学位論文要旨



No 118954
著者(漢字) 秋田,典子
著者(英字)
著者(カナ) アキタ,ノリコ
標題(和) 田園地域におけるまちづくり条例の実効性に関する研究
標題(洋)
報告番号 118954
報告番号 甲18954
学位授与日 2004.03.25
学位種別 課程博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 博工第5686号
研究科 工学系研究科
専攻 都市工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 大方,潤一郎
 東京大学 教授 大西,隆
 東京大学 教授 西村,幸夫
 東京大学 助教授 北沢,猛
 東京大学 助教授 小泉,秀樹
内容要旨 要旨を表示する

【研究の背景と目的】

農地や山林に集落が介在するようなわが国の田園地域は、都市計画法に基づく規制の観点から、市街化調整区域、非線引き都市計画区域、都市計画区域外の3つに大きく区分することができる。このうち市街化調整区域は市街化を抑制する地域と定められているため、原則として区域内での開発は認められない。しかし、開発許可制度の特例を通じた日用品店や分家住宅、開発許可適用外の農家住宅や農業用倉庫等の立地は可能であり、資材置場や駐車場等の土地区画形質の変更を伴わない開発は、都市計画法で特に規制が行われない。一方、非線引き都市計画区域、都市計画区域外は一般に土地利用に関する積極的な計画が存在しないため、「白地地域」と呼ばれており、土地利用上の規制が緩いことから「緩規制地域」とも呼ばれている。

これらの田園地域は、1968年の(新)都市計画法の制定時に都市的な土地利用が想定されていなかったが、開発側にとっては地価の安さや豊かな自然環境等が魅力となるケースも多く、宅地のスプロール、大規模店舗の立地、資材置場や土砂採取等の様々な用途の開発が発生し、結果として、市街化区域と比較して雑然とした、あるいは殺伐とした空間となっている場合も少なくない。特に1980年代後半のバブル期にはリゾートブームに乗った乱開発が風光明媚な田園地域に集中し、田園地域の土地利用規制の緩さと相まって、本来の魅力である豊かな自然環境の破壊、景観になじまない建築物の乱立等により地域環境が急激に悪化するケースが多々見られた。

1990年代になると、田園地域の先進的な自治体で、こうした状況に緊急避難的に対応する手段として、開発コントロールを目的としたまちづくり条例が策定されるようになる。ここで策定された条例は、自治体が独自に制定した土地利用計画や基準を開発協議を通じて実現するという仕組みを採用しており、現在、各地で制定されているまちづくり条例の原型となっている。更に2000年以降になると、地方分権や住民参加の位置付け、規制緩和策への対応等からまちづくり条例を制定する自治体が急増しており、今後、まちづくり条例制定自治体は増加の一途を辿ると考えられる。しかし、まちづくり条例の実効性やまちづくり条例を通じた空間形成の実態は、これまでに十分明らかにされていない。

そこで本研究では、第1に条例を通じた開発コントロールの実効性を実証的に明らかにすることを目的とする。第2に、各条例の実効性に関する分析結果に基づき、まちづくり条例を通じた開発コントロールが適切に機能するための要件を整理する。第3に、現行のまちづくり条例の限界を乗り越える方向性を検討する。以上の研究の目的を達成するために、本研究では、1990年代に田園地域の先進的な自治体で制定され、現時点で一定の運用実績のあるまちづくり条例を対象として分析を行う。

【論文の構成】

開発のコントロールを目的とするまちづくり条例は、一般に、土地利用計画や基準を策定してこれに基づく開発コントロールを実施するもの(ゾーニング型:全域レベル・地区レベル)と、個別の開発が生じた段階でその都度個別的な協議や審査を通じて開発コントロールを実施するもの(レビュー型)に大きく区分することができる。そこで、本論文では条例の開発コントロール方式を、(1)全域レベルの土地利用計画や基準を策定し、これに基づく開発コントロールを実施するもの<独自土地利用計画方式>、(2)地区を限定して詳細な土地利用計画や基準を策定し、これに基づく開発コントロールを実施するもの<地区詳細計画方式>、(3)事前には抽象的な基準を定めるに留め、開発の企画が生じた段階で、開発が行われる場所の特性や開発の性質に応じて基準を具体的に展開するタイプ<個別最適解方式>の3つに大きく区分して、分析を行っている。

本論文は、第1部(第1章、第2章)で独自土地利用計画方式、第2部(第3章、第4章)で地区詳細計画方式、第3部で個別最適解方式(第5章)を取り上げ、各章で1事例ずつ条例の実効性を分析している。また、序章で研究全体の背景と目的および構成を示し、終章で5事例の分析結果を踏まえた考察を行っている。以下、各章の概要を説明する。

<第1部:独自土地利用計画方式の開発コントロール>

穂高町「穂高町まちづくり条例」(1999)

長野県穂高町の「穂高町まちづくり条例」は、町全域を9つのゾーンにゾーニングし、ゾーン別に開発の立地基準を○△×で明示した「穂高町土地利用調整基本計画」に基づく開発立地コントロールを実現する手段として制定された条例である。

条例施行前後1年間を対象に穂高町全体の開発立地動向を分析したところ、条例の立地基準は概ね遵守され、土地利用計画の農振除外個別審査への反映を通じて農地開発が抑制され、土地利用計画の明示により計画に不適合な開発が事前抑止され、開発の立地集約化が進行しつつあることが明らかになった。一方で、共同住宅用途の開発は、農地では裾きり以下への小規模化、やや規模の大きいものは用途地域への集中という副作用が生じていることが明らかになった。

湯布院町「潤いのあるまちづくり条例」(1990)

大分県湯布院町の「潤いのあるまちづくり条例」は、本研究で取り上げるまちづくり条例の原型として位置付けられる制度であり、協議の参照先として「町づくりの方針」、「地区のまちづくり計画」、「開発の基準」を位置付け、説明会、地元同意、町長の許可という開発協議の手続きを定めた条例である。ただし、「町づくりの方針」等は定められておらず、運用上、開発協議の参照先となるのは町全域を法定の地域地区に基づき6つのゾーンに区分して、ゾーン別に最低敷地規模、空地率、緑被率等を定めた「開発の基準」のみである。

1990年の条例施行開始から2002年度までに条例が適用された216件の開発の用途・規模・協議期間を概観したところ、開発の基準は概ね遵守されており、条例に定めた開発協議の手続きを突破する開発は見られなかった。ただし、条例で定めている裾きりの規模が大きく土産物店舗等の小規模な開発はコントロールできていなかった。また、具体的な2事例(駐車場・ファミリーレストラン)を取り上げて開発協議の実態を分析したところ、開発協議の主体が行政、審議会、地区のまちづくり組織、利害関係団体等多層になっており、かつ各協議主体の要求事項が予測不可能であることから、協議期間が平均でも半年以上と長期間かかること等の課題が見られた。

<第2部:地区詳細計画方式の開発コントロール>

神戸市「人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例」(1996)

兵庫県神戸市の「人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例」は、共生ゾーンとして指定した調整区域内に、農業保全区域・環境保全区域・集落居住区域・特定用途区域の4つの農村用途区域によるゾーニングを導入した仕組みである。農村用途区域内では開発の立地基準が用途別に○△×で明示されている。1999年に全域一斉に農業保全区域・環境保全区域が指定され、その後、地区レベルで里づくり計画を策定する際に集落居住区域(住宅用途許容)、特定用途区域(駐車場・資材置場許容)が指定可能となる。ただし、これらの2地区は指定面積の上限が定められており、共生ゾーン全体としての開発の総量は規制される。

神戸市西区を対象に、条例施行前の1994年から2002年までの開発許可を概観したところ、農村用途区域の指定前後であまり差は見られなかった。また、30年以上前にほ場整備がされた地区と幹線道路沿いの地区の2地区を取り上げ、里づくり計画策定前後の開発の実態を住宅地図と航空写真に基づき分析した結果、農村用途区域の指定により新規の大規模な駐車場・資材置場の開発は抑制され、開発コントロールの目的は概ね達成されていること、一方で既存の開発地の拡張等は十分コントロールされないことが明らかになった。また、農村用途区域に定めた立地基準は比較的緩やかであり、地区で合意された農振除外の方針としての色合いが濃い。里づくり計画は地元協議会が自己決定的に管理・運用しており、そこでは厳密に立地基準との整合性を求めるのではなく、個別事情に応じて多少の逸脱であれば承認する等の緩やかな運用が行われていた。

掛川市「生涯学習まちづくり土地条例」

静岡県掛川市の「生涯学習まちづくり土地条例」(1991)は、市が土地区画整理事業等の事業実施地区を促進区域に指定し、指定された地区で自治会が主体となりまちづくり計画案を策定し、計画に対して地権者の8割以上の同意が得られると市長と協定を締結し、市長が当該地区を協定区域に指定すると区域内の開発に届出が義務づけられる制度である。1998年以降は事業予定地以外でもまちづくり計画が策定されており、土地利用の変動が予測される地区がこれを受け止めるための仕組みの典型的なタイプであると言える。

事業計画と同一ではないまちづくり計画が策定された5地区を対象に計画内容の分析をしたところ、農振除外による規制の緩和や将来的な事業の実施が計画策定の契機となっており、策定されたまちづくり計画の内容も、将来の土地利用構想と高さ制限やセットバック等の開発時のルールを示す開発誘導型の計画となっていることが明らかになった。これは、掛川市では計画策定地区以外で開発を抑制する規制がないことに起因すると考えられる。このため、このような地区では開発が進むまで当分の間、実態としてスプロール状況が続くことが予測される。また、届出件数の多い2地区を取り上げて開発立地・形態を分析したところ、概ねまちづくり計画は遵守されており、神戸市と同様に地元による自己決定的な管理・運用が行われていた。

<第3部:個別最適解方式の開発コントロール>

真鶴町「真鶴町まちづくり条例」

神奈川県真鶴町の「真鶴町まちづくり条例」(1994)は、用途・容積率・建物高さ・植栽面積などのゾーニング型の基準については、「土地利用規制規準」「条例施行基準」として事前確定的に定める一方、こうした事前確定的基準によっては達成しにくい「美」の実現については、事前に抽象的な「美の基準」を定めておき、開発協議の際に、行政側が個々の開発の性質と場所の特性に応じた具体的な「提案」を提示し、事業者側はこの「提案」に対する特定の実現法を「取り組み」として明示するというレビュー型コントロールの過程(「美のリクエスト」方式)を通じて達成する仕組みとなっている。

1994年の条例施行開始から2002年までの8年間に条例が適用された65件の開発のうち、美のリクエストが作成された53件の開発の実態と美のリクエストを分析したところ、「美のリクエスト」では、個別の開発に適用する「提案」が、行政担当者が自ら選択したキーワードに基づき作成されており、このため担当者が「提案」作成において主観に陥ったり、恣意的・不公平な運用にならないかと常に不安を抱えることとなるため、個別・具体的な対応を特定するような提案は作成しづらく、提案が画一化・抽象化することが明らかになった。また、提案の画一化という限界を踏まえて「取り組み」の応答段階で創造性を確保しようとする場合でも、対話型の仕組みを構築しない限り、「提案」の意図が十分に事業者に理解されないまま短絡化した取り組みや実現性の低い取り組みが取りあえず応答され、適切な開発コントロールが実現しえないことが明らかになった。真鶴町の分析結果からは、事前確定的に基準化できない「美」を個別・具体的な「提案」として創造する手続きにおいては、参加型・対話型の協議が不可欠であることが明示された。

【本論文の結論】

本論文では、開発コントロール方式の異なる3タイプ5条例を取り上げ、運用実態や空間形成の実態を踏まえてその実効性を実証的に明らかにした結果、まちづくり条例に定めた計画や基準は概ね遵守されており、条例に一定の実効性があることが明らかになった。まちづくり条例に基づく開発コントロールが適切に機能する要件に、事前確定的計画・基準がそなえるべき要件として、統合・調整性、合意性、未確定性(裁量性)、柔軟性、開発協議がそなえるべき要件として、フォーラム性、透明性、集団的価値生成性、自己決定性、円滑性、制度全体がそなえるべき要件として、公平性、即効性があることを示した。

一方で、現行のまちづくり条例を通じた開発コントロールの課題・限界として、計画・基準に対する合意の限界による裾切りの発生、計画・基準を事前に完全に定めることができないことによる運用時の裁量性の発生、運用時の裁量部分の判定における画一化による創造性の限界、制度全体としての公平性の限界を指摘した。本論文では、これらの限界点を乗り越えるための方向性として、第1に事前確定的計画・基準の階層化、すなわち計画・基準を遵守基準と目標水準に区分すること、裁量的判断(△)部分の判断基準を詳細化すること、地区レベルの計画策定項目を指定要件、独自に区分すること、第2に協議方法の深化、すなわち現行の行政-事業者間の協議を双方向の協議を実現するもの(フォーラム化)、個別協議時の要求事項の明文化、協議を円滑に進めるための専門家の参加や各主体の役割の明確化を提案した。

最後に、今後の地方分権時代に向けて、自治体が地域特性に沿った総合的土地利用マネジメントを実現するためには、第1にまちづくりにおける住民と行政の役割分担を再検討すること、第2に住民に対する段階的権限委譲が必要であり、まちづくり条例はこのためのツールになり得ることを示して論を閉じた。

審査要旨 要旨を表示する

都市計画法による土地利用規制が適用されない都市計画区域外地域や、規制が弱い「都市計画白地地域」をかかえる日本の田園地域の自治体において、近年、開発の立地コントロールを目的とした「まちづくり条例」を策定する事例が増加している。しかしながら、こうした「まちづくり条例」の実効性やまちづくり条例を通じた空間形成の実態は、これまで十分明らかにされていない。

本論文は、1990年代に田園地域の先進的な自治体で制定され、現時点で一定の運用実績のあるまちづくり条例を対象として詳細な分析を行うことを通じて、(1)条例を通じた開発コントロールの実効性を実証的に明らかにし、(2)ケーススタディ対象の条例の実効性に関する分析結果に基づき、まちづくり条例を通じた開発コントロールが適切に機能するための要件を整理し、(3)現行のまちづくり条例の限界を乗り越える方策を検討したものである。

第1章では、長野県穂高町の「穂高町まちづくり条例」を分析し、条例の立地基準は概ね遵守され、土地利用計画の農振除外個別審査への反映を通じて農地開発が抑制され、土地利用計画の明示により計画に不適合な開発が事前抑止され、開発の立地集約化が進行しつつあることを明らかにする一方、共同住宅用途の開発は、農地では裾きり以下への小規模化、やや規模の大きいものは用途地域への集中という副作用が生じていることを明らかにしている。

第2章では、大分県湯布院町の「潤いのあるまちづくり条例」を分析し、開発の基準は概ね遵守されており、条例に定めた開発協議の手続きを突破する開発は見られないこと、ただし、条例で定めている裾きりの規模が大きく土産物店舗等の小規模な開発はコントロールできないことが問題化していること、また、具体的な2事例(駐車場・ファミリーレストラン)について開発協議の実態を分析したところ、開発協議の主体が行政、審議会、地区のまちづくり組織、利害関係団体等多層になっており、かつ各協議主体の要求事項が予測不可能であることから、協議期間が平均でも半年以上と長期間かかること等の課題を明らかにしている。

第3章では、兵庫県神戸市の「人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例」を分析し、農村用途区域の指定により新規の大規模な駐車場・資材置場の開発は抑制され、開発コントロールの目的は概ね達成されていること、一方で既存の開発地の拡張等は十分コントロールされていないこと、農村用途区域に定めた立地基準は比較的緩やかであり、地区で合意された農振除外の方針としての性格を持つこと、里づくり計画は地元協議会が自己決定的に管理・運用しており、厳密に立地基準との整合性を求めるのではなく、個別事情に応じて多少の逸脱であれば承認する等の緩やかな運用が行われていることを明らかにしている。

第4章では、静岡県掛川市の「生涯学習まちづくり土地条例」を分析し、農振除外による規制の緩和や将来的な事業の実施が計画策定の契機となっており、策定されたまちづくり計画の内容も、将来の土地利用構想と高さ制限やセットバック等の開発時のルールを示す開発誘導型の計画となっていること、このため、このような地区では開発が進むまで当分の間、実態としてスプロール状況が続くことを明らかにしている。また、開発届出件数の多い2地区を取り上げて開発立地・形態を分析したところ、概ねまちづくり計画は遵守されており、神戸市と同様に地元による自己決定的な管理・運用が行われていることを明らかにしている。

第5章では、神奈川県真鶴町の「真鶴町まちづくり条例」を分析し、「美のリクエスト」では、個別の開発に適用する「提案」が、行政担当者が自ら選択したキーワードに基づき作成されており、このため担当者が「提案」作成において主観に陥ったり、恣意的・不公平な運用にならないかと常に不安を抱えることとなるため、個別・具体的な対応を特定するような提案は作成しづらく、提案が抽象化・画一化する傾向があることを明らかにしている。また、提案の画一化という限界を踏まえ、事業者側からの「取り組み」の応答段階において創造性を確保しようとしても、対話型の仕組みを構築しない限り、「提案」の意図が十分に事業者に理解されないまま短絡化した取り組みや実現性の低い取り組みが応答され、適切なデザインに結実しないことを明らかにし、事前確定的に基準化できない「美」を個別・具体的な「提案」として創造するためには、多数市民や専門家が参加し、対話型の協議を実現することが不可欠であることを指摘している。

結論として、まず、まちづくり条例に定めた計画や基準は概ね遵守されており「法的強制力が弱い」といわれる条例であっても条例の規定自体には実効性があるとした上で、まちづくり条例に基づく開発コントロールが適切に機能する要件として、(1)事前確定的計画・基準については、統合・調整性、合意性、未確定性(裁量性)、柔軟性、(2)開発協議については、フォーラム性、透明性、集団的価値生成性、自己決定性、円滑性、(3)制度全体として、公平性、即効性を指摘している。一方、現行のまちづくり条例を通じた開発コントロールの課題・限界として、「裾切り問題」の発生、個別開発協議運用時の裁量の画一化の問題、地区協議会等に委ねられた運用の透明性・公平性の確保の問題を指摘している。これらの限界を乗り越えるための方向性として、第1に事前確定的計画・基準の階層化、すなわち計画・基準を遵守基準と目標水準に区分すること、裁量的判断(△)部分の判断基準を詳細化すること、地区レベルの計画内容についての要件(たとえば、土地利用フレームや土地利用ゾーン指定基準等)を何らかの方法で事前に定めておくこと、第2に協議方法の深化、すなわち現行の行政-事業者間の協議を双方向の協議とすること(フォーラム化)、個別開発協議時の要求事項の明文化、協議を円滑に進めるための専門家の参加や各主体の役割の明確化を提起している。

このように本論文は、都市計画分野における今日的な課題に対し、実証的・理論的な詳細分析を行い、多くの点で重要な知見を明らかにしたものといえる。

よって本論文は博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる。

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