学位論文要旨



No 124929
著者(漢字) 野本,まりの
著者(英字)
著者(カナ) ノモト,マリノ
標題(和) カンボジア国シアヌークビルにおけるHIV/AIDSの無料抗ウイルス薬治療下での世帯に及ぼす社会経済的影響
標題(洋) Socioeconomic impact of HIV/AIDS on households under free ART provision in Sihanouk Ville, Cambodia
報告番号 124929
報告番号 甲24929
学位授与日 2009.03.23
学位種別 課程博士
学位種類 博士(保健学)
学位記番号 博医第3349号
研究科 医学系研究科
専攻 国際保健学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 渡辺,知保
 東京大学 教授 小林,廉毅
 東京大学 准教授 梅,昌裕
 東京大学 准教授 山崎,喜比古
 東京大学 准教授 上別府,圭子
内容要旨 要旨を表示する

キーワード:HIV/AIDS;世帯調査;社会経済的要因;医療経済;カンボジア

緒言

カンボジアはアジアでもHIV感染率が高い国の一つである。そのピークは1997-98年で感染率は3.3%であった。その後セックスワーカーのための100%コンドームキャンペーン等によりHIV感染率を低下させることに成功し、2007年には0.8%まで低下した。しかしながらHIV 感染者は今もなおこの疾患が世帯に及ぼす社会経済的な問題に苦しんでいる。

HIV/AIDSの世帯に及ぼす社会経済的影響についての研究はアジアにおいては少なく、ましてやカンボジアにおいては2003/4年に調査が行われたBattehらの研究があるだけである。本研究ではこの先行研究と比較しながら、無料のART普及率の上昇によってHIV感染世帯の社会経済的状況がどう変化したかに注目した。そのためにまずはカンボジアのHIV感染世帯と非感染世帯、次いで感染世帯の中で寡婦世帯と非寡婦世帯の社会経済的状況を比較し、両群間の格差の大きさを評価した。

方法

本研究はカンボジアでもHIV感染率が高いシアヌークビルにおいて行われた横断研究である。研究対象者は同県に在住する18歳から59歳までの既婚男女のHIV 感染者と非感染者である。HIV感染対象者は家長またはその配偶者がHIVに感染しており、かつ医療施設で治療を受けている者とした。非感染対象者はHIVに感染していない家長またはその配偶者で、家族の中で誰もHIVに感染していないこと、及び誰もAIDSによって死亡していないこととした。

データ収集は2008年2月から3月まで質問紙を用いて行われた。質問紙はWHO, UNAIDS, USAIDによって開発されたものを基礎に作成した。質問項目は67項目で、社会(家族数、子どもの数など)・健康(健康度、健康不安など)・教育(就学経験・教育年数など)・労働(労働能力、労働日数など)・経済(世帯収入、世帯支出、医療費、教育費など)の各要因に分類される。

HIV感染者としては285名の感染者を調査対象とした。2月27日から3月28日まで1県立病院と5ヘルス・センターに治療に来ていた感染者から選んだ。各医療施設を訪問し、治療に来ている患者のうち選択基準にあったすべての患者と面接した。データ数が目標数に達した時点で、データ収集を終了した。その結果県立病院で204人、HIV感染者登録の最も多い5ヘルスセンターから81人のデータを得た。

HIV非感染世帯の募集については、感染者と非感染者のバックグラウンドができるだけ同じになるように、上記285名のHIV感染者の大半が在住していた村より選んだ。感染者の家を直接訪問することは差別・スティグマへの配慮のため許可されず、家を特定できなかった為である。県立病院がカバーしている村から4村、5ヘルスセンターがカバーしている村から9村の計13村を選んだ。13村に属する総数1,586世帯のうち選択基準にあったHIV非感染者の面接調査を行った。データ数がHIV感染者の数285を越えた時点で、データ収集を終了した。両群間でサンプル数の3地区間での地域構成に差がでたが、いずれも自営業と兼業農家が主な職種であり、地域差はないものと考え分析を行った。

これら計570世帯の家長またはその配偶者(家長不在時または死亡している場合)を対象に対面面接法によって参加者から得た個人と世帯に関する社会経済的データを比較した。第一の比較はHIV感染世帯と非感染世帯間で行った。第二の比較はHIV感染世帯の中の寡婦世帯と非寡婦世帯間で行った。統計分析にはカイ二乗検定、Logistic回帰分析、t-test、Mann-Whitney U testを用いた。またHIV感染世帯の世帯収入・支出とその関連要因を探るために重回帰分析も行った。研究倫理上の承認はカンボジア国の倫理委員会と東京大学の倫理委員会より得た。面接に際しては対象者に対してインフォームド・コンセントを行い、匿名かつ自由意思による参加とし、協力が得られた対象者からは同意の署名を得た。

結果

1.HIV感染者・感染世帯と非感染者・非感染世帯との比較

平均家族数は感染世帯(n=285)で4.3(SD 1.7)人、非感染世帯(n=285)で5.3 (SD 1.9)人であった(p < 0.001)。子どもの平均数は感染世帯で2.4 (SD 1.5)人、非感染世帯で3.1 (SD 1.8)人であった (p < 0.001)。寡婦(夫)家族数は感染世帯で100 (35%)世帯、非感染世帯で14 (5%)世帯であった (Crude Odds Ratio 10.5, 95% CI 5.8-18.9)。平均就労家族数はHIV感染世帯で1.7(SD 0.8)人、非感染世帯で2.4(SD 1.4)人であった(p < 0.001)。両群間で統計学的有意差が認められ、感染世帯の就労家族数が有意に少なかった。感染世帯のうち収入のある稼ぎ手は家長のみが122世帯(43%)、家長とその配偶者が74世帯(26%)、家長と子どもが48世帯(17%)、家長と配偶者それに子どもが21世帯(7%)、子どものみが14世帯(5%)、稼ぎ手なしが6世帯(2%)であった。また非感染世帯のうち収入のある稼ぎ手は家長のみが73世帯(26%)、家長とその配偶者が105世帯(37%)、家長と子どもが38世帯(13%)、家長と配偶者それに子どもが68世帯(24%)、子どものみが1世帯(0.4%)であった。よって家長とその配偶者が共に働く共働き世帯は感染世帯では95/285世帯(33%)で、非感染世帯では173/285世帯(61%)であった。

健康度が「低い」「より低い」と答えた感染者は 24%(68/285)、非感染者は13%(37/285)であった(Adjusted Odds Ratio 2.4, 95%CI 1.5-3.7)。健康不安について「とても不安」「かなり不安」と答えた感染者は30%(85/285)、非感染者は18%(38/207)であった(AOR 1.8, 95%CI 1.2-2.8)。労働能力について「ほとんど働ける」「完全に働ける」と答えた感染者は15%(42/284)、非感染者は35%(91/263)であった(AOR 0.3, 95%CI 0.2-0.5)。週当たりの平均就労日数では平均日数の5日以下と答えた感染者が51%(146/285)、非感染者が38%(106/285)であった(AOR 1.7, 95%CI 1.2-2.4)。健康と就労状況は年齢と性別に影響を受けるものと考えられるので、AORは各変数に年齢・性別を加えて調整した。

経済データのうち以下の値については全感染世帯(n=285)または全非感染世帯(n=285)の中央値で比較した。年間世帯収入は感染世帯(n=285)で900 US$、非感染世帯(n=285)で1,530 US$であった(p < 0.001)。世帯支出は感染世帯で900 US$、非感染世帯で1,344 US$であった(p < 0.001)。家屋・土地・家財・家畜などを含めた財産を自己評価報告法によって代価に換算した額は感染世帯で50 US$、非感染世帯で1,550 US$であった(p < 0.001)。負債は感染世帯で15 US$、非感染世帯で25 US$であった(p < 0.320)。医療費は感染世帯でUS$12、非感染世帯でUS$50であった(p < 0.001)。医療サービスのための交通費は感染世帯で30 US$、非感染世帯で0 US$であった(p < 0.001)。負債以外は両群間で統計学的有意差が認められた。

教育費についてはHIV感染世帯の198/285世帯(69%)と非感染世帯の190/285世帯(67%)が学校に通う子どもをもち、教育費を支出していた。その中央値は感染世帯(n=198)で150 US$、非感染世帯(n=190)で257 US$であった(p = 0.001)。またHIV感染世帯のうち104/285世帯(36%)が過去1年間でAIDS による家族の死を経験していた。そのうち77/104世帯(74%)は夫(n=61)または妻(n=16)の死を、27/104世帯(26%)はそれ以外(子または親)の死を経験していた。この104世帯の葬式費用(n=104)の中央値はUS$ 300であった。

2.HIV感染世帯の寡婦世帯と非寡婦世帯との比較

285か所のHIV感染世帯のうち35%(100/285)は寡婦世帯であった。平均家族数は寡婦世帯が3.5 (SD 1.7)人、非寡婦世帯が4.6 (SD 1.6)人であった(p < 0.001)。子どもの平均数は寡婦世帯で2.2 (SD 1.3)人、非寡婦世帯で2.5 (SD 1.5)人であった(p = 0.045)。

過去1年間にAIDSによる家族の死を経験した世帯数は寡婦世帯が82か所(82%)、非寡婦世帯が22か所(12%)であった(COR 33.8, 95%CI 17.2-66.4)。

世帯の就業構造に関しては、寡婦世帯と非寡婦世帯の平均就労家族数がそれぞれ1.6(SD 0.8)人と1.7(SD 0.8)人であった(p = 0.102)。両群間に統計学的有意差は認められなかった。寡婦世帯のうち収入のある稼ぎ手は寡婦(夫)のみが53(53%)世帯、寡婦(夫)と子どもが34(34%)世帯、子どものみが12(12%)世帯、稼ぎ手なしが1(1%)世帯であった。非寡婦世帯のうち収入のある稼ぎ手は家長のみが72(39%)世帯、家長とその配偶者が71(38%)世帯、家長と子どもが15(8%)世帯、家長と配偶者それに子どもが20(11%)世帯、子どものみが2(1%)世帯、稼ぎ手なしが5(3%)世帯であった。よって非寡婦世帯では家長とその配偶者が共に働く共働き世帯は91/185 (49%)世帯であった。

健康度、健康不安、労働能力、週当たりの労働日数、就労家族数において、両群間に統計学的有意差は認められなかった。

寡婦世帯と非寡婦世帯の経済データのうち以下の値については全寡婦世帯(n=100)または全非寡婦世帯(n=185)の中央値で比較した。年間世帯収入は寡婦世帯(n=100)で630 US$、非寡婦世帯(n=185)で1,080 US$であった(p < 0.001)。世帯支出は寡婦世帯で720 US$、非寡婦世帯で1,020 US$であった(p < 0.001)。財産、負債、医療費、医療サービスのための交通費については両群間に統計学的有意差は認められなかった。

また両群の全感染世帯の中で、寡婦世帯の70/100 (70%)世帯と非寡婦世帯の128/185(69%)世帯が学校に通う子どもをもち、教育費を支出していた。その中央値は寡婦世帯(n=70)で132 US$、非寡婦世帯(n=128)でUS$ 150 であった。両群間に統計学的有意差は認められなかった。

さらに寡婦世帯の82/100 (82%)世帯と非寡婦世帯の22/185(12%)世帯がAIDSによる家族の死を経験し、葬式費用を支出していた。その中央値は寡婦世帯(n=82)で300 US$、非寡婦世帯(n=22)で225 US$であった。両群間に統計学的有意差は認められなかった。

3.HIV感染世帯の世帯収入・支出の主な関連要因

重回帰分析の結果、HIV感染世帯の収入と就労家族数(p < 0.001)との間に正の関連が、寡婦世帯(p = 0.016)との間に負の関連があった。支出と教育費(p < 0.001)・家族数(p = 0.001)・財産(p = 0.009)・負債(p = 0.034)との間に正の関連があった。また非感染世帯の支出と教育費(p< 0.001)・負債(p = 0.001)との間に正の関連があった。

考察

本研究から次のようなことが示唆された。第一に、HIV感染者は非感染者に比べ健康状態が低く就労状態も低調であり、世帯の収入・支出・財産・教育費・医療費も非感染世帯に比べ低かった。第二に、HIV感染世帯の世帯収入は非感染世帯の世帯収入のそれと比べ41%低かった。第三に、HIV感染世帯の中では、寡婦世帯の世帯収入・支出が非寡婦世帯に比べて低かった。第四に、HIV感染世帯の世帯収入に関連する要因は就労家族数と寡婦世帯であるのに対し、世帯支出と関連する要因は教育費・財産・家族数・負債であった。

HIV感染世帯の収入については、就労家族数と寡婦世帯であることとの関連により非感染世帯の収入との格差が大きくなったものと推測される。感染世帯では非感染世帯に比べて就労家族数が有意に少なく、寡婦世帯数が有意に多かった。また非寡婦世帯では世帯の49%が共働き、つまり家長とその配偶者が労働し収入を得ていた。それに対して、寡婦世帯では配偶者の死によって就労できる家族数が少なくとも家長とその配偶者に関しては半減し、就労家族数に影響したものと示唆された。その結果、収入も大きく減少していた。重回帰分析の結果で示されたように、就労家族数が少ないことと寡婦世帯であることが世帯経済の低下に大きく関連していた。さらに家族の死の中でも主な稼ぎ手の死は収入・支出への影響が大きいことが示唆された。

また感染世帯の世帯支出と正の関連のあったものは主に教育費・家族数であった。ただし非感染世帯でも同じく教育費と正の関連があったため、教育費が感染世帯のみの支出に影響する特有の要因とは言えないものと示唆された。

支出項目の中で、HIV感染世帯の医療費の中央値(US$ 12)は非感染世帯のそれ(US$ 50)と比べ76%低く、世帯支出に占める割合も1.3%であった。本研究のデータ収集時の無料のART普及率は83.0%で、2003/4年にカンボジアで行われたBattehらの研究では13.0%であった。当時、医療費は世帯支出の17.3%を占め、世帯支出に影響を与える主な要因であった。しかしながら今回の研究により、無料のART普及率が高い状況下では、医療費の世帯支出に占める割合が低下していた。また非感染世帯において、医療費は中央値として年額50 US$を出費していたことから、HIV感染世帯では非HIV/AIDS関連の医療費を抑制していた可能性も考えられる。このことから医療費の占める割合が低下したといっても必ずしも医療費に関して問題がないとは言えない。

しかしながら医療サービスのための交通費の中央値は非感染世帯に比べ40%高かった。無料のARTを施す医療施設の数と場所は限られており、本研究の感染者の多くは県立病院で治療を受けていた。HIV感染者はこのように遠い医療施設に、より頻繁に通院しなければならないため交通費が高くなったものと考えられる。

またHIV感染世帯の教育費の中央値は非感染世帯に比べ42%低かった。カンボジアでは義務教育費は無料であり、義務教育以外の教育費は贅沢財と考えられている。比較的裕福な世帯では英語教育など義務教育以外の教育費をかけているものと推測される。HIV感染世帯の低い教育費によってこのようなタイプの子どもの教育機会が減じるのではないかと懸念される。

さらにHIV感染世帯の 36%(104世帯)が過去1年間でAIDS による家族の死を経験しており、その葬式費用は世帯支出の36%を占めていた。本研究ではAIDSによる死亡のみに限定したため、他との比較ができなかった。葬式費用はいわば一過性の出費であり、他の出費とは同列に論じられないが、その額の支出に占める割合が大きいことから、死亡者がいた場合には大きな出費になるものと考えられる。また家族の死を経験している感染世帯のうち74%は家長またはその配偶者の稼ぎ手を失い、収入は大きく減少したものと考えられる。

一方、感染世帯のうち寡婦世帯の世帯収入と世帯支出の中央値は非寡婦世帯に比べて低く、寡婦世帯の収入は非寡婦世帯より42%、非感染世帯より59%低かった。配偶者の死を経験している寡婦世帯では主な稼ぎ手を失っている場合が多く、就労家族数も少ないことから、世帯収入・支出が低くなっていたものと考えられる。

結論

HIV感染者は非感染者に比べ健康状態が低く就労状態も低調であり、感染世帯では子どもの数・就労家族数も少なく、寡婦世帯数が多かった。またHIV感染世帯の収入・支出・財産・教育費・医療費は非感染世帯と比べて低く、そのうち世帯収入は非感染世帯と比べ41%低かった。感染世帯のうち寡婦世帯の世帯収入・支出は非寡婦世帯に比べて低かった。また感染世帯の世帯収入と関連のある要因は就労家族数と寡婦世帯であることであった。

審査要旨 要旨を表示する

本研究はHIV 感染者の80%以上に対して無料の抗ウイルス薬治療がなされているカンボジア国において、HIV/AIDS感染が世帯に及ぼしうる社会経済的影響を知るために、シアヌークビル県においてHIV感染者・感染世帯と非感染者・感染世帯のデータを面接調査法によって集め、分析・比較したものである。その結果、下記の結果を得た。

1.HIV 感染者は非感染者に比べ、健康状態が低く、就労状況も低調であり、世帯の収入・支出・財産・医療費・教育費も非感染世帯と比べ低かった。中でもHIV 感染世帯の収入の中央値は非感染世帯のそれと比べ41%低かった。

2.HIV感染世帯のうち、寡婦世帯の収入・支出は非寡婦世帯と比べ低かった。中でも寡婦世帯の収入の中央値は非寡婦世帯のそれと比べ42%、非感染世帯に比べ59%低かった。

3.HIV感染世帯の世帯収入と統計学的に有意に関連ある要因は就労家族数と寡婦家族であった。またHIV感染世帯の世帯支出と統計学的に有意に関連のある要因は教育費・財産・家族数・負債であった。

HIV感染世帯では非感染世帯と比べて就労家族数が少なく、寡婦世帯数が多かった。そのため非感染世帯の収入との格差が大きくなったものと推測される。

支出項目の中では、世帯支出に占める医療費の割合が2003年には17.3%であったのに対し、2008 年時の本研究においては1.3%に低下していた。抗ウイルス薬治療の高い普及率の下では、医療費は世帯支出にとって重要な関連要因ではなくなっていた。しかしながらHIV 感染世帯の医療サービスのための交通費は非感染世帯に比べて有意に高かった。また感染世帯の教育費は非感染世帯に比べて低く、子どもの教育機会が減じるのではないかと懸念される。AIDSによる家族の死のための葬式費用はいわば一過性の出費であるが、その額の支出に占める割合が大きいことから、死亡者がいた場合には大きな出費になるものと考えられる。

HIV 感染世帯のうち寡婦世帯では配偶者の死を経験しているため主な稼ぎ手を失っている場合が多く、就労家族数も少ないことから、世帯収入・支出とも低くなっていたものと考えられる。

以上の結果より、カンボジアではHIV感染世帯の収入・支出は非感染世帯に比べ低く、中でも寡婦世帯の収入・支出はより低いことがわかった。

カンボジアにおいてこうした研究は少なく、本研究の結果は今後のHIV感染者ならびに感染世帯への社会経済的援助プログラム作成において有益なエビデンスを提供しうるものであることから、学位の授与に値すると考えられる。

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