学位論文要旨



No 118198
著者(漢字) 塚本,弘毅
著者(英字)
著者(カナ) ツカモト,コウキ
標題(和) 計算機シミュレーションを用いた一酸化窒素還元酵素チトクロームP450norにおける機能と構造の関連性に関する研究
標題(洋)
報告番号 118198
報告番号 甲18198
学位授与日 2003.03.28
学位種別 課程博士
学位種類 博士(農学)
学位記番号 博農第2587号
研究科 農学生命科学研究科
専攻 応用生命工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 清水,謙多郎
 東京大学 教授 祥雲,弘文
 東京大学 助教授 西山,真
 東京大学 助教授 中村,周吾
 理化学研究所 主任研究員 城,宜嗣
内容要旨 要旨を表示する

1.はじめに

 本研究の目的は、一酸化窒素を亜酸化窒素へ変換する反応を触媒する酵素であるチトクロームP450nor(以後、単にP450norと記す)に注目し、量子化学を基礎とした分子軌道法を用いて、そのユニークな反応性と活性部位周辺の立体構造との関連について考察すること、及び、酵素の機能と構造の関連性を解析する新たな手法を開発することである。

 これまで、P450norに対して様々な実験が行われてきた。とくに、プラッシュホトリシス法及びストップトフロー法、ラピッドスキャンラマン法による反応機構解析は、P450norの反応性の詳細に迫る重要な知見を与えている。これら分光学的実験から、P450norの反応機構は中間体を持っており、この中間体は物理測定による詳細な解析が困難な電子構造であることが分かった。P450norの反応中間体の電子構造は、その電子数が偶数個であり、これはEPR分光法(Electron Para-magnetic Resonance Spectroscopy)ではシグナルを捕らえることができない系である。また、中間体のlifetimeも非常に短く、X線結晶構造解析などから立体構造を解析することも困難である。そこで、本研究では半経験的分子軌道法の一つであるSAM1(Semi ab initio1)法を用いて、この反応中間体の配位構造及び電子構造を解析し、反応中間体の詳細な構造を明らかにするとともに、P450norのユニークな反応機構全体について解析を行った[1]。

 また、方法論の開発として、理論的電子密度分布とX線結晶構造解析の過程で得られる電子密度分布とを用いて、量子化学的諸量を得る方法を開発した。近年、放射光施設の高出力化に伴って、X線結晶構造解析の解像度も原子分解能程度にまで向上した。高出力な放射光を用いた高分解能解析によって得られる分子の電子密度分布は高密度な情報を有しており、従来X線結晶構造解析では見えなかった水素結合に関与しない水素原子の位置もある程度は見えるようになった。一方、量子力学的解釈から得られる1電子波動関数は、その二乗量を全空間で積分した値を電子密度として定義できる。本手法は、この高出力放射光より得られる高分解能電子密度分布と、量子力学から得られる電子密度を結びつけることによって、従来のSCF計算を用いずに、実験値を基礎とした量子化学的解析を可能にすることを目的としている。この手法により、従来の分子軌道法では対処できないような、大きな酵素分子にも適用することができる。本研究では、この手法を実現するプログラムを作成し、実際に計算実験を行った結果について考察した。

2.酵素モデル及び方法

2.1 Cytochrome P450nor

 P450norは、脱窒能を持つ不完全菌Fusarium oxysporumから単離精製されたヘムタンパク質である。脱窒とは、微生物の働きにより硝酸イオンが還元され、窒素ガスや亜酸化窒素ガスとして大気中に放出される現象である。脱窒は、これまで原核生物(細菌)固有の能力と考えられていたが、祥雲らは、不完全菌Fusarium oxysporumが真核生物であるにもかかわらず、硝酸塩、亜硝酸塩を還元し、亜酸化窒素ガスを生成する脱窒活性を持つことを発見した[2]。この不完全菌Fusarium oxysporumから可溶性P450を単離して調べた結果、このP450(P450nor)はカビの脱窒に関与し、一酸化窒素還元酵素として働いていることがわかった。P450norは以下のような反応を触媒する。

2NO+NADH+H+→N20+NAD++H20

 P450norの反応機構については、フラッシュホトリシス法及びストップトフロ一法を用いて解析を行った。この反応機構で特徴的なことは、その反応機構中に中間体を形成する点である。この中間体は、従来のヘムタンパク質には見られないユニークな化学状態である。更に、尾林らがラピッドスキャンラマン分光法を用いて更に詳細な反応機構を提唱している[3]。

2.2 活性部位モデル

 本研究に用いたP450ヘムサイトのモデルには、無側鎖のポルフィリンー鉄錯体及び第5配位子としてmethylthiolateを用いた。このモデルは、他のP450活性部位計算モデルに広く使用されている活性部位モデルである。第6配位子は基本的に一酸化窒素(NO)だが、反応経路を通して変化していく。周辺タンパク質が作り出す酵素環境は総合的に無視した。鉄3価NO結合体の初期構造として、鉄3価NO結合状態にあるP450norの結晶構造(1CL6)を使用した。また、鉄3価H20結合体の初期構造として、上で用いた結晶構造のNO配位子を水分子に置換した構造を使用した。

2.3 分子軌道法

 分子軌道法とは、分子軌道をHartree-FockやRhoothaanのSCF法を用いて求め、また、それを用いて分子の諸性質を論じる方法である。本研究では、半経験的手法であるSAM1法を用いた。半経験的手法とは、各種積分計算値を、実際に計算を行う代わりに、予め実際の分子の諸性質を実現するように定めた経験的なパラメータとして与えることで計算量の激減を図る手法である。これによって、ab initio計算では適用の難しい大きな分子に対しても、容易に分子軌道を求めることができる。SAM1法は、一般的な半経験的手法とは異なり、NDDO(Neglect of Diatomic Differential Overlap)近似を基礎にしながら、全ての積分をパラメータとして与えることはせず、1中心及び2中心2電子反発積分は原子軌道から直接計算した値を使用している。これらの積分値は、実験データと合致するように調整されたパラメータを含む関数によってスケーリングされる。この関数及びパラメータ化の詳細については現在非公開である。SAM1法の最大の利点とは、d軌道を含む基底関数を容易に使用することができ、多くの元素に関して計算が可能な点である。

2.4 SAM1計算について

 SAM1計算プログラムとして、AMPAC6.55を使用した。また、計算対象の電子数に対応して、制限HartreeFock法(RHF)及び非制限HartreeFock法(UHF)を使い分けた。構造最適化計算については、より広いコンフォメーション空間探索の為に、複数のエネルギー最小化手法(BFGS,EF,TRUST)を用いた。また、一部の最適構造探索に、Simulated Annealing法も使用した。また、P450ヘムサイトモデルに対するSAM1計算の信頼性の検証も行った。我々のSAM1計算結果及びAM1計算結果とHarrisらのDFT計算結果及び結晶構造(1.7A分解能)及び広域X線構造微細解析(EXAFS)の結果を比較した結果、SAM1計算をP450ヘムサイトモデルに対して用いても問題ないと判断した。

 酵素反応経路計算については、Gollerらの方法[4]を採用し、さらに、反応経路を構成する各反応ステップ間の関連性を取り入れて、反応経路の解析を行った。また、反応経路解析においては、P450norの活性条件だけを用いて、他の実験的事実は参考にしなかった。各反応ステップに於いて、下から3つ目のスピン状態までを考慮し、その各々のスピン状態において構造最適化計算を行った。更に、反応サイクルを考慮した各反応ステップにおけるスピン状態を決定する方法を考案し、各反応ステップにおけるスピン状態を決定した。

2.5 X線結晶構造解析由来の電子密度分布を用いた量子化学的解析手法について

 電子密度は分子軌道の二乗を全空間にわたって積分したものとして定義できる。この定義より、分子軌道より電子密度を求めることができる。同時に、電子密度から分子軌道をある程度推測することも可能であることが期待される。本手法の核とは、実験によって得られた電子密度分布と、計算によって得られた電子密度分布の差の二乗値(s)を定義し、このsの値を最小にするような軌道係数の組を推測することである。本手法では、この軌道係数の組の探索に解析的手法を用いた。分子軌道の形成に用いた基底関数は、STO-3Gである。また、より高精度なフィッティングを行いたければ、より高価な基底系を使用することもできる。最小化手法としては、Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno法(BFGS法)を使用した。

3.結果

3.1 SAM1法を用いた一酸化窒素還元酵素チトクロームP450norの反応機構解析

 本研究によって得られた反応経路はAからFまでの6つのステップから成る(Figure 1)。周辺環境を無視したにも拘わらず、この反応機構はP450norと同様に2個のNO分子を1個のN20分子へと変換し、さらに水分子1個を生成する。この反応機構は、尾林らが実験結果から提唱している詳細な反応機構とほぼ合致していた。さらに、尾林らが二通りの可能性を示していた反応経路に関しては、我々の計算結果では一方の経路のみ、P450norの反応性を実現できることが示された。また、各構造A〜Fのエネルギープロファイルは、構造A,B,C,Fの値が低く、構造D,Eの値が高い、山型のプロファイルを形成したとなった。これによると、P450norの酵素反応は構造D,Eによって形成されるエネルギー障壁を乗り越えて実現されることになり、この時、構造D,Eによるエネルギーの壁を広い意味での遷移構造と見なすなら、P450norの活性部位周辺の蛋白質部分の作り出す環境が、このエネルギーの壁を低くする効果を持っているのではないかと考えられる。

3.2 X線結晶構造解析由来の電子密度分布を用いた量子化学的解析手法

3.2.1 水素分子H2への適用

 水素分子(H2)を対象として本手法を適用した。水素分子は、実際にはX線結晶構造解析では得られないが理論的実験として行った。理論的に生成した水素分子の電子密度分布を入力として、解析を行った結果、正しい軌道係数の組を得ることに成功した。

3.2.2 一酸化炭素分子COへの適用

 次に一酸化炭素分子を対象として本手法を適用した。現段階ではまだ実験データの切り出しが終了していないため、水素分子同様理論的に生成した一酸化炭素分子の電子密度分布を入力として、解析を行った。現段階で最終結果へは収束していないが、s値は確実に減少方向に進んでおり、やがて十分な精度で収束すると思われる。

4.まとめ

 P450norの反応機構として6つの反応ステップから構成される反応機構を得ることに成功した。この反応機構はほぼ実験から提唱された反応機構と合致しており、得られる最終生成物も実験と一致している。また更に、実験からは二つの構造の存在が示唆されていた反応ステップでは、一方の構造のみがP450norの反応性と合致する反応経路を形成できることを示した。

 また、X線結晶解析由来の電子密度分布を利用して、量子化学データを取得する手法の開発では、理論的実験として水素分子への適用を試み、正しい軌道係数の組を得ることに成功した。今後は更に巨大な分子に対する適用を試みていく予定である。

参考文献

1.K.Tsukamoto,S.Nakamura,K.Shimizu, Journal of Molecular Structure:THEOCHEM,(投稿中)

2.H.Shoun,Y.sudo,Y.Seto,T.Beppu,J.Biochem.(Tokyo)94(1983)1219

3.E.Obayashi,S.Takahashi,Y.Shiro,J.Am.Chem.Soc.120(1998)12964

3.A.H.Goller,T.Clark,J.Mol.Struct.(THEOCHEM)541(2001)263

FIGURE1.

審査要旨 要旨を表示する

 本論文は、一酸化窒素を亜酸化窒素へ変換する反応を触媒する酵素であるチトクロームP450nor(以後、単にP450norと記す)に注目し、量子化学を基礎とした分子軌道法を用いて、そのユニークな反応性と活性部位周辺の立体構造との関連について考察すること、及び、酵素の機能と構造の関連性を解析する新たな手法を開発することを試みたものであり、全十三章から構成されている。

 第一章では、機能性タンパク質に於ける機能と構造の関連性の解明の重要性とその具体的アプローチについて述べ、本論文の方向性とそのねらいについて述べている。

 第二章では、序論として対象となるP450norのタンパク質としての性質について触れ、これまで、P450norに対して行われてきた様々な実験とその結果について述べている。各種分光学的実験結果から、P450norの反応機構は中間体を持っており、この中間体は物理測定による詳細な解析が困難な電子構造であることが示されている。P450norの反応中間体の電子構造は、その電子数が偶数個であり、これはEPR分光法(Electron Para-magnetic Resonance Spectroscopy)ではシグナルを捕らえることができない系であり、また、中間体のlifetimeも非常に短く、X線結晶構造解析などから立体構造を解析することも困難である事について述べている。

 第三章では、分子軌道法に関して、基礎的な理論からab initio法、半経験的手法、密度汎関数法について詳細に述べた。分子軌道法とは、分子軌道をHartree-FockやRhoothaanのSCF法を用いて求め、また、それを用いて分子の諸性質を論じる方法である。本研究では、半経験的手法であるSAM1法を用いた。半経験的手法とは、各種積分計算値を、実際に計算を行う代わりに、予め実際の分子の諸性質を実現するように定めた経験的なパラメータとして与えることで計算量の激減を図る手法である。これによって、ab initio計算では適用の難しい大きな分子に対しても、容易に分子軌道を求めることができる。SAM1法は、一般的な半経験的手法とは異なり、NDDO(Neglect of Diatomic Differentia1 0verlap)近似を基礎にしながら、全ての積分をパラメータとして与えることはせず、1中心及び2中心2電子反発積分は原子軌道から直接計算した値を使用している。これらの積分値は、実験データと合致するように調整されたパラメータを含む関数によってスケーリングされる。この関数及びパラメータ化の詳細については現在非公開である。SAM1法の最大の利点とは、d軌道を含む基底関数を容易に使用することができ、多くの元素に関して計算が可能な点である。

 第四章では、計算に用いたP450ヘムサイトモデルについて述べた。本モデルは、無側鎖のポルフィリンー鉄錯体及び第5配位子としてmethylthiolateを用いており、他のP450活性部位計算モデルに広く使用されている活性部位モデルである。第6配位子は基本的に一酸化窒素(NO)だが、反応経路を通して変化していく。周辺タンパク質が作り出す酵素環境は総合的に無視した。鉄3価NO結合体の初期構造として、鉄3価NO結合状態にあるP450norの結晶構造(1CL6)を使用した。また、鉄3価H20結合体の初期構造として、上で用いた結晶構造のNO配位子を水分子に置換した構造を使用した。

 第五章では、計算の結果について詳細に述べている。本論文で示された反応経路は6つのステップから成っている。周辺環境を無視したにも拘わらず、この反応機構はP450norと同様に2個のNO分子を1個のN20分子へと変換し、さらに水分子1個を生成する。

 第六章では、この反応機構について詳細に考察を行っている。この反応機構は、尾林らが実験結果から提唱している詳細な反応機構とほぼ合致していた。さらに、尾林らが二通りの可能性を示していた反応経路に関しては、我々の計算結果では一方の経路のみ、P450norの反応性を実現できることが示された。また、各構造A〜Fのエネルギープロファイルは、構造A,B,C,Fの値が低く、構造D,Eの値が高い、山型のプロファイルを形成したとなった。これによると、P450norの酵素反応は構造D,Eによって形成されるエネルギー障壁を乗り越えて実現されることになる。しかしながら、この時、構造D,Eによるエネルギーの壁は、たかだか5kca1/mo1であり、P450camにおける同様の計算による結果(50kcalmol)と比較するとかなり小さい。この事から、P450norの反応機構はエネルギー的に非常に効率が良く、そのことがP450norの高速なターンオーバー(1200s-1)を実現しているのではないかと考えられる。

 第七章は、第一章から第六章までのまとめを行っている。P450norの持つ特異な反応性を計算化学的に解明した結果とその考察について改めて触れ、その知見から生命の興味深い戦略について述べている。

 第八章では、方法論の開発として、理論的電子密度分布とX線結晶構造解析の過程で得られる電子密度分布とを用いて、量子化学的諸量を得る方法について、その背景と目的について述べた。近年、放射光施設の高出力化に伴って、X線結晶構造解析の解像度も原子分解能程度にまで向上した。高出力な放射光を用いた高分解能解析によって得られる分子の電子密度分布は高密度な情報を有しており、従来X線結晶構造解析では見えなかった水素結合に関与しない水素原子の位置もある程度は見えるようになった。一方、量子力学的解釈から得られる1電子波動関数は、その二乗量を全空間で積分した値を電子密度として定義できる。本手法は、この高出力放射光より得られる高分解能電子密度分布と、量子力学から得られる電子密度を結びつけることによって、従来のSCF計算を用いずに、実験値を基礎とした量子化学的解析を可能にすることを目的としている。この手法により、従来の分子軌道法では対処できないような、大きな酵素分子にも適用することができる。

 第九章では、本手法に於ける基礎理論と解析の流れについて詳細に述べている。電子密度は分子軌道の二乗を全空間にわたって積分したものとして定義できる。この定義より、分子軌道より電子密度を求めることができる。同時に、電子密度から分子軌道をある程度推測することも可能であることが期待される。本手法の核とは、実験によって得られた電子密度分布と、計算によって得られた電子密度分布の差の二乗値(s)を定義し、このsの値を最小にするような軌道係数の組を推測することである。本手法では、この軌道係数の組の探索に解析的手法を用いた。分子軌道の形成に用いた基底関数は、STO-3Gである。また、より高精度なフィッティングを行いたければ、より高価な基底系を使用することもできる。最小化手法としては、Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno法(BFGS法)を使用した。第十章では、本手法の計算実験に用いた二つの分子(水素分子及び一酸化炭素分子)について述べた。水素分子は、実際にはX線結晶構造解析では得られないが理論的実験として行った。また、一酸化炭素分子に関しては、現段階ではまだ実験データの切り出しが終了していないため、水素分子同様理論的に生成した一酸化炭素分子の電子密度分布を入力として、解析を行った。

 第十一章では、本手法の計算実験の結果について詳細に述べた。水素分子に関しては、理論的に生成した電子密度分布を入力として、解析を行った結果、正しい軌道係数の組を得ることに成功した。また、一酸化炭素分子に関しては、現段階で最終結果へは収束していないが、s値は確実に減少方向に進んでおり、やがて十分な精度で収束すると期待される。第十二章では、本手法のまとめと、今後の展開について述べている。

 第十三章では、本論文全体を振り返り、構造と機能の関連性の解明おける本研究の位置付けを行い、まとめとしている。

 以上、本論文は、タンパク質における構造と機能の関連性の解明とその方法の開発を目的としたものであり、酵素の反応機構を量子化学的に解析する手法を確立し、これを用いて、チトクロームP450norの反応機構を明らかにしている。且つ更に、X線結晶構造解析より得られる電子密度分布を利用した量子化学解析手法を開発し、低分子ながらもその解析法の有する高い有用性と可能性を示しており、上に述べた成果と併せて当該分野に新たな知見を与えたものとして学術上、応用上貢献するところが少なくない。よって、審査委員一同は、本論文が博士(農学)の学位論文として価値あるものと判断した。

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