学位論文要旨



No 118725
著者(漢字) 安藤,至大
著者(英字)
著者(カナ) アンドウ,ムネトモ
標題(和) 組織におけるインセンティブ制度について
標題(洋) Essays on Incentive Schemes in Organizations
報告番号 118725
報告番号 甲18725
学位授与日 2004.03.12
学位種別 課程博士
学位種類 博士(経済学)
学位記番号 博経第181号
研究科 経済学研究科
専攻 企業・市場専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 助教授 柳川,範之
 東京大学 教授 松島,斉
 東京大学 教授 神取,道宏
 東京大学 教授 松井,彰彦
 東京大学 助教授 松村,敏弘
内容要旨 要旨を表示する

この論文は契約と組織に関するいくつかの問題を分析したものである.この論文は以下の5章からなっている.

1, Introduction 2, Division of a contest with identical prizes 3, Overconfidence in economic contests 4, Collusion among firms with short-lived members 5, Cost of enforcement in developing countries with credit market imperfection

各章の内容は以下のようになっている.まず第1章では簡単に論文全体の概観を説明している.ここでは,以降の章で分析するそれぞれの問題が,契約と組織の理論の流れの中でどのように位置づけられるのかを示している.

第2章と第3章ではコンテストの経済分析を行っている.第2章では水平的に分割されたコンテストを分析する.コンテストの分割とは以下のような行為を指す.まず4人の参加者が2つの同質な賞品をめぐって争うコンテストを考えてみたい.コンテストの設計者がそのコンテストを分割すると,事前に2人ずつの2つのグループに分けられた参加者たちは,それぞれのグループ内で1つの賞品をめぐって争うことになる.一方で,分割が行われなかった場合は,4人の参加者が同時に2つの賞品をめぐって争うことになる.コンテストの分割とみなすことのできる現実の現象にはいくつかあり,たとえば同期入社の社員が昇進競争を行う際にいくつかの部門の内部でのみ競わせるということは例といえるだろう.

ここで,コンテストの分割によって参加者の行動がどのように変わるのか,また,設計者が分割を行うのはどのようなときかという問題を考える.この問題に答えるために,本章ではオークションのモデルを応用したコンテストのモデルを構築し,これを分析する.モデルでは以下のような仮定を置く.個々の参加者は異なる能力を持ち,この能力は同一の分布から独立に実現するとする.これは個々人の私的な情報であり,ライバルの能力については事前にはその分布しか分からないものとする.

本章の主要な結果は以下の通りである.第1に,コンテストの分割は,能力の低い参加者など,一部の努力水準を上昇させる代わりにそれ以外の能力を持つ参加者の努力水準を減少させる効果を持つ.この現象は直観的には以下のように説明できる.まず,ここでは能力について逓増的な対称均衡戦略を考えているため,コンテストが分割されていない場合には必ず能力の高い参加者から順に勝者が選ばれることになる.これに対し,分割が行われると,その分けられ方によっては,能力の高い順に勝者が選ばれない可能性がある.例えば先ほどの4人の参加者が2つの商品をめぐって争う例では,能力の1番高い参加者と3番目に高い参加者が勝者となりうる.このことが能力の低い参加者の勝つ確率を上昇させ,その結果として積極的な努力を引き出すことになる.他のタイプについても同様に,勝つ確率がどのように変化するかによって行動の変化を説明できる.

第2に,コンテストの分割は場合によっては設計者にとって利益になる.ここでは設計者の目的関数として以下のようなものを考えている.設計者は個々の参加者のアウトプットの和を最大化する.また,個々の参加者のアウトプットは彼の努力の増加関数である.まず,ある正規性条件の下で,このアウトプット関数が線形の場合には,設計者にとって分割が望ましくなることはない.これはオークションの理論で知られている結果から直接的に導かれる.しかしながらアウトプット関数が凸関数や凹関数の場合には正規性条件の下でも分割が望ましくなりうる.これはオークションの理論における結果がコンテストの理論にはそのままでは適用できないことを意味している.

第3章においても前章と同様にコンテストの経済分析が行われている.しかし,前章とは異なり,各参加者が自分のタイプや社会的なタイプの分布を誤解しているような状況を分析の対象としている.この設定は,ヒトには外部の事象を過大評価したり自分の能力を過信したりする傾向があるという事実に基づいている.

ここでは参加者が2人のケースのみを分析する.また,コンテストにおいて自分がライバルに勝つ確率を過大評価している状況を考え,その原因として,自分のタイプの過大評価と社会的なタイプの分布の過小評価の二つを取り上げる.ここでプリンシパルは期待努力水準が最大になることを望んでいるとする.

本章の主要な結果は以下の通りである.まず,自身のタイプを過大評価することは参加者のより積極的な努力を引き出すため,どのようなタイプの分布の下であってもプリンシパルにとっては望ましい.しかしながら,いくつかの分析関数の下では,タイプの分布の過小評価はプリンシパルにとっては得ではない.これは,タイプの低い参加者の努力水準が少し上昇する代わりにタイプの高い参加者の努力水準が大きく減少してしまうことによる.

ここまでの章では明示的な契約が扱われてきたが,第4章では長期的関係によってもたらされる暗黙の契約を分析する.ここでの目的は組織の内部構造が組織間の長期的な協調行動に与える影響を見ることにある.

企業間の長期的関係は繰り返しゲームによって分析されることが多い.それらでは通常,無限期生きる企業同士の関係を考え,ゲームの最初にすべての行動計画が決定されると仮定される.しかし,現実の企業においてその構成員は時間を通じて入れ替わる.また,現在の行動計画は現在の構成員たちによって決定される場合が多い.これらのことから,実際に働く構成員たちにとって企業の長期的な行動計画に従うインセンティブがあるかどうかは自明ではない.

本章では企業の行動としてトリガー戦略に焦点を当てる.そして,2つの同質な企業が同質財市場において繰り返し価格競争,または数量競争を行う状況において,どのような内部構造を持つ企業ならばトリガー戦略を実行できるのかという問題を考える.ここで言う企業の内部構造とは,企業を構成する世代の数,それらの世代間の役割分担,そして利潤の配分ルールにより規定される.

主要な結果は以下の通りである.まず,企業を構成する世代数が3世代以上の場合,価格競争でも数量競争でもトリガー戦略は実行可能である.しかしながら,2世代しかない場合には価格競争のときのみしかトリガー戦略を実行できない.

この結果は以下のような価格競争と数量競争との性質の違いによって発生している.トリガー戦略は過去のすべての歴史についての情報を必要とするため,それを実行するためには世代間での情報の継承が不可欠である.ここで,情報伝達の際に真実とは異なる情報を伝えることで今期の企業の行動を操作しようとする誘引があることに注意したい.世代数が2世代のとき,価格競争ではこのような操作が行えないが数量競争では可能となってしまい,そのために情報の正しい伝達が行われず結果として数量競争ではトリガー戦略が実行できない.

この点を見るために,まず価格競争を考えてみたい.価格競争の場合には,均衡経路上において「以前に逸脱があった」という情報は自社による限界費用価格付けをもたらす.これは企業の利得を減少させる.よってこのような逸脱は企業の得にはならない.一方で数量競争においては,均衡経路上において「以前に逸脱があった」という情報は自社による報復的行為(ステージゲームのナッシュ均衡行動)をもたらす.相手企業が協調的な数量を選択しているときに,自社がこのような行動を取ると利潤が上昇する.したがって数量競争の場合には今までの歴史が協調的であってもなくても常に「逸脱があった」という情報を下の世代に伝えるインセンティブが存在する.このような価格競争と数量競争の性質の違いが結果に反映している.

第5章では契約の履行が不十分にしか実現されない可能性がある途上国経済を分析の対象としている.そこでは契約の履行を担保するためには十分な規模の履行部門が国内に構築されている必要がある状況が考察される.

この経済には収益の大きい生産の機会が存在しているが,起業家がそのプロジェクトを始めるためには借り入れが必要とする.この企業家は,その履行を強制する部門が国内に存在しない場合には,利益の実現後に返済をしない,つまり契約の不履行の可能性があるものとする.

この経済における履行部門を大きくすることは契約の締結を可能にするという意味でのメリットを持つが,生産活動に従事できていたはずの労働者を生産部門から履行部門へと引き抜くことによる国内の生産性の低下というデメリットもある.ここで,履行部門の構成員に対して十分な賃金を支払う必要があり,その費用は誰かが負担する必要がある.この費用を企業家に負担させる場合には企業家になることの利益が減少するため,プロジェクトが行われなくなるかもしれない.また,社会全体で負担した場合には次世代の企業家候補たちの所得を減らしてしまう可能性があり,次世代におけるプロジェクトの実行可能性を低めてしまうかもしれない.このように,履行費用を誰が負担するのかは重要な問題となりうる.

本章の結果として,まず,履行に伴う費用の分担ルールが長期的な発展経路に対して大きな影響を与えることが示される.そして環境によっては,その費用を社会全体で負担するほうが望ましい場合が存在することを示した.また,そのような負担ルールの下では,一定期間は経済活動が行われているが,借り入れが突然不能になり経済活動が停滞してしまう可能性があることを示した.ここで得られた結果は,1990年代の東南アジアにおける経済活動の停滞に対して一つの説明を与える.

審査要旨 要旨を表示する

本論文は、契約や組織のあり方を考える上で重要となる諸問題について理論的に詳細な分析を行った意欲的な論文である。その中でも、特に情報の非対称性とインセンティブの問題に焦点をあてて、現実の経済現象において十分に解決していない諸問題について、理論的な分析を行って有意義な結果を導出している点は高く注目される。具体的には、コンテストの問題や経済心理学において近年注目されている自分の能力に関する「過大評価」の問題に着目するなど経済問題を分析するうえでの重要な視点を提供している点が高く評価できる。また、ミクロ経済現象からマクロ経済全体に与える分析まで幅広く検討しており、本論文で導出された結果について応用範囲の広さを検討させる分析にもなっている。

本論文の構成は以下のようになっている。

第一章 Introduction 第二章 Division of a contest with identical prizes 第三章 Overconfidence in economic contests 第四章 Collusion among firms with short-lived members 第五章 Cost of enforcement in developing countries with credit market imperfection

なお、第二章の論文は、Journal of Japanese and International Economics, というレフェリーつきの国際学術雑誌に掲載され、高い評価を受けているものである。

各章の内容の要約・紹介

各章の内容を要約・紹介すると以下のようになる。

まず、第一章では、本論文全体を通して、重要な問題点となる情報の非対称性や 第二章と第三章では、第一章で行われた問題意識の提示を受けて、コンテストに関する経済分析を行っている。第二章の検討テーマはコンテストの最適分割のあり方である。

通常コンテストの問題を考える際には、単純にひとつの分析を行うわけではなく、現実の行動においては、コンテストをいくつかに分割して行っている例が多数見受けられる。たとえば、企業内の昇進競争などにおいても、すべての従業員をまったく同一の競争(コンテスト)に参加させるわけではなく、たとえ同じような業務内容であってもいくつかのブロックに分割した上で、昇進競争を行っている例が見受けられる。第二章では、このようなコンテストの分割にはどのような影響がコンテスト全体にあるのは、どのような場合に分割するケースが望ましくなるのかについて検討を行っている。

ここでは、このようなコンテストに関する理論分析をオークション正確には(all pay auction)のメカニズムを用いて分析している点に、第一の特徴がある。本論文では、上記のようなコンテストの分析においては、その理論的構造がオークションと同じような構造を持っており、オークション理論を用いて分析を行うことによって今まで理論的整理が困難であってコンテストに関する分析においても理論的な明確な分析ができるようになった。

また、本章で得られた結論は現実の企業内競争や広く一般的なコンテストの問題を考える上で重要な示唆を得られるものであり。

過去の分析のサーベイを踏まえて、日本のデータを用いた実証分析が展開されている。第二章で行われている分析は、大学と企業との間で行われている共同研究開発が、知識のスピルオーバーにどのように影響を与えるかについての実証である。用いられたデータは、日本の化学系企業についての1982年〜1991年までのデータであり、それを使ってパネル分析が行われている。

他者の研究開発の結果得られた知識は、何もせずにスピルオーバーしてくるものではない。特に基礎研究が主に行われている大学と応用研究が主に行われている企業との間では、知識のスピルオーバーを促進させるためには、何らかの工夫が必要と考えられる。そこで本章では、大学と企業の間の共同研究開発が、その工夫のひとつなのではないかと推測する。そして、共同研究と企業の生産性との間になんらかの関係があるのかどうか検討している。

共同研究開発の度合いを表す代理変数として、この論文では各企業の特許中に現れた研究者の数を用いている。これは過去の文献で用いられることの多い、大学と企業の間の立地的距離に比べて、(特に日本の分析を行ううえでは)より適切な指標と考えられる。この指標を用いて日本の化学系企業30社について分析を行った結果、共同研究は企業の特許出願に対して正の効果を与えていることが確認された。また、企業の生産関数に与える影響も検討しており、生産関数に対しても、共同研究の指標は正の影響を与えていることも確認している。これらの結果を踏まえて本章では、企業と大学の間の共同研究が、企業の生産性に貢献していると結論づけている。

第三章では、研究開発活動の多角化という側面に注目している。ここでは、企業が多角的な研究活動をする理由として、他分野の知識が企業内でスピルオーバーするメリットを考えている。つまり他分野の知識や情報を効率的に利用するために、多角化が行われていると考えるのである。もしもそうだとすると、多角化と研究開発活動の成果との関係は、企業外からの知識のスピルオーバーの程度に依存すると考えられる。なぜならば、外部から容易に知識を得ることができるならば、多角化を行って企業内で情報をスピルオーバーさせる必要は相対的に小さくなると考えられるからである。

このような観点から、この章では研究開発活動の多角化の度合いおよび外部知識の利用のしやすさが研究開発活動の効率性にどのような影響を与えるかを実証分析している。多角化の度合いを、「副業」の特許出願に占めるシェアなどの複数の指標を、外部知識の利用のしやすさについては、特許を共同で出願した相手先数で評価している。データとしては、日本の化学系企業32社の1985年から1995年のデータを用いて分析している。その結果、共同研究が盛んであるほど、多角化が研究開発の効率性に及ぼす影響が低下することが示されている。

第四章では、海外からの技術知識のスピルオーバーに注目している。海外からの知識については、国内からの知識に比べてスピルオーバーの程度が小さいことが知られている。そのため、海外からの知識の導入においては、技術導入契約の果たす役割が大きいと考えられる。そこでこの章では、日本企業200社あまりのデータを用いて、海外からの技術導入が研究開発の与える影響について実証分析を行っている。

用いられた企業は日本の化学および電機産業に属する企業では、推定期間は1982年から1988年である。実証分析の結果、いずれの産業においても技術導入は研究開発に寄与することが確認されている。また、より興味深い点として、化学産業における技術導入の影響の方が、電機産業における技術導入の影響に比べて大きいことが確認された。この点は、電機産業のほうが化学産業に比べて日本企業の国際的な技術水準が高い点と合わせて考えることによって、国際的な技術水準の格差があればあるほど、技術導入によって海外の知識を得ることのメリットが大きいという結論を得ている。

論文の評価

本論文がとりあげたテーマは、国際的にみて注目度の高い研究分野であり、また現在の日本企業のあり方を考えていく上でも重要なトピックスである。したがって、本論文のテーマは、学術的にみてもあるいは実態経済の面からみても、重要性の高いものであり、それに対して、正面から取り組んだ本論文の分析は高く評価できる。そもそもわが国においては、日本企業に関するマイクロデータを用いた実証分析は不足しており、このような形で独自にデータを整備し、その結果をきちんとした形で実証分析することは、ファクト・ファインディングという観点からみても、十分意義のあるものだといえ、その意味でも本章の取り組みは重要なものであろう。

本論文がとりあげている研究開発における知識のスピルオーバーというポイントは、本論文が強調している内生的成長理論の基礎づけという目的のためだけではなく、企業の技術革新への影響や、産業構造問題への示唆など幅広い問題を検討、分析するうえでも重要なものである。したがって、本論文の分析結果は、かなり幅広い分野や問題に対して、今後影響をもってくると思われる。

より具体的には以下の点について本論文には独創的な貢献が認められる。まず、第一章については、知識のスピルオーバーについての実証分析という、わが国ではまだあまり知られていない新しい分野についてのサーベイが的確に行われている。このサーベイはそれだけを取り出して読んでも、十分に研究の流れが把握できるものになっており、また、本論文の問題意識をそこから浮かびあがらせることにも成功している。

第二章以下の実証分析については、単なるファクト・ファインディングにとどまらず、いくつかの重要な含意をそこから導きだすことに成功している。第二章の分析においては、大学と企業の間での共同研究の重要性を改めてデータで示す結果となっており、今後の産学協同研究の重要性を示唆するものである。分析の手法としては、共同研究の緊密さの度合いを、特許中に現れた研究者の数で計るという新しい視点を導入した点に、独創性が認められる。この点は、物理的距離のもつ意味合いがアメリカと異なる、日本国内の知識移転問題を考えるうえでは重要な貢献であるといえるだろう。

第三章の多角化についての分析についても、多角化戦略を外部知識の利用可能性との関連で捉えるという興味深い視点が展開されている。このような視点は、より根源的には企業の境界をどう考えるかという重要であるが困難な問題への解明にもつながるものであり、重要な視点であろう。また、分析結果についても、明確な結論が得られている。

第四章に海外からの技術導入と企業内の研究開発活動との関連についての興味深い分析がなされている。この点についてはわが国だけではなく、国際的にみても、まだまだ分析が不足している興味深い問題であり、それに対して、明快な実証結果を導出したことの意義は大きいといえよう。特に、産業ごとに技術導入のもつ意味合いが違いことを国際的な技術水準の違いから説明したことや、同じ電機産業内でも、独自の研究開発に相対的に資金を投入している企業とそうでない企業とで、技術導入の成果が異なることを明らかにしたことは、非常に重要な結論であろう。これらの結論によって、そもそも企業は知識をどのような形で取得し、それをどのような形で生かしているのかについて、重要かつ新たな視点を得ることができよう。

このように本論文は研究開発の問題について、新たな情報と視点を提供する、優れた実証分析であるが、改善しうる点が、残されていないわけではない。まず実証分析については、筆者自身が整備した統計データから考えると、もう少しさまざまな観点から実証分析をし得る余地が残されているように思われる。たとえば、因果関係の検証などはもう少し丁寧な分析も可能であろう。また、パネルデータの特性をより生かした実証分析が可能なのではないかという意見もあった。また、記述の面については、第2章ではやや論文の独自性がどこにあるのかが明確な形で提示されていない、内生的成長理論との関連を強調しすぎるなどの点も指摘があった、しかしながら、これらの点はいずれも今後の更なる研究の発展を示唆するものであり、本論文の価値を損なうものではないと考えられる。

以上により、審査委員は全員一致で本論文を博士(経済学)のが学位授与に値するものであると判断した。

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