学位論文要旨



No 124964
著者(漢字) 永井,宏彰
著者(英字)
著者(カナ) ナガイ,ヒロアキ
標題(和) 脱ユビキチン化酵素USP9Xによる活性型ASK1安定化機構の解明
標題(洋)
報告番号 124964
報告番号 甲24964
学位授与日 2009.03.23
学位種別 課程博士
学位種類 博士(薬学)
学位記番号 博薬第1317号
研究科 薬学系研究科
専攻 生命薬学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 一條,秀憲
 東京大学 教授 新井,洋由
 東京大学 教授 関水,和久
 東京大学 教授 岩坪,威
 東京大学 教授 三浦,正幸
内容要旨 要旨を表示する

【序論】

ASK1(Apoptosis Signal-regulating Kinase 1)は、MAPKKKファミリーの一員であり、酸化ストレスや小胞体ストレスなど、細胞内外の様々なストレスにより活性化される。活性化されたASK1は、JNK経路およびp38 MAPキナーゼ経路を選択的に活性化し、細胞死などの多様な生理応答を誘導する。ASK1ノックアウトマウスを用いた実験などから、ASK1を介する酸化ストレス誘導性細胞死が、虚血性疾患や神経変性疾患など種々の疾患の原因のひとつとなっていることが示唆されている。それ故、酸化ストレスによるASK1の活性化がどのように制御されているかを理解することは、それら疾患の発症メカニズムを明らかにするだけではなく、疾患の克服にも繋がるものと期待される。ASK1の活性化が惹起される分子機構に関しては、チオレドキシンやTRAF2およびTRAF6による制御などが明らかにされ、その詳細が分かってきた。その一方で、ASK1の活性化状態の維持あるいは終結の機構については未だ不明な点が多く残されている。

私は修士課程において、新規の酸化ストレス依存的ASK1結合分子として脱ユビキチン化酵素USP9Xを同定し、一方でASK1が酸化ストレス依存的にユビキチン化されることを見出していた。しかしながら、ASK1のユビキチン化の意義や、これに対するUSP9Xの機能、生理的役割は不明であった。博士課程において私は、USP9XがASK1のC末端にあるGGモチーフを介して活性型ASK1と選択的に結合することを見出した。また、脱ユビキチン化酵素USP9Xは、活性型ASK1を脱ユビキチン化することで安定化させ、ASK1の活性を維持していることを見出した。またこのシステムは、酸化ストレス誘導性p38/JNK経路の活性化と細胞死に重要であることを明らかにした。

【方法と結果】

1. USP9XはASK1のキナーゼ活性およびGGモチーフ依存的に結合する

まず、ASK1とUSP9Xの結合メカニズムの詳細を検討した。両者の結合は、ASK1の活性化状態に相関していた。また、ASK1キナーゼ不活性型変異体ASK1(K709M)では、結合が大きく減弱した。以上のことから、USP9Xは、活性化されたASK1に選択的に結合することが示唆された。

次に、ASK1におけるUSP9Xの結合領域を解析した結果、ASK1の最C末端領域80アミノ酸(1295-1374)が結合に必要かつ十分な領域であることが明らかとなった(Fig.1A)。

さらに興味深いことに、この領域に、ユビキチン最C末端の6アミノ酸と同様の配列、(1352)LRLRGG(1357)を見出した(Fig.1A)。一般的に、脱ユビキチン化酵素がユビキチンを認識する際には、ユビキチンのGGモチーフが重要であることが知られている。そこで、USP9XがASK1のGGモチーフを介してASK1を認識している可能性を考え、GGモチーフを欠損した変異体(ASK1(ΔGG))、あるいはアラニン残基に置換した変異体(ASKI(GG/AA))を作製し、USP9Xとの結合を検討した。その結果、野生型ASK1と比較して、いずれの変異体もUSP9Xとの結合が見られず、両者の結合にASK1のGGのモチーフが必須であることが明らかとなった(Fig.1B)。

2. USP9Xは活性型ASK1の維持に必要である

次に、酸化ストレスによるASK1の活性化におけるUSP9Xの役割を検討した。まず、前述のASK1変異体(ASK1(ΔGG),ASKI(GG/AA))の活性化状態を、抗リン酸化ASK1抗体を用いてモニターした。その結果、過酸化水素刺激により誘導される活性型ASK1の量が、いずれの変異体においても著しく減少していた。また、RNA interference (RNAi)法によるUSP9Xの発現抑制によっても、ASK1のタンパク量の減少に伴って、内在性の活性型ASK1の量は減少した(Fig.2A)。

USP9Xは基質タンパク質のいくつかを安定化することが知られていることから、ASK1(ΔGG)の活性型ASK1の量低下が、プロテアソームによるタンパク質分解による可能性を考えた。そこでプロテアソーム阻害剤MG132を用いたところ、ASK1(ΔGG)で見られる活性型ASK1量の低下が、部分的にではあるが回復することを見出した(Fig.2B)。これらの結果から、USP9Xは、ASK1の活性化状態の維持に必要であり、そのメカニズムとしては、USP9Xが活性型ASK1のプロテアソームによる分解を抑制している可能性が考えられた。

3.USP9Xは活性化型ASK1のユビキチン-プロテソーム系による分解を抑制する

そこで、ASK1活性制御におけるユビキチン-プロテアソーム系の関与について詳細に検討した。まず、ASK1が酸化ストレス下においてプロテアソーム依存的に分解されることを見出した。また、内在性ASK1の活性が下がってくる30分以降において、内在性ASK1が過酸化水素刺激依存的にユビキチン化されることを明らかにした。さらに、このユビキチン化には、ASK1のキナーゼ活性が必要であることが分かった。また、恒常活性化型変異体であるASK1(Δ277)では、ユビキチン化・分解ともに亢進していたことから、活性化されたASK1が分解されることが示唆された。

次に、ASK1の分解におけるUSP9Xの役割を検討した。その結果、GGモチーフ欠損あるいはUSP9Xの発現抑制によって、ASK1の分解が亢進することを見出した(Fig.3)。

次に、ASK1のユビキチン化部位を決定した。その結果、ASK1のキナーゼドメインとcoiled-coilドメインの間の領域(956-1235)がユビキチン化に十分であった。一方、この領域に含まれる15個のりジン残基全てをアルギニン残基に置換した変異体ASK1(15KR)ではユビキチン化が減弱することを明らかにした(Fig.4A)。以上から、この領域がユビキチン化されていることが示唆された。

また、分解の亢進に一致して、GGモチーフ欠損あるいはUSP9Xの発現抑制によって、ASK1のユビキチン化が亢進することを見出した(Fig.4B)。さらに、ASK1(ΔGG)の亢進したユビキチン化は、前述の15KR変異の導入によってキャンセルされた(Fig.4B)。また、USP9Xがin vitroにおいて、ASK1に対して脱ユビキチン化酵素活性を有することを見出した。これらの結果から、USP9Xは、酸化ストレス下において、活性型ASK1に対して、C末端のユビキチン化サイトをターゲットに、脱ユビキチン化酵素として機能し、活性型ASK1の分解を抑制していることが示唆された。

4.USP9Xは酸化ストレス誘導p38/JNK経路活性化および細胞死に必要である

USP9Xによる活性型ASK1安定化の細胞応答における意義を明らかにするため、過酸化水素によるMAPキナーゼ経路の活性化および細胞死を、USP9Xの発現抑制系において検討した。その結果、p38/JNK経路の活性化および細胞死が、ASK1の発現抑制と同程度減弱することを見出した。これらの結果から、USP9Xが酸化ストレス誘導性MAPキナーゼ経路の活性化と細胞死に必要であることが示唆された。

さらに生体におけるUSP9Xの機能を明らかにするためにUSP9Xノックアウトマウスの作出を試みた。しかしながら、現在までのところ、germline transmissionが確認できておらず、USP9Xノックアウト マウス個体は得られていない。Usp9x遺伝子はX染色体上にコードされており、ES細胞はオス由来であることから、相同組み換えを起こしたembryonic stem( ES)細胞は、USP9Xノックアウトとなる。このことは、ES細胞のgenotypingおよびimmunoblottingによって確認した。そこで、樹立できたUSP9XノックアウトES細胞を用いて、解析を行った。その結果、RNAi法で得られた実験結果に一致して、USP9XノックアウトES細胞では、過酸化水素によるJNK経路の活性化および細胞死が減弱していた(Fig.5A and 5B)。

以上のことから、USP9Xは酸化ストレス下において、活性型ASK1の安定化を介して、MAPキナーゼの活性化および細胞死に必要であることが明らかとなった。

【まとめ・考察】

本研究において私は、ASK1がそのC末端に、ユビキチン様のGGモチーフを持つことを見出した。脱ユビキチン化酵素USP9Xは、このGGモチーフを介して活性型ASK1と結合し、活性型ASK1を脱ユビキチン化することで、ユビキチン・プロテアソーム系による分解から活性型ASK1を回避させ、ASK1の活性化状態を維持していることを見出した。また、このシステムは、ASK1-MAPキナーゼ経路シグナルの維持を保証し、細胞死の誘導に重要な役割を果たしていることを明らかにした(Fig.6)。これまで、ASK1の活性制御機構は、リン酸化・脱リン酸化による"直接的"な制御が中心的に捉えられてきたが、今回の結果により、ユビキチン化・脱ユビキチン化による活性型ASK1の安定性制御による"間接的"な制御も、ASK1活性制御機構において重要であることを提唱するに至った。

今後は、ASK1の分解を担うE3ユビキチンリガーゼの同定することで、ASK1のユビキチン化および分解の分子メカニズムを解明していきたい。また、USP9Xノックアウト マウスの作出を引き続き行い、USP9X-ASK1システムの生体における役割、特にASK1関連疾患における病態生理学的役割に着目し、検討していきたい。

Figure1.ASK1におけるUSP9Xの結合モチーフの同定(A) ASK1におけるUSP9X結合領域の絞り込み(B) ASK1のGG motifはUSP9Xとの結合に必要である

Figure2.USP9Xは活性化型ASK1の維持に必要である(A)USP9X発現抑制による内在性活性化型ASK量1の低下(B)ASK1(ΔGG)の活性化型ASK1量低下のMG132による回復

Figure3.USP9XはASK1の安定化に必要

Figure4.USP9XはASK1の脱ユビキチン化酵素である(A) ASK1のユビキチン化部位の決定(B) ASK1(ΔGG)のユビキチン化の亢進と15KR変異によるキャンセル

Figure5.USP9XノックアウトES細胞の解析(A) USP9X KO ES細胞ではJNKの活性化が減弱する(B) USP9X KO ES細胞では細胞死が抑制される

Figure6.ASK1活性制御におけるUSP9Xの役割

審査要旨 要旨を表示する

ASK1(Apoptosis signal-regulating kinase 1)は、MAPKKK (Mitogen-activated protein kinase kinase kinase)ファミリーの一員であり、酸化ストレスや小胞体ストレスなど、細胞内外の様々なストレスにより活性化される。活性化されたASK1は、JNK経路およびp38 MAPキナーゼ経路を選択的に活性化し、細胞死などの多様な生理応答を誘導する。ASK1ノックアウトマウスを用いた実験などから、ASK1を介する酸化ストレス誘導性細胞死が、虚血性疾患や神経変性疾患など種々の疾患の原因のひとつとなっていることが示唆されている。それ故、酸化ストレスによるASK1の活性化がどのように制御されているかを理解することは、それら疾患の発症メカニズムを明らかにするだけではなく、疾患の克服にも繋がるものと期待される。ASK1の活性化が惹起される分子機構に関しては、チオレドキシンやTRAF2およびTRAF6による制御などが明らかにされ、その詳細が分かってきた。しかし、その一方で、ASK1の活性化状態の維持あるいは終結の機構については未だ不明な点が多く残されている。

本研究は、ASK1の酸化ストレス依存的結合分子として同定した脱ユビキチン化酵素USP9XによるASK1の活性制御機構について解析を行ったものである。以下に本研究から得られた主要な知見をまとめた。

1.USP9XはASK1のキナーゼ活性およびGGモチーフ依存的に結合する

ASK1とUSP9Xの結合は、ASK1の活性化状態に相関し、一方で、ASK1キナーゼ不活性型変異体ASK1(K709M)では、結合が大きく減弱した。これらから、USP9Xは、活性化されたASK1に選択的に結合することが示唆された。次に、ASK1におけるUSP9Xの結合領域を解析した結果、ASK1の最C末端領域80アミノ酸(1295-1374)が結合に必要かつ十分な領域であることが明らかとなった。

興味深いことに、この領域に、ユビキチン最C末端の6アミノ酸と同様の配列、(1352)LRLRGG(1357)が含まれていることが見出された。一般的に、脱ユビキチン化酵素がユビキチンを認識する際には、ユビキチンのGGモチーフが重要であることが知られている。そこで、USP9XがASK1のGGモチーフを介してASK1を認識している可能性を考え、GGモチーフを欠損した変異体(ASK1(.GG))、あるいはアラニン残基に置換した変異体(ASK1(GG/AA))を作製し、USP9Xとの結合を検討した。その結果、野生型ASK1と比較して、いずれの変異体もUSP9Xとの結合が見られなかった。これらのことから、両者の結合にASK1のGGのモチーフが必須であることが明らかとなった。

2.USP9Xは活性型ASK1の維持に必要である

次に、酸化ストレスによるASK1の活性化におけるUSP9Xの役割を検討した。まず、前述のASK1変異体(ASK1(.GG),ASKI(GG/AA))の活性化状態を、抗リン酸化ASK1抗体を用いてモニターした。その結果、過酸化水素刺激により誘導される活性型ASK1の量が、いずれの変異体においても著しく減少していた。また、RNA interference(RNAi)法によるUSP9Xの発現抑制によっても、ASK1のタンパク量の減少に伴って、内在性の活性型ASK1の量は減少した。

USP9Xは基質タンパク質のいくつかを安定化することが知られていることから、ASK1(.GG)の活性型ASK1の量低下が、プロテアソームによるタンパク質分解による可能性を考えた。そこでプロテアソーム阻害剤MG132を用いたところ、ASK1(.GG)で見られる活性型ASK1量の低下が、部分的にではあるが回復した。これらの結果から、USP9Xは、ASK1の活性化状態の維持に必要であり、そのメカニズムとしては、PSP9Xが活性型ASK1のプロテアソームによる分解を抑制している可能性が考えられた。

3.USP9Xは活性型ASK1のユビキチン-プロテアソーム系による分解を抑制する

そこで、ASK1活性制御におけるユビキチン-プロテアソーム系の関与について詳細に検討した。まず、ASK1が酸化ストレス下においてプロテアソーム依存的に分解されることを見出した。また、内在性ASK1の活性が下がってくる30分以降において、内在性ASK1が過酸化水素刺激依存的にユビキチン化されることを明らかにした。この結果から、活性化されたASK1がネガティブフィードバックとしてユビキチン化・分解されていることが示唆された。さらに、このユビキチン化には、ASK1のキナーゼ活性が必要であることが分かった。また、恒常活性化型変異体であるASK1(・277)では、ユビキチン化・分解ともに亢進していたことから、活性化されたASK1が分解されることが明らかとなった。

さらに、ASK1部分欠損変異体を用いてASK1のユビキチン化部位の同定を試みた。その結果、ASK1のキナーゼドメインとcoiled-coilドメインの間の領域(956-1235)が、ユビキチン化に必要かつ十分な領域であった。一方、この領域に含まれる15個のリジン残基全てをアルギニン残基に置換した変異体ASK1(15KR)ではユビキチン化が減弱することを明らかにした。以上から、この領域のリジン残基がユビキチン化されていることが示唆された。

次に、ASK1のユビキチン化と分解におけるUSP9Xの役割を検討した。GGモチーフ欠損あるいはUSP9Xの発現抑制によって、ASK1の分解が亢進することを明らかにした。また、この分解の亢進に一致して、GGモチーフ欠損あるいはUSP9Xの発現抑制によって、ASK1のユビキチン化が亢進することが明らかとなった。さらに、ASK1(・GG)の亢進したユビキチン化は、前述の15KR変異の導入によってキャンセルされた。また、USP9Xがin vitroにおいて、ASK1に対して脱ユビキチン化酵素活性を有することを見出した。これらの結果から、USP9Xは、酸化ストレス下において、活性型ASK1に対して、C末端のユビキチン化サイトをターゲットに、脱ユビキチン化酵素として機能し、活性型ASK1の分解を抑制していることが示唆された。

4.USP9Xは酸化ストレス誘導性p38/JNK経路活性化および細胞死に必要である

USP9Xによる活性型ASK1安定化の細胞応答における意義を明らかにするため、過酸化水素によるMAPキナーゼ経路の活性化および細胞死を、RNAi法によるUSP9Xの発現抑制系において検討した。その結果、p38/JNK経路の活性化および細胞死が、ASK1の発現抑制と同程度減弱することを見出した。これらの結果から、USP9Xが酸化ストレス誘導性MAPキナーゼ経路の活性化と細胞死に必要であることが示唆された。

さらに、生体におけるUSP9Xの機能を明らかにするためにUSP9Xノックアウトマウスの作出を試みた。しかしながら、現在までのところ、germline transmissionが確認できておらず、USP9Xノックアウトマウス個体は得られていない。Usp9x遺伝子はX染色体上にコードされており、ES細胞はオス由来であることから、相同組み換えを起こしたembryonic stem(ES)細胞は、USP9Xノックアウトとなる。このことは、ES細胞のgenotypingおよびimmunoblottingによって確認した。そこで、樹立できたUSP9XノックアウトES細胞を用いて、解析を行った。その結果、RNAi法で得られた実験結果に一致して、USP9XノックアウトES細胞では、過酸化水素によるJNK経路の活性化および細胞死が減弱していた。

以上のことから、USP9Xは、活性型ASK1の安定化を介して、酸化ストレスによるMAPキナーゼの活性化および細胞死に必要であることが明らかとなった。

本研究において、ASK1がそのC末端に、ユビキチン様のGGモチーフを持つことが見出された。脱ユビキチン化酵素USP9Xは、このGGモチーフを介して活性型ASK1と結合し、活性型ASK1を脱ユビキチン化することで、ユビキチン-プロテアソーム系による分解から活性型ASK1を回避させ、ASK1の活性化状態を維持していることが明らかとなった。また、このシステムが、酸化ストレス下において、ASK1-MAPキナーゼ経路シグナルの維持を保証し、細胞死の誘導に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。脱ユビキチン化酵素の基質がGGモチーフを持ち、脱ユビキチン化酵素をリクルートすることで安定化される例は、本研究が初めての知見であり、非常に独創性、新規性の高いものである。

また、これまで、ASK1の活性制御機構は、リン酸化・脱リン酸化による"直接的"な制御が中心的に捉えられてきたが、本研究により、ユビキチン化・脱ユビキチン化による活性型ASK1の安定性制御による"間接的"な制御も、ASK1活性制御機構において重要であることを提唱するに至ったという点に関しても高く評価される。以上より、本研究は博士(薬学)の学位に値するものと判定した。

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