No | 215907 | |
著者(漢字) | 本西,泰三 | |
著者(英字) | ||
著者(カナ) | モトニシ,タイゾウ | |
標題(和) | 不完全な金融市場のマクロ的側面 | |
標題(洋) | Macroeconomic Aspects of Imperfect Financial Markets | |
報告番号 | 215907 | |
報告番号 | 乙15907 | |
学位授与日 | 2004.02.18 | |
学位種別 | 論文博士 | |
学位種類 | 博士(経済学) | |
学位記番号 | 第15907号 | |
研究科 | ||
専攻 | ||
論文審査委員 | ||
内容要旨 | 本稿では,不完全な金融市場が,マクロ経済において果たす役割について考察する.不完全な金融市場とは,取引費用や情報の非対称性の存在によって,資源の最適な配分が妨げられている状況を指している.ここから生ずるマクロ経済への影響について,景気変動,経済成長と所得分配,金融政策,為替レートの観点から分析を行う. 第2章と第3章では,金融市場の不完全性によってGDP水準が影響を受ける状況について考察する.需給ギャップが存在する短期では,GDP水準は経済の需要側の要因によって決定されるが,第2章では需要の一項目の投資に着目する.負の金融要因により借り入れ制約が強くなると,これが投資を押さえ込み,需給ギャップの拡大につながる可能性がある. 1997年は日本にとって,マクロ経済の金融面が急速に悪化した点で特別な年であった.第2章の目的は,金融要因の変化によって1990年代の日本のGDP水準が受けた影響の大きさを明らかにすることである.金融市場の不完全性がマクロ経済に与える影響については,すでに多くの理論・実証分析が存在する.理論的研究のいくつか(例えばBernanke and Gertler (1989))は,金融要因がマクロ経済に負の影響を与える際の加速度的側面に着目し,金融要因が長期不況をもたらす可能性があることを示している.実際に,1990年代の日本の長期不況は,金融制約によって説明できるとする意見も存在する. しかしこうした意見は,金融制約がマクロ経済に与える影響の大きさに関する定量分析に基づいているわけではないという点で,十分な根拠がないことに注意しなければならない.既存の実証分析では,金融基盤が脆弱な経済主体について,金融制約の存在を確認することに重点が置かれており,金融制約がマクロ経済に与える影響の大きさについては十分な分析が行われてこなかった. 第2章の実証分析によると,1990年から1998年の前半までの期間において,金融制約がマクロ経済に大きな影響を与えたのは1997年の後半から1998年の前半だけである.この時期日本のGDP水準は,金融制約によって約1.6%押し下げられた.そのほかの時期については,金融制約は存在しなかったか,存在したとしてもそれほど大きなものではなかった.またすべての期間を通じて,金融要因よりも実物要因の方が,GDP水準に与える影響は大きかった. 第3章では,階層化された世界経済における,所得分配と経済成長の問題を扱う.資本に外部性のある非常にシンプルな最適成長モデルを用いて,国際金融市場の発展がもたらす影響について分析する.途上国は先進国からの借り入れを容易に行えない状況にあるが,理論的には途上国は,小さな投資を実行すれば,高い限界生産力を利用して着実に資産を増やすことができる.このため,資産の分布は次第に各国の限界生産力を均等化する方向へ変化していく.同時に,金融制約があるために生じる資産投入の非効率性は徐々に解消される. 金融制約が解消した場合,資産投入は直ちに効率的に行われるようになるため,世界経済の成長率が高まる.所得分配は途上国の借り入れにより当初急速に収束するが,その後は変化しなくなる.これは資産収益率が均等化することにより,各国が保有する資産が同じ早さで成長するようになるためである.途上国は借り入れに伴う投資機会の有効利用と,正の外部効果から利益を得る反面,先進国に追いつけなくなるというジレンマを抱え込むことになる. 第3章の分析で鍵になるのは,世界経済が階層化されているという仮定である.すなわち,資産の正の外部効果は,先進国グループと途上国グループの中では強く,間では弱い.国際金融市場が不完全な状況の下で,この階層化の程度が強いと,経済成長率ははじめのうちは比較的高い.しかし資産投入の効率性がなかなか解消されないため,世界経済の成長率はなかなか上昇しない. 金融制約が解消した場合の階層化された世界経済への影響は,階層化されていない場合に比べてより緩やかなものになる.また,先進国の政策担当者は,資本流出に伴う損失と,資本の有効利用に伴う利益から生じるトレードオフに直面する.資本が途上国で高い収益率を上げる一方,自国では「産業空洞化」が発生するからである.第3章の分析は,この費用が便益に比べて大きくなりがちなのは,世界経済の階層化の程度が中間的な水準にある場合であることを明らかにしている. 第4章では,金融政策を金融市場の流動性を操作するという側面から考察し,またそれに伴う動学的非整合性の問題を扱う.Holmstrom and Tirole (1998)(以下H-T)は流動性の観点から,政府証券と民間証券の違いを明らかにしている.彼らは違いの原因を,政府が独占的に保有する徴税権に求めた.政府証券は,課税可能なすべての資産を裏付けにすることができるため,民間証券に比べて負のマクロショックに強く,流動性が高い. H-Tモデルに基づくと,政府が最適な流動性供給を行うことは非常に簡単である.すなわち,民間部門が必要とする上で十分な証券を発行してやれば,厚生水準が高まる.しかしこのモデルは,しばしば指摘される流動性供給に伴うモラルハザードの問題を十分に説明することができない.中央銀行貸し付けや預金保険に伴うモラルハザードの問題について考察した他の文献は存在するものの,流動性供給に伴うモラルハザードは,十分分析されてきたとはいえない. 過剰な流動性供給の副作用として通常想定されるのはインフレーションの発生である.この観点から,金融政策当局と民間の経済主体の間に生ずる動学的非整合性の問題を分析した一連の研究が存在する.第4章の分析は,同様の戦略的関係が,H-Tモデルに類似したベーシックな枠組みの下で発生しうることを示す. 政府証券は,負のマクロショックの下でもその価値を失わない.このため政府証券は,負のマクロショックの下での支払いに対する制約を取り除く機能がある.貸し手が借り手に対して(暗黙に)約束する,負のマクロショックの下での支払いは,質の悪い借り手の投機的行動を抑制する働きがある.このため,政府の流動性供給は,投資機会の選別に資する面がある. しかし同時に借り手には,将来負のマクロショックの下で救済されることを予想して,自らが保有する投資機会の質を高める努力を怠る誘因が発生してしまう.第4章の分析は,こうした流動性供給に伴う正と負の側面から,政府の流動性供給における動学的非整合性の問題が発生することを明らかにしている. 第5章では,不完全な国際金融市場の下での,均衡為替レート決定の問題を扱う.先進国間の金融取引は,先進国と途上国間の取引に比べると遙かに活発である.しかし5章の実証分析によると,先進国間の国際金融市場でさえ完全ではない.すなわち為替レートは,資産収益率の内生的な変化の影響を受けている. 第5章では,長期的な為替レートの分析に用いられる,バラッサ=サミュエルソン(BS)モデルの枠組みを用いて,国際金融市場が不完全であるという仮定の下で必要となる修正を,理論的に明らかにする.これまで用いられてきた2生産要素BSモデルでは,完全な国際資本移動と小国の仮定の下で,資本収益率は外生変数として扱われてきた.この場合,経済全体の技術進歩が賃金の上昇を通じて,労働集約財の相対価格を上昇させる.非貿易財が労働集約的である場合には,実質為替レートを増価させることにつながる. しかし先に紹介した短期分析の結果からもわかるように,完全な国際資本移動の仮定は必ずしも十分な根拠があるわけではない.また賃金が伸縮的であるという仮定にも問題がある.国際金融市場が不完全であるために,資本収益率が内生的に決定され,賃金が硬直的である場合,経済全体の技術進歩は賃金ではなく資本収益率の上昇につながる.これは実質為替レートを減価させることにつながる.すなわち,経済全体の技術進歩が実質為替レートに与える影響の方向は,これまでの実証分析で想定されている方向と逆になる. 第5章の分析はまた,不完全な国際金融市場と伸縮的な賃金の仮定の下では,経済全体の技術進歩が実質為替レートに与える影響は消滅することを示している.一方新たに,経済の要素賦存量が実質為替レートに影響するという効果が加わる.経済成長に伴って資本が蓄積されると,資本収益率が低下し,資本集約財の相対価格が低下するのである.そして貿易財が資本集約財である場合には,実質為替レートの増価が発生する.第5章の分析はこのクラビス=リプシー=バグワティ(KLB)効果を,非常にシンプルな方法でBSモデルと統合することに成功している. 1970年から90年にかけてのOECD加盟国のデータを用いて実証分析を行った.年次データを用いた分析では,経済全体の技術進歩が与える影響の方向は,これまでの実証分析で用いられてきたBSモデルとは逆であることがわかった.また,KLB効果も有意であった.サンプル期間の平均値を用いた分析は,サンプル数が少ないため断定はできないものの,経済全体の技術進歩が与える影響は観察されない一方,KLB効果は有意であることを示唆している.すなわち,第5章で開発した修正BSモデルは,既存のモデルに比べてあてはまりが良いことが明らかになった. | |
審査要旨 | 論文の内容: 本論文は、不完全な金融市場が、マクロ経済において果たしている役割について考察したものである。「不完全な金融市場」とは、取引費用や情報の非対称性の存在によって、資源の最適な配分が妨げられている状況を指す。それがマクロ経済へ与える影響について、本論文では景気循環、経済成長と国際的所得分配、金融政策、為替レートの観点から分析を行っている。第1章は従来の研究のサーベイと要約である。 第2章では、金融市場の不完全性がマクロ経済、とりわけ景気循環のプロセスでGDPの水準に与える影響について考察している。ここでは需要の一項目として景気循環のプロセスで大きな役割を果たす投資に着目する。借り入れ制約が強くなると、それが投資を押さえ込み不況を深刻化させる可能性がある。実際1997年から98年にかけては日本経済において、金融危機(クレジット・クランチ)が起きたというのが、経済学者・エコノミストのコンセンサスである。しかしクレジット・クランチの影響がどれほどのものだったのか定量的な分析はほとんどなされてこなかった。第2章では、金融要因の変化によって1990年代の日本のGDPの水準が受けたマイナスの影響の大きさを明らかにしている。金融市場の不完全性がマクロ経済に与える影響については、すでに多くの理論・実証分析が存在する。Bernanke and Gertlerなどによる先行研究は、金融要因がマクロ経済に負の影響を与える際の加速度的側面に着目し、長期不況をもたらす可能性があることを示している。しかし既存の実証分析では、金融基盤が脆弱な経済主体について、金融制約の存在(すなわちそれがあるか無いか)を確認することに重点が置かれており、金融制約がマクロ経済に与える影響の大きさについて定量的な分析は行われてこなかった。2章は日本銀行の「短観」データを用い、設備投資関数を計測することによりこうした分析を行っている。 第2章の結果によると、1990年代を通してみると金融制約は存在しなかったか、存在したとしてもそれほど大きなものではなかった。すべての期間を通じてみると金融要因よりも実物要因の方が、設備投資を通してGDPに与える影響は大きかったといえる。しかし1997年から1998年の前半までの期間においては、金融制約がマクロ経済に大きな影響を与えた。具体的には1997年から98年にかけて日本のGDPはクレジット・クランチにより約1.6%押し下げられた。 第3章は、階層化された世界経済における途上国・先進国間の所得分配と経済成長の問題を分析している。具体的には資本の生産性に外部性のある最適成長モデルを用いて、国際金融市場の発展が経済成長に与える影響について分析している。途上国は先進国からの借り入れに制約があるものの、投資をすれば、高い限界生産力を利用して着実に資本を蓄積することができる。このため、資本の配分は次第に各国の限界生産力を均等化する方向へ変化していく。また、金融制約があるために生じる資本蓄積の歪みがもたらす非効率性は徐々に解消していく。 金融制約が解消した場合、資本蓄積は直ちに効率的に行われるようになるため、世界経済の成長率は高まる。途上国と先進国間の所得格差は当初急速に縮小するが、その後は変化しなくなる。これは資本収益率が均等化することにより、各国が保有する資本が同じ早さで成長するようになるためである。途上国は借り入れに伴う投資機会の有効利用と、正の外部効果から利益を得る一方で、先進国に追いつけなくなるというジレンマを抱え込むことになる。 第3章の分析で鍵になるのは、世界経済が階層化されているという仮定である。すなわち、資本の正の外部効果は、先進国グループと途上国グループそれぞれのグループ内部では強いがグループ間では弱い。国際金融市場が不完全な状況の下で、この階層化の程度が強いと、経済成長率ははじめのうちは比較的高い。しかし資本投入の非効率性が解消されないため、世界経済の成長率は上昇しない。 階層化された世界経済においては金融制約の解消の影響は、階層化されていない場合に比べてより小さくなる。また、先進国の政策担当者は、資本流出に伴う損失と、資本の有効利用に伴う利益から生じるトレードオフに直面する。資本が途上国で高い収益を上げる一方、自国では「産業空洞化」が発生するからである。第3章の分析は、「産業空洞化」という先進国にとっての費用が便益よりも大きくなるのは、世界経済の階層化の程度が中間的な水準にある場合であることを明らかにしている。 第4章は、金融政策を金融市場の流動性を操作するという側面から考察し、「動学的非整合性」の問題を分析している。本章の分析は先行研究としてのHolsmstrom and Tirole(1998)(以下、H-T)を出発点としている。 H-Tは、流動性の観点から政府証券と民間証券の違いを明らかにした。彼らは両者の違いを政府が独占的に保有する徴税権に求めた。すなわち政府証券は、課税可能なすべての資産を裏付けにすることができるため、民間証券に比べて負のマクロショックに強く、流動性が高い。H-Tモデルに基づくと、政府が最適な流動性供給を行うことは簡単である。すなわち、民間部門が必要とする十分な証券を発行してやれば、厚生水準は高まる。しかしこのモデルでは、流動性供給に伴うモラルハザードの問題を十分に説明できない。中央銀行貸し付けや預金保険に伴うモラルハザードの問題について考察した文献は従来から多数存在するが、流動性供給に伴うモラルハザードは、十分分析されてこなかった。第4章はこの問題を分析したものである。 過剰な流動性供給の副作用として通常想定されるのはインフレーションの発生である。この観点から、金融政策当局と民間の経済主体の間に生ずる動学的非整合性の問題を分析した一連の研究が存在する。第4章の分析は、同様の戦略的関係がH-Tモデルに類似したベーシックな枠組みの下で発生しうることを示す。 徴税権によって担保された政府証券は、負のマクロショックの下でも価値を失わない。このため政府証券には、負のマクロショックの下で債務の返済を容易にするという機能がある。これは、質の悪い借り手の投機的行動を抑制する。こうして政府の流動性供給は、投資機会の選別にプラスの影響を与える。しかし他方で借り手が将来負のマクロショックが生じても救済されることを予想して、自らの保有する投資機会の質を高める努力を怠る誘因が発生してしまう。第4章の分析は、こうした正と負の影響を通して政府の流動性供給に伴い動学的非整合性の問題が発生することを明らかにしている。 第5章は、不完全な国際金融市場の下での、均衡為替レート決定の問題を分析している。先進国間の金融取引は、先進国と途上国の間の取引に比べて遙かに活発である。しかし5章の実証分析によると、先進国間の国際金融市場でさえ完全ではない。すなわち為替レートは、資本収益率の内生的な変化の影響を受けている。 第5章では、長期的な為替レートの分析に用いられる、Balassa = Samuelson(以下BS)モデルにおいて、国際金融市場が不完全であるという仮定を導入するとどのような修正が必要となるかを、理論的に明らかにしている。従来用いられてきた2生産要素BSモデルでは、完全な国際資本移動と小国の仮定の下で、資本収益率は外生変数として扱われてきた。この場合、経済主体の技術進歩は賃金の上昇を通じて、労働集約財の相対価格を上昇させる。したがてって非貿易財(例えばサービス)が労働集約的である場合には、技術進歩により実質為替レートは増価することになる。 しかし完全な国際資本移動の仮定は十分な実証的根拠があるわけではない。また賃金が完全に伸縮的であるという仮定にも同様の問題がある。国際金融市場が不完全であるために、資本収益率が1国内で内生的に決定され、賃金が硬直的である場合、経済全体の技術進歩は賃金ではなく資本収益率を上昇させる。これはスタンダードなBSモデルの結論とは逆に実質為替レートを減価させる。 第5章の分析はまた、不完全な国際金融市場の下で賃金が完全に伸縮的であると経済全体の技術進歩が実質為替レートに与える影響は消滅することを示している。しかしこの場合には、経済の要素賦存量が実質為替レートに影響するという新たな効果が加わる。経済成長に伴って資本が蓄積されると、資本収益率が低下し、資本集約財の相対価格は低下する。したがって貿易財が資本集約財であれば、実質為替レートは増価する。第5章の分析はこのように要素賦与量が実質為替レートに与える影響をBSモデルの中で明確に示した。 第5章は1970年から90年にかけてのOECD加盟国のデータを用いた実証分析も行っている。年次データを用いた分析では、経済全体の技術進歩が実質為替レートに与える影響の方向は、BSモデルに基づくこれまでの実証分析の結果とは逆であることを示した。また要素賦与の効果も有意であった。サンプル期間の平均値を用いた分析はサンプル数が少ないものの、経済全体の技術進歩が実質為替レートに与える影響は有意でないのに対して要素賦与効果は有意であることを示唆している。 講評: 審査委員からは若干の問題点が指摘された。例えば4章については次のようなコメントがなされた。 4章の分析によると、政府証券の発行が常に望ましいわけでなく政府証券の発行がmoral hazardをもたらすような場合がある。その理由は、民間が政府が政策を発動する前に、その政策を予想して特定のirreversibleな行動に出るからであり、そうした状況をここではdynamic inconsistencyのフレームワークをそのまま適用して分析している。 Dynamic inconsistencyの結果はよく知られた結果であるがアイデアとしては明確で、使っている手法もスタンダードであり、その点で驚きはない。従って当該論文のnew contributionは、新しいモデルの提起というより、新しい応用ということになろう。しかしモデルについてcontract modelが、現実の何と関連しているのか、必ずしもはっきりとしていない。当該論文が新しいモデルの提示ではなく、既存のcontract modelの新しい応用である以上、ここで考えるcontract が現実に広く見られるどんなinstitutionあるいはcontract と対応しているか、はっきりさせるべきである。 こうした問題はあるものの本論文がオリジナルな研究を多数含んでいることは言うまでもない。実際いくつかの章は既にレフェリー付き学術雑誌に公表された。具体的には、2章 “Causes of the Long Stagnation of Japan during the 1990's : Financial or Real?”, Journal of the Japanese and International Economies, Vol.13-3, 1999 、4章 “Dynamic Inconsistency in the Public Supply of Liquidity”, forthcoming in Japanese Economic Review, 2004、5章 “Modifications of the Balassa = Samuelson Model : The Effects of Balanced Growth and Capital Accumulation”, Journal of the Japanese and International Economies, Vol.16-1, 2000. 不完全な金融市場がマクロ経済に与える影響について理論的・実証的に分析した本論文は、博士(経済学)の学位を授与するにふさわしいと委員全員一致で判断した。 | |
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