学位論文要旨



No 120805
著者(漢字) 野島,美保
著者(英字)
著者(カナ) ノジマ,ミホ
標題(和) 情報過多時代における情報選択とオンライン小売業の戦略マネジメント
標題(洋)
報告番号 120805
報告番号 甲20805
学位授与日 2005.12.07
学位種別 課程博士
学位種類 博士(経済学)
学位記番号 博経第194号
研究科 大学院経済学研究科
専攻 企業・市場専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 助教授 新宅,純二郎
 東京大学 教授 藤本,隆宏
 東京大学 教授 高橋,伸夫
 東京大学 教授 阿部,誠
 東京大学 助教授 粕谷,誠
内容要旨 要旨を表示する

要旨

企業と情報の関係については従来から多くの研究がなされてきており、特に、情報不足から生じる不確実性・知覚リスクの問題は、企業経営の安定や消費者の購買行動の面から重要視されてきた。近年、インターネットという技術革新を経て、情報伝達・蓄積・検索の能力が飛躍的に向上し、従来よりも容易かつ安価で多くの情報を扱うことができるようになった。しかし実際には、情報不足を解消する技術革新がありながらも、知覚リスクの高さによって消費行動が阻害されている状況が続いている。例えば、オンライン取引において、消費者と企業間での情報ギャップに起因する知覚リスクによって、その市場成長が阻害されている。飛躍的に増加した情報量に対して、人間の情報処理能力の低さがボトルネックとなっているのである。

すると、情報不足の環境を前提とした従来の議論を踏襲するのではなく、情報過多という現代の環境を考慮した新しい情報処理モデルを考える必要がある。やり取りされる情報量を増加させる方法を考えるのではなく、多くの情報の中から適切な情報を選択する方法を考えなくてはならない。そして、情報を量として捉えるよりもむしろ、質的な側面に注目し、消費者行動・企業行動との関係を記述しなければならないだろう。このような問題意識のもとで、本研究は、「情報選択」の分析枠組みを構築し、知覚リスクに対処するオンライン小売業のマネジメントという現代的な課題を記述することをねらいとする。

本研究のリサーチクエッションは、オンライン小売業において、限定された情報処理能力をもつ消費者に対して購買促進に効果的な情報提供はいかなるものであるか、という問いである。消費者が自ら行う情報選択の論理と、企業がウェブサイト上で提供する情報を選択する論理の双方を明らかにすることで、この課題を明らかにしていく。従来、オンライン小売業のビジネス・モデルについては、実店舗の有無など経営資源の有効活用(クリック&モルタル)の視点から説明されてきたが、情報選択の枠組みは、消費者行動と企業のビジネス・モデルの双方を説明する新しい視点となる。

2章では、EC(Electronic Commerce)・マーケティング・企業組織に関する既存研究をサーベイし、情報過多の環境における情報選択に関する包括的な枠組みは未だないことが示された。消費者行動の側面からは、ウェブサイトに提供される情報と知覚リスクの関係や、知覚リスクが購買行動に与える影響が論じられてきた。企業行動の側面では、情報過多の環境を想定した枠組みはほとんどなく、特にオンライン小売業のビジネス・モデルは若い産業であるために十分な研究がなされていない。さらに、情報選択に関わる知見が複数分野に点在しており包括的な分析枠組みがないという問題点が明らかになった。

3章では、既存研究から得られた知見を有機的に結びつけて本研究の概念枠組みを構築した(図i)。情報過多の環境においては、企業が(質的に)適切な情報を消費者にむけて発信し、さらに、消費者が自己の購買意思決定に必要な情報を選択することではじめて、企業と消費者との間の情報ギャップが解消され、知覚リスクが削減される。情報の質を測定するために、知覚リスク削減に効果を発する情報を「リスク削減情報」と名づけ、実際にその内容を観察して定量化を試みた。

4・5章では、消費者サイドの情報選択を明らかにするため、個別のリスク削減情報に対して消費者の重視度を測定し定量分析を行った。その結果、消費者は、ショップ・商品に関する第三者の評価を求める場合には、他者が予め商品やショップに対して下した「評価情報」を、自らが評価を下す場には意思決定に資するだけの「取引に関する詳細な情報」を選好していることがわかった。

消費者の情報選択と情報処理能力の関係についても、定量分析を行った。情報処理能力については、オンラインショッピングの「経験」、オンラインショッピングに関する情報を収集する「程度」、オンラインショッピングで失敗をしないという「自信」をとりあげ、測定した。その結果、次のことがわかった。

(1)自己の情報処理能力が高いと考える「自信」のある消費者は、明確に取引詳細情報と評価情報を区別しており、情報選択をより明確に行っていた。自信のある消費者は、評価情報よりも取引詳細情報を選択していた。

(2)自信のある消費者は、知覚リスクが最も低く、頻繁にオンライン取引を利用しており、購買行動との関係性が認められた。

企業サイドの分析(6章・7章)では、企業の情報選択の現状を分析し、消費者の情報処理の負荷を軽減しながら効果的に顧客獲得・維持を図る企業の活動を分析し、その背後にある企業の論理を探った。

6章では、実際にウェブサイトで提供される情報を測定し定量分析を行った。企業の情報選択は、「リアル情報」と「ネット情報」の二つのタイプの選択として説明された。リアル情報はリアル世界でのブランドや経営資源を前提として提供される情報であり、ネット情報はネット上で生成流通する情報である。既存研究では実店舗の有無によって企業戦略が異なるといわれてきた。リアル情報とネット情報の情報分類は、一見するとこの既存研究を支持しているようにみえるが、実際には単に実店舗の有無を示しているわけではないことが定量調査で示された。

7章では、企業の情報選択の背後にあるロジックを探るため、ヒアリング調査を元にしたケーススタディを行った。リアル情報型企業とネット情報型企業における戦略マネジメントの違いを調査したところ、次のことがわかった。まず、企業がウェブページに対して期待する機能が異なり、それがウェブページで提供する情報の違い(情報選択)として表れていた。そして、ウェブページの機能・情報と、ショップの顧客獲得・維持戦略の間には、一貫性のあるパターンが存在し、それがリアル情報型とネット情報型というビジネス・モデルとして表れていることがわかった。また、優良顧客をふるいわけて効果的に販売促進活動を行おうとする顧客戦略のあり方は、消費者の限定された情報処理能力の前提に立った情報提供のあり方と表裏の関係にあることがわかった(表i ・図ii)。

すなわち、ウェブサイトを販売チャネルと位置付けるリアル情報型では、顧客のTPOに合わせて実店舗・カタログ誌・テレビCMなどの複数を展開しており、認知・信頼形成チャネルとしてはテレビCMや実店舗を、情報提供機能はカタログ誌をと、情報提供に関しても複数のチャネルを利用していた。リアルの世界で認知を形成し、顧客が思い立った時にすぐに購買できる仕組み(マルチ・チャネル)を整備するという顧客戦略である。

一方、ウェブサイトを販売・情報提供・認知信頼形成のチャネルを位置付けるネット情報型では、ウェブサイトで多くの情報を提供していた。認知・信頼形成のために消費者の評価情報や外部権威(専門家)の評価情報を積極的に提供し、情報提供のためにウェブサイトのみならず高頻度のメールマガジンを発行していた。多くの消費者に多大な情報を提供し、その情報量に耐えられる一部の固定客を獲得するという、顧客戦略をとっていた。

リアル情報型・ネット情報型という分類は情報選択の側面から抽出したものであったが、顧客戦略をも説明する枠組みとなる。消費者の限定された情報処理能力のもとでいかに認知・信頼を形成するかという情報提供のあり方(情報選択)と顧客戦略との関係を記述することで、企業活動のパターン(ビジネス・モデル)が明らかになった。

以上の実証調査から、消費者と企業の異なる情報選択モデルが示された。消費者の情報選択モデル(取引詳細情報・評価情報)は、購買意思決定プロセスに根付いたものであり、知覚リスク・購買行動に直結していた。一方、企業の情報選択モデル(リアル情報・ネット情報)は、企業の顧客戦略に根付いたものであった。すると、消費者と企業の情報選択モデルが異なっていることが、現状のオンライン取引の知覚リスクが解消されない一要因であると解釈することもできる。

本研究の意義は、マーケティング論(知覚リスク研究・関与研究)・経営情報論(EC研究)・企業組織論などの異なる分野で議論されてきた不確実性・知覚リスクなどの諸概念を整理し、それらの知見を有機的に活用し、オンライン取引の不確実性という現代的な問題を説明する分析枠組みを提示したところにある。従来は情報不足の環境を前提としていたのだが、情報過多の時代においては情報選択のモデルが必要であると考えている。情報選択に関して消費者・企業の両側面から実証的な研究をした点は、既存研究を補完・発展させるものと考える。

特にオンライン小売業の企業活動は、消費者の情報処理能力の負荷をどの局面でどの情報を用いて軽減するかという点が重要であり、情報選択の分析枠組みを用いることでより鮮明に把握することができると考える。従来の資源依存論によるEビジネス論とは異なる新たな分析視点として、情報選択を提唱する。情報選択の分析枠組みは、従来別個に論じられてきた消費者行動と顧客戦略をつなぐ掛け橋となり、情報提供というオペレーショナルな次元の活動までも包括的に説明するものであると考える。

図i 情報選択モデル

表i 企業の情報選択と顧客戦略の関係

図ii 企業の情報選択と顧客戦略

審査要旨 要旨を表示する

本論文は、近年のインターネットの発展によって急速に普及し、流通のありかたを変えつつあるオンライン小売業の戦略について、本格的な実証分析にもとづいて論じたものである。限定された合理性に基づく消費者の意思決定や情報処理パラダイムといった組織論の研究を前提にしながら、オンライン取引にともなう不確実性とリスクに着目し、情報過多の環境下での「情報選択」を鍵概念にして本格的な実証分析に取り組んだ研究である。情報選択に着目した実証研究を進めるにあたって、消費者側と企業側の両方の側面に着目して、それを統合的に理解するアプローチを採用している。すなわち、一方で、消費者がどのように情報を利用して行動しているか、また他方で企業側がどのような情報提供戦略をとっているかを明らかにしている。本論文の構成は次のようになっている。

第1章 序論

第2章 EC研究・組織論の概要と本研究の位置付け

第3章 情報選択に関する先行研究と本研究の分析枠組み

第4章 消費者による情報分類に関する実証分析

第5章 消費者属性と情報選択に関する実証分析

第6章 企業による情報分類に関する実証分析

第7章 企業の情報選択に関するケーススタディ

第8章 終章

第1章で問題意識と研究課題を示し、第2章で先行研究・関連研究をサーベイしながら本研究を位置づけ、第3章で本論文を通じた分析枠組みを提示している。その分析枠組みに基づいて、第4章と第5章では消費者側の行動についての実証分析を、第6章と第7章では企業側の行動についての実証分析を展開し、最後の第8章が全体の結論とインプリケーションである。

各章の内容の要約・紹介

各章の内容を要約・紹介すると次のようになる。

まず第1章では、本研究の問題意識と研究課題を提示している。すなわち、インターネットの普及で大量の情報が流通するようになった環境のもとでは、消費者にとって多種多様な情報の中から適切な情報を選択することが重要な課題になりつつある。実際、オンライン小売業が普及しつつあるものの、消費者にとっては製品や取引に関する不確実性があり、それがその普及にとって阻害要因になっている。そこで本研究では、限定された情報処理能力しか持たない消費者が不確実性に直面するオンライン販売において、消費者はどのような「情報選択」行動をとるのか、またそれを前提にするとオンライン小売業にとって効果的な情報提供はどのようなものであるのかという研究課題を設定している。

第2章は、上記の研究課題をより深く理解し、本研究の位置付けを明確にするための既存研究のサーベイである。質量ともに豊富な情報が提供される環境下での情報選択の問題について、電子商取引(Electronic Commerce)、マーケティング、組織論の既存研究をサーベイしている。消費者行動の側面からは、ウェブサイトに提供される情報と知覚リスクの関係や、知覚リスクが購買行動に与える影響が論じられてきた。企業行動の側面では、情報過多の環境を想定した枠組みはほとんどなく、特にオンライン小売業のビジネス・モデルは若い産業であるために十分な研究がなされていない。さらに、情報選択に関わる知見が複数分野に点在しており包括的な分析枠組みがないという問題点が指摘されている。

第3章では、前章でサーベイした既存研究による知見を有機的に結びつけながら、本論文で中心となる鍵概念とフレームワークが提示されている。すなわち、情報過多の環境においては、企業が適切な情報を消費者にむけて発信し、さらに、消費者が自己の購買意思決定に必要な情報を選択することではじめて、企業と消費者との間の情報ギャップが解消され、不確実性が削減されるというフレームワークである。その中で、不確実性(知覚リスク)削減に効果を発する情報を「リスク削減情報」と名づけている。

第4章と第5章は、消費者サイドの情報選択行動を明らかにするための実証である。まず第4章では、多様なリスク削減情報について、個々の情報を消費者がどの程度重視しているかを測定し、定量分析を行っている。分析の結果、消費者が重視している情報は「評価情報」と「詳細情報」のふたつであることが提示されている。すなわち、ショップや商品に関する第三者の評価を求めるために利用されるのが「評価情報」であり、消費者自らが評価を下すために利用されるのが「詳細情報」である。次に第5章では、消費者の情報選択と情報処理能力の関係について、定量分析が行われている。オンラインショッピングの「経験」、オンラインショッピングに関する情報を収集する「情報収集指向の程度」、オンラインショッピングで失敗をしないという「自信」の3つが消費者の情報処理能力の測定尺度として取り上げられている。そのような情報処理能力と情報選択の関係について、仮説を提示して統計的な検定による検証がなされている。その結果明らかにされたのは、自己の情報処理能力が高いと考える「自信」の有無と利用される情報との関係である。第一に、自信のある消費者は、明確に詳細情報と評価情報を区別しており、情報選択をより明確に行っている。第二に、自信のある消費者は、評価情報よりも詳細情報を選択していた。その結果、自信のある消費者は、知覚リスクが最も低く、頻繁にオンライン取引を利用するという購買行動に結びついている。

第6章と第7章は、企業側の情報選択に関する実証分析である。企業がどのようにして消費者の情報処理の負荷を軽減しながら、効果的に顧客の獲得・維持を図っているのかを明らかにしようとしている。まず、第6章では、企業が実際にウェブサイトで提供している情報を収集し、企業の情報選択を「リアル情報」と「ネット情報」の選択として定量的分析を行っている。リアル情報はリアル世界でのブランドや経営資源を前提として提供される情報であり、ネット情報はネット上で生成流通する情報であるとしている。既存研究では実店舗の有無によってインターネット上での事業戦略が異なるといわれてきたが、リアル情報とネット情報の情報選択は、実店舗の有無を反映しているわけではないことが示された。

そのような企業の情報選択の背後にある戦略をケーススタディによって明らかにしようとしたのが、第7章である。その分析によると、特定のインターネット・ショップについて、ウェブページの機能や情報と、顧客の獲得・維持戦略との間には一貫性のあるパターンが存在し、それがリアル情報型とネット情報型というビジネス・モデルとして表れているという。

すなわち、リアル情報型ビジネス・モデルでは、ウェブサイトを販売チャネルと位置付け、認知・信頼形成チャネルとしてはテレビCMや実店舗を、詳細情報提供機能はカタログ誌をと、情報提供に関して複数のチャネルを利用する。リアルの世界で認知を形成し、顧客が思い立った時にすぐに購買できる仕組み(マルチ・チャネル)を整備するという顧客戦略である。一方、ネット情報型ビジネス・モデルでは、ウェブサイトを販売・情報提供・認知信頼形成のチャネルとして位置付け、ウェブサイトで多くの情報を提供する。認知・信頼形成のために消費者や外部専門家の評価情報を積極的に提供し、情報提供のためにウェブサイトのみならず高頻度のメールマガジンを発行していた。多くの消費者に多大な情報を提供し、その情報量に耐えられる一部の固定客を獲得するという、顧客戦略をとっているという。

最後の第8章では、以上のような実証研究から得られる結論として、消費者と企業についてそれぞれ異なる情報選択モデルが示され、消費者と企業の情報選択は異なる論理で決定されているという。すなわち、消費者の情報選択(詳細情報・評価情報)は、消費者の情報処理プロセスに根付いたものであり、情報処理能力(自信)の高低によって選択される情報が異なってくる。一方、企業の情報選択(リアル情報・ネット情報)は、ウェブサイトに付与する機能と顧客戦略に根付いたものである。そのような消費者サイドの情報選択と企業側の情報選択がマッチングしたときに、消費者が実質的に獲得する情報量が増え、その結果不確実性や知覚リスクがされ、購買行動が促進されると主張している。

論文の評価

本研究の意義は、近年発展が著しいインターネット上のビジネスについて、その豊富な情報提供能力がもたらす問題を、「情報選択」という切り口で一貫して分析したことにある。従来の不確実性や知覚リスクの削減に関する研究では、情報不足の環境を前提としていたが、インターネットや情報技術の発達によって、情報過多の環境下での不確実性や知覚リスクの削減、情報選択のモデルが必要であるというのが著者の基本的問題意識である。

従来、このような問題に対して、消費者行動としてアプローチするマーケティング分野の研究はあった。また、企業側の行動に着目した組織論や戦略論の研究はあった。しかし、本研究はその双方からアプローチして統合を試みた点に独創性がある。情報選択を鍵概念にすることで、消費者側の行動と企業側の行動を結びつけて理解することに成功している。

また、消費者、企業の双方に関して、地道な実証研究を積み重ねている。消費者については2375人に対するアンケート、企業に対しては133社についての調査が、実証研究のベースになっている。インターネット・ビジネスのように急速に発展、拡大している社会現象を分析するためには、基本的な理論モデルの構築とともに、このような実証データの積み重ねがきわめて重要である。インターネット・ビジネスについては、とかく、理論先行であまりにも規範的な論稿や、事実描写だけにとどまった研究が多い中で、本研究は理論と実証のバランスがほどよくとれた貴重な研究である。

もちろん、この論文にも問題点は残されている。第一に、第4章の分析は仮説を提示しながらも、統計的な仮説検定になっておらず、因子分析の結果などを利用して仮説が支持されるか否かを判定している。仮説検定の厳密さにおいて、やや物足りない分析であった。第二に、企業側の実証分析である第6章でも同様に、記述統計の値から仮説の妥当性を判断している。これらは、本研究の実証データが、厳密な仮説検証のために収集されたというよりも、事実発見、仮説導出的な意味合いのほうが強かったからである。厳密な実証分析のためには、おそらく、消費者へのアンケート調査などをあらためて実施する必要があろう。しかしながら、この種の実証データがきわめて少ない現状では、以上のような問題は、今後この種の研究を進める上で解決すべき課題であり、本論文にとって致命的な問題ではないと考えられる。

以上により、審査委員は全員一致で本論文を博士(経済学)の学位授与に値するものであると判断した。

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