学位論文要旨



No 118555
著者(漢字) 平川,大貴
著者(英字)
著者(カナ) ヒラカワ,ダイキ
標題(和) ジオシンセティックス補強土構造物の残留変形特性に関する研究
標題(洋) Study on Residual Deformation Characteristics of Geosynthetic-Reinforced Soil Structures
報告番号 118555
報告番号 甲18555
学位授与日 2003.09.30
学位種別 課程博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 博工第5574号
研究科 工学系研究科
専攻 社会基盤工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 龍岡,文夫
 東京大学 教授 東畑,郁生
 東京大学 助教授 古関,潤一
 東京大学 助教授 岸,利治
 東京大学 助教授 松本,高志
内容要旨 要旨を表示する

今日までの補強土構造物を含む土構造物の有用性評価は、通常「極限釣合安定計算による破壊に対する全体安全率」で判断されてきた。補強土構造物において、ジオシンセティックスを用いた引張り補強の基本メカニズムは土の変形を拘束することによって対象土構造物と地盤が安定化することにあるが、このメカニズムと地盤の変形を考慮せずに力の釣合条件から安全率を求める現行の安定解析法との間の整合性は十分に取れていない。

また、実際に重要構造物に対しては、安定問題だけではなくその供用時における変形問題が重要となる。供用時に生じる変形量、特に上部構造物によるクリープ変形量と交通荷重等の繰返し載荷による残留変形量の程度とその予測が重要である。しかし、補強土構造物に限らず、土構造物の変形を予測する手法は未だ十分に解明されていない。現状では「より安定な構造物はより変形が小さい」との想定して、極限釣合法による安定解析で十分大きな安全率を用いることで変形問題に対応してきた。しかし、大きな安全率でも変形が大きすぎる場合もありうるし、逆に構造物の過剰設計の可能性も含んでいる。また、安定問題についても、「擁壁にかかる土圧と補強材張力の釣合」という単純なモデルでの解析が合理的であるかということについての検討も十分ではない。

本研究では上記の研究背景に対応して、材料物性と境界条件に基づいてジオテキスタイルで補強された土構造物の機能の合理的な評価法について考察している。土構造物の合理的な評価法の提案を行うために、その構成材である裏込材と高分子補強材の変形強度特性を把握し、複雑な境界場を持つ補強土構造物の変形強度特性が構成材の固有物性に基づく挙動と、境界条件に起因する力学挙動かと区分して安定問題を議論する必要がある。本研究では、まず基本構成材である粒状裏込材と高分子補強材の非線形変形強度特性を実験的に調べた。また、ジオテキスタイル補強土構造物(補強土橋脚と補強土橋台・擁壁)の模型載荷実験を実施し、それぞれの境界条件におけるマスとしての変形強度特性を調べた。補強土構造物の強度問題としては、1)クリープ低減係数の必要性、2)延性・非延性補強材の区分の妥当性について検討を行った。さらに、変形問題としては、1)要素問題と境界値問題における粘性的変形強度特性の相関、2)クリープ載荷と繰返し載荷の残留変形特性における境界条件の影響を考察し、鉛直方向の変形強度特性を表現できる構成モデルについて検討した。

粒状盛土材の非線形応力ひずみ関係を明確にするため、実構造物の応力状態を想定して一次元圧縮試験と角柱三軸圧縮試験を実施した。本研究において、裏込材には補強土構造物への適用実績のある硬質砂岩の粒子調整砕石(千葉礫)と、豊浦標準砂を使用した。裏込材の変形強度特性における材料粘性効果と、クリープ載荷と繰返し載荷によって生じる残留変形特性について実験的に調べた。また、拘束条件に違いによる材料粘性効果の差異について検討した。以下に粒状盛土材の非線形応力ひずみ関係について得られた重要な知見を示す。

(1)豊浦砂・粒調砕石の軸方向変形強度特性において、ともにひずみ速度を急変させると応力〜ひずみ関係の接線勾配が急変するという載荷速度依存性がある。この現象は拘束圧一定の三軸試験と、側方向の変形が拘束されている一次元圧縮試験とで共通した現象である。より詳細には、ひずみ速度変化の影響を一時的に受ける材料(豊浦砂;TESRA特性)と、全く受けない材料(粒調砕石;Isotach特性)に区分される。

(2)一方、豊浦砂・粒調砕石ともに、軸応力〜軸ひずみ関係に明確な非線形挙動が生じるようなひずみレベルにおいても、微小なひずみレベルでの載荷に対して弾性領域の推移が確認された。

(3)粘性係数を算出し、拘束条件が与える影響を比較すると、大きな差がなかった。しかし、より厳密に比較すると角柱三軸圧縮試験で得られる粘性係数よりも、一次元圧縮試験で得られる粘性係数の方が大きくなる傾向にある。

(4)角柱三軸圧縮試験により、軸方向変形におけるクリープ載荷と繰返し載荷による残留変形の関係を調べた。この結果、繰返し載荷によって生じる残留変形は、時間依存変形(クリープ変形)による要因と、繰返し載荷そのものによって引き起こされる土粒子再配列による非時間依存変形による要因の2種類あることが分かった。繰返しせん断応力の振幅が小さいほど、前者の要因が卓越する。また、これらの要因は互いに独立ではなく、どちらか他方が卓越するともう他方が生じにくくなるとう相互作用がある。これら両者の関係を定量化することによって、交通荷重のような長期繰返し載荷による残留変形を簡易的に予測できる可能性がある。

(5)クリープ載荷と繰返し載荷を受けることにより、連続単調載荷の時よりも体積変形特性がより収縮的になった。繰返し載荷時とクリープ載荷時の体積収縮率(Δεvol /Δγ)は類似であるが、前者の時の方がやや大きい傾向にある。この挙動は豊浦砂・粒調砕石ともに確認された。

もう一方の構成材である高分子補強材に関して、荷重履歴の受けていないfreshな状態の高分子補強材(5種類)と、8年間鉄道のジオテキスタイル補強土橋台で使用されたAged状態の高分子補強材(1種類)の計6種類の材質・製造方法の異なる補強材を用いて、高分子補強材の変形強度特性とその材料粘性効果を実験的に調べた。得られた実験結果に基づいて変形強度特性における材料粘性効果と年代効果、クリープ現象について考察した。また、材質・製造方法の異なる補強材の変形強度特性を統一的に表現する方法について検討を行った。高分子補強材の引張り特性について得られた重要な知見を以下にまとめる。

(1)高分子補強材の引張り特性においても、盛土粒状体の応力〜ひずみ関係と同様に材料粘性の効果による載荷速度依存性がある。この特性は主材料・製造方法に依存しない。より詳細にはひずみ速度変化の影響を一時的に受ける材料(TESRA特性)と、全く受けない材料(Isotach特性)に区分される。すなわち、高分子補強材の引張り特性においても、粒状体の材料粘性特性を表現するために提案されているレオロジーモデルで表現可能である。

(2)高分子補強材の破断強度は、載荷履歴に依存せず、破断時のひずみ速度で決まる。

(3)高分子補強材の変形強度特性の粘性には年代効果が生じていなかった。この結果は、現行設計手法での供用時間に応じて設計補強材張力を減少させるという概念に一致しない。高分子補強材のクリープ現象は材料粘性による応答の一つであり、クリープ現象自体が材料劣化現象とは見なせない。

ジオテキスタイルで補強された土構造物の変形強度特性を調べるため、補強土橋脚と補強土橋台・擁壁の模型実験を実施した。以下に重要な試験結果と知見を示す。

(1)補強材と裏込材で構成された複合構造物である補強土構造物(橋脚)のマスとしての変形強度特性においても、材料粘性による粘性的変形挙動が生じている。この変形強度特性は補強材剛性の影響を受けず、高分子補強材を用いた場合でも金属補強材を用いた場合でも共通して生じる挙動である。

(2)補強土構造物のマスとしての粘性は、裏込材単体の場合と同じ方法で表現可能である。補強土構造物の粘性は非可逆ひずみ速度のべき乗の関数として表現される。

(3)補強材剛性が土構造物の変形強度特性に与える影響を検討したところ、補強土橋台では剛性値が10倍以上異なっても大きな差が見られなかった。軸方向の等価線形剛性を比較しても、載荷過程および除荷過程でもほぼ同等の剛性を発揮している。一方、補強土橋台・擁壁では補強材剛性の影響を受け、基礎(小橋台)の応力〜沈下関係の傾きには差が見られた。しかし、この差は補強材剛性ほどの差はない。これらの実験事実は、延性・非延性補強材の区分という従来の概念に反している。

上記に示した実験結果より、マクロ的に見た補強土構造物の変形特性は粒状盛土材や高分子補強材と同じくレオロジーモデルを用いて表現可能であることが分かった。また、高分子補強材を用いた補強土擁壁構造物において土圧分布と補強材張力を計測した結果、以下の知見を得た。

(1)クリープ載荷中において、壁面工背面の接合点に作用する補強材張力及び裏込め地盤内部に敷設された補強材の局所張力ともに減少する。

(2)繰返し載荷開始直後において、壁面に作用する土圧分布には等分布に近づく力の再分配が確認された。また、壁面工背面の接合点に作用する補強材張力についても同様の傾向が見られる。裏込め地盤内部に敷設された補強材の局所張力においては、繰返し載荷開始直後帯基礎直下の箇所において逆に張力が増加する傾向が見られた。

上記の挙動は、高分子補強材を用いた補強土構造物においてクリープ載荷や繰返し載荷が作用した場合、裏込地盤内で力の均等化が起こることを示している。これは補強材と裏込材の相互作用によって生じる現象である。つまり、「擁壁に作用する土圧と補強材の釣合」という単純なモデルで補強土構造物の安定問題を解析すると、過大な安全側の判断に繋がると考えられる。

以上に述べたような裏込材と高分子補強材の固有な強度変形特性、補強土構造物の変形強度特性と外力条件による土圧〜補強材張力の相互関係について多くの重要な事実を明らかにした。これらの知見は、今後のジオテキスタイル補強土構造物の変形強度特性の評価法に貢献できると考えられる。

審査要旨 要旨を表示する

高分子材料ジオテキスタイル(建設用繊維材)の補強材を盛土内に水平に敷設して盛土を引張り補強することにより鉛直壁面を持つ擁壁を建設する工法は、その経済性と高い安定性から最近は標準的な擁壁工法として広く採用されている。しかし、許容変位量が小さく高い耐震性が要求される橋台・橋脚や重量建築物の基礎構造物等の永久重要構造物への適用は限定されている。その理由は、盛土構造物に対する一般的な低い信頼感に加えて、鉄筋コンクリ−ト構造物と比較して盛土荷重や外部死荷重によるクリープ変形や交通荷重等による即時及び残留変形が許容値以下である保証が確認できていないからである。その理由の一つは、持続荷重によるクリープ変形と交通荷重のような比較的小振幅の繰返し載荷によって盛土材料・ジオテキスタイル補強材・ジオテキスタイル補強盛土のそれぞれに生じる残留変形のメカニズムとそれらの相互関係が不明確であり、そのために予測方法が確立されていないからである。

本研究はこのような背景の下で行われたものであり、盛土材料・ジオテキスタイル補強材を用いた様々な荷重履歴を与えた材料実験とジオテキスタイル補強盛土模型を用いて同じく様々な荷重履歴を与えた模型実験を実施するとともに、構成モデルを参照しながら両者の関係を考察することによって、この課題を解明しようとしたものである。

第1章は序論であり、高分子ジオテキスタイル補強材を用いた補強盛土構造物の現行の設計法における変形問題の取り扱い方における問題点を指摘している。まず現行の設計法では、力の極限釣合い法により安定性を検討するが、構造物の変形を直接予測する替わりに、補強材のクリープ破断を防ぐために構造物の耐用年数の増加に応じて補強材の設計強度を低下させていることを指摘している。しかしこのクリープ補正係数を用いる方法は、盛土内の補強材に作用する引張り荷重が常に一定であることを前提にしている上に、各種の補正係数を採用することによって実際の引張り強度よりも大幅に低い設計引張り強度を設定している。その一方で、通常は耐震設計を実施していることから常時の破断に対する安全率は著しく高い状態にある。これらの理由のため、実際にはクリープ破断することは殆どない可能性があること、またこのクリープ補正係数を用いる方法は、クリープ現象によって同一のひずみ速度など同一の載荷条件の下での破断強度が時間経過とともに減少すると言う誤解を招いていることを指摘している。

以上のことから、本研究の目的は1)クリープ載荷等の各種の載荷履歴が同一の載荷条件の下での補強材の変形強度特性に与える影響の評価、 2)補強土構造物内の補強材がクリープ破断する可能性の検討、3)荷重保持載荷と小ひずみ振幅鉛直繰返し載荷による補強土構造物に生じる残留変形特性の予測法の検討、であることを示している。

第2章では、盛土材料の砂と礫の荷重保持載荷と繰返し載荷によって生じる残留変形とその相互関係を明らかにするために行った系統的な単調載荷および繰返し載荷三軸圧縮試験の試験法とその結果をまとめている。実験結果を非線形三要素モデルの枠組みで解析して、実験に用いた砂と礫の粘性特性を定量的に示している。このモデルでは、ひずみ増分は弾性成分と非弾性(非可逆)成分の和であり、応力は粘性応力と非粘性応力の和である。また、荷重保持実験と繰返し載荷実験に生じる残留変形を比較することにより、繰返し載荷時に生じる残留変形の要因には1)材料粘性と2)非粘性の繰返し載荷効果の二つがあり、繰返し載荷振幅が小さい間は前者の要因が卓越するが、繰返し載荷振幅が大きくなるほど後者の要因が大きくなることを見出している。このようにして定量化された盛土材料の粘性特性と繰返し載荷効果による残留変形特性は、ジオテキスタイルで補強された盛土構造物の模型実験で観察された模型の変形特性の解析の基礎となっている。

第3章では、高分子ジオテキスタイル補強材の変形強度特性とそれに対する材料粘性と繰返し載荷効果が与える影響を評価するために6種類のジオグリッドを用いて行った一連の引張り試験の方法と結果をまとめている。この試験では、異なるひずみ速度での単調載荷試験と単調載荷試験の途中でのひずみ速度の急変・荷重保持実験(クリープ載荷実験)・繰返し載荷試験を行っている。その結果、引張り破断強度は載荷途中での異なる載荷履歴の影響を全く受けずに破断時のひずみ速度だけの影響を受けることを示し、クリープ変形は材料劣化現象ではないことを確認している。従って、時間経過と伴にクリープ破断が生じる可能性と材料劣化する可能性がない場合は、構造物の耐用年数に応じて設計引張り強度を低下させる必要がないと結論している。また、8年間実際のジオテキスタイル補強土構造物内に設置されていた高分子ジオテキスタイル補強材の材料実験を系統的に行い、新品と比較して全く材料劣化しておらず粘性を含めて変形特性も変化していないことを示した。

更に、非線形三要素モデルでこれらの実験結果の全てをシミュレーションして、今回の研究で採用した多様な載荷条件の全てに対してこのモデルは妥当であることを示している。

第4章と5章では、ジオテキスタイル補強土盛土の橋脚と擁壁の変形強度特性と、それに対して盛土材料の材料粘性と繰返し載荷効果と高分子ジオテキスタイル補強材の材料粘性が与える影響を評価するために行った一連の小型模型実験の方法と結果をまとめ、その結果を材料試験の結果に基づいて解析している。まず、独立構造物である橋脚模型と平面ひずみ模型である擁壁の論文提出者自らが行った設計と作製法の詳細を説明している。更に、模型の変形特性に対する材料粘性と繰返し載荷の影響と両者の相互作用を検討するために行った載荷方法、即ち一定のひずみ速度での単調載荷試験と荷重が増加する過程と除荷過程で行った繰返し載荷試験・荷重保持試験の方法を説明している。その結果、模型天端での鉛直荷重と模型圧縮変形の関係は載荷速度が急変すると急変し、無視できないクリープ変形と応力緩和現象、及び繰返し載荷により無視できない残留変形が生じ、これらの残留変形特性には盛土材料の粘性が明確に反映されることを示している。特に、繰返し載荷中に生じる残留変形は、繰返し荷重振幅が小さいほど盛土材料の粘性によって生じることを示している。ただし、盛土天端に剛な基礎模型を設置して鉛直載荷した場合、基礎全体の繰返し荷重の振幅が基礎支持力と比較すると小さくても、基礎の両端直下の地盤内では繰返し応力振幅の破壊断強度に対する比が容易に大きくなり、このため基礎端部直下の地盤内では非粘性の繰返し載荷効果が卓越して残留変形が生じ、この現象のために繰返し載荷を継続すると基礎端部直下の鉛直荷重が減少して基礎中央部の鉛直荷重が増加する。このため、基礎直下の地盤内の降伏が生じる。このような相互作用のために、繰返し載荷に伴う基礎の沈下は荷重保持実験の場合と比較するとはるかに長期に継続することを明らかにした。

また、構造物が破壊状態から十分に遠い状態で行った荷重保持実験では、補強材張力により盛土材料が水平方向に圧縮クリープ変形することと、ジオテキスタイルのような補強材では応力緩和現象が生じるために、時間経過と伴に補強材張力は徐々に低下することを示している。実際構造物でも同様な現象が生じるならば、補強材に著しいクリープ変形が生じることは無くなり、クリープ破断の可能性は低くなることを示している。

更に、除荷状態のプレストレス状態では粘性と繰返し載荷効果による模型の残留変形の時間的進行は極めて小さくなることを示し、プレロード・プレストレス工法が残留変形の抑制に効果的であることを示している。

また、補強材層として剛性が13倍異なる模型を用意して載荷実験を行い、補強材層の剛性が補強土構造物の即時及び残留変形特性に与える影響を評価している。盛土材料の剛性は補強材よりも小さく、また盛土材料の変形強度特性にも無視できない粘性と繰返し載荷効果があるために、補強土構造物の変形の差は補強材層の剛性の差よりも遙かに小さいことを示している。

第6章では、第4,5章で説明した模型実験で得られた結果を、模型を一要素と見なして非線形三要素モデルによって解析している。模型実験の結果を要素試験の結果の解析と全く同様な方法で解析できることから、非線形三要素モデルを用いて有限要素法等によりジオテキスタイル補強土構造物の残留変形特性の本格的な数値解析ができる展望が得られたとしている。また、模型実験での変形の解析の結果に基づいて、比較的小さな繰返し振幅であるが繰返し載荷回数が非常に多い繰返し載荷履歴により生じるジオテキスタイル補強盛土構造物の残留変形を、荷重保持実験での残留変形と見なして予測できることを示している。

第7章は、結論である。

以上要するに、系統的な室内材料実験・模型実験・理論的検討を行い、ジオテキスタイル補強土構造物の自重と外部死荷重によるクリープ変形と交通荷重のような長期小振幅繰返し荷重の繰返し載荷履歴による残留変形とそれらの相互関係を明らかにして、本構造物の残留変形を予測する方法論を示し、今後の本研究分野の発展及び実務設計の改善に寄与する新しい知見を与えている。これらは、土質工学に分野において貢献することが大である。よって本論文は、博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる。

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