学位論文要旨



No 124141
著者(漢字) 酒井,英明
著者(英字)
著者(カナ) サカイ,ヒデアキ
標題(和) リラクサ強磁性体の臨界状態相制御
標題(洋) Critical-state phase control of relaxor ferromagnets
報告番号 124141
報告番号 甲24141
学位授与日 2008.09.30
学位種別 課程博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 博工第6910号
研究科 工学系研究科
専攻 物理工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 十倉,好紀
 東京大学 教授 市川,昌和
 東京大学 教授 宮野,健次郎
 東京大学 准教授 有田,亮太郎
 東京大学 准教授 朝光,敦
内容要旨 要旨を表示する

(本文)

固体中の電子はクーロン斥力を通じ、お互いに相互作用を及ぼしあう。この効果が支配的となる強相関電子系では、電荷やスピン、軌道などの異なる自由度が強く結合するため、多彩な秩序相やそれらの競合状態が現れる。ペロブスカイト型マンガン酸化物はこの典型例であり、系のバンド幅やキャリア数に依存して、電子が局在した電荷軌道整列絶縁体 (CO) と遍歴した強磁性金属 (FM) の二相が拮抗している。特に、相境界近傍では二相の臨界状態が形成され、微小な摂動により二相の転換が生じるため、劇的な物性変化が観測される。例えば、数テスラの磁場印加によりCO相が融解し、FM相へ転移することが知られている。この結果、数桁にわたる抵抗率の減少を伴う磁場誘起絶縁体金属転移が観測され、これらは超巨大磁気抵抗効果として盛んに研究されてきた。外場効果に加え、さらに乱れの効果も臨界点近傍では大変顕著となる。元素固溶による局所的な格子歪やドープされた不純物などに起因する乱れは、両相の長距離秩序を著しく妨げるため、二相が空間的に分布する相分離状態が現れる。これまで、相分離に関連して、CO相における不純物効果が精力的に研究されてきた。Pr(0.5)Ca(0.5)MnO3などのCO物質は、数パーセントのCrドープにより、CO相が不安定化し、競合するFM相が局所的に誘起される。この結果、最低温においてもCOとFMの二相が様々な長さ・時間スケールを持ちながら共存する。このように強磁性のマイクロクラスタが分散した状態は、強誘電体リラクサの"磁性"版とみなすことができるため、強磁性リラクサと呼ばれることもある。実際、磁場印加に対し、散漫な相転移や履歴・時間依存する物性変化などのリラクサに特徴的な現象が観測されている。

本博士論文の目的は、以下の二つに大別される。(1)マンガン酸化物の相競合状態における不純物効果の全体像の解明。特に、これまでとは反対の視点に立ち、臨界点近傍のFM相における不純物効果を系統的に調べた。従来から研究されてきたCO相の不純物効果と比較し、相補的に考察することにより、乱れの効果を包括的に理解することを目的とした。さらに、得られた知見をもとに、不純物による臨界状態の制御を目指した。(2)不純物ドープした系に特徴的に現れる相分離状態(リラクサ強磁性体)の外場による制御法の確立。従来の磁場に加え、電場効果を詳細に調べた。高電場(電流)印加によるCO状態の融解とFM状態の誘起を明らかにし、それに伴う伝導度と磁化の電気的制御を目的とした。このような背景と目的(第1章)のもと、本博士論文の構成は以下となる。第2章では、本研究で行った実験手法について説明する。第3章では、FM相における不純物効果について述べる。FeドープによりFM相が著しく不安定化し、代わりに電荷軌道整列が誘起されることを、磁気輸送特性や単結晶x回折の結果を用いて明らかにする。またFeとCrの好対照なドープ効果を利用し、不純物ドープによる臨界状態の制御方法を示す。第4章では、不純物ドープによりFMとCOの相分離が生じている系における、電場・磁場効果について説明する。電場(電流)によりFM状態が誘起されることを直接観測した結果を示し、その制御について言及する。最後に、本博士論文で得られた結論と展望を第5章で述べる。以下では、各章について概説する。

第2章:実験手法

本研究で用いたペロブスカイト型マンガン酸化物は、すべて浮遊帯溶融法により作製した単結晶である。これにより、結晶の不完全性や粒界などの本質的ではない乱れの効果を排除し、不純物ドープに起因する本質的な乱れの効果を議論することが可能となる。通常の磁化、輸送特性は物性測定システム(カンタムデザイン社)により測定した。また、単結晶x線回折は、高エネルギー加速器研究機構(BL-1A)にて行った。放射光x線を光源とし、イメージングプレートや四軸回折計の光学系を利用して回折パターンを測定した。高電場測定では、Keithley237(ケースレー社)を用いて、電場印加や電流-電圧測定を行った。単結晶試料は薄片状(約50マイクロメータ)に整形し、両面に電極を形成した。さらに同軸ケーブルを配線した後に、超伝導マグネットや超伝導量子干渉計の中に導入し、(二端子)抵抗や磁化測定を行った。

第3章:マンガン酸化物における不純物ドープによる二重臨界状態の相制御

本章前半では、マンガン酸化物のFM相に対する不純物効果、特に顕著な効果が見られるFeドープについて詳細に説明する。(La1-xPrx)(0.65)Ca(0.35)MnO3 (0≦x≦1) は図1の挿入図に示すように、ほぼ理想的な二重臨界状態を形成している。x=0.3は臨界点付近に位置し、TC=190 Kの典型的なFM相を示すため、本物質を不純物ドープする母物質として選択した。Mnサイトへ種々の遷移金属元素を5%ドープした結果、CrやGaではTCが10-20 K低下する程度だが、FeではTC=66 Kとなり、著しく強磁性状態が不安定化することがわかった。Feのドープ量(y)を0から0.1まで変化させたときの、系の抵抗率の温度依存性を図1に示す。yの増加と共に、急激にTCが低下し、y=0.07では強磁性転移が見られなくなる。さらに、単結晶x線回折によりCO状態に起因する超格子反射の変化を調べた。y=0では、TC直上の狭い温度領域にのみに超格子反射が現れ、TC以下では完全に消滅する。一方、Feドープした試料では、超格子反射が低温まで観測され、電荷軌道整列が発達していることがわかった。また、y=0.06では最低温まで超格子反射が残留するにも関わらず、50 K付近でFM状態の発達に起因する抵抗率の減少も見られる。これは、FMとCOの各状態のクラスタが共存する相分離状態となっていることを示唆する。以上の結果は、FM相とCO相が競合する臨界状態において、Feドープが選択的にFM相関を抑制したため、(短距離)CO状態が低温まで発達したと解釈できる。一方、前述したようにCrドープはCO相関を選択的に不安定化させ、FM状態を誘起する。すなわち、FeとCrは好対照なドープ効果を示すことが明らかとなった。

本章後半では、上記で見出されたFeドープ効果の普遍性を明らかにするために、R(0.6)Sr(0.4)MnO3 (R=La, Nd, Sm, Gd) なる臨界系における不純物効果を調べた。本系はR(希土類)イオンをLaからSmへ変化させることで、幅広いTCを持つFM相を実現できるため(図2の挿入図参照)、系統的にFeドープ効果を調べることができる。図2の相図からわかるように、すべてのRにおいてFeドープ量 (y) を増加させると、急激にTCが減少し、スピングラス絶縁体(SGI)相が現れる。その効果は系のバンド幅を小さくするにつれて顕著となり、R=Smではわずかy=0.05でFM相が完全に消失する。また、yを増加させた際にTCが減少する挙動は、母物質のRイオンの半径を減少させた際のそれと酷似している。これは、Feドープ効果がFM相関を選択的に弱体化させるため、系のバンド幅を実効的に減少させていることを意味する。また透過型電子顕微鏡やラマン散乱の測定により、Feドープにより誘起されたSGI相では、短距離のCO相関が発達していることがわかり、これはR=GdのSGI相の微視的性質とも一致している。実際、R=Gdではバンド幅が狭くCO状態が支配的であるが、GdとSrのイオン半径の差が大きいため強い乱れとなり、短距離CO相関のみが存在している。さらに本章では、このような短距離CO状態のR=Gdにおける不純物効果を調べた。Feドープでは顕著な効果は見られないが、CrやRuドープによりFM状態が低温で発達する。これは、長距離秩序の場合と同様に短距離CO状態がこれらの不純物により融解したためと考えられる。

以上のように、マンガン酸化物の臨界状態における不純物効果はドープ種に強く依存する。特にFeとCrは対照的な効果を持ち、この傾向は、系のバンド幅や電荷軌道整列の相関長などによらず、幅広く成り立つ。その微視的な起源は、ドープ種間に働く反強磁性的超交換相互作用の強さの違いにあると推察され、定性的にドープ効果の違いを説明することができる。これらの結果は、不純物の種類を変えることにより、二重臨界系を双方向に制御できることを意味し、磁場などの外場を用いない新たな相制御方法となり得る。

第4章:リラクサ強磁性体の電場・磁場制御

上述のFeやCrドープにより生じるCOとFMの相分離状態では、磁場により各クラスタの体積分率を制御できる。実際、冷却磁場の強さを調節することによりFM状態の相分率を増減させ、残留抵抗率や飽和磁化の大きさを系統的に変化させることができる。また、低温では各クラスタが凍結するため、磁場をゼロに戻しても相分率は永続的に保持される。本章では、このようなリラクサ強磁性体の磁場効果に加え、電場(電流)効果について詳細に調べた。試料に高電場を印加し、それに伴う磁化と抵抗の変化を直接観測した。特に、多重安定性を示すリラクサ系では、外場を切った後も状態変化が残留するため、ジュール熱効果と区別して電流励起の本質的な効果を見出すことができる利点がある。

用いた試料はFeドープしたマンガン酸化物(La(0.7)Pr(0.3))(0.65)Ca(0.35)Mn(1-y)FeyO3 (y=0.07) であり、弱磁場 (0.5 T以下) 中では最低温まで短距離CO状態が発達し、絶縁体となる。図3に0.4 T磁場中冷却後の3 Kにおける系の抵抗と磁化の変化を示す。すべての測定は一定時間間隔ごとに行い、各矢印において対応する電圧値を印加した。200 V以下の電圧印加では系に変化は見られないが、300 V以上では、巨大な抵抗低下に伴い、磁化の増加が観測された。これは、電流励起により永続的なFM状態が誘起されたことを意味する。ただし、抵抗は5桁程度減少するにも関わらず、磁化の増加は1%程度と非常に小さい。これより、フィラメント状のFM状態が形成されていると考えられ、約0.4 μB/Mnの磁化がサブミリ領域に誘起されたと見積もることができる。さらに400 Vでは反対に、磁化の減少と抵抗の上昇が観測された。これはジュール加熱による一瞬の昇温後に急冷されるため、FM状態が十分に発達せずに凍結したことが原因と推察できる。このように、電流励起効果とジュール熱効果を完全に分離して観測することにより、両者は磁場中ではFM状態に対し相反する影響を与えることが明らかとなった。印加電圧の大きさを調節し、交互に両効果を発現させることにより、磁化と抵抗の大きさをスイッチさせることにも成功した。

第5章:結論

本博士論文では、ペロブスカイト型マンガン酸化物における電荷軌道整列相と強磁性金属相の臨界状態に対する不純物効果と、その結果生じる相分離状態(リラクサ強磁性体)の外場制御に関する研究を行った。以下に、得られた知見をまとめる。

(1)強磁性金属相はFeドープに対し、著しく不安定化するため、競合する電荷軌道整列状態が低温まで誘起される。これは、従来から知られていたCrドープによる電荷軌道整列相の融解と好対照な効果であり、臨界状態における不純物効果はドープ種に強く依存にすることがわかった。また、この傾向は系のバンド幅や電荷整列の相関長などによらず、普遍的に成り立つため、不純物による臨界状態相制御を確立する指針となった。

(2)電荷軌道整列と強磁性金属の相分離系において、磁場と電場により各相の体積分率を制御できることを明らかにした。特に、電場(電流)印加により、強磁性金属状態が永続的に誘起されることを初めて直接観察し、ジュール加熱効果と分離することに成功した。また、印加電圧を変化させることにより、抵抗と磁化の電気的なスイッチが可能であることを示した。これらの現象は、ナノからマイクロメータ程度の領域で生じていると推察され、革新的な不揮発メモリやナノ電磁石などへのデバイス応用も期待できる。

図1:(La(0.7)pro(0.3))(0.65)ca(0.35)Mn(1-y)FeyO3(0≦y≦0.1)の抵抗率の温度依存性。挿入図は(La(1-x)prx)(0.65)Ca(0.35)MnO3(0≦x≦0.1)の二重臨界相図。

図2:R(0.6)Sr(0.4)MnO3におけるFeドーブ効果の全体相図(R=La,Nd,and Sm).挿入図母物質R(0.6)Sr(0.4)MnO3の相図。

図3:(La(0.7)Pr(0.3))(0.65)Ca(0.35)Mn(1-y)FeyO3 (y=0.07) の電場印加時の磁化(ΔM)と抵抗(Vm=150V)の変化。「3K,0.4T磁場中冷却後(FC),保護抵抗1MΩ,厚み約50μm」

審査要旨 要旨を表示する

強く相互作用する電子系(強相関電子系)が多彩な電子相を出現させ、それらの電子相の間の競合によって、劇的かつ巨大な刺激応答が現れることが知られており、電子機能応用も期待されている。たとえば、その典型例として、ペロブスカイト型マンガン酸化物では、電荷軌道整列絶縁体(CO)と強磁性金属(FM)の相競合により二重臨界状態が形成される。特に、臨界点近傍の物質では、超巨大磁気抵抗効果などの劇的な外場応答に加え、不純物添加の効果も大変顕著となる。本論文では、FM相の不純物効果を系統的に調べることにより、マンガン酸化物の二重臨界点における乱れの効果の全貌を明らかにし、またこの不純物ドープにより特徴的に現れる相分離状態を外場によって制御することを目的とした。本論文は全5章から成る。

第1章では、ペロブスカイト型マンガン酸化物の基礎物性と過去の研究について概説し、本論文の目的および構成が述べられている。

第2章では、実験に用いた単結晶試料の合成法や基礎物性の測定法について述べられている。また、放射光X線回折、ラマン散乱、電子顕微鏡、高電圧印加などの各種測定技術について説明されている。

第3章では二重臨界点の不純物効果について、第4章ではリラクサ強磁性体の電場・磁場制御について、それぞれ実験結果と関連する考察が述べられている。

第3章では、理想的な二重臨界系として(La(1-x)Prx)(0.65)Ca(0.35)MnO3に着目し、特にx=0.3の臨界点近傍のFM系における不純物効果について、詳細に述べている。Mnサイトへ種々の元素(Fe, Cr, Ga, Ru)を系統的にドープした結果、Feでは著しくFM状態が不安定化することを明らかにした。Feドープした試料で、CO状態に起因する超格子反射が低温まで観測されており、これはFeドープがFM相関を選択的に抑制し、CO状態を誘起したことを明らかにした。さらに、強磁性相と(短距離CO)スピングラス絶縁体(SGI)が競合する臨界系R(0.6)Sr(0.4)MnO3 (R=La, Nd, Sm, Gd) における不純物効果について考察を進めた。本系は、TCが375 K (La) から120 K (Sm) まで幅広く変化させられるため、系統的にFeドープ効果を調べるのに適している。すべてのRにおいて、Feドープにより急激にTCが減少し、SGI相が現れることを明らかにした。また透過型電子顕微鏡やラマン散乱の測定により、Feドープにより誘起されたSGI相では、短距離のCO相関が発達していることを明らかにした。一方、短距離CO状態のR=Gdにおける不純物効果についても調べている。Feドープでは顕著な効果は見られないが、CrやRuドープではFM状態が低温で誘起されるが、これは短距離CO状態がこれらの不純物により融解したためと推論している。以上の成果により、FeとCrの対照的なドープ効果は、系のバンド幅や電荷軌道整列の相関長などによらず、普遍的に成り立つことが明らかとなった。その微視的な起源については、本論文では、ドープ種間に働く反強磁性的超交換相互作用の強さの違いにあると推察し、ドープ効果の違いを定性的に説明した。これらの結果は、不純物の種類を変えることにより、二重臨界系を双方向に制御できることを意味し、磁場などの外場を用いない新たな相制御方法に向けた重要な指針となっている。

第4章では、FM相とCO相の共存状態であるリラクサ強磁性体として、Feドープした(La(0.7)Pr(0.3))(0.65)Ca(0.35)MnO3 (FM) とCrドープしたNd(0.55)Ca(0.45)MnO3 (CO)の二種類を挙げ、両者の相分離スケールの違いを説明している。特に、7%Feドープした(La(0.7)Pr(0.3))(0.65)Ca(0.35)Mn(1-y)FeyO3 (y=0.07) における電場効果、特に電流刺激起源によるFM相の生成について詳細に調べている。電流励起効果とジュール加熱効果を完全に分離して観測することにより、両者は磁場中ではFM状態に対し相反する影響を与えることを示した。また印加電圧の大きさを調節し、交互に両効果を発現させることにより、磁化と抵抗の大きさをスイッチさせることにも成功している。 さらに、Nd(0.55)Ca(0.45)MnO3と1%CrドープしたNd(0.55)Ca(0.45)Mn(1-y)CryO3 (y=0.01) の電場効果について、両者を比較しながら詳細に説明している。前者は長距離CO系であり、電場により低抵抗状態への遷移は見られるが、永続的な転移ではない。一方で、後者はCrドープによりわずかに(約5%程度)FM相が誘起されたリラクサ強磁性体であり、電場刺激により永続的に低抵抗状態へと転移する。転移後はほぼオーミックを示す金属状態であり、わずかな不純物ドープによりCO相関を弱めることで、電場効果に劇的な違いが現れることを示した。以上より、FM相とCO相の相分離系において、外場により各相の体積分率を制御できることを明らかにした。特に電場(電流)印加により、FM状態が永続的に誘起されることを初めて直接観測することに成功した。さらに、磁化と伝導度の電気的スイッチを実証したことは高く評価できる。

第5章では、本博士論文の成果をまとめている。

以上をまとめると、本博士論文はペロブスカイト型マンガン酸化物における、新たな不純物効果および外場効果を明らかにした。特に、不純物効果がドープ種に強く依存することを系統的な実験から解明し、その起源に関して詳細に考察している点は、学術的に重要な知見である。また、相分離状態(リラクサ強磁性体)を利用することにより、電荷軌道整列状態でのジュール熱を排除した本質的な電場(電流)励起効果を見出している。さらに磁化と抵抗の電気的スイッチにも成功しており、これらはデバイス開発にも重要な指針を与えるものであり、物性工学の発展に寄与するところ大である。

よって本論文は博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる。

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