学位論文要旨



No 215070
著者(漢字) 水野,一乘
著者(英字)
著者(カナ) ミズノ,カズノリ
標題(和) 線維性コラーゲンの分子間相互作用
標題(洋) Interactions of Fibrillar Collagen Molecules
報告番号 215070
報告番号 乙15070
学位授与日 2001.05.24
学位種別 論文博士
学位種類 博士(学術)
学位記番号 第15070号
研究科
専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 林,利彦
 東京大学 教授 石井,直方
 東京大学 助教授 菊地,一雄
 東京大学 助教授 八田,秀雄
 北里大学 教授 安達,栄治郎
内容要旨 要旨を表示する

 コラーゲン3本鎖らせん構造は,配向したコラーゲン線維のX線回折パターンで見られる0.29nmのピッチを説明し,らせん軸にほぼ直交する水素結合を説明できるような分子模型の作成,および(Pro-Hyp-Gly)10などのペプチドの結晶のX線解析から,その基本構造は,ポリプロリンII型様の二次構造をとったポリペプチド鎖(α鎖)が3本会合しだ構造であると推測されている(Hypは4-ヒドロキシプロリン)。アミノ酸一次構造に3残基ごとにグリシン残基が存在するが,それ以外はコラーゲンらせん構造の熱安定性にプロリン,ヒドロキシプロリンは重要であるが,半数以上は(ヒドロキシ)プロリン以外の側鎖が占めている。コラーゲン3本鎖らせん構造を形成することにより,グリシン以外のすべての残基は分子の表面に露出する。分子のコラーゲンらせん領域では,正の荷電をしたアミノ酸残基が負に荷電したアミノ酸残基より多い。また,疎水性のアミノ酸の全アミノ酸に対する割合は低いものの,すべての疎水性の側鎖が分子の表面に露出して存在する。このようなコラーゲンタンパク質としての特徴の研究対象になったものは,脊椎動物のI型コラーゲンと呼ばれるタンパク質である。I型コラーゲン分子はグリシンが3残基ごとにあらわれる一次配列が約1000残基以上途切れなく続く。このようなコラーゲン分子には,II型,III型,V型,XI型があり,線維性コラーゲンファミリーを構成している。線維性コラーゲンは,組織における局在や存在量が,型によって異なる。分子を構成するα鎖のアミノ酸配列の違いが,どのようなコラーゲンタンパク質としての性状に違いを生じるのか,また多様な線維性コラーゲンの存在する生物学的意味は何かについて,コラーゲンらせん部位に着目して比較した研究は少ない。本研究では,線維性コラーゲンに関して,そのコラーゲンらせん領域が有する性状を硫酸化グリコサミノグリカンであるヘパリンとの相互作用,および自己会合能に着目して解析した。以下に,概要を示す。

 ヘパリンとコラーゲンの相互作用をへパリンカラムクロマトグラフィーにて解析した。I型とヘパリンとの相互作用は,コラーゲン3本鎖らせん構造が保たれているにもかかわらず,溶媒に含まれる尿素濃度に依存して低下した。尿素を含まない溶媒ではほとんどが結合するのに対し,4M尿素を含む溶媒で20℃においては,3本鎖らせん構造を保っているにもかかわらず,ほとんど結合しなかった。I型とヘパリンとの親和性に関しての先行研究では,結合するとする報告と結合しないという報告があったが,これらの報告で用いた条件を比較したところ,結合するとした報告では尿素を添加せず,一方,結合しないと結論した報告では尿素を添加していた。本研究から明らかになったように,尿素濃度に依存してI型コラーゲンとヘパリンとの相互作用が低下することから,先行研究における矛盾が説明できるようになった。熱変性により,3本鎖をばらばらにしたI型コラーゲン由来のα鎖のヘパリン親和性は著しく低い。3本鎖らせん構造をとっているI型コラーゲン分子がヘパリン結合と結合する際には,複数のα鎖由来の正電荷を有する残基がヘパリン中の硫酸基と結合できるようになると考えられる。一方,尿素は非イオン性物質であり,直接正の荷電とヘパリンの硫酸とのイオン的な相互作用を弱めることは考えにくい。それではどのように説明できるであろうか。通常,尿素はある濃度以上で急激にタンパク質のコンフォメーションに影響を与えるが,2M程度の低濃度では3本鎖らせん構造中のペプチド結合全体のコンフォメーションに,ほとんど影響を与えないと考えられている。実際に,4Mまでの濃度ではI型の円偏光二色性スペクトルに変化はなかった。そのようなことから,各鎖は全体としてポリプロリンII型様のらせん構造をとっているものの,3本鎖らせん構造表面上の2カ所以上の正電荷の相対的関係が変化し,ヘパリンの硫酸に適合できない立体構造をとってしまうからであると想定される。尿素分子が,ポリペプチド鎖に直接,あるいはコラーゲンらせん近傍に存在する水分子を介して,分子内α鎖間の水素結合,ペプチド結合の平面性,プロリンのピロリジン環の立体配座に直接および間接的に作用し,3本鎖らせん構造表面にあらわれる複数の正電荷の立体化学的な相対的な位置関係が変化していると推測された。

 V型コラーゲンには鎖組成の異なる分子種,[α1(V)]2α2(V)およびα1(V)α2(V)α3(V),が存在する。これらの分子種にヘパリン結合能の差があることを見出し,ヘパリンカラムクロマトグラフィーによって再現性よく分離できることを明らかにした。単独のα鎖の中では最もヘパリン親和性の高いα1(V)鎖を2本持つ分子の結合能が高かったのは,単にα1(V)鎖が2本あるためにヘパリンとの結合する機会が2倍多いということでは説明できない。α1(V)α2(V)α3(V)は,α1(V)鎖単独よりもヘパリン結合能が低い。これはコラーゲンらせん構造をとることにより,コンフォメーションが制限されていることを示唆する。一方,[α1(V)]2α2(V)分子はα1(V)鎖単独より結合能が大である。コラーゲンポリペプチド鎖が3本鎖らせん構造をとったとき,異なるポリペプチド鎖に由来する正電荷がらせん表面に一定の間隔で方位角の狭い範囲に存在することにより,ヘパリン中の離れた硫酸基と2カ所以上で結合することが可能になるためと解釈できる。

 これまで,ヘパリンとタンパク質との相互作用は,他の球状タンパク質と同様に一本のポリペプチド鎖に由来する塩基性側鎖によって説明されてきた。しかし,コラーゲンらせん構造は,異なる3本の鎖によって形成されている。そして,一次構造上の位置が同じ残基は,方位角が大きく異なっている。3本鎖構造形成によりコラーゲンとヘパリンとの相互作用が増すことは,異なるα鎖に存在する塩基性アミノ酸側鎖が,3本鎖に会合することによって,ヘパリンとの結合部位を形成することを考えざるをえない。結合部位は両分子の長軸方向に沿ったものであると考えられた。コラーゲンおよびヘパリン(pdb:1HPN mode11等)の分子モデルを検討したところ,結合部位は両分子の長軸方向に沿ったものであると考えられた。複数のα鎖に由来するアルギニンのグアニジノ基あるいはリジンのアミノ基が,狭い方位角方向に集中して露出する部位が形成されうる。これらの正電荷からなる部位が3本鎖らせんの表面に適切な間隔で分布していることが,ヘパリンに存在する複数の硫酸基との相互作用を可能にし,ヘパリン結合能が増す原因であると推測された。

 コラーゲンらせん領域がラテラルな相互作用をすること,さらに紐状のらせんが一定の間隔でずれて会合するために,線維状の会合体を形成する。コラーゲン分子間のラテラルな相互作用はコラーゲン3本鎖らせん表面上に側鎖がどのように配置しているかに依存すると想定される。生理的条件下で,I型コラーゲンは線維を再構成し,約65nm周期(D周期)の縞模様が電子顕微鏡で観察される。これは,多数の分子が規則的な分子間相互作用によって会合した結果であると考えられる。一方,V型については,コラーゲンらせん領域を生理的条件で再会合させると,縞模様を有する線維が観察される報告(Adachi and Hayashi, Coll. Rel. Res., 5, 225-232, 1985)があるが,その詳細は明らかになっていない。分子種によるらせん領域のアミノ酸配列や翻訳後修飾の違いは,分子間相互作用の違いを生じうる。それによって,再構成される会合体の形状にも何らかの違いをもたらすことが期待された。そこで,V型分子種,[α1(V)]2α2(V)の3本鎖らせん領域から,条件をふって再会合体を形成させて,電顕観察した。その結果,D周期の縞模様をもつ線維を再構成しうる条件(塩濃度,時間,タンパク質濃度)では,再構成された線維は枝分かれが少なく,太さが40nm程度となった。一方,I型では,平均の径も大きく,枝分かれや融合の多い,太さのバラツキの多い線維が再構成された。この結果は,V型の3本鎖らせん領域に存在する側鎖の立体的配置に,再構成線維が一定の太さ以上にならないように制限される情報が含まれていることを示している。I型分子とV型分子は,どちらも主3本鎖らせん領域に規則的なアミノ酸配列の繰り返しに乱れはない。I型と比較して,V型のアミノ酸組成の主な特徴は,比較的大きい疎水性の側鎖が多いこと,および,リジン残基に糖が付加したα-D-グルコシル-(1→2)-β-D-ガラクトシルヒドロキシリジン残基が多く存在することの2点である。同じく線維性コラーゲンであるII型の糖付加ヒドロキシリジン含量は,I型とV型の中間の値であるが,II型の再構成線維の平均径は,I型とV型の中間となった。糖付加ヒドロキシリジンのサイズは,他の側鎖と比して著しく大きい。このことから,らせん領域が会合体をつくる際に,分子のパッキングに伴い,徐々に歪みを生じ,ラテラルに会合した分子数が一定の閾値を超えると分子が会合体上に安定に結合できなくなるために,線維径が一定以上にならないと解釈した。コラーゲンらせん領域に存在する翻訳後修飾である糖付加ヒドロキシリジンに関しては,生理的機能が明らかになっていない。らせん領域間の相互作用の制御をその一つとすることを提案したい。

 コラーゲン3本鎖らせん構造と他分子(別のコラーゲン分子も含む)との分子間相互作用は,コラーゲンらせん構造,さらにその揺らぎにより,異なるポリペプチド鎖由来の側鎖が特徴的な立体配置をするという考えによって解釈できる。コラーゲンの他分子との結合部位は,複数の残基に由来するならば,コラーゲンらせんの分子構造から,必然的にらせん軸方向に分布していると考えられる。コラーゲンもヘパリンも紐状の形状をした分子である。したがってコラーゲンの結合部位は,ある方位角の範囲でらせん軸方向に沿って形成されると考えるのが妥当であろう。コラーゲンらせん軸においては,3本の異なるα鎖に由来する一次配列上の異なる位置の側鎖が順番に方位角が揃う。尿素は,変性剤として作用する濃度より低濃度で,線維性コラーゲンのヘパリンとの相互作用だけでなく,コラーゲン分子間のラテラルな相互作用をも抑制する。この作用についての解釈の一つは,比較的離れた荷電側鎖の相対的な位置が紐状分子の相互作用に効いているという考えである。温度や尿素によって3本鎖らせんの角度,ピッチが変化し,荷電基の相対的関係(特に方位角)がずれる。これにより,ラテラルな相互作用が影響をうけると想定される。

 本研究の結果は,3本鎖らせん構造を有するコラーゲンタンパク質の性質(分子間相互作用)においては,プロリンの4位水酸化などによるコンフォメーションの安定性,リジンの水酸化や糖の付加など翻訳後修飾反応による分子表面の凹凸を含めた化学構造,ポリペプチド鎖の組み合わせ(鎖組成),比較的離れた側鎖の相対的関係に影響する因子(尿素など)の存在など,タンパク質の一次構造の情報(ゲノム)だけでは制御され得ない高次の生物学的機能が付与されていることを示唆している。このことは,コラーゲンタンパク質の生物学的機能を考える上で,新しい観点である。

審査要旨 要旨を表示する

 コラーゲンタンパク質は3本のポリベプチド鎖からなる3本鎖らせん構造を分子内に持つ。コラーゲン3本鎖らせん構造をとるためにはアミノ酸一次構造上、3残基ごとにグリシン残基の存在が必須である。コラーゲン3本鎖らせん構造を形成することにより、グリシン以外のすべての残基は分子の表面に露出している。このため、球状タンパク質とは大きく異なるユニークな性状を有する。コラーゲンタンパク質中、疎水性アミノ酸の全アミノ酸に対する割合は低いものの、すべての疎水性の側鎖が分子の表面に露出して存在するので、分子状のコラーゲンタンパク質は疎水性の表面を有する。低温ではコラーゲンタンパク質は比較的溶解度が高く、中性溶液中で、20℃以上など比較的高い温度においてはで溶解度が低く会合しやすい。3本鎖らせん構造を失ったコラーゲンポリペプチド鎖は水に対する溶解度は高く、低温ではゲル状になる。本論文は単離したコラーゲンタンパク質を用いて分子間の相互作用を検討することにより、コラーゲン3本鎖らせん構造の有する特徴的な性状をその化学構造から理解することを追求した成果をまとめたものである。

 I型コラーゲンコラーゲンではグリシンが3残基毎に存在する一次配列が約1000残基以上途切れなく続いている。これはII型、III型、V型、XI型コラーゲンにも当てはまる。これらのタンパク質を線維性コラーゲンファミリーと呼ぶ。これらの線維性コラーゲンは、型によって、組織における局在や存在量が異なる。コラーゲン分子を構成するポリペプチド鎖のアミノ酸配列の違いが、どのようなコラーゲンタンパク質としての性状に差別化を生じるのであろうかという問題提起を基に本学位論文の研究は展開された。以下に本論文で得られた成果を要約する。

 一般的にタンパク質のヘパリンとの結合は、溶媒のNaCl濃度によって低下することから、イオン的相互作用によると考えられる。この意味ではコラーゲンタンパク質も例外ではない。 しかし、I型コラーゲンのヘパリンへの結合をヘパリンセファロースクロマトグラフィーにより検討したところ、生理的イオン強度のリン酸緩衝液中では、すべてのタンパク質が吸着するのに対し、溶媒に4M尿素を添加すると、コラーゲン3本鎖らせん構造を保っているにもかかわらず、ほとんど結合しなくなった。4M以下の濃度では、コラーゲンの結合量は尿素濃度に依存して低下した。尿素の存在により,3本鎖らせん構造を保っているにもかかわらず,ヘパリンとの結合に関与する複数のポリペプチド鎖に由来する側鎖の立体配座が変化した分子が存在することが示唆された。クロマトグラフィーを行う時間程度では構造変化が行き来しないということから、異なる立体配座の行き来に長い時間を要する(ヒドロキシ)プロリンのコンホメーション(シスートランス)が一つの候補と思われる。

 線維性コラーゲンのヘパリンとの相互作用は、単独のα鎖と3本鎖らせん構造をとったものとでは異なる。V型コラーゲンの分子亜種α1(V)α2(V)α3(V)はα1(V)鎖単独よりヘパリン結合能が低い。これは単独の変性ポリペプチド鎖では種々のコンホメーションが取れるのに対し、コラーゲンらせん構造中ではコンホメーションが制限され、硫酸基と結合するような立体構造がとりにくくなったためと考えられる。一方、[α1(V)]2α2(V)分子あるいは[α1(I)2α2(I)分子はα1(V)鎖単独あるいはα1(I)鎖単独より結合能が大である。すなわち、同一のポリペプチド鎖2本からなるコラーゲン3本鎖らせんでは、変性した単鎖のコラーゲンポリペプチド鎖に比べ、ヘパリン親和性が大となる。3本鎖に会合することによって、新たなヘパリン結合能が生まれることを分子モデルを用いて検討した。その結果、異なるα鎖に存在する塩基性アミノ酸側鎖がヘパリン中の硫酸と相互作用する部位が両分子の長軸方向に沿って複数以上分布しているという全く新たな観点を導入することでデータの解釈が可能となった。このように3本鎖らせん構造をもつことにより、ヘパリン結合能が増す機構についての仮説が得られた。

 I型コラーゲンは、生理的条件下で線維を再構成し、約65nm周期(D周期)の縞模様が電子顕微鏡で観察される。これはI型コラーゲンらせん領域が縦軸方向に一定の間隔でずれて、ラテラルに相互作用する結果であるという機構が提唱されている。このような規則的な、コラーゲン分子間のラテラルな相互作用はコラーゲン3本鎖らせん表面上に側鎖がどのように配置しているかに強く依存すると想定される。V型コラーゲン分子種[α1(V)]2α2(V)の3本鎖らせん領域を用い、塩濃度、インキュベーション時間、タンパク質濃度の変化などの異なる条件下でD周期を有する線維が観察された。これらのV型コラーゲン再構成線維は異なる条件下でも電顕的には殆ど区別がつかないが、I型コラーゲン再構成線維とは異なる特徴を示した。すなわち、線維の枝分かれが殆どない、線維の太さが40nm程度の会合体が得られた。I型コラーゲンから再構成した線維では、枝分かれや融合の多く、太さが平均で80nmと大きいだけでなく、バラツキが大きかった。3本鎖らせん領域に存在する側鎖の化学構造が異なることが会合体線維構造の違いと関係している可能性を考察した。V型コラーゲンのアミノ酸側鎖には比較的の嵩の大きい疎水性側鎖が多いこと、および、I型コラーゲンには殆どない、リジン残基に糖が付加したヒドロキシリジン残基が数十個存在する。糖付加ヒドロキシリジンのサイズは他のアミノ酸側鎖と比して著しく大きく、その存在は棒状のコラーゲンらせん表面に凹凸をつくる。V型コラーゲンからの再構成線維の径が小さいことが棒状の表面に凹凸のあるため、ラテラルなパッキングに制限が生じるためと考察した。コラーゲン分子の化学構造と線維会合体の関係、さらには、コラーゲン分子の他の成分との相互作用を考える上で、表面の形状を考慮するという新しい視点を導入した。V型コラーゲン分子種α1(V)α2(V)α3(V)もD周期を持つ縞模様を再構成する能力があるが、温度が高い条件で周期性を持たない線維に変換されることが分かった。D周期線維構造を安定にする力がヘパリンへ結合能と関係あると考えることもできる。

 本研究の結果は、3本鎖らせん構造を有するコラーゲンタンパク質の性質(分子間相互作用)においては、プロリンの4位水酸化などによるコンホメーションの安定性、リジンの水酸化や糖の付加など翻訳後修飾反応による分子表面の凹凸を含めた化学構造、ポリペプチド鎖の組み合わせ(鎖組成)、比較的離れた側鎖の相対的関係に影響する因子(尿素など)の存在など、タンパク質の一次構造の情報(ゲノム)だけでは制御され得ない化学構造がコラーゲンタンパク質分子の特徴あるいは新たな機能を付与することを示している。本論文はコラーゲン3本鎖らせん構造と機能について、新規の観点からの独創的な研究成果である。以上の論文の内容の一部は申請者がファーストオーサーの論文として公表されているが、いずれも申請者の貢献度が最も高い。これらの内容について審査委員会で評価した結果、審査委員全員一致して、申請者論文は博士(学術)の学位にふさわしいと結論した。

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