学位論文要旨



No 216056
著者(漢字) 橋本,順一
著者(英字)
著者(カナ) ハシモト,ジュンイチ
標題(和) 0.98μm帯GaInAs/GaInP高出力歪量子井戸半導体レーザの高信頼化,高波長安定化に関する研究
標題(洋)
報告番号 216056
報告番号 乙16056
学位授与日 2004.07.15
学位種別 論文博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 第16056号
研究科 工学系研究科
専攻 電子工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 中野,義昭
 東京大学 教授 菊池,和朗
 東京大学 教授 平川,一彦
 東京大学 助教授 田中,雅明
 東京大学 助教授 山下,真司
 東京大学 助教授 多久島,裕一
内容要旨 要旨を表示する

 GaAs基板を用いGaInAs歪量子井戸を活性層とする0.98μm帯半導体レーザは、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)用の低雑音、高効率、低消費電力な励起光源として期待されていたが、COD(Catastrophic Optical Damage)と呼ばれる劣化モードによる突然故障の頻発と、電流に対する発振波長の不安定性が実用化を阻む障害となっていた。

 このうちCODは通電中におけるレーザ端面での非発光再結合の増殖に伴い、端面劣化が進行して端面温度が上昇し、ついには融点を超えて端面が溶融破壊し、レーザが頓死する故障モードで、本レーザのようなGaAs系の短波長レーザにおいて高出力時に特異的に生ずる劣化モードである。本レーザはEDFA励起用光源として、150mWレベルの高出力動作が必須であったため、高出力動作時に頻発する本故障を撲滅しない限り、実用化は不可能であった。

 一方発振波長の不安定性に関しては、筆者等が開発したAlGaInP埋め込みリッジ型0.98μm帯半導体レーザでは300mAの電流注入で約15nm波長が変動した。EDFAにおける0.98μm帯の有効励起波長帯域(EDFAを励起し、増幅機能を生じさせることが可能な波長帯域)が10nm前後と狭いことを考えるとこれは過大な波長変動であり、動作環境や駆動条件によっては、波長が励起帯域から外れてEDFAに対する励起効率が下がる恐れがあった。従って実用上EDFAを安定に励起するためには、電流に対する波長安定化を図る必要があった。

 本論文はEDFA励起用0.98μm帯GaInAs/GaInP高出力歪量子井戸半導体レーザの実用化に関し、実用化を阻む元凶となっていたこれらの課題を克服し、実用レベルの高信頼性、高波長安定性を実現した研究成果についてまとめたものである。

 筆者等は電流ブロック層にAlGaInPを用いた、独自の埋め込みリッジ型0.98μm帯半導体レーザの実用化を目指し、構造最適化することで出力的には実用レベルの150mW級レーザチップを開発したが、150mWレベルの高出力動作時には数百時間でCOD初期劣化が頻発した。そこで筆者等はCOD対策を最優先課題と捉え、まずCOD劣化の現状を把握するために、0.98μmレーザのCOD劣化耐性評価実験を行った。本実験では、COD劣化の理論モデルであるStress-Strengthモデルに準拠して、駆動電流をパラメータとして通電時間に対するCOD耐性の変動を調べた。その結果、COD耐性は通電時間と共に明らかに下がっており、また大電流(高出力)の方が低下速度が速いなど、Stress-Strengthモデルと合致した結果が得られ、本モデルがCOD劣化の解析モデルとして妥当であることを確認した。

 次に上記実験結果に統計処理を施すことで、COD耐性の時間変動の定量化を試みた。その結果、各通電時間におけるCOD耐性の分布が半導体素子の故障解析に標準的に用いられるワイブル統計で記述できることを初めて明らかにし、その分布の代表値として全サンプル数の100×(1-e-1)% (約63.2%)がCOD故障に至るパワー値を用いることで、COD耐性の通電時間、電流ストレスに対する低下速度を定量化することに成功した。本統計処理を用いることで、筆者らの0.98μmレーザの場合、時間に対するCOD耐性低下率が電流ストレスの7.88乗に比例し、大電流、高出力時には加速度的にCOD耐性が低下し、急激に短寿命化することを明らかにした。さらに、上記統計処理にて定量化したCOD耐性の時間変動を用いることで、それまで困難とされてきたCOD故障時間の推定を短時間で精度良く推定する方法を開発した。

 以上のCOD耐性評価から、高出力時の信頼性確保のためには抜本的なCOD耐性向上策を講ずることが急務であることが明確になった。そこで次に第1の向上策として、COD劣化の主原因の1つである端面非発光再結合の低減化を試みた。具体的にはレーザ端面へのプラズマ照射によりGaやAsの端面酸化物を物理的に除去し、それに起因する端面上の非発光準位を低減することで端面非発光再結合の低減化を図った。照射プラズマには、不活性、高純度、低コストのArガスを選択し、照射装置としては低温、低ダメージ照射が可能で、照射後の連続端面コーティングも可能なECR(Electron Cyclotron Resonance)-CVDを使用した。

 条件出しの結果、Ar照射による端面酸化物除去に伴い、照射サンプルからのフォトルミネッセンス(PL)強度が増大することを見出し、当初の予想通り端面酸化物除去が端面非発光再結合低減に直結していることを実証した。また2時間照射で端面酸化物が完全に除去され、且つPL強度が最大となることを確認し、これを最適照射時間と決定した。

 その後埋め込みリッジ型0.98μmレーザの端面に上記最適時間でArプラズマを照射し、照射サンプルの特性や信頼性を調べた。まず照射前後での特性比較からArプラズマ照射してもレーザ特性へのダメージは生じないことを確認した。これは低ダメージ照射のECR-CVDを採用したことが有効に寄与していると思われる。次にAr照射レーザと未照射レーザを50℃、150mW出力一定の条件で通電し、信頼性を比較した。その結果、Ar照射レーザは未照射レーザに比べ寿命は1桁以上長くなり、予想通りArプラズマ照射による端面酸化物の除去がCOD 耐性向上に有効であることを実証した。しかしながらAr照射してもレーザ寿命は数千時間程度に留まり、COD耐性の改善はまだ不十分であり、Ar照射だけでは実用レベルの信頼性確保が困難であることも判った。

 実用化のためにはCOD耐性を更に2桁以上改善する必要があり、これを実現するにはCOD発生のもう1つの主原因である端面光吸収を大幅に低減する必要があった。そこで筆者等はCOD耐性向上の第2の方策として、端面近傍の活性層を高バンドギャップ化することで端面光吸収を低減する、端面ウィンドウ化に取り組んだ。ここでウィンドウ化の手法としては、上部クラッド層の途中までイオン注入し、その時生じた空孔をアニールにより拡散させることで、量子井戸活性層とその隣接層間に原子の相互拡散を生じさせ、活性層を高バンドギャップ化する新規手法を考案した。本手法では、注入されたイオンが活性層まで拡散しないため、従来の手法に比べて注入イオンのダメージに起因する活性層劣化が大幅に軽減されることが期待された。またイオン注入装置を用いることでウィンドウ特性として高い均一性、再現性が期待され、また従来のレーザ作製プロセスとの整合性も良いので、ウィンドウレーザの生産性の観点からも最適の手法と考えられた。

 次に筆者らはウィンドウ作製に最適の注入イオンとして窒素を見出し、これを用いたウィンドウ作製条件の最適化を行った。その結果イオン注入領域を活性層から0.8μm程度離し且つアニール温度を最適化することで、当初の狙い通り活性層への注入ダメージは完全に回避され、同時に注入領域のバンドギャップ波長は30nm程度短波長化され、ウィンドウ領域として機能するのに充分なだけの高バンドギャップ化が実現されることが判った。

 この最適条件を用いて埋め込みリッジ型0.98μmウィンドウレーザを作製し、特性や信頼性を評価した。まずイオン注入領域のPL特性を評価したが、注入領域は非注入領域に比べて再現性良く30nm以上短波長化されており、ウィンドウ領域として良好に機能しうることを確認した。本ウィンドウレーザの特性は従来の非ウィンドウレーザと同等であり、ウィンドウ化による劣化は見られなかった。これは今回開発した活性層にまではイオンを注入しない新規ウィンドウ作製技術の低ダメージ性によるものと考えられる。次に信頼性評価のため、本ウィンドウレーザを50℃,150mW出力一定の条件で通電したところ1.4万〜1.6万時間安定動作し、COD発生は皆無であった。本通電結果から50℃,150mWにおける寿命として約28万時間の実用レベルの信頼性が得られた。

 さらに本ウィンドウレーザの通電に伴うCOD耐性変動を明確化するため、長期通電したウィンドウレーザの通電前後でのCOD耐性を評価した。その結果通電後も400mWを超えてCOD発生は皆無であり、ウィンドウ化によりCOD耐性が劇的に改善され、実用レベルのCOD耐性が実現されていることを明らかにした。さらに長期通電前後での電流―電圧、電流―出力特性を比較したが、両特性とも通電前後での特性はほぼ一致し、劣化は見られなかった。従って、本ウィンドウレーザはCOD劣化だけで無く、ウィンドウ領域を含む内部結晶劣化についても充分な耐性があることが判った。この内部劣化抑制にも、今回開発した活性層にまではイオンを注入しない新規ウィンドウ作製技術の低ダメージ性が有効に寄与していると思われる。

 最後に実用化へのもう1つの課題であった電流に対する発振波長の安定化についての取り組みを述べる。筆者等はファイバグレーティング(FG) を外部反射器に用いて、外部共振型ファイバグレーティングレーザ(FGL)構造とすることによる波長安定化を検討した。FGLでは発振波長は、温度依存性微小(10pm/K)、かつ電流には無依存であるFGのブラッグ波長でほぼ決まるため、FGLの発振波長も温度、電流に対して高安定となる。FGの構造パラメータと共振器長を振って構造最適化のための条件出しを行い、共振器長を50cm以上と長くし且つFG帯域幅を1nmまで狭めることで、0.35nm以下の狭線幅な発振スペクトルと0.2nm以下の高波長制御性が得られることを明らかにした。

 このようにして最適化したFGを搭載した0.98μm帯FGL励起モジュールを試作し、特性評価した。その結果、従来品と同等以上の出力特性、キンク特性を維持したまま、電流に対する発振波長変動を0〜300mAで1nm未満と劇的に低減することに成功し、FGL構造導入により実用に充分なレベルの波長安定化を達成した。

 このような研究経緯を辿り、筆者等はCOD劣化と波長不安定性の課題を克服し、最終的に実用レベルの信頼性と波長安定性を有する0.98μm帯半導体レーザの開発に成功した。

審査要旨 要旨を表示する

 本論文は,「0.98μm帯GaInAs/GaInP高出力歪量子井戸半導体レーザの高信頼化,高波長安定化に関する研究」と題し,エルビウムドープファイバ光増幅器(EDFA)励起用の0.98μm帯GaInAs/GaInP高出力歪量子井戸半導体レーザの実用化に関し,実用化を阻む障害となっていた突然故障および発振波長の不安定性の問題を解決し,実用レベルの高信頼性,高波長安定性を達成したことについて纏めたもので,9章より構成されている.

 第1章は序論であって,研究の背景,動機,目的と,論文の構成が述べられている.GaAs基板を用いGaInAs歪量子井戸を活性層とする0.98μm帯半導体レーザは,EDFA用の低雑音,高効率,低消費電力な励起光源として期待されていたが,COD(Catastrophic Optical Damage)と呼ばれる劣化モードによる突然故障の頻発と,電流に対する発振波長の不安定性が実用化を阻む障害となっていた.一方,EDFAにおける0.98μm帯の有効励起波長帯域が10nm前後と狭いため,動作環境や駆動条件によっては,励起レーザの発振波長が励起帯域から外れてEDFAに対する励起効率が下がる恐れがある.従って実用上EDFAを安定に励起するためには,電流に対する波長安定化を図る必要があった.本論文では,実用化を阻害するこれらの問題を克服し,実用レベルの高信頼性,高波長安定性を実現した研究成果についてまとめている.

 第2章は「GaInAs歪量子井戸構造の結晶成長」と題し,本論文を通じて議論される半導体レーザで用いられる歪量子井戸活性層の,有機金属気相エピタキシー(OMVPE)による結晶成長法と成長条件,および歪量子井戸の最適化について述べている.

 第3章は「埋め込みリッジ型0.98μm帯GaInAs歪量子井戸半導体レーザ」と題し,本論文で対象とする半導体レーザの横モード制御構造である「埋め込みリッジ構造」について,その特長,構造最適化,作製プロセスと典型的な特性について述べている.

 第4章は「0.98μm半導体レーザのCOD劣化解析」と題し,まず0.98μmレーザのCOD劣化耐性評価実験を行っている.ここではCOD劣化の理論モデルであるStress-Strengthモデルに準拠して,駆動電流をパラメータとして通電時間に対するCOD耐性の変動を調べた.その結果,COD耐性は通電時間と共に明らかに下がっており,また大電流(高出力)の方が低下速度が速いなど,Stress-Strengthモデルと合致した結果が得られ,本モデルがCOD劣化の解析モデルとして妥当であることを確認している.次にCOD耐性の時間変動の定量化を試み,各通電時間におけるCOD耐性の分布が半導体素子の故障解析に標準的に用いられるワイブル統計で記述できることを初めて明らかにした.その分布の代表値として全サンプル数の約63.2%がCOD故障に至るパワー値を用いることで,COD耐性の通電時間,電流ストレスに対する低下速度を定量化できることを示した.本統計処理を用いることで,時間に対するCOD耐性低下率が電流ストレスの7.88乗に比例し,大電流,高出力時には加速度的にCOD耐性が低下し,急激に短寿命化することを明らかにした.さらに,上記で定量化したCOD耐性の時間変動を用いることで,それまで困難とされてきたCOD故障時間の推定を,短時間で精度良く行う方法を開発した.

 第5章は「埋め込みリッジ型0.98μmレーザのCOD耐性の改善その1 (Arプラズマ照射による端面処理)」と題し,まずCOD劣化の主原因の1つである端面非発光再結合の低減を試みている.レーザ端面へのプラズマ照射によりGaやAsの端面酸化物を物理的に除去し,それに起因する端面上の非発光準位を低減することで端面非発光再結合の低減化を図っている.照射プラズマには,不活性,高純度,低コストのArガスを選択し,照射装置としては低温,低ダメージ照射が可能で,照射後の連続端面コーティングも可能な電子サイクロトロン共鳴(ECR)化学気相堆積装置(CVD)を使用している.Ar照射による端面酸化物除去に伴い,照射サンプルからのフォトルミネッセンス(PL)強度が増大することを観測し,端面酸化物除去が端面非発光再結合低減に直結していることを確認した.また2時間照射で端面酸化物が完全に除去され,かつPL強度が最大となることを見いだし,これを最適照射時間と決定した.次に埋め込みリッジ型0.98μmレーザの端面に上記Arプラズマ照射を行い,プラズマ照射によるレーザ特性への悪影響は生じないことを確認した.さらに照射のある無しで信頼性を比較したところ,照射レーザは未照射レーザに比べ寿命が1桁以上長くなり,プラズマ照射による端面酸化物の除去がCOD耐性向上に有効であることを実証した.それでもレーザ寿命は数千時間程度に留まり,Ar照射だけでは実用レベルの信頼性確保が困難であることも判った.

 第6章は「埋め込みリッジ型0.98μmレーザのCOD耐性の改善その2 (ウィンドウ構造の導入)」と題し,COD発生のもう1つの主原因である端面光吸収の大幅低減をねらって,新たな端面窓構造(ウィンドウ構造)の導入を試みている.ウィンドウ化の手法としては,上部クラッド層の途中までイオン注入し,その時生じた空孔をアニールにより拡散させることで,量子井戸活性層とその隣接層間に原子の相互拡散を生じさせ,活性層を広バンドギャップ化する新規手法を考案している.ウィンドウ作製に最適の注入イオンとして窒素を見出し,これを用いたウィンドウ作製条件の最適化を行った.その結果,イオン注入領域を活性層から0.8μm程度離し,かつアニール温度を最適化することで,当初のねらい通り活性層への注入ダメージは完全に回避され,同時に注入領域のバンドギャップ波長は30nm程度短波長化され,ウィンドウ領域として機能させるのに充分な広バンドギャップ化が実現されることが判った.この最適条件を用いて埋め込みリッジ型0.98μmウィンドウレーザを作製し,特性や信頼性を評価した.次に長期通電したウィンドウレーザの通電前後でのCOD耐性を評価したところ,通電後も400mWを超えてCOD発生は皆無であり,ウィンドウ化により実用レベルのCOD耐性の実現されることがわかった.さらに長期通電前後での電流-電圧,電流-光出力特性を比較し,通電前後で劣化のないことを確認した.本論文で提唱する新規ウィンドウ作製技術は,内部劣化抑制にも有効であることが示された.

 第7章は「埋め込みリッジ型0.98μmウィンドウレーザの高出力化」と題し,110mW級モジュールの開発を目指して横モード不安定化に起因するキンクレベルの向上を図り,リッジ構造における空間ホールバーニングの抑制技術を検討した結果が述べられている.具体的にはエッチストップ層組成の変更,上側クラッド層のドーピング見直しを行って,キンクレベルを実際に向上させることに成功している.

 第8章は「埋め込みリッジ型0.98μmレーザの波長安定化」と題し,実用化へのもう1つの課題であった注入電流変化時の発振波長の安定化について論じている.ここではファイバブラッググレーティング(FG)を反射器とする外部共振器レーザ(FGL)構造によって波長安定化を図っている.FGLでは発振波長はFGのブラッグ波長でほぼ決まるため,温度,電流に対して高安定となる.FGの共振器長を50cm以上と長くしかつFG帯域幅を1nmまで狭めることで,0.35nm以下の狭線幅発振スペクトルと0.2nm以下の良好な波長制御性が得られることを示した.最適化したFGを搭載した0.98μm帯FGL励起モジュールを試作した結果,従来品と同等以上の出力特性,キンク特性を維持したまま,電流に対する発振波長変動を0〜300mAの範囲で1nm未満と格段に低減することに成功し,実用に充分な波長安定化を達成した.

 第9章は結論であって,本研究で得られた成果を総括している.

 以上のように本論文は,エルビウムドープファイバ光増幅器励起用の波長0.98μm帯歪量子井戸半導体レーザについて,その劣化機構の解析を通じて,突然故障を防止する端面アルゴンプラズマ照射技術および新たな端面窓構造を考案し,これら技術を適用して同レーザの高出力,高信頼動作を可能にするとともに,外部光ファイバー格子共振器構造を応用して電流変化に伴う波長変動を抑止し,ファイバ増幅器励起光源として確立・実用化したもので,電子工学分野に貢献するところが少なくない.

 よって本論文は博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる.

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