学位論文要旨



No 119937
著者(漢字) 直井,隆浩
著者(英字)
著者(カナ) ナオイ,タカヒロ
標題(和) へびつかい座,カメレオン座,およびコールサック分子雲の近赤外減光則
標題(洋) Near-infrared extinction law in the ρ Ophiuchi, Chamaeleon, and Coalsack dark clouds
報告番号 119937
報告番号 甲19937
学位授与日 2005.03.24
学位種別 課程博士
学位種類 博士(理学)
学位記番号 博理第4666号
研究科 理学系研究科
専攻 地球惑星科学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 中村,正人
 東京大学 助教授 阿部,豊
 東京大学 教授 佐々木,晶
 東京大学 助教授 岩上,直幹
 国立天文台 助教授 田村,元秀
内容要旨 要旨を表示する

1 研究目的

 星間空間は,一般にダストと呼ばれるオングストロームからミクロンサイズの固体微粒子に満ちている.ダストは,そこを通過する光(電磁波)を吸収・散乱する.これを減光と呼ぶ.減光はダストのサイズ,形状,構造,組成,そして密度分布に依存し,また光の波長によっても異なる.ダスト密度の比較的高い(103-6個/cm3)領域は分子雲(1-10pc)と呼ばれ,星・惑星が形成される母体となり得るため,減光を詳しく調べることで,その光に減光をもたらしたダズトの物性を知ることが出来,星・惑星系の形成およびその後の進化を探る上で極めて重要な情報を得ることになる.

 観測的減光研究は,光の波長にしてその効果の最も顕著に認められる紫外から可視域において主に行われてきた.この波長域の性質上,比較的希薄な星間空間を対象とした研究が多く,減光には視線方向に対してバリエーションを持つことが知られている.このバリエーションは,Rv(≡Av/EB_v)で表されるひとつのパラメータによって近似的に分類することが出来る.

 一方,紫外可視と比較して波長の長い赤外領域は主に,比較的ダスト密度の濃い分子雲の観測に適している.近赤外域の減光については,観測が不十分なため,明確な減光則は示されていない.一般に,視線方向に対して明らかなバリエーションは認められず,おおよそAλ α λ-α(α〜1.6-1.8)の関係が知られているのみである.近年,観測データの充実と共に,近赤外の減光則が纏められ,分子雲毎の相違も示されつつある.しかしながら,信頼置ける明確な成果は未だ示されておらず,減光をもたらすダストにまで及ぶ定量的議論に至っては皆無に等しい.近赤外は,紫外や可視と比較して波長が長いため,比較的大きなサイズのダストに敏感であり,星形成をもたらすような比較的ダスト密度の濃い領域を観測するのに適している.このため,近赤外の減光を知ることは,星・惑星系形成過程の解明へ向けた極めて重要な研究材料のひとつといえる.本研究では,比較的近傍の分子雲として知られるへびつかい座,カメレオン座,およびコールサック分子雲を,南アフリカサザーランド観測所のSIRIUS/IRSFを用いてJHKsバンド測光観測をおこない,精密に減光を求め,これを議論した.また,モデルを用いた結果と比較することで,ダストについて定量的な議論も行った.なお,紙面の都合上参考文献をはじめ,観測手法,データ解析の詳細については省略する.

2 観測領域

 本研究では,へびつかい座,カメレオン座,およびコールサック分子雲のJHKsバンド測光観測をおこなった.へびつかい座分子雲は太陽系からの距離がおよそ125pc,銀河面から比較的離れた((l,b)=(345,17)),比較的巨大な構造を持つ,中から低質量形の星形成領域として知られている.中心部のコアはAv>100等を超えるとされており,極めてダスト密度が高く,YSOs(Young Stellar Objects;比較的若い天体)も数多く報告されている.コアから北東方向に二本の伸張した特徴的なフィラメント構造を持つ.古くから知られた分子雲であるため,観測も多い.本研究ではダスト密度の最も濃い領域をL1688,それよりやや東部の比較的ダスト密度の濃い領域をL1689,更に北東方向に伸びたフィラメント構造部をL1712と区別し,観測を行った.

 カメレオン座分子雲は,太陽系からの距離が150-180pc,やはり銀河面から比較的離れた((l,b)=(300,-16)),中から低質量型の星形成領域である.一般にカメレオンI,II,およびIIIと分類され,この順にダスト密度は低くなると考えられており,カメレオンIIIに至っては比較的希薄なフィラメント構造を主体としている.本研究では,やはりへびつかい座と同様にI,II,およびIII領域のそれぞれ最も密度の高い領域を別々に選んで観測を行った.

 コールサック分子雲は,太陽系からの距離が180pc,銀河面上に位置した((l,b)=(302,0)),比較的希薄な分子雲である.星形成は今のところ観測されていない.本研究ではグロビュール2と呼ばれる,最も密度の濃い領域を選択して観測を行った.

3 EJ_H/EH_Ks値の決定

 本研究では,近赤外の減光をあらわすパラメータにEJ_H/EH_Ksを利用した.EJ_H/EH_Ksは,J_Hvs.H_Ks二色図上において,赤化ベクトルの向く方向を示している.二色図から赤化ベクトルの傾きを精密に求めるためにはいくつかの問題点を改良しなければならない.

 ・光学システム(観測装置)の相違:フィルターの透過率と有効波長がシステムによって異なるため,減光における色の変化が異なる現象.本研究では,SIRIUS/IRSF単一システムによる観測のため,システム間の変換に利用される単純な変換式を用いることなく,高精度の結果を導くことが出来た.

 ・フィルター効果:フィルターの有効波長に幅があるため,減光によるSEDの変形の影響を受け,赤化ベクトルが曲がる現象従来では殆ど省みられていなかったが,本研究では考慮に入れた.

 ・減光以外の影響:YSOs(Young Stellar Objects:比較的若い星)のディスクからのエミッションの影響により,赤化ベクトルの向きが低く見積もられる影響.本研究では,YSOsは相対的に数が少ないことをから,次の「本来のカラーの仮定」を用いて作成された図の尾根を辿ることで,その影響を回避した.

 ・本来のカラーの仮定:減光を求めるためには,減光を受ける前の情報が求められる.星までの距離がわかる場合,限界等級も考慮することで,おおよそのスペクトルタイプを知ることが出来る.しかし分子雲の場合,背景星を見ていることになるため,この手法は利用出来ない.本研究では,ターゲットの近傍で殆ど減光を受けていないと考えられる領域を参照領域と呼び,本来のカラーを持つ星の分布とみなした.

 以下には例として,カメレオンI領域の観測結果とEJ_H/EH_Ks値の決定法を示す.他の全ての領域においても,決定法は同様である,

 図1上左および中央には,本来のカラーを示す参照領域とカメレオンI領域の測光結果(測光エラー0.1等以下の条件で,22899個のポイントソースを同定)をプロットしたJ_Hvs.H_Ks二色図を示す,ポイントソースの分布は,

ρ(x,y)=1/Nh NΣl=1 K(x-Xl/h) (1)

の密度分布として示すことが出来る.ここでNは観測領域のポイントソースの数,hはスムージングパラメータ,xおよびXは,それぞれ,分布図上のポイントソースおよびグリッドの位置を示す.Kはカーネルと呼ばれ,本研究では,

K(u)={4/π|u|2)3 if|u|〓1 0 otherwise. (2)

のtriweightを用いた.uはノルムを表す.ここでhに0.1を用いたが,これは本研究で用いた測光エラーに等しい.このカーネル法を用いることにより,図1の上左および中央のJ_Hvs.H_Ks二色図は下左および中央図のコンターとして表すことが出来る.コンターを採用することでポイントソースの分布が明瞭になるだけでなく,測光エラーも考慮することが出来る.なお,本研究で示されるコンターは全てログスケールである.

 参照領域の星の分布が,減光によりターゲット領域の分布へシフトしたと仮定する.シフトした方向を厳密に求めるには,ポイントソースの減光のみを表すイクセス図を求めると良い.イクセスの密度分布(ρ(EH_Ks,EJ_H))は,EH_KsおよびEJ_Hからなり,ターゲットと参照領域の結果に依存する.ρk1,k2,off(H_Ks,J_H)を参照領域のポイントソースの分布,Pk3,K4,on(H_Ks,J_H)をターゲット領域のポイントソースの分布とすると,イクセスの密度分布は,

Pi,j(EH_Ks,EJ_H)=ΣK1ΣK2Pk1,K2,off(H-Ks,J-H)Pk3,K4,on(H-Ks,J-H) (3)

によって求められる.ただし,k3=i+K1-io,k4=j+k2-joである.iとjはイクセス密度分布のxとyのグリッドを示し,K1,k2も同様である.ioおよびjoはゼロ点までのグリッドのオフセットを示している.カメレオンIの場合,図1の下左および中央のコンターから下右のイクセス密度分布図を得る.図の右下部分のコンターの膨らみはYSOsの影響によるものである.赤化ベクトルに相当する直線は,分布の最大値を示す位置を中心として円環を描き,中心からの距離0.05,0.07,0.09,0.11,…と尾根を沿うようにプロットした点からの距離の最小二乗法により求めた.図に示されたプロットがその点であり,この手法を用いることで,YSOsによる影響を避けられる.こうして求められたEJ_H/EH_Ks値を,EJ_Hの選択範囲毎に,図2へ示す(エラーバーの重なりを避けるため,一部は若干右へシフトさせている).示されたEJ_H/EH_Ks値は,onおよびoffそれぞれの観測領域の測光エラーを0.10,0.09,0.08,…,0.03等未満とす8種類のデータに分類し,そのコンビネーションにより導かれた中間値(median)であり,エラーは,(maxmum-minimum)/2としている.横軸のEJ_H,maxはEJ_H/EH_Ks値を求める際に利用した尾根のプロットの上限を示しており,値が大きいほど減光の激しい領域の影響を受けていることになる.

4 結果と考察

 図2から,(1)全ての分子雲において,EJ_H,max値が大きくなる,つまり減光が激しくなるにつれてEJ_H/EH_Ks値は減少しやがてフラットになる,(2)べびつかい座およびカメレオン座分子雲のEJ_H/EH_Ks値は,EJ_H,maxが十分大きいところではほぼ等しい値(1.67±0.03)を示しているのに対し,コールサック分子雲のそれは比較的高い値を維持している―ということがわかる.これは,近赤外の減光が視線方向および減光の程度の両方においてバリエーションを持つことを示している.

 この結果が示すところの分子雲のダスト物性を知るために,Mie理論を用いたモデル計算を行った.ダスト形状は球,組成にはいわゆる「アストロノミカルシリケイト」およびグラファイトを仮定し,ダストの分布はMRNモデルのパワーロウ(n(a)∝α-3.5)に則していると想定した.ダストの最小サイズを0.005μmと固定し,最大サイズをパラメータとした.減光は減光断面積と柱密度の積に比例するが,モデルによって求められた減光断面積から導いた.EJ_H/EH_Ks値を図3に示す.縦軸はEJ_H/EH_Ks値を,横軸はダストの最大サイズ(αmax[μm])を示している.Cはグラファイト,Siはシリケイト,Mixはシリケイト:グラファイト=53:47に混合した場合の結果を示している.グラファイトはシリケイトに比べてαmaxに対する変化に乏しいが,混合させた場合に対して比較的支配的である.これは,ダストサイズが比較的小さい場合はグラファイトダストの吸収が効果的なためで,ダストサイズが大きくなるとシリケイトの散乱の効果が影響を与え始めるためである.一般的な星間空間のダストサイズは0.1から0.2μmと考えられており,分子雲のダストはそれより大きいと容易に想像出来る.ダストの最大サイズがダスト成長を表していると仮定すると,モデルからはダストが成長すると(αmaxが大きくなる)とEJ_H/EH_Ksは減少し,やがて一定になることが分かる.αmax=0.1μmから先は近赤外のサイズ限界であり,振動を示しているのは散乱光の共鳴によるものと考えられる.

 モデルおよび観測結果の比較からEJ_H/EH_Ks値は,分子雲コアへ向かう(減光が激しくなる)につれてダストが成長(EJ_H/EH_Ks値が減少)し,ある地点で成長が停止しているという分子雲の構造を示していることが明らかになった.へびつかい座とカメレオン座分子雲のダストが同程度まで成長しており,近赤外の観測限界ではなと考えられる.それは,図2からはEJ_H,max〜1.5辺りからEJ_H/EH_Ks値の降下は鈍るが,これはAvに換算してもせいぜい20等程度であり,この程度の減光でダストが1μm以上にまで成長していると考えるのは,紫外および可視の減光研究と矛盾するためである.コールサック分子雲のEJ_H/EH_Ks値が他の二つの分子雲に比べて高いのは,ダストの成長が進んでいないためである.また,コールサック分子雲のEJ_H/EH_Ks値は,モデルの結果よりも高い値を示しているが,この種の相違を示すためには,組成差を持ち出さなければならない。コールサック分子雲の比較的大きなEJ_H/EH_Ks値は,他の二つの分身と比較して,組成の相違も示唆しているのではないかと考えられる.

 最後に本研究で用いられたSIRIUSシステムによるフィルター効果を見積もった.本システムの場合(図は紙面の都合省略するが)減光が激しくなるにつれてEJ_H/EH_Ks値は増加する(J_H vs.H_Ks二色図上において赤化ベクトルが上に曲がる)傾向にあることがわかった.これは観測により導かれた図2の傾向と逆フェイズである.よって観測結果は,フィルター効果の影響を受けたEJ_H/EH_Ks値の変動を示しているわけではないことがわかった.

5 纏めと結論

 SIRIUS/IRSF1.4mを用いて,へびつかい座,カメレオン座,およびコールサック分子雲の近赤外測光観測を行った。単一システムによる観測のため,システム変換やフィルター効果といった誤差を生じる要因を極力排した上で,分子雲ごとの減光を比較することが出来た.また,過去の同種の研究と比較して,広く,深く観測出来た.これらのデータから,コンターマップによる確率分布と参照領域の利用により,分子雲ごとのEJ_H/EH_Ks値を減光に応じて決定した.また,Mie理論を用いた減光断面積のモデルから,EJ_H/EH_Ks値とダスト成長の相関を求めた.その結果,近赤外の減光則(EJ_H/EH_Ks)には分子雲ごとにバリエーションがあり,減光の程度に応じても変化することがわかった.

 へびつかい座,カメレオン座,およびコールサック分子雲の近赤外減光則(EJ_H/EH_Ks)とモデル結果から,

1.分子雲のダスト構造を示した:分子雲コア中心部へ向かうにつれてダストが成長し,ある地点で成長が収まる.

2.分子雲のダスト成長の相違を示した:へびつかい座およびカメレオン座分子雲は同様のサイズまでダストが成長している.コールサック分子雲のダストは,へびつかい座およびカメレオン座分子雲に比べて成長していない.

3.分子雲のダスト組成の相違を示唆した:コールサック分子雲の比較的高いEJ_H/EH_Ks値はダスト成長だけでは説明出来ず,組成の相違を示唆していると考えられる.

図1:カメレオン参照領域とカメレオンI領域の観測結果のJ_Hvs.H_Ks二色図(上左および中央),そのコンター(下左および中央),およびイクセス密度分布(下右)

図2:求められたEJ_H/EH_ks値

図3:Mie理論モデルから導かれたEL_H/EH_Ks値

審査要旨 要旨を表示する

 本論文は3章からなる。第1章はイントロダクションであり、第2章は論文提出者が行った分子雲の観測について述べられている。第3章は結論である。

 本論文は、将来、星が生まれ惑星系を形成すると考えられる代表的分子雲を全天から3つ選びその光学的特性を論じている。分子雲は星間空間に広く分布するダストと呼ばれるオングストロームからミクロンサイズの固体微粒子に満ちているが、特に分子雲と呼ばれる領域はダスト密度が103-6/cm3と高く、星や惑星が形成される母体となる。この領域を通過する光は、ダストによる散乱吸収を受け、その減光特性から分子雲を構成するダストの性質を知ることができ、その後の分子雲の星や惑星への進化の過程を研究することができる。

 本論文では従来行われてきた紫外、可視領域ではなく、比較的大きなサイズのダストと波長の近い近赤外線の減光に注目した。このようなダストは星形成をもたらすような比較的ダスト密度の濃い領域に存在すると考えられ、この波長における観測は星や惑星系形成過程の解明へ向けた極めて重要な研究といえる。しかし、この波長域は、これまでの観測が不十分なため、定量的な減光則は示されておらず、おおよそAλ ∝ λ-α(α〓1.6-1.8)の関係が知られていたのみであった。過去の同種の研究と比較して、広く、深く観測出来た。本論文では比較的近傍の分子雲として知られるへびつかい座、カメレオン座、およびコールサック分子雲を、南アフリカサザーランド観測所に設置されたIRSF望遠鏡とSIRIUS赤外線カメラを用いてJ、H、Ksバンドで同時測光観測をおこない、精密に減光を求め、これを議論した。

 特に、これまでの観測で問題となってきた(1)観測装置によってフィルターの透過率と有効波長が異なる(2)フィルターの有効波長に幅があるため赤化ベクトルが曲がる(3)Young stellar objectsの影響を受ける、問題点に正面から取り組み、これらの影響を排除した研究を行った結果、近赤外の減光則その結果、減光比EJ-H/EH-Ksには分子雲ごとに異なり、減光の程度に応じても変化することがわかった。すなわち

(1)全ての分子雲において、減光が激しくなるにつれてEJ-H/EH-Ksは減少しやがてフラットになる、

(2)へびつかい座およびカメレオン座分子雲のEJ-H/EH-KsはEJ-H, maxが十分大きいところではほぼ等しい値(1.67±0.03)を示しているのに対し、コールサック分子雲のそれは比較的高い値を維持しているという結論を得た。これは、近赤外の減光が視線方向および減光の程度の両方においてバリエーションを持つことを示している。この様に系統的な研究によって明確な結果が示されたことは世界的にも例が無く、特に従来言われてきた単純な赤化則Aλ∝λ-α(α〓1.6-1.8)という結果に再考を迫るもので、極めて高く評価できる。

 この結果を、Mie理論を用いたモデル計算と比較したところEJ-H/EH-Ksは、分子雲コアへ向かう(減光が激しくなる)につれてダストが成長し、ある地点で成長が停止しているという分子雲の構造が明らかになった。へびつかい座とカメレオン座分子雲のダストは同程度まで成長しており、コールサック分子雲のEJ-H/EH-Ksが他の二つの分子雲に比べて高いのは、ダストの成長が進んでいないためである。

 なお、本論文第2章は田村元秀、佐藤修二、長田哲也、周藤浩士、中島康との共同研究であるが、論文提出者が主体となってデータの分析及び検証を行ったもので、論文提出者の寄与が十分であると判断する。

 したがって、博士(理学)の学位を授与できると認める。

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