学位論文要旨



No 126100
著者(漢字) 須江,真由美
著者(英字)
著者(カナ) スエ,マユミ
標題(和) 炎症局所の好中球浸潤におけるへパラナーゼの関与
標題(洋)
報告番号 126100
報告番号 甲26100
学位授与日 2010.03.24
学位種別 課程博士
学位種類 博士(薬学)
学位記番号 博薬第1365号
研究科 薬学系研究科
専攻 統合薬学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 入村,達郎
 東京大学 教授 堅田,利明
 東京大学 教授 村田,茂穂
 東京大学 准教授 有田,誠
 東京大学 准教授 東,伸昭
内容要旨 要旨を表示する

【序論】

好中球は病原体の貧食、殺滅をもって感染防御に中心的な役割を果たす。この際、好中球は末梢血中から末梢組織へと浸潤して炎症を惹起することから、好中球の浸潤は炎症の「実体」と考えられる。炎症時、好中球は炎症局所へ血管外浸潤する。この過程にはセレクチンやインテグリン等を介した細胞間相互作用が関与するが、その後の基底膜通過過程において基底膜の主要構成成分であるヘパラン硫酸鎖の分解が必須であるかどうかは不明であった【図1】。

ヒト末梢血好中球は細胞内顆粒にヘパラン硫酸プロテオグリカンのヘパラン硫酸鎖を分解するエンド型β-グルクロニダーゼであるヘパラナーゼを持つとの報告がある。マウスメラノーマでは、ヘパラナーゼの発現量と転移性及び悪性度が相関し、ヘパラナーゼ遺伝子の発現抑制により転移能が低下した。このため、好中球が血管外浸潤する際にも、ヘパラン硫酸鎖の分解が重要な過程であると予想された。好中球はその血管外浸潤過程でケモカインや接着分子による刺激を受けると考えられているが、ヘパラナーゼが血管外浸潤に必須であるのか、その過程の各段階で活性発現がどのように制御されているのかは不明であった。これまでに、マウス好中球は分化の後期段階でヘパラナーゼを細胞内に発現することを確認している。本研究では、さらに好中球の血管外浸潤にヘパラナーゼが関与することを示し、好中球の移動に伴いヘパラナーゼの細胞内外における局在が変化することを明らかにした。

【本論】

第1章:ヘパラナーゼ阻害物質による好中球漫潤の抑制

1-1.ヘパラナーゼの活性阻害により好中球の漫潤が抑制された

細胞浸潤過程におけるヘパラナーゼの関与を間接的に証明出来る、特異性の高い阻害物質は従来知られていなかったが、最近ウロン酸誘導体である(3S,4R,5R,6R)-4,5-dihydroxy-6-trifluoroacetamido-3-piperidine-carboxylic acid(SF-4)が開発された。マウス骨髄由来好中球細胞可溶化物によるヘパラン硫酸の分解がヘパラナーゼの阻害物質であるSF-4によって阻害されるかを蛍光標識ヘパラン硫酸の断片化を指標に調べたところ、SF4の濃度依存的に断片化が阻害されることを確認した。また、この物質はマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-9の活性を阻害しなかった。

このヘパラナーゼ阻害物質が好中球のin vitroでの遊走能及び浸潤能を抑制するか否かを検証するために、SF-4存在下及び非存在下で細菌由来の好中球走化性因子formyl-methionyl-leucyl-phenylalanine(fMLP)に対する遊走細胞数を、基底膜非存在下(細胞の運動能を評価)及び基底膜存在下(細胞の浸潤能を評価)で測定した。遊走細胞数で示される細胞の運動能はSF-4の影響を受けなかったが【図2A】、浸潤細胞数はSF-4の濃度依存的に有意に減少し、SF-4及びMMP阻害物質であるMMI-270の共存下では更に浸潤細胞数が減少した【図2B】。従って、ヘパラナーゼがinvitroで測定した好中球の基底膜浸潤に関与することが示された。

1-2.ヘパラナーゼの阻害により炎症組織への好中球の漫潤が抑制された

炎症組織への浸潤におけるヘパラナーゼの関与をin vivoで検証するために、マウス背部皮下に作製した空気嚢内へ100μMのSF-4を含む、又は含まない1pMfMLPまたは1%カラゲナン溶液を投与した。投与4時間後に空気嚢内へ浸潤した細胞を回収して、細胞数を計測した。その結果、何れの炎症惹起刺激においてもSF-4投与時では非投与時と比べて浸潤細胞数が有意に減少し、その割合はfMLP投与群では約37%、カラゲナン投与群では約49%であった【図3A1。また、ギムザ染色によりこれらの浸潤細胞の種類は好中球と単球であることが示され、SF-4投与時には何れの場合でも両者の細胞数は有意に減少していた[図3B]。以上より、SF-4は好中球の浸潤を抑制することが示された。

第2章:好中球におけるヘパラナーゼの細胞内分布と炎症性刺激に伴う局在変化

2-1.好中球のヘパラナーゼはケモカイン及び接着分子の刺激により細胞表面に移動した

ヘパラナーゼは血管壁基底膜を分解して組織を破壊する潜在的な可能性を持つので、血管外浸潤過程においてその発現は厳密に制御されていると考えた。細胞内外の局在変化によって活性発現が制御される可能性を検討した。先ず、細胞内でのヘパラナーゼの分布を調べるために、好中球を0.1%TritonX-100にて膜透過処理後、抗ヘパラナーゼ抗体による蛍光染色を行った。ヘパラナーゼは細胞内で三次穎粒のマーカー分子であるMMP-9と共局在しており、基底膜分解過程への関与が予想される三次顆粒中に他のマトリックス分解酵素と共に貯蔵されていると推定された。

次に、図1に示した好中球血管外浸潤の各過程におけるケモカイン等の刺激、インテグリンのリガンドとの相互作用によってヘパラナーゼの細胞内外での局在に変化が見られるかを調べた。好中球の遊走を誘導するケモカインであるMIP-2、好中球のインテグリン(CDllb)のリガンドであるlCAM-1を好中球培養上清に加えて、細胞をパラホルムアルデヒド固定し、抗ヘパラナーゼ抗体による染色を行った。未処理細胞では細胞表面にヘパラナーゼの発現が検出されなかったが、MIP-2及びICAM-1処理後の細胞では細胞表面にヘパラナーゼの発現が検出された【図4A、Bl。細胞内ではヘパラナーゼは穎粒状に局在したが、その分布に極性は認められなかった【図4B]。更に、P一セレクチンまたはICAM-1を固相化したスライドグラス上に好中球を接着させ、細胞表面の抗ヘパラナーゼ抗体による染色を行った。固相化したP-セレクチン上では細胞表面にヘパラナーゼが検出されなかったが、固相化したICAM-1上では結合後5分で細胞表面にヘパラナーゼが検出された[図4C】。接着面に対するヘパラナーゼの細胞表面分布を0.5μm毎にz軸スキャンして調べたところ、特に局在は認められなかった。以上より、好中球がローリングする際にはヘパラナーゼは顆粒内に保持されているが、インテグリンを介する血管壁への強固な接着に伴って細胞表面に移動すると考えられた。好中球はヘパラナーゼを細胞表面に発現する際、接着面や特定の部位に局在させるのではなく、細胞表面全体から発現することが示唆された。

2-2.ヘパラナーゼを放出した好中球ではヘパラン硫酸の分解能と漫潤能が低下した

2-1で述べた過程を経た好中球は、図1に示すように血管内皮細胞層を通過し、基底膜中に保持されているケモカインやサイトカインからの刺激を受けて三次顆粒の内容物を放出することが予想され、組織側へと到達した好中球は、ヘパラナーゼを始めとする基底膜分解に必要なマトリックス分解酵素を既に放出したために、浸潤能が低下していると考えられた。そこで、サイトカイン刺激により三次顆粒の放出が起こるのか、そしてこれが好中球の浸潤に影響するかどうかを検討した。炎症性サイトカインであるTNF-αを用いて好中球を刺激し、刺激後に上清と細胞可溶化物を調製し、各々に含まれるヘパラナーゼ量を、サンドイッチEUSA法により定量した。その結果、TNF-αの濃度依存的に最大で約50%のヘパラナーゼが上清中で検出され、一方で細胞可溶化物中に含まれるヘパラナーゼは最大で約50%まで減少したことから、ヘパラナーゼがTNF-α刺激により放出されることが確認された【図5A、B】。またこれらの細胞可溶化物を用いて、ヘパラン硫酸分解活性を比較したところ、細胞可溶化物中に含まれるヘパラナーゼの減少に相関してヘパラン硫酸分解の低下が認められた[図5C]。

脱顆粒が好中球の遊走能及び浸潤能に影響するかどうかをin vitroで検証したところ、脱顆粒は遊走能に影響しなかったが[図6A]、基底膜成分の分解を伴う浸潤能を有意に低下させた[図6B]。これはマウスで炎症組織に浸潤した好中球がヘパラナーゼの発現を欠くという知見(Komatsu,Sue et al.J.lmmunol.Methods 331:82-93,2008)に符合する結果である。以上より、末梢で炎症性サイトカイン刺激を受けた好中球はヘパラナーゼを含む穎粒を放出し、それ以降の基底膜分解能を失うことが示唆された。

【結論】

本研究の結果、ヘパラナーゼ阻害物質SF-4により、in vivoおよびin vitroの両方で好中球の浸潤が部分的に抑制されたことから、ヘパラナーゼがMMPと協奏的に血管外浸潤の一翼を担う可能性が示された。また、ヘパラナーゼは固相化P-セレクチン刺激ではその細胞内分布に変化を生じないが、ケモカイン刺激・固相化ICAM-1刺激により細胞表面に移動した。またTNF-α刺激により細胞外に放出された。好中球は血管内皮細胞との相互作用時に、ケモカイン受容体やインテグリンを介する刺激によってヘパナラーゼを細胞表面に発現し、また炎症性サイトカインの刺激でこれを放出することにより、図1に示す好中球と基底膜が相互作用する時点にあわせてタイミングよくこの酵素を利用するものと考えられる。今回得られた結果はこれを支持するものである。炎症の「実体」である好中球の局所動員機構の解明は炎症性病態形成の抑制探索と治療薬開発における中心課題である。ヘパラナーゼの機能阻害による好中球の浸潤抑制は、抗炎症薬における新しい標的を提示するものとして期待される。

図1末梢血から組織への血管外浸潤過程において、ヘパラナーゼが関与する可能性を示す模式図

図2ヘパラナーゼ阻害物質(SF・4)存在下における好中球の遊走能及び浸潤能の比較

ASF-4及びMMI-270存在下における好中球の遊走能(基底膜なし)BSF-4及びMMI-270存在下における好中球の浸潤能(基底膜あり)**:p<0.01

図3ヘパラナーゼ阻害物質(SE-4)投与による空気襄内への炎症細胞の漫潤抑制

AfMLPおよびカラゲナン(Carra)投与4時間後の浸潤細胞数 B漫潤細胞の種類と細胞数、P:PBS、F:fMLP、C:カラゲナン、S:SF4**:p<0.01

図4好中球の細胞内と細胞表面におけるヘパラナーゼの分布

A、B可溶性のMP-2又はICAM-1により刺激した後の細胞表面(A)及び細胞内(B)でのヘパラナーゼの発現(矢頭) C P-セレクチン又はICAM-1を固相化して好中球を刺激した後の細胞表面でのヘパラナーゼの発現核は灰色で示すスケールバー:10μm

図5好中球上清及び細胞可溶化物中のヘパラナーゼの定量と細胞可溶化物のヘパラン硫酸分解活性

A上清中のヘパラナーゼ濃度 B細胞可溶化物中のヘパラナーゼ濃度 C細胞可溶化物のヘパラン硫酸分解度t":p<0.01、':p〈O.05

図6好中球のfMLPに対する遊走能及び漫潤能の比較

A好中球のfMLPに対する遊走能 B好中球のfMLPに対する浸潤能 白:未刺激の好中球黒:10ng/mlTNF-αで前処理刺激済みの好中球**:p<0.01

審査要旨 要旨を表示する

「炎症局所の好中球浸潤におけるヘパラナーゼの関与」と題する本論文では、好中球が血管内から組織に浸潤し、局所において炎症を起こす過程において、細胞外マトリックス分解酵素の一つであるヘパラナーゼが実際に浸潤に重要な役割を担っているか、また浸潤の過程でどのような制御を受けているか、を明らかにした結果が述べられている。ヘパラナーゼは、細胞外マトリックスのうちで基底膜を形成する主要な成分であって基底膜が細胞や巨大分子を通過させないバリア機能を保つために必須なヘパラン硫酸を切断するエンド型の酵素である。1980年前後に発見され、メラノーマにおいてその活性レベルが肺への転移性に相関する分子として注目され、1999年前後に遺伝子が同定されるに至って類似の酵素が存在しないことが確実となり、浸潤性を持つ細胞に特徴的に発現する酵素なのではないかと考えられるようになった。高い浸潤性を持つ好中球において、遺伝子発現と酵素活性の発現は知られていたが、実際に浸潤に必須であるかどうか、また血管や組織を破壊せずに浸潤するための制御機構がいかなるものであるかは明らかにされていなかった。このような状況下で学位申請者は新たに開発されたヘパラナーゼ阻害物質を用い、またマウスヘパラナーゼに対するモノクローナル抗体を用いて長年未解決であった問題に挑戦した。

第一章は序論であり、好中球の生物学、ヘパラナーゼに関するこれまでの知見などが、未解決の問題点の指摘とともに述べられている。

第二章では、最近、ウロン酸誘導体である(3S,4R,5R,6R)-4,5-dihydroxy-6-trifluoroacetamido-3-piperidine-carboxylic acid(SF-4)がヘパラナーゼ阻害物質として開発されたので、その好中球浸潤過程への影響を検討した結果が述べられている。マウス骨髄由来好中球細胞可溶化物によるヘパラン硫酸の分解がSF-4によって阻害されるかを蛍光標識ヘパラン硫酸の断片化を指標に調べたところ、SF-4の濃度依存的に断片化が阻害されることを確認した。また、この物質は基底膜分解と細胞浸潤に重要と考えられているマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-9の活性を阻害しなかった。好中球のinvitroでの遊走能及び浸潤能を抑制するか否かを検証するために、SF-4存在下及び非存在下で細菌由来の好中球走化性因子formyl-methionyl-leucyl-phenylalanine(fMLP)に対する遊走細胞数を、基底膜非存在下と基底膜存在下で測定した結果、SF-4は細胞の運動能に影響しないにもかかわらず、基底膜を通過する浸潤細胞の数が有意に減少した。すなわち、ヘパラナーゼが好中球の基底膜浸潤に重要な役割を持つことが示された。次に炎症組織への浸潤におけるヘパラナーゼの関与をin vivoで検証するために、マウス背部皮下に作製した空気嚢内へ炎症惹起物質を投与した。SF-4存在下または非存在下で4時間後に空気嚢内へ浸潤した細胞を回収して、細胞数を計測した。その結果、SF-4投与時では非投与時と比べて浸潤した細胞数が有意に減少した。ギムザ染色によりこれらの浸潤細胞の種類は好中球と単球であることが示され、SF-4投与時には両者の細胞数ともに有意に減少した。以上より、SF-4は好中球の浸潤を抑制すること、またヘパラナーゼがin vivoにおいても好中球の浸潤に重要であることが示された。

第三章の第一節では、炎症時に発現するケモカインや接着分子からの影響によって、好中球のヘパラナーゼがどのように分布を変えるかを明らかにした結果が述べられている。免疫細胞化学的な方法により、定常状態ではヘパラナーゼは好中球細胞内で三次顆粒に他のマトリックス分解酵素と共に貯蔵されていると推定された。好中球は活性化された血管内皮細胞表面に発現するP-セレクチンとの相互作用に基づいてローリングを起こし、その後にインテグリンとそのレセプターであるICAM-1を介して強固に接着することが知られていた。そこで固相化したP-セレクチンまたはICAM-1を固相化して、これらに結合した際の好中球におけるヘパラナーゼの細胞内外における分布の変化を細胞化学的に調べた。細胞をパラホルムアルデヒド固定し、抗ヘパラナーゼ抗体による染色を行った。固相化P-セレクチンに接着した後にはヘパラナーゼの分布に変化は見られなかったが、固相化ICAM-1に接着した後には細胞表面にヘパラナーゼが表出することがわかった。すなわち好中球の浸潤過程において、ヘパラナーゼは基底膜を通過する直前に細胞表面に移動する可能性が高いことがわかった。同様なヘパラナーゼの細胞表面への移動は、内在性走化性因子であるMIP-2または可溶性のICAM-1によっても引き起こされた。ヘパラナーゼが浸潤先端の一方向に局在することが、以前マクロファージの浸潤において観察されていたが、上記した刺激後の好中球におけるヘパラナーゼの分布を共焦点顕微鏡で詳細に検討したが、一方向への局在は見られなかった。

組織化学的な観察から、炎症組織内に移動した好中球ではヘパラナーゼの発現レベルが低いと考えられた。そこで、ヘパラナーゼが細胞表面の局在した後に放出される可能性を追究し、その結果が第三章の第二節に述べられている。炎症性サイトカインであるTNF-αを用いて好中球を刺激し、刺激後に上清と細胞可溶化物を調製し、各々に含まれるヘパラナーゼ量を、サンドイッチELISA法により定量した結果、TNF-αの濃度依存的に最大で約50%のヘパラナーゼが上清中で検出され、一方で細胞可溶化物中に含まれるヘパラナーゼは最大で約50%まで減少したことから、ヘパラナーゼがTNF-α刺激により放出されることが確認された。またこれらの細胞可溶化物を用いて、ヘパラン硫酸分解活性を比較したところ、細胞可溶化物中に含まれるヘパラナーゼの減少に相関してヘパラン硫酸分解の低下が認められた。脱顆粒が好中球の遊走能及び浸潤能に影響するかどうかを検証したところ、TNF-α刺激は遊走能には影響しなかったが、基底膜成分の分解を伴う浸潤能を有意に低下させることが判明した。以上より、末梢で炎症性サイトカイン刺激を受けた好中球はヘパラナーゼを含む顆粒を放出し、それ以降の基底膜分解能を失うことが示され、好中球浸潤においてヘパラナーゼが効率よく使われ、その後はこの細胞が組織に留まる結果となることが強く示唆された。

以上のように学位申請者は、好中球が血管から組織の局所に動員されそこに留まって感染原を除去するなどの重要な機能を担うためにヘパラナーゼが深く関与することを示した。解明された内容から、炎症性病態形成のプロセスを明らかにし、その抑制法を開発できる。特に、ヘパラナーゼの阻害を通して好中球の浸潤を抑制することは、抗炎症薬の開発における新しい標的を提示するものとして期待される。これらの結果は、糖鎖生物学、病理学及び免疫学に資するところが大である。よって、これらの研究を行った須江真由美は博士(薬学)の学位を得るにふさわしいと判断した。

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