本研究は、日本人の食事、休養、栄養、運動等の日常生活習慣上の健康行動が、性・年齢・学歴などの属性や健康意識によって、それぞれどのように特徴付けられるかについて検証することを目的とし、下記の結果を得た。 1)男性においては、 (1)運動は、学歴が高い人、健康状態が良いと自己評価する人、健康を損ねると積極的な行動が取れなくなると考える人、に心がける割合が高い。 (2)健康診断は、中高年齢者ならびに、健康状態が良くないと自己評価する人、持病のある人、病気に対する不安を持っている人、に受診する割合が高い。また自営業より勤労者の方が受診する割合が高い。 (3)酒・タバコを控えることは、病気の不安を持つ人、に心がける割合が高い。 (4)新聞・テレビ・雑誌などで健康の情報・知識を増やすことは、高齢者、病気の不安を持つ人、に心がける割合が高い。 2)女性においては、 (1)運動は、学歴の高い人、健康状態が良いと自己評価する人、に心がける割合が高い。 (2)健康診断は、中高年齢者、持病のある人、病気の不安のある人、に受診する割合が高い。また主婦、自営業者より勤労者の方が受診する割合が高い。 (3)新聞・テレビ・雑誌などで健康の情報・知識を増やすことは、病気の不安を持つ人、健康を損ねると身の回りのことができなくなる、などの心配を持つ人、に心がける割合が高い。 以上本論文は、日本人の日常生活習慣上の健康行動が性・年齢・学歴および健康意識により特徴があることを明らかにした。本研究の成果は、これまでに解明が十分でない成人病予防、健康増進に重要な役割を果たす健康行動の分析と健康行動推進のための政策立案に貢献すると考えられ、学位の授与に値するものと考えられる。 |