学位論文要旨



No 118550
著者(漢字) 佐々木,和樹
著者(英字)
著者(カナ) ササキ,カズキ
標題(和) 単一細胞内でのAkt/PKB及びSrcによる蛋白質リン酸化の蛍光可視化プローブの開発
標題(洋) Fluorescent Indicators for Protein Phosphorylation by Akt/PKB and Src in Single Living Cells
報告番号 118550
報告番号 甲18550
学位授与日 2003.09.30
学位種別 課程博士
学位種類 博士(理学)
学位記番号 博理第4414号
研究科 理学系研究科
専攻 化学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 梅澤,喜夫
 東京大学 教授 橘,和夫
 東京大学 教授 塩谷,光彦
 東京大学 教授 野津,憲治
 東京大学 教授 巻出,義紘
内容要旨 要旨を表示する

序 ホルモンや神経伝達物質などの外部刺激によって誘起される細胞応答は,細胞内シグナル伝達を介して行われている.このシグナル伝達の多くは蛋白質リン酸化によって動的に制御されており,この蛋白質リン酸化の生細胞内における非破壊での可視化検出は,従来の大量の細胞を破砕し分離してから検出する方法では得ることのできない,生細胞内での時間・空間的な情報を得ることを可能にする.この蛋白質リン酸化を行う酵素蛋白質はセリン/スレオニンリン酸化酵素とチロシンリン酸化酵素に大別される.このうちチロシンリン酸化酵素には受容体型と非受容体型がある.そこで本研究ではセリン/スレオニンリン酸化酵素であるAkt/PKB(以下 Akt),非受容体型チロシンリン酸化酵素であるSrcに対する蛍光プローブの開発に関して報告を行う.

Akt蛍光プローブ(Aktus)の開発

アポトーシス回避や血管保護作用に関与するAkt/PKBはインスリンやステロイドホルモンによって活性化される.この活性化はホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI 3-K)によって制御されている.活性化したAktは内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS), Bad を含む様々な基質蛋白質をリン酸化するが,Akt がどのようにして基質蛋白質を選択的にリン酸化しているのかはわかっていない.これらの Akt の基質蛋白質のほとんどが細胞内小器官に局在しているため,作製した Akt の蛍光プローブに基質蛋白質が持っている細胞内局在ドメインをつけることによって,その基質蛋白質のリン酸化を選択的かつ高感度に検出する蛍光プローブを開発し,Akt の基質蛋白質の選択的なリン酸化について議論することができた.

Aktus の設計 Akt によるリン酸化を検出するために,Akt の基質蛋白質である Bad の Akt リン酸化部位(S136)とそのリン酸化S136と結合する14-3-3蛋白質をリンカーで結んだ分子のN・C末端にシアン・黄色蛍光蛋白質(CFP・YFP)をそれぞれ連結した蛍光プローブを作製した(図.1).このプローブは Akt によってS136がリン酸化されると,14-3-3がリン酸化S136と結合することにより構造が変化し,その結果,CFP・YFP間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が変化するため,Akt によるリン酸化が蛍光強度比変化として検出できる.

Aktus の検証 Aktus が Akt によってリン酸化されるかどうか調べるために,インスリンレセプター(IR), Akt を過剰発現させた培養細胞(CHO-IR-Akt 細胞)に Aktus を発現させ,リン酸化S136を認識する抗体を用いてウェスタンブロッティングを行った.インスリン刺激により Aktus のリン酸化が検出された.このリン酸化はPI 3-Kの阻害剤である wortmannin(WM)で前処理することにより検出されなくなった.また Akt のリン酸化部位であるセリンをアラニンに変えた変異体(Aktus-S136A)を作製し,同様にインスリン刺激を行ってもリン酸化は検出されなかった.このことから,インスリン刺激によりPI 3-Kを介して Aktus 内のS136がリン酸化されることを示した.次に,このリン酸化の結果が生細胞内において蛍光強度比の変化として検出できるかどうかを調べるために,Aktus を発現させたCHO-IR-Akt 細胞を蛍光顕微鏡下で観察した.Aktus は細胞質に一様に分布し,核内には存在しなかった.この細胞にインスリン刺激を行ったところ,直ちに蛍光強度比の減少が観察され,10分以内に定常状態に達した(図.2).WMで前処明した後に同様にインスリン刺激を行ったところ蛍光強度比は変化しなかった(図.2).また,Aktus-S136AをCHO-IR-Akt 細胞に発現させてインスリン刺激を行っても蛍光強度比変化は観察されなかった(図.2).この結果から,Aktus のリン酸化は生細胞内において蛍光強度比の減少として検出可能であるということがわかった.

eNOS-Aktus の設計 内皮細胞において,Akt はステロイドホルモン及びインスリン刺激によって活性化し,eNOS をリン酸化する.eNOS のリン酸化を測定するために,eNOS の細胞内局在化ドメインを Aktus と融合させ,内在性の eNOS と同じ細胞内局在を有する eNOS-Aktus を作製した(図.1).

eNOS-Aktus のリン酸化の検出 eNOS-Aktus が内在性の eNOS と同じ細胞内局在をとることを示すために,eNOS-Aktus を発現させた牛肺動脈内皮(CPAE)細胞を共焦点顕微鏡下で観察したところ,eNOS-Aktus の YFP の蛍光と免疫染色で示された内在性 eNOS は共にゴルジ体に局在していることがわかった.Akt を強発現させた CPAE 細胞にインスリン刺激を行ったところ,刺激後すぐに eNOS-Aktus の蛍光強度比は減少した(図.3).この応答はAktの強発現をしていないCPAE細胞ではみられなかった(図.3).この結果は eNOS-Aktus のリン酸化が Akt によるものであることを示している. 一方,エストロゲンレセプター(ER)と Akt を強発現させたCPAE細胞にエストロゲン刺激を行ったところ,刺激から3分後に eNOS-Aktus の蛍光強度比は減少した(図.3).これらの結果から,インスリン・エストロゲン刺激ともに Akt を活性化することがわかった.

Bad-Aktus の設計 Akt の重要な役割のひとつに,アポトーシスを促進する Bad 蛋白質をリン酸化することによってアポトーシス誘導を抑制する生存シグナルがある.Bad はミトコンドリア外膜上に存在している.そこでプローブに内在性の Bad のリン酸化感受性をもたせるために,ミトコンドリア外膜局在化ドメインを Aktus に連結した Bad-Aktus を作製した(図.1).

Bad-Aktus のリン酸化の検出 作製した Bad-Aktus を発現させた CPAE 細胞をミトコンドリア染色試薬であるテトラメチルローダミンエチルエステルで染色し,この細胞を共焦点顕微鏡下で観察したところ,Bad-Aktus がミトコンドリアに局在していることがわかった.ER と Akt を強発現させた CPAE 細胞にエストロゲン刺激を行うと,Bad-Aktus は3分後に減少した(図.4).しかし,Akt を強発現させた CPAE 細胞にインスリン刺激を行うとBad-Aktus の応答は得られなかった(図.4).これは内皮細胞内で内在性の Bad が Akt によってエストロゲン刺激ではリン酸化されるが,インスリン刺激ではリン酸化されないことを意味している.

Aktus のリン酸化の検出 局在化ドメインを連結していず,細胞質内で拡散している Aktus の応答を CPAE 細胞で観察したところ,ER と Akt を強発現させた CPAE 細胞にエストロゲン刺激を行っても,また Akt を強発現させた CPAE 細胞にインスリン刺激を行っても,Aktus の応答は観察されなかった.

結論 本研究で Akt の蛋白質リン酸化酵素活性に対する蛍光プローブ Aktus, eNOS-Aktus, Bad-Aktus を開発した.ゴルジ体に局在している eNOS-Aktus はインスリン刺激,エストロゲン刺激ともに Akt によるリン酸化を受けることがわかった.またミトコンドリアに局在している Bad-Aktus はエストロゲン刺激で Akt によるリン酸化を受けることがわかった.しかし,細胞質中に拡散している Aktus はインスリン刺激,エストロゲン刺激共に Akt によるリン酸化を受けないということがわかった.この3種の蛍光プローブの結果の違いは活性化した Akt が刺激依存的にゴルジ体やミトコンドリアなどの細胞内小器官に局在することを意味している.この活性化した Akt の局在化によって,選択的かつ高感度に Akt は基質蛋白質をリン酸化することがわかった.

Src蛍光プローブ(Srcus)の開発

Src はエストロゲンやアンドロゲンなどのステロイドホルモン刺激で活性化し,Shc をはじめとする様々な下流の基質蛋白質のチロシンをリン酸化する非受容体型チロシンリン酸化酵素である.しかしながら,これらのステロイドホルモンがどのようにして Src を活性化しているかはわかっていない.そこで Src の活性化を検出する蛍光プローブを作製することにより,Src 活性化の機構についての研究を行う.エストロゲンとアンドロゲン刺激による Src の活性化の違いとその違いがいかにして基質選択性に反映されているかについて明らかにする.

Srcus の設計 Srcによるリン酸化を検出するために,Src 特異的にリン酸化される合成ペプチドと,そのリン酸化ペプチドと結合する Grab2 蛋白質のSH2ドメインを用いた.この2つの蛋白質をリンカーで結んだ分子のN・C末端にシアン・黄色の蛍光蛋白質(CFP・YFP)をそれぞれ連結し,この分子が細胞質に局在するようC末端に核外移行シグナル(NES)を連結した蛍光プローブを作製した(図.5).このプローブは Src によって合成ペプチドがリン酸化されると,そこにプローブ内のSH2ドメインが分子内で結合し,プローブの構造が大きく変化する.この構造変化をCFPとYFP間のFRETにより検出する.

Srcus の検証と応用 12時間ステロイド欠損培地で培養したヒト乳癌由来細胞であるMCF7細胞にエストロゲン刺激を行うと蛍光強度比は減少をはじめ20分で定常状態になった(図.6).アンドロゲン刺激もエストロゲン刺激と同様の応答が得られた.この結果から作製した Srcus はエストロゲン・アンドロゲン刺激による Src を活性化を検出することができることがわかった.そこでこの Srcus を用いて,エストロゲン・アンドロゲン単独で Src が活性化するかどうか調べるために,ステロイド欠損培地で12時間培養した後,さらに1時間,無血清培地によって培養したMCF7細胞にエストロゲン刺激,アンドロゲン刺激をそれぞれ行った.そのときのアンドロゲンはステロイド欠損培地処理したときと同様の応答が得られたのに対し,エストロゲン刺激では応答しなくなった(図.6).この結果はエストロゲンとアンドロゲンでは Src を活性化する機構が異なり,アンドロゲンは単独で Src を活性化するのに対し,エストロゲンが Src を活性化するためには血清中に含まれている他の因子が必要であるということを意味している.

エストロゲンによる活性化に必要な因子を調べるために,抗エストロゲンレセプター(ER)抗体を用いて細胞内でERと結合している蛋白質を免疫沈降法により回収し,銀染色によって検出した.共沈した170kDaの蛋白質が上皮成長因子受容体(EGFR)であることをウエスタンブロッティング法により確認した.EGFR が Src の活性化に関与しているか確認するために無血清培地処理した MCF7 細胞に EGF 単独で刺激,そして EGF とエストロゲンの同時刺激を行ったところ,EGF 単独での刺激では Src を活性化しなかったが,EGF とエストロゲンで同時に刺激をすると,Src は EGF 濃度依存的に活性化した(図.7).これらの結果から,エストロゲンと EGF の同時刺激が Src を活性化するために必要であるということがわかった.

Src の主要な基質蛋白質である Shc は PTB ドメインを持っている.そのPTBドメインは EGF によって活性化された EGFR と結合する.Src の活性化に EGFR がどのように関与しているかを調べるために Srcus にこの PTB ドメインをつけたPTB-Srcus を作製した.この PTB-Srcus と Srcus のエストロゲンと EGF の同時刺激後のリン酸化量を比較したところ,PTB-Srcus のリン酸化量は Srcus に対して2倍増加した(図.8).一方,アンドロゲン刺激に対しては PTB-Srcus と Srcus のリン酸化量に違いはなかった(図.8).これらの結果は,エストロゲン刺激によって,Src は EGFR 結合部位を持った Src の基質蛋白質(例 Shc)を選択的にリン酸化し,アンドロゲン刺激においては,Srcは EGFR 結合部位による基質選択性を持たないということを示唆している.

結論 本研究で Src の活性化を検出するための蛍光プローブ Srcus の開発を行った.この Srcus を用いることによって Src の活性化にはエストロゲンと EGF の同時刺激が必要であることがわかった.さらに ER と EGFR が結合していることを発見し,Srcはエストロゲン刺激においてEGFR結合ドメインを持った Src の基質を,より選択的にリン酸化することを示した.一方,アンドロゲン刺激では Src の活性化に EGFR を必要としておらず,基質の EGFR 結合部位の有無による選択性がないことがわかった.

まとめ 本研究において Akt 及び Src による蛋白質リン酸化の蛍光可視化プローブの開発を行った.このプローブに基質蛋白質由来の局在化ドメインを連結することにより Akt 及び Src の局所的な蛋白質リン酸化を検出した.その結果から,Akt 及び Src は細胞内小器官に局在することによって,共局在している基質蛋白質を高感度かつ選択的にリン酸化しているということがわかった.この細胞内局在を利用した基質蛋白質選択性は,他の蛋白質リン酸化酵素にも共通するメカニズムではないかと考えられる.

Akt蛍光プローブ(Aktus)

Aktusの検証

eNOS-Aktusの応答

Bad-Aktusの応答

Src蛍光プローブ(Srcus)

エストロゲン刺激に対するSrcusの応答

Src活性のエストゲン・EGF依存性

SrcusとPTB-Srcusのリン酸化量の比較

審査要旨 要旨を表示する

本論文は4章より成る.第1章は序論であり,本研究の動機と目的が簡潔に述べられている.まずホルモンや神経伝達物質などの外部刺激によって誘起される細胞応答は細胞内シグナル伝達を介して行われていること,このシグナル伝達の多くが蛋白質リン酸化によって動的に制御されていること,この蛋白質リン酸化の生細胞内における非破壊可視化検出は,従来の大量の細胞を破壊し分離してから検出する方法では得ることのできない,生細胞内での時間・空間的な情報を得ることを可能にすることを順序立てて述べている.

この蛋白質リン酸化を担う酵素蛋白質はセリン/スレオニンリン酸化酵素とチロシンリン酸化酵素に大別され,後者には受容体型と非受容体型があることを踏まえ,本研究ではセリン/スレオニン酵素である Akt/PKB(以下 Akt),非受容体型チロシンリン酸化酵素である Src に対する蛍光プローブを開発し,蛍光顕微鏡下の生きた単一細胞でこれらの情報伝達過程の可視化検出を目的とすることが述べられている.

第2章はAkt蛍光プローブの開発について論じている.Aktによるリン酸化を検出するために,Aktの基質蛋白質である Bad の Akt リン酸化部位(S136)を認識(結合)する13-3-3蛋白質を,リンカーで結んだ分子のN・C末端にシアン・黄色蛍光蛋白質(CFP・YFP)をそれぞれ連結した蛍光プローブを作製した.このプローブは Akt によってS136がリン酸化されると14-3-3がリン酸化S136と結合することにより構造が変化し,その結果CFP・YFP間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が変化するため,Akt によるリン酸化が蛍光強度比変化として検出される.アポトーシス回避や血管保護作用に関与する Akt はインシュリンやステロイドホルモンによって活性化される.この活性化はホスファチジルイノシトール3-キナーゼ (PI3-K) により制御される.活性化したAktは内皮型一酸化窒素合成酵素 (eNOS),Bad を含む様々な基質蛋白質をリン酸化するが,Akt がどのようにして基質蛋白質を選択的にリン酸化しているのはわかっていなかった.これらの Akt の基質蛋白質のほとんどが細胞内小器官に局在しているため,作製した Akt の蛍光プローブに基質蛋白質がもっている細胞内局在ドメインをつけることにより,その基質蛋白質のリン酸化を選択的かつ高感度に検出する蛍光プローブを開発し,Akt の基質蛋白質の選択的なリン酸化について論じている.すなわち,活性化した Akt は刺激物質依存的にゴルジ体やミトコンドリアなどの細胞内小器官に局在することを初めて明らかにしたこと,またこの活性化Akt の局在化により選択的かつ高感度に Akt は基質蛋白質をリン酸化することの発見について述べている.

第3章はSrcの蛍光プローブの開発について論じている.Src によるリン酸化を検出するために,Src 特異的にリン酸化される合成ペプチドとそのリン酸化ペプチドと結合する Grab2 蛋白質のSH2ドメインを用いている.この2つの蛋白質リンカーで結んだ分子のN・C末端にシアン・黄色の蛍光蛋白質 (CFP・YFP) をそれぞれ連結し,この分子が細胞質に局在するようにC末端に核外移行シグナル (NES) を連結した蛍光プローブを作製している.このプローブは,Src により合成ペプチドがリン酸化されると,そこにプローブ内のSH2ドメインが分子内で結合しプローブの構造が大きく変化し,それを CFP・YFP 間の FRET により検出するものである.Src はエストロゲンやアンドロゲンなどのステロイドホルモン刺激で活性化し,Shc をはじめとする様々な下流の基質蛋白質のチロシンをリン酸化する.本研究でSrcによるリン酸化を検出するための蛍光プローブを用いることにより,Src 活性化にはエストロゲンと上皮成長因子 (EGF) との同時刺激が必要であることを明らかにしている.さらに Src の活性化に EGFR がどのように関与しているか調べるために,上述のプローブに PTB ドメインをつけたプローブも開発し,エストロゲンリセプターと EGF リセプター (EGFR) が結合していることを発見した.このことは,Src はエストロゲン刺激において EGFR 結合ドメインをもった Src の基質をより選択的にリン酸化することを示している.一方,アンドロゲン刺激では Src の活性化に EGFR を必要とせず,基質の EGFR 結合部位の有無による選択性がないことを明らかにしている.第4章では,総合的結論が述べられている.

以上のように,本研究は,Akt および Src による蛋白質リン酸化の蛍光可視化プローブの開発を行い,それらを用いて,代表的蛋白質リン酸化酵素である Akt および Src は,細胞内小器官に局在することにより共局在している基質蛋白質を,高感度かつ選択的にリン酸化していることを明らかにした.これは理学の発展に大きく寄与する成果であり,博士(理学)取得を目的とする研究として充分であると審査員は全員一致で認めた.なお,本論文は,各章の研究が複数の研究者との共同研究であるが,論文提出者が主体となって行ったもので論文提出者の寄与は十分であると判断する.

従って,博士(理学)の学位を授与できると認める.

UTokyo Repositoryリンク