学位論文要旨



No 213827
著者(漢字) 丸山,稔之
著者(英字)
著者(カナ) マルヤマ,トシユキ
標題(和) 急性B型肝炎と慢性B型肝炎との新しい鑑別診断法 : ウッドチャック・コア抗体の測定
標題(洋)
報告番号 213827
報告番号 乙13827
学位授与日 1998.04.22
学位種別 論文博士
学位種類 博士(医学)
学位記番号 第13827号
研究科
専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 小俣,政男
 東京大学 教授 清水,洋子
 東京大学 教授 中原,一彦
 東京大学 教授 柴田,洋一
 東京大学 助教授 高山,忠利
内容要旨 【はじめに】

 一連の肝炎ウイルス・マーカーの測定により,肝細胞障害時の原因ウイルスとしてB型とそれ以外の型(A,C,E,G?)との鑑別診断はほぼ,確実になされるようになった.しかし,急性B型肝炎(AH-B)による肝細胞障害と慢性B型肝炎(CH-B)における急性増悪による肝細胞障害との鑑別診断は,現時点でも,なお困難を伴っている.肝細胞障害時には,この2群(AH-BとCH-B)では,肝機能検査のパターン(初期にはGOT,GPT優位の肝機能異常,後期には胆道系酵素の上昇)も似ており,ウイルス・マーカーの測定においても,かなり類似したパターンを示している.例えば,HBsAgは初期にはどちらの群においても陽性であるし,HBc抗体はどちらの群においても強陽性となってしまう.一般的には,IgM HBc抗体はAH-Bの早期には高値であるため,定量的なIgM HBc抗体の測定が,この2群(AH-BとCH-B)の鑑別診断に用いられているが,測定値がこの2群の境界値を示す症例も少なからず存在しているため,簡便で確実な測定法が臨床の現場で必要とされていた.

 私は,これまでHBVキャリアーにおける肝炎の急性増悪時の,ウイルス量,ウイルス関連抗原量,ウイルス関連免疫複合体の変化について検討を行ってきた.これら一連の研究の延長として,急性B型肝炎患者群(AH-B)と慢性B型肝炎患者群(CH-B)とで,前述のウイルス関連抗体や免疫複合体の産生の比較を行った.それと平行して,HBcAgの立体構造を変えさせたmutant HBcAg,および,HBV-DNAの類縁ウイルスであるヘパドナ・ウイルス(woodchuck hepatitis B virus, duck hepatitis B virus)のcore antigenに対するヒトHBc抗体の結合を比較した.その結果,今回,提示するWoodchuck hepatitis B core antigen (WHcAg)に対する抗体の測定がこの2群(AH-B群とCH-B群)の鑑別診断として,最も有用であることを見いだした.さらに,この新たに発見されたヒトWHc抗体の性状についての解析も行った.

【方法】1.肝炎ウイルスコア蛋白,およびコア蛋白内の合成ペプタイド.

 Recombinant HBcAg(rHBcAg),recombinant HBeAg(rHBeAg),recombinant woodchuck hepatitis core antigen(rWHcAg),recombinant woodchuck hepatitis e antigen(rWHeAg),recombinant duck hepatitis core antige(rDHcAg),およびHBcAgの立体構造を変えさせるため,core領域内の3つのアミノ酸(48,61,107番のcystein)を欠失させた3種類のmutant HBcAgを用いた.

2.WHc抗体,HBc抗体,HBe抗体,免疫複合体(HBsAg/ICs,HBeAg/ICs)の測定.

 WHc抗体,HBc抗体,HBe抗体の検出は,Direct Enzyme-Linked Immunosorbent Assay(Direct ELISA)法により行った.HBsAg,HBeAgに特異的な免疫複合体(HBsAg/ICs,HBeAg/ICs)の測定も同様に,ELISA法により行った.

3.急性B型肝炎(AH-B)患者と慢性B型肝炎(CH-B)患者.

 AH-B群26例,CH-B群53例を対象に検討を行った.また,コントロールとして,健常人26人,急性A型肝炎患者7人,急性C型肝炎患者7人,慢性C型肝炎患者30人,HBsAg陽性,HBeAg陰性の慢性B型肝炎患者10人の血清について測定を行った.

【結果】1.HBcAg,WHcAg,WHeAg,DHcAgおよびcore領域内のアミノ酸を欠失させた3種類のmutant HBcAg対するヒトHBc抗体の認識.

 HBcAg,WHcAg,WHeAg,DHcAgおよびcore領域内のアミノ酸を欠失させた3種類のmutant HBcAgに対するヒトHBc抗体(AH-B群とCH-B群)の結合を比較したところ,ヒトHBc抗体は3種類のmutant HBcAgにも野生型HBcAgと同様に結合した.一方、ヒトHBc抗体はWHeAg,DHcAgにはまったく結合しなかったが,WHcAgには,CH-B群のHBc抗体は強く結合したのに対し,AH-B群のHBc抗体はほとんど結合しなかった.

 WHeAg,DHcAg以外の抗原(HBcAg,mutant HBcAg,WHcAg)に対しては,どの抗原に対してもCH-B群のHBc抗体は,AH-B群のHBc抗体より強く結合していたが,OD値での比率(CH-B/AH-B)をみるとWHcAgに対する抗体価の比率が最も大きかった.

2.モノクローナルHBc抗体,モノクローナルHBe抗体のHBcAg,HBeAg,WHcAgへの結合.

 一方,モノクローナル抗体の認識については,すべての種類のモノクローナルHBc抗体,モノクローナルHBe抗体は,WHcAgには結合しなかった.また,すべてのモノクローナルHBe抗体は,WHe抗原を認識するのに対し,ヒトHBc/e抗体はごくわずかにしかWHe抗原を認識しなかった.HBc/e領域のpeptide129-140を認識するモノクローナルHBc/e抗体のみが強くWHcAgに結合した.

3.急性B型肝炎(AH-B)患者と慢性B型肝炎(CH-B)患者血清中のIgM-HBc抗体,IgG-HBc抗体,WHc抗体,HBe抗体,HBV関連抗原の免疫複合体の比較.

 AH-B群とCH-B群とでHBV関連抗原に対する抗体や免疫複合体の産生を比較した.AH-B群とCH-B群とも肝炎のピークの時期に血清を採取した.

 HBe抗体の測定値は,AH-B群では8.5±5.6P/N,CH-B群では36.2±12.1P/Nであり,AH-B群の46%,CH-B群の13%が重なりあっていた.

 HBeAg/ICの測定値は,AH-B群では1.6±0.9P/N,CH-B群では9.0±3.9P/Nであり,AH-B群の19%,CH-B群の7%が重なりあっていた.

 HBsAg/ICの測定値は,AH-B群では2.4±1.1P/N,CH-B群では8.3±3.9P/Nで,AH-B群の92%,CH-B群の18%が重なりあっていた.

 HBc抗体(500倍希釈)の測定値は,AH-B群では89±14%,CH-B群では101±3%であり,両群がほとんど重なりあっていた.

 IgM-HBc抗体の測定値は,AH-B群では9.2±3.0Cl,CH-B群では1.1±0.9Clであり,両群が重なりあう1.6Clから6.3ClにAH-B群の20%,CH-B群の23%が含まれていた.また,CH-B群の39%がIgM-HBc抗体陽性であった.

 WHc抗体(IgG anti-HBcW抗体)の測定値は,AH-B群では2.7±1.6P/N,CH-B群では39.7±11.1P/Nであり,両群はまったく重なりあわなかった.

4.他のウイルス性肝疾患におけるIgG-HBcW抗体陽性の頻度.

 他の肝疾患におけるIgG anti-HBcWの測定を行ったところ,急性A型肝炎患者7人,急性C型肝炎患者7人,慢性C型肝炎患者30人は,すべて陰性であった.これに対し慢性B型肝炎患者では,HBeAgが陽性であろうと陰性であろうとすべての患者で陽性であった.

5.AH-BおよびCH-B肝炎患者におけるIgM-HBc抗体,IgG-HBc抗体,IgG-HBcW抗体の経時的な変化.

 14人のAH-B患者と21人のCH-B患者について,GPTのピークの前後4-5ヶ月の血清中のIgM-HBc抗体,IgG-HBc抗体,IgG-HBcW抗体の測定を行った.AH-B群では,IgM-HBc抗体は発病初期には高値を示すものの,以後低下(9.8P/Nから4.1P/N)し,逆にIgG-HBc抗体は当初は低値を示すものの,以後増加(9.0P/Nから27.5P/N)していた.これに対し,IgG-HBcW抗体は全経過中を通してきわめて低値であった.一方,CH-B群では,IgM-HBc抗体はGPTの推移とパラレルに増加(3.0P/Nから6.2P/N)していた.また,IgG-HBc抗体は32.3P/Nから39.0P/N,IgG-HBcw抗体も43.0P/Nから50.3P/Nと全経過中を通して高値であった.従って,採血時期に関係なくどのpointの血清からでも,IgG-HBcW抗体の測定は,明瞭にAH-B,CH-Bの鑑別が可能であることが確認された.

6.ヒトIgG-HBcW抗体,マウスWHc抗体,ラビットWHc抗体の性状について.

 CH-B患者の血清を種々の濃度のHBcAg,HBeAg,WHcAgとともに,一晩培養後のHBcAg,WHcAgに対する結合を比較した.WHcAgに対する結合は,WHcAg,HBcAgにより同定度に阻害され,高い濃度ではほぼ完全に吸収されたものの,HBeAgには全く阻害されなかった.一方,HBcAgに対する結合は,WHcAgによってのみ阻害され,WHcAg,HBeAgによっては全く阻害されなかった.従って,慢性B型肝炎患者のIgG-HBcW抗体はHBcAg上の一部分の抗原決定基がWHcAgと共通であり,ポリクローナルなヒトHBc抗体がcross-reactにより,WHcAgに結合したものと考えられた.

 次に,IgG-HBcW抗体が対応抗原の立体構造を認識するかどうかをみるためにWHcAgを種々の濃度のSDS(sodium dodecyl sulfate)と2ME(2-mercapto ethanol)の混合液により処理して,抗原の立体構造を変えた後に96wellプレートにcoatし,CH-B患者のIgG-HBcW抗体,マウスWHc抗体,ラビットWHc抗体の結合を比較した.ヒトIgG-HBcW抗体,マウスWHc抗体,ラビットWHc抗体のいずれも,0.1%以上のSDS+2ME処理により,大きく結合は低下した.

 最後にヒトIgG-HBcW抗体と,マウスWHc抗体,ラビットWHc抗体との競合試験を行った.ヒトIgG-HBcW抗体のWHcAgへの結合は,ラビットWHc抗体,マウスWHc抗体で完全に抑制された.逆に,ラビットWHc抗体,マウスWHc抗体のWHcAgへの結合は,ヒトIgG-HBcW抗体により約35-40%抑制された.

【考察】

 私は,これまでの検討において,HBVキャリアーでは血清中にHBsAg,HBeAgが存在するため,従来の測定法(inhibition assay)では,陽性として検出されなかった時期にも既にHBs抗体,HBe抗体が産生されていることを見いだし),今回は.AH-B群とCH-B群とで,前述のウイルス関連抗体やimmune complexesの産生の比較を行った.従来よりAH-B群がCH-B群よりHBV関連抗原に対するリンパ球の免疫応答(幼若化反応)が亢進していることが報告されてきた.今回の私の検討では,AH-B群では,IgM-HBc抗体のみ高値であり,一方,CH-B群では,IgG-HBc抗体,HBsAg/IC,HBeAg/IC,HBe抗体,WHc抗体(IgG anti-HBcW)において高値であった.従来より,IgM-HBc抗体,HBc抗体(200倍希釈)の測定がAH-B,CH-Bの2疾患の鑑別診断法として用いられてきた.しかし,今回の検討ではIgM-HBc抗体がこの2群間の境界値を示す症例はAH-B群23%,CH-B群20%存在し,同様に,HBc抗体(200倍希釈のみならず500倍希釈も同様であった)の測定値は,大多数が境界値に含まれることより,この両者の検査法を行っても,この2群間の鑑別診断法としては不適当であることが改めて確認された.これに対し,WHc抗体(IgG anti-HBcW)の測定により明瞭にAH-B,CH-Bの鑑別診断を行うことが可能であった.

 同時にAH-B群では,採血時期によって,IgM-HBc抗体とHBc抗体(500倍希釈)の抗体価が大きく変動していたが,一方,WHc抗体(IgG anti-HBcW)の測定では,採血時期にかかわりなく,どのポイントの血清からの測定においても,明瞭にAH-B,CH-Bの鑑別が可能であり,今後も,広く利用される可能性があると考えられる.

 本邦では,HBVキャリアーの人々は献血時や検診等の採血時に本人にHBVキャリアーであることの告知を行っていることが多いため,仮に肝障害がみられた際にも,AH-B,CH-Bの鑑別に迷うことは滅多に遭遇しない.しかし,HBVキャリアーの比率が高いにもかかわらず,HBsAgの有無をほとんど測定していないアジアの諸国(中国,台湾,タイなど)では,B型肝炎による肝障害の際の,AH-B,CH-Bの鑑別診断法として,今回発見されたWHc抗体(IgG anti-HBcW)の測定が有用となると思われる.

 WHc抗体(IgG anti-HBcW)の免疫学的な性状についての検討では,CH-B群のヒトIgG-HBcW抗体の認識するエピトープは,HBcAg上の一部分の抗原決定基であり,しかも,すべての種類のモノクローナルHBc抗体が認識していない新しいエピトープであった.

 CH-B群では,HBc/e領域に多彩な変異を伴うHBV-DNAにより構成されていることが報告されており,このため,より多くのエピトープを認識するポリクローナルなHBc抗体がcross-reactにより,WHcAgに結合したものと考えられた.一方,AH-B群では,HBc/e領域には変異は少なく,また,早期にウイルスが排除され抗原刺激の期間も短期間であるため,モノクローナルに近いHBc抗体が産生され,WHcAg上のエピトープを認識できないのかもしれない.

 急性B型肝炎(AH-B)患者と慢性B型肝炎(CH-B)患者血清中でのHBV関連抗原に対する抗体(IgM-HBc抗体,IgG-HBc抗体,WHc抗体,HBe抗体)や,HBV関連抗原の免疫複合体(HBsAg/IC,HBeAg/IC)の量を比較したところ,IgM-HBc抗体を除いて他はすべて,CH-B群に有意に多く存在していた.T細胞の幼弱化テストや,CTLの誘導の面では,AH-B群の方がCH-B群より亢進していることが報告されており,抗体産生の面では,CH-B群の方がAH-B群より亢進していることが今回確認された.

 次に,WHc抗体がWHcAgの立体構造を認識するかどうかをみるためにWHcAgを種々の濃度のSDS(sodium dodecyl sulfate)と2ME(2-mercapto ethanol)の混合液により処理して,抗原の立体構造を変えた後に96wellプレートにcoatし,CH-B患者のIgG-HBcW抗体,マウスWHc抗体,ラビットWHc抗体の結合を比較した.ヒトIgG-HBcW抗体,マウスWHc抗体,ラビットWHc抗体のいずれも,0.1%以上のSDS+2ME処理により,大きく結合は低下したことより,この抗体は,WHcAgのペプタイド構造ではなく,立体構造を認識することが確認できた.最後にヒトIgG-HBcW抗体と,マウスWHc抗体,ラビットWHc抗体との競合試験を行った.また,ヒトIgG-HBcW抗体のWHcAgへの結合は,ラビットWHc抗体,マウスWHc抗体で完全に抑制された.逆に,ラビットWHc抗体,マウスWHc抗体のWHcAgへの結合は,ヒトIgG-HBcW抗体により約35-40%抑制された.従ってWHcAg表面の抗原エピトープは,動物種により,多少,異なるものと考えられた.

 以上,AH-B群とCH-B群の鑑別診断法としてWHc抗体(IgG anti-HBcW)の測定が最も有用であることを発見し,あわせてこのWHc抗体の免疫学的性状についても解明した.今後は,HBVキャリアーの比率が高いにもかかわらず,HBsAgの有無がほとんど測定されていないアジアの諸国(中国,台湾,タイなど)において,B型肝炎による肝障害の際の,AH-B,CH-Bの鑑別診断法として,今回発見されたWHc抗体(IgG anti-HBcW)の測定が有用となると思われる.

審査要旨

 本研究は,急性B型肝炎(AH-B)と慢性B型肝炎(CH-B)における急性増悪の際の肝細胞障害時の免疫応答(ウイルス関連抗体,免疫複合体の産生量)を比較したもので,新たに発見されたWHc抗体(IgG anti-HBcW)の測定がこの2群(AH-BとCH-B)の鑑別に有用であることを示したものである.今回の研究をまとめると以下のとうりである.

 1.従来より行われてきた定量的なIgM-HBc抗体の測定値が,AH-BとCH-Bとの2群間の境界値を示す症例はAH-B群に23%,CH-B群に20%存在し,同様に,HBc抗体(200倍希釈)の測定値では,大多数が境界値に含まれることより,この両者の検査法を行っても,この2群間の鑑別診断法としては不適当であることが改めて確認された.一方,WHc抗体(IgG anti-HBcW抗体)の測定値は,AH-B群では2.7±1.6P/N,CH-B群では39.7±11.1P/Nであり,両群はまったく重なりあわなかった.また,WHc抗体の測定値は,採血時期にかかわりなく,どのポイントの血清からの測定においても,明瞭にAH-B,CH-Bの2群の鑑別が可能であった.

 2.HBVに関連した種々の抗原(HBcAg,WHcAg,WHeAg,DHcAgおよびcore領域内のアミノ酸を欠失させたmutant HBcAg)を利用し,それらの抗原に対する抗体値が2疾患(AH-BとCH-B)の鑑別に有用であるかどうか検討したところ,WHc抗体の測定が最も有用であった.

 3.ヒトWHc抗体の免疫学的な性状を検討したところ,WHc抗体の認識するエピトープは,HBcAg上の一部分の抗原決定基であり,ポリクローナルなHBc抗体がcross-reactにより,WHcAgに結合したものと考えられた.

 4.ヒトWHc抗体はWHcAgの立体構造を認識するものであり,WHcAg内の構成ペプタイドは,ほとんど認識しなかった.また,WHcAg表面の抗原エピトープは,動物種(ヒト,マウス,ラビット)により,多少,異なっていた.

 以上,本論文は,多くのHBV関連抗原(HBcAg,WHcAg,WHeAg,DHcAgおよびmutant HBcAg)の中から,WHc抗体の測定がAH-B,CH-Bの2群の鑑別診断に最も有用であることを示しており,今後,HBVキャリアーの比率が高いにもかかわらず,HBsAgの有無がほとんど測定されていないアジアの諸国(中国,台湾,タイなど)において,B型肝炎ウイルスによる肝障害の際の,AH-B,CH-Bの鑑別診断法として,今回発見されたWHc抗体(IgG anti-HBcW)の測定が広く利用されるものと想像され,臨床的に多大な貢献をなすと考えられ,学位の授与に値するもの考えられる.

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