。

1.ZEN1の液胞蓄積機構の解析

 抗ZEN1抗体を作製し、ZEN1タンパク質の発現を調べたところ、ZEN1は管状要素自己分解過程で、分化誘導条件でのみ、一過的に発現が上昇することが明らかとなった。次に、ZEN1を発現している細胞を特定するため、whole mountでの免疫染色を行った。光学顕微鏡レベルでは、ZEN1シグナルは管状要素細胞で多く見られたが、一部、二次壁が見られない細胞にもシグナルが認められた。より詳細な細胞内局在を把握するため、免疫電顕による局在解析を試みた。材料として、分化途中の細胞が多く存在する培養54時間目の細胞を凍結置換固定したものを用いた。その結果、ZEN1は電子顕微鏡レベルで二次壁が認められた非管状要素細胞は光学顕微鏡レベルでは捉えられないが、二次壁形成もごく初期段階にある管状要素細胞であると予想された。また、免疫電顧の結果、ZEN1は分化しつつある管状要素の液胞に蓄積することが示された(図2)。ZEN1はN末にシグナルペプチドと予想される配列を含んでおり、細胞内では分泌経路に乗って輸送される事が予想された。実際、ZEN1シグナルはゴルジ体、ゴルジ小胞で検出された。さらに、培養50時間目に輸送阻害剤BrefeldinA(BFA、終濃度8μg/ml)を加え1時間処理した細胞を材料に免疫電顧を行ったところ、BFA処理の結果崩壊したと思われるER/ゴルジ体、ER/ゴルジ体が小胞化したBrefeldin induced vesicle(BV)に多数のZEN1シグナルが観察された。以上の結果から、ZEN1は管状要素細胞で発現しER→ゴルジ体→ゴルジ小胞という分泌経路を経て液胞へと輸送されることがわかった。また、オートファジーの経路を阻害することが知られるシステインプロテアーゼの阻害剤、E-64dで処躍した細腕の免疫竃顧の結果、ZEN1の液胞への輸送はオートファジーの経路を介さないことも示された。

 次に、ZEN1と同じような発現パターンを示す他の加水分解酵素、ZRNaseIとZCP4についても、それぞれの特異抗体を作製し、免疫局在解析を行った。いずれもZEN1同様、未成熟な管状要素特異的に蓄積し、細胞内ではゴルジ体、ゴルジ小胞、液胞に蓄積することがわかった。これらの結果から、管状要素自己分解関連酵素は同様な経路で液胞に積極的に蓄積されることが明らかになった。

2.管状要素自己分解過程の核DNA分解に関わるDNase

 管状要素自己分解過程の核DNA分解を触媒するDNaseを解析するためには、まず、管状要素分化過程でどのようなDNaseが活性化されているかを調べる必要がある。そこで、はじめに、管状要素分化過程で活性化されるDNaseを特定するため、in gel DNase assayを中性、酸性条件、異なるイオン存在下など様々な条件を変えて行った。その結果、管状要素分化過程では少なくとも異なる5種類のDNaseの活性が検出され、この内、自己分解の時期にのみ活性化されているのはZEN1と24kDaCa2+/Mg2+要求性ヌクレアーゼの2種類のみあった。ZEN1は中性、酸性どちらでも活性をもち得るが、酸性条件下の方がより強い活性を示す。一方、24kDaヌクレアーゼは中性条件下でのみ活性を持つ。以上の結果から、ZEN1と24kDaヌクレアーゼは別々の細胞内コンパートメントで活性化され、管状要素自己分解過程で起こる核DNAの分解に関与している可能性が示唆された。これらのDNaseのin vitroでの核DNA分解能を調べるため、in vitroエンドヌクレアーゼ活性を測定した。培養20時間目のヒャクニチソウ培養細胞から単離した核を培養24,60時間目の細胞抽出液と反応させたところ、培養60時間目の細胞抽出液を酸性条件、Zn2+存在下で反応させたときのみ、核DNA分解活性が検出された。この条件で活性化されるDNaseはZEMと40kDaヌクレアーゼの2種類である。そこで、培養60時間目の細胞抽出液を抗ZEN1抗体とインキュベートさせた後に単離核を加えて核DNA分解能を調べたところ、免疫前抗血清では影響はないが、抗ZEN1抗体を加えるとZn2+依存的な核DNA分解がほぼ完全に抑制されることがわかった。この結果から、ZEN1が管状要素自己分解での核DNA分解の鍵酵素であることが示された。

 次に、in vivoでの管状要素の核DNA分解に対するZENlの機能を探るため、分化直前の細胞にパーティクルガン法によりアンチセンスZEN1遺伝子を導入した。この方法では、アンチセンス遺伝子と一緒にGUS遺伝子を導入しており、GUS染色で青く染まった細胞を遺伝子導入に成功した細胞とみなしている。遺伝子導入効率は約3%であり、遺伝子導入による分化率の変化は認められなかった。遺伝子導入後26時間目(培養66時間目)では、全体の約20%の細胞が管状要素へと分化しており、その内、非形質転換管状要素では、15%の管状要素が核を有していた(図3A 白カラム)。形質転換管状要素では、センス遺伝子を導入した場合には、ベクターのみを導入したコントロールと差が見られなかったが、アンチセンスZEN1遺伝子が導入された管状要素では、核分解が抑制されていた(図3A)。さらに、ZEN1と同じS1ヌクレアーゼ遺伝子ファミリーに属し、管状翼薬分化道程で発翼するZEN2,ZEN3遺伝子のアンチセンス遺伝子を導入したところ、これらの遺伝子では核分解は影響され准かった(図3B)。以上の結果から、ZEN1が管状要素自己分解過程で起こる核DNAの分解を触媒する主要なヌクレアーゼであることが明らかとなった。

 本研究では、自己分解関連遺伝子の一つであるZEN1を中心に取り上げ、(1)ZEN1は管状要素に分化しつつある細胞でのみ発現し、その液胞に蓄積している、(2)ZEN1の液胞輸送経路はER、ゴルジ体を介した分泌経路である、(3)ZEN1と同じ時期に発現する他の加水分解酔薬遺伝子ZRNaseIとZCP4の遺伝子産物もZEN1と同様の経路を経て液胞に蓄積している、ことを明らかにした。

 さらに、自己分解過程での核DNA分解に着目し、(4)管状婁薬分化過程で活性化されるDNaseは5種類存在し、その内、自己分解の時期にのみ渚性化されるものは2種類(ZEN1,24kDa ヌクレアーゼ)である、(5)ZEN1はin vitroで酸性条件下でZn2+依存的に核DNA分解を触媒できる、(6)in vivoでのZEN1遺伝子発現の阻害は管状要薬細胞の核DNA分解を阻害する、ことを見出した。

 これらの結果をもとに以下の仮説を提案した(図4)ZEN1は管状要素へと分化しつつある細腕で、自己分解直前にZRNaseIやZCP4といった自己分解関連酵素に共通した発現誘導機構により発現が誘導される。合成されたZEN1及びZRNaseIやZCP4はN末に存在するシグナルペプチドの働きにより、ER内腔へ導かれ、さらにゴルジ体へと輸送される。ゴルジ体から、各酔薬はおそらく別々のゴルジ小胞によって液胞へと運ばれる。ZEN1の至適pHは酸性領域であることから、液胞内で活性化されたZEN1は液胞崩壊後に機能すると予想される。また、自己分解直前の時期になると、ZEN1が液腕内に蓄積される一方で、24kDa Ca2+/Mg2+要求性ヌクレアーゼは直接核にターゲットされ、核内のCa2+濃度の上昇により活性化され、二本鎖DNAの部分消化を触媒する。液胞崩壊後、液胞内に蓄積していたZEN1及び他の酸性加水分解酵素の協調的な働きにより、大規摸な核分解が促進され、核DNAはほぼ完全に消化される。その後、穿孔から漏れ出たDNAの残撞が培飽中に分泌されたDNase(s)により完全消化される。

 今後は、ZEN1のシロイヌナズナホモログBFN1の発現解析やノックアウトの解析を通して、今回発表した核分解機構が他の植物プログラム細胞死にも関与しているかどうかについて検討する予定である。また、本研究で提唱した核DNA分解機構のモデルを検証するために、新たに同定された24kDaヌクレアーゼに関して、遺伝子の単離、細腕内局在の特定、さらにはCa2+イオン濃度の変化と活性化の関係を明らかにする必要がある。

図1.ヒャクニチソウin vitro管状要素分化系

Aはヒャクニチソウ単離葉肉細胞をD培地(0.1mg/l NAAと0.2mg/l) BAを含む分化誘導培地)またはCp培地(0.1mg/l NAAと0.0001mg/l BAを含む対照培地)で培養した時の、管状要素分化のタイムコースを示す。ここでは3つの独立に培養したサンプルから得られた平均値と標準偏差を表示している。Bは単離直後のヒャクニチソウ葉肉細胞、CはCp培地で96時間培養した細胞、DはD培地で96時間培養して分化した管状

図2.培養54時間目の培養細胞におけるZEN1タンパク質の免疫電顕像D培地で54時間培養した細胞を凍結置換固定後、樹脂に包埋し、90μmの超薄切片を作製した。それらを抗ZEN1抗体を用いて免疫染色を行い、さらに、ウラニル・鉛で二重染色した後、電子顕微鏡下で観察した。Aは抗ZEN1抗体で免疫染色した培養54時間目の管状要素細胞の免疫電顕像。BはAのアスタリスクで示した部分の拡大像。矢印はZEN1シグナルを示す。M,ミトコンドリア;P1,プラスチド;SW,二次細胞壁;V,液胞。バーは1.0μmを示す。

図3.アンチセンサスZEN1遺伝子導入による管状要素細胞での核DNA分解の抑制

(A,B)金粒子でコーディングしたGUS遺伝子p35SGUS(GUS)をアンチセンスZEN1遺伝子p35SZEN1A(ZEN1A)、センスZEN1遺伝子p35SZEN1S(ZEN1S)、アンチセンサスZEN2遺伝子p35SZEN2A(ZEN2A)あるいはアンチセンサスZEN3遺伝子p35SZENA(ZEN3A)とパーティクルボンバードメント法によりD培地で40時間培養した細胞に導入し、さらに26時間培養した後、回収した。回収した細胞をX-Glucで12時間染色した後、観察直前にDAPI染色を15分行い、GUS染色された管状要素細胞、されなかった管状要素細胞、それぞれにつき、核の有無を顕微鏡下で計測した。黒いカラム;全形質転換された管状要素当たりの形質転換された有核管状要素の割合。白カラム;全非形質転換管状要素あたりの管状要素の割合。ここでは3つの独立に培養したサンプルから得られた平均値と標準偏差を表示している。p35SZEN1Aが導入された細胞とその他のコンストラクトが導入された細胞の値には、有意差がある(*, P<0.02, two sample 1 test; ** P<0.05, two sample 1 test)。

図4.管状要素分化過程における核DNA分解のモデル図

(A)ヌクレアーゼ、プロテアーゼの液胞への蓄積。(B)液胞分解前後の核DNAの分解。

審査要旨 要旨を表示する

 本論文は2章からなり、第1章では、in vitroヒャクニチソウ管状要素分化系を用いて、管状要素分化過程で自己分解の時期に発現が上昇する、S1型ヌクレアーゼ遺伝子ZEN1、リボヌクレアーゼ遺伝子ZRNaseI、システインプロテアーゼ遺伝子ZCP4の各遺伝子産物の免疫局在解析について、第2章では、管状要素自己分解過程で起こる核DNA分解の分子機構の解析について述べられている。

 道管・仮道管を構成する管状要素は、成熟すると、特徴的な二次壁を持つ中空の死細胞となる。管状要素の分化過程では、二次壁形成とほぼ同時にプログラム細胞死が誘導される。管状要素細胞のプログラム細胞死の過程に関しては、形態学的な解析により、液胞の崩壊を引き金として自己分解過程が進行すること等が明らかとなっているが、その分子機構については不明である。核分解は、すべてのプログラム細胞死に共通して重要な事象であると考えられる。そこで、管状要素自己分解プログラムにおける実行過程を解明するために、核DNA分解を触媒するDNaseに着目し、核分解機構の解明を試みた。論文提出者は、修士課程において、管状要素分化過程で自己分解の時期に発現が上昇するS1型ヌクレアーゼ遺伝子ZEN1をBY-2へ導入し、その遺伝子産物の活性と細胞内局在を解析し、少なくともBY-2において、活性型ZEN1が液胞に蓄積することを見出した。そこで、博士課程では、管状要素細胞におけるZEN1の蓄積機構の解析、さらに、管状要素自己分解過程で活性化されるDNaseをZEN1を含め再検索した上で、管状要素自己分解過程で起こる核DNA分解に関わるDNaseの同定及びその作用機構の解析を行った。

 まず、第1章では、抗ZEN1抗体を用いて、ZEN1タンパク質の局在を解析し、ZEN1が未成熟な管状要素細胞のみに発現し、その液胞に蓄積していること、また、ZEN1はゴルジ体及びゴルジ体由来の小胞にも局在し、ZEN1の液胞への輸送はゴルジ体由来の小胞による小胞輸送経路で行われることを明らかにした。さらに、また、オートファジーの経路を阻害することが知られるシステインプロテアーゼの阻害剤、E-64dで処理した細胞の免疫電顕の結果、ZEN1の液胞への輸送はオートファジーの経路を介さないことも示された。そして、ZEN1と同じような発現パターンを示すZRNaseIとZCP4の遺伝子産物に対する特異抗体を作製し、それらの局在を調べたところ、いずれも管状要素細胞の液胞に蓄積していることを見出した。また、2種類の抗体を用いて二重染色を行った結果、ZEN1とZRNaseI,ZEN1とZCP4は同じ小胞に局在していない可能性が示唆された。これらの結果は、管状要素自己分解関連酵素が同様な経路で液胞に積極的に蓄積されることを示し、これまで推測されていた管状要素自己分解関連酵素は液胞に蓄積されており、液胞崩壊後、機能するという仮説を裏付ける有力な証拠となった。

 第2章では、はじめに、管状要素分解過程で活性化されるDNaseの特定を目的として、様々な条件でin gel DNase assayを行った。その結果、管状要素分化過程では、少なくとも異なる5種類のDNaseの活性が検出され、この内、自己分解の時期にのみ活性化されているDNaseとして、ZEN1に加え、新たに24kDa Ca2+/Mg2+要求性ヌクレアーゼの同定に成功した。ZEN1は中性、酸性どちらでも活性をもち得るが、酸性条件下の方がより強い活性を示す。一方、24kDaヌクレアーゼは中性条件下でのみ活性を持つ。以上の結果から、ZENlと24kDaヌクレアーゼは別々の細胞内コンパートメントで活性化され、管状要素自己分解過程で起こる核DNAの分解に関与している可能性が示唆された。これらのDNaseのin vitroでの核DNA分解能を調べ、ZEN1の活性化条件下でのみ核DNAの分解が検出されること、またこの活性は抗ZEN1抗体で阻害されることを明らかにし、ZEN1が管状要素の核DNA分解の鍵酵素であることを示した。続いて、in vivoでの管状要素の核DNA分解に対するZEN1の機能を探るため、パーティクルガン法によるアンチセンスZEN1遺伝子導入実験を行い、ZEN1アンチセンス遺伝子が液胞崩壊後に起こる核DNAの分解を特異的に抑制することを見出した。これらの結果は、ZEN1が管状要素自己分解過程で起こる核DNAの分解を触媒する主要なヌクレアーゼであること示したものであり、S1型ヌクレアーゼが植物プログラム細胞死で起こる核DNA分解で機能していることを初めて示したものであると同時に、植物プログラム細胞死過程で活性化されるDNaseの機能を明らかにした最初の報告でもある。

 なお、第1章は中島仁、福田裕穂氏と、第2章は福田裕穂氏との共同研究であるが、論文提出者が主体となって解析を行ったもので、論文提出者の寄与が十分であると判断する。

 ここに得られた結果の多くは新知見であり、いずれもこの分野の研究の進展に重要な示唆を与えるものであり、かつ本人が自立して研究活動を行うのに十分な高度の研究能力と学識を有することを示すものである。よって、井藤純提出の論文は博士(理学)の学位論文として合格と認める。

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