学位論文要旨



No 217393
著者(漢字) 山崎,俊司
著者(英字)
著者(カナ) ヤマザキ,シュンジ
標題(和) 免疫抑制作用を持たないニューロフィリンリガンドに関する研究 : 神経再生促進作用と神経障害改善作用
標題(洋)
報告番号 217393
報告番号 乙17393
学位授与日 2010.09.01
学位種別 論文博士
学位種類 博士(薬学)
学位記番号 第17393号
研究科
専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 松木,則夫
 東京大学 教授 入村,達郎
 東京大学 教授 井上,将行
 東京大学 准教授 武田,弘資
 東京大学 准教授 池谷,裕二
内容要旨 要旨を表示する

強力な免疫抑制作用を有するタクロリムス(コード名;FK506)は,1984年筑波山の土壌より発見された放線菌の一種でStreptomyces tuskubaensisから単離・精製された23員環マクロライドである。1993年に臨床応用されて以来,移植後の拒絶反応を抑制し,臓器の定着率を向上させ,移植手術の成功率の改善に貢献している。これまでの研究により,タクロリムスは細胞内に豊富に存在するFK506結合タンパク質(FKBP)と複合体を形成して,カルシニューリンの活性を阻害し,転写因子NF-ATの核内移行を阻害して,インターロイキン-2(IL-2)等のサイトカインの産生を抑制することにより免疫抑制作用を示していることが明らかとなっている。一方,FKBPは免疫系よりむしろ神経系において豊富に存在している。このことは,神経系においてFKBPは重要な役割を担っていることが推測され,これまでに数多くの研究が実施されてきた。タクロリムスは,FKBP12と複合体を形成して神経保護作用を,FKBP52と複合体を形成して神経栄養作用を示すことが報告されている。その神経栄養作用により慢性神経変性疾患に対する治療効果が期待されるが,強い免疫抑制作用のため,長期間の反復投与では易感染性が危惧される。

神経変性疾患は,中枢神経の特定の神経細胞が徐々に死んでいく疾患の総称であり,代表的な神経変性疾患としてパーキンソン病・アルツハイマー型痴呆・筋萎縮性側索硬化症などが知られている。これらの疾患の成因仮説は諸説あるものの,いずれの疾患においてもそれぞれ特定の神経細胞の脱落が認められ,その治療には,細胞死抑制による病態の進行抑制と細胞再生促進による病態の改善の方針が採られる。これら神経変性疾患の治療には,神経幹細胞,ドパミン産生などの特定の機能を有する細胞や神経栄養因子を産生する細胞の移植による再生医療が試みられている。細胞移植は,移植技術,細胞生着に加え,倫理的な問題を克服しなければならず難易度は高い。一方,薬剤処置による既存細胞の機能亢進,神経線維の伸展促進は,前述の問題を克服しうる再生医療として期待度が高い。糖尿病性末梢神経障害は,糖尿病の三大合併症の一つであり,長期にわたり高血糖に晒された末梢神経の神経変性疾患と考えられる。また,脳梗塞や脊髄損傷のような神経障害性の疾患においても,細胞死抑制とともに神経再生による機能改善を目指した治療が試みられている。

著者らは強力な免疫抑制薬であるタクロリムスを開発した経験を生かし,類縁化合物の中から神経栄養作用のみを有する化合物を同定することを試みた。神経成長因子(NGF)などの神経栄養因子は高分子のため経口吸収性が悪く,また非特異的な神経栄養活性による副作用のため臨床での使用が制限される。一方,神経栄養作用を有する低分子化合物は,吸収・分布が改善され神経変性疾患の治療薬になりうると考えて,本研究を開始した。本論文では、FK506誘導体の中から見出した免疫抑制作用を持たない新規ニューロフィリンリガンドであるFK1706の神経栄養作用及びその作用機序を、またさらにFK1706の末梢神経障害治療薬および脊髄損傷治療薬としての可能性についての研究を行った成果を記述した。すなわち,FK1706の神経栄養作用ならびに細胞内標的タンパクおよび情報伝達系について神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞を用いてNGFによる神経突起伸展を指標に検討した。また,種々のラット末梢神経障害モデルを用いて痛覚閾値改善作用・運動機能障害改善作用とともに組織形態の改善作用について検討し,さらに二つの脊髄損傷モデルにおける運動機能障害改善作用および損傷周辺部の神経軸索の形態変化改善作用についての検討結果をまとめた。さらに,末梢神経障害モデルと脊髄打撲損傷モデルのそれぞれ脊髄後根神経節と損傷部位脊髄における網羅的遺伝子発現解析を実施し,薬理作用を裏付ける遺伝子群の同定を試みた。

本研究を通じて,以下に示す新たな重要な知見を得た。

1.免疫抑制作用を持たず,神経栄養作用を有するタクロリムス誘導体のFK1706を見出した(Figure1)。FK1706は,神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞を用いたin vitro評価系において,NGF誘発神経突起伸展を増強することを見出した。さらに、この作用は抗FKBP52抗体の添加により消失することが明らかとなった。また,FK1706の神経突起進展増強作用は,PLC,PI3K,Ras,Raf,MEKの特異的阻害薬の添加により消失したことから,Ras/Raf/MEK/ERKを介した反応であると推察された。FK1706の神経突起進展増強作用を示す条件において,ERK1/2のリン酸化が亢進されることを明らかとした。すなわちFK1706は,FKBP52と結合して,Ras/Raf/MEK/ERK系を活性化することにより,NGFの細胞内シグナル増強を介し,神経突起進展増強作用(神経栄養作用)を示すユニークな化合物であることを見出した。その作用には,FKBP-52との結合が重要であること,またRas/Raf/MAPK経路が関与していることを明らかとした。さらに,FK1706単独では突起伸展作用を示さないことから,NGF等の神経栄養因子の作用を増強していることが示唆された。

2.FK1706は,ストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病性末梢神経障害モデルにおける痛覚異常や運動機能障害の改善作用を有することを見出した。この改善効果は,FK1706の投与を中止した後も4週間にわたりその効果が持続した。STZ誘発糖尿病性末梢神経障害モデルでは,糖尿病性末梢神経障害患者と同様に,表皮末梢神経線維密度の低下が認められ,FKI706は同モデルにおける神経密度の低下を改善し,痛覚異常,運動機能障害とともに,形態変化の改善作用を有することを明らかにした。FK1706とガバペンチンとの併用投与による検討では,それぞれの単独投与による痛覚閾値改善の上乗せ効果が確認され,FK1706の痛覚閾値改善作用はガバペンチンとは異なるメカニズムによるものと推察された。

3.FKI706は,ラット脊髄半切損傷モデルおよび打撲損傷モデルにおける運動機能障害の改善作用を有することを明らかとした。さらに,打撲損傷モデルにおいては,障害部位近傍の神経軸索の形状を改善した。また,投与開始を1週間遅らせても運動機能障害を改善することから,障害初期の急性変化に対して適切な処置を施した後から,FK1706の投与を開始できるものと期待される。

4.STZ誘発糖尿病性末梢神経障害モデルおよび脊髄打撲損傷モデルにおける機能改善および形態改善作用のメカニズムを推定するために網羅的遺伝子発現解析を行った。末梢神経障害モデルでは脊髄後根神経節細胞の構造タンパクや細胞内構成タンパク,細胞外マトリックス等突起伸展・分枝を示唆する候補遺伝子が多数抽出された。脊髄損傷モデルでは,軸索伸展や損傷治癒に関連する候補遺伝子を変動させ,これらの因子がFK1706の薬効発現に重要であることが示唆された。

以上,タクロリムス類縁化合物の中から免疫抑制作用を有さず,内在性神経栄養因子の作用を増強し,糖尿病性末梢神経障害モデルおよび脊髄損傷モデルにおいて,神経の形態改善を伴い運動機能を改善する低分子化合物FK1706を新たに見出すことができた。このような特徴を有する低分子化合物は,本来生体が持つ自己修復能を増幅し,糖尿病性末梢神経障害や脊髄損傷などの神経変性疾患に対する治療薬になりうると考えられた。またさらに,将来FK1706の糖尿病性末梢神経障害や脊髄損傷の機能回復の作用機序を解明することにより,さらに改良された化合物が見出されることが期待される。

Figure 1. Chemical structure of FK1706.

Boxed area indicates changed moiety from FK506.

(1R,95,125,13R,14S,17R,18E,21S,23S,24R,25S,27R)-1,14-dihydroxy-12-{(E)-2-[(1R,3R,4R)-4-hydroxy-3-methoxycycl ohexyl]-1-methylvinyl}-23,25-dimethoxy-13,19,21,27-tetramethyl-17-(2-oxopropyl)-11,28-dioxa-4-azatricyclo[22.3.1. 049]octacos-18-ene-2,3,10,16-tetrone

審査要旨 要旨を表示する

強力な免疫抑制作用を有するタクロリムス(コード名:FK506)は,1984年筑波山の土壌より発見された放線菌の一種でStreptomyces tuskubaensisから単離・精製された23員環マクロライドである。1993年に臨床応用されて以来,移植後の拒絶反応を抑制し,臓器の定着率を向上させ,移植手術の成功率の改善に貢献している。これまでの研究により,タクロリムスは細胞内に豊富に存在するFK506結合タンパク質(FKBP)と複合体を形成して,カルシニューリンの活性を阻害し,転写因子NF-ATの核内移行を阻害して,インターロイキン-2(IL-2)等のサイトカインの産生を抑制することにより免疫抑制作用を示していることが明らかとなっている。一方,FKBPは免疫系よりむしろ神経系において豊富に存在しており,神経系においてFKBPは重要な役割を担っていることが推測された。タクロリムスは,FKBP12と複合体を形成して神経保護作用を,FKBP52と複合体を形成して神経栄養作用を示すことが報告されている。神経栄養作用により慢性神経変性疾患に対する効果が期待されるが,強い免疫抑制作用のため,長期間の反復投与では易感染性の副作用が危惧される。

糖尿病の三大合併症の一つである末梢神経障害の成因として、ポリオールなどの代謝障害,血管障害に加えて,神経栄養因子の作用不足による神経再生障害が示唆されている。これまで,神経成長因子(NGF)を含む各種の神経栄養因子を投与する臨床治験が多数実施されてきたが,いずれも臨床応用されるには至っていない。脊髄損傷は,交通事故,高所からの落下,スポーツによる障害などによって発生し,若年層の罹患率が比較的高い。現行の唯一の治療薬としてメチルプレドニゾロンあるが,その効果は限定的で満足度は低い。亜急性期から慢性期においては,有効な薬剤がないためリハビリテーションのみでの治療になるが,それに伴う総医療費は莫大で,医療コスト削減の面からも有効な治療薬のニーズは高い。また,幹細胞の脊髄損傷への適応については,動物モデルで精力的に検討されているものの,実用化には至っていない。

本研究では,免疫抑制作用を持たず神経栄養作用を有する新規ニューロフィリンリガンドであるFK1706の末梢神経障害治療薬および脊髄損傷治療薬としての可能性について検討した。

タクロリムスは,生体内のFKBPおよびカルシニューリンと複合体を形成して,免疫抑制作用を示す。またタクロリムスの構造のうち,カルシニューリンの結合部位はすでに同定されている。したがって、カルシニューリン結合部位の化学修飾により,神経栄養作用のみを持ち免疫抑制作用を有さない化合物の創出が可能であると考えた。In vitroで簡便に免疫抑制作用を評価できる混合リンパ球反応(MLR)およびリンパ球からのIL-2産生抑制作用を実施するとともに,FKBP結合活性を測定しFK1706を見出した。FK1706はタクロリムスのカルシニューリン結合部位の一部を変換した化学構造を有し,FKBPに対してタクロリムスと同等の高い親和性を示すが,MLRおよびIL-2の産生を高濃度でわずかに抑制するのみであり,免疫抑制作用をほとんど持たない化合物であることが明らかとなった。

FK1706の神経栄養作用についてヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞を用いて検討した結果,FK1706はNGFによる神経突起伸展作用を増強すること,およびこの作用は抗FKBP52抗体の添加により消失することが明らかとなった。さらにFK1706の神経突起伸展増強作用は,PLC,PI3K,Ras,Raf,MEKの特異的阻害薬の添加により消失したことから,Ras/Raf/MEK/ERKを介した反応であると推察された。またFK1706により、ERK1/2のリン酸化が亢進されることを明らかにした。これらのFK1706に作用は,NGFをBDNFあるいはIGF-1に代えても確認された。すなわちFK1706は,FKBP52と結合して,Ras/Raf/MEK/ERK系を活性化することにより,神経成長因子の細胞内シグナル増強を介し,神経突起伸展増強作用を示すユニークな化合物であることを見出した。

FK1706は神経栄養作用により,糖尿病性末梢神経障害における神経線維の萎縮や脱落を改善し,痛覚閾値や運動機能を改善することが期待される。そこで種々の特徴を有する末梢神経障害モデルを用いて,FK1706の末梢神経障害治療薬としての可能性を多面的に検討した。まず、代表的な糖尿病モデルであり,痛覚異常と共に神経の萎縮が認められるストレプトゾトシン(STZ)誘発モデルを用いて検討した。

臨床での適応を想定し神経障害発症後からFK1706の投与を開始する治療効果の検討において,FK1706の連続経口投与はSTZモデルラットにおいて,痛覚閾値の改善作用を発揮することを明らかとした。この効果は,投与中止後,数週間にわたって持続したことから,組織学的な改善を伴っていることが予想された。そこで,FK1706の神経栄養作用を病理組織学的に検討するため,すべての痛覚閾値を測定した後のラットの足裏(知覚神経の感覚受容器が存在する神経終末)の神経線維の数を計測し,単位長さ当たりの神経線維の数を算出した。その結果,糖尿病性末梢神経障害対照群では正常動物に比べて単位長さ当たりの神経線維の数が低下し,FK1706を投与した群では,糖尿病性末梢神経障害対照群に比べて明らかな改善が認められた。以上の結果より,FK1706は神経終末の形態変化を改善する本質的な糖尿病性末梢神経障害治療薬としてのポテンシャルを有するものと推察された。ガバペンチンの疼痛に対する作用メカニズムは明らかとなっていないが,電位依存性Ca2+チャネルのα2δサブユニットに結合することによって鎮痛効果を示していると考えられている。FK1706の痛覚閾値改善作用は,鎮痛薬であるガバペンチンとは異なり,病態改善効果を伴うことから,同じ評価系を用いてガバペンチンを評価するとともに,ガバペンチンとの併用効果について検討した。ガバペンチンの投与により痛覚閾値は改善されたが,最終投与の翌日には薬効が消失したことより,ガバペンチンの作用は単なる鎮痛作用に基づくものと考えられた。またFK1706との併用投与では,それぞれ単独投与での作用に対して上乗せ効果が認められ,それぞれ別のメカニズムにより痛覚閾値を改善しているものと推察された。

さらに,軸索障害モデルであり痛覚異常と共に運動機能障害が認められるアクリルアミド誘発モデルおよび坐骨神経挫滅モデルにおいても,病態モデル対照群で認められた痛覚閾値あるいは運動機能の低下をFK1706は連続経口投与により有意に改善した。

以上の結果より,FK1706は,痛覚閾値が低下した病態発症後からの投与により改善作用を示したこと,投与を終了した後も痛覚閾値の改善作用が持続したこと,および神経終末での単位長さ当たりの神経線維の数の低下を改善したことから,in vivoにおいても神経栄養作用を介した組織修復により末梢神経障害を改善するものと推察された。

FK1706は,神経栄養因子の作用を増強することにより神経突起伸展を促進させるため,脊髄損傷の障害部位における神経軸索の修復が期待される。脊髄半切損傷モデルおよび打撲損傷モデルを用いて,運動機能障害に対するFK1706の機能回復作用について検討するため,運動機能試験として,半切損傷モデルではTalov-Klinger試験およびFootprint試験を,打撲損傷モデルでは傾斜板試験を実施した。臨床において神経保護を目的として急性期に投与されるメチルプレドニゾロンは,いずれの脊髄損傷モデルにおいても運動機能障害を改善した。またFK1706も,両モデルにおける運動機能障害に対して有意な改善作用を示した。

臨床において脊髄損傷は,受傷後急性期では脊髄内出血および浮腫(1次的損傷)に続いて,2次的損傷(脊髄内出血後に起こる興奮性アミノ酸の遊離,脂質過酸化,フリーラジカルの発生およびその後の炎症反応による神経細胞死)が起こる。亜急性期になると,出血・浮腫等が収まり,神経再生に向けての環境が整い,障害部位の修復が行われることが知られている。したがって,急性期には神経保護作用を有する薬物が,亜急性および慢性期においては,神経再生を促進する薬物が必要になる。Therapeutic time window(受傷から投薬開始までの期間)の長い治療薬の開発が脊髄損傷においては重要である。そこで,FK1706のtherepeutic time windowを検討するため,打撲損傷作成後,1日,7日,14日目から投与を開始し,その運動機能の回復を検討した。その結果,1日後のみならず7日後から投与を開始しても運動機能の回復が認められ,FK1706はある程度のthrapeutic time windowを有する化合物であることが明らかとなった。運動機能回復の裏付けとして,脊髄打撲損傷モデルの障害周辺部の脊髄背側部の神経軸索の免疫染色により軸索形状の回復の程度を検討したところ,FK1706の投与により軸索の形状は改善された。

以上の結果より,FK1706は脊髄半切損傷および打撲損傷モデルにおいて運動機能を回復させたこと,脊髄打撲損傷モデルにおいては7日間のtherapeutic time windowを有すること,運動機能回復作用には神経軸索の形態改善作用を伴っていることが明らかとなった。しだがって,FK1706は脊髄損傷モデルにおいても,神経栄養作用を介して脊髄の神経軸索の形状を改善して,運動機能障害を改善しているものと推察された。

以上、免疫抑制作用を有しない新規ニューロフィリンリガンドのFK1706を用いた神経再生促進作用と神経障害改善作用についての研究から,免疫抑制作用と神経栄養作用の分離が可能であることを示した。この特徴を有するFK1706は,NGF誘発神経突起伸展作用を増強すること,その増強作用にはFKBP52との結合が必要であること,Ras/Raf/MEK/ERK経路のシグナルを増強していることが,明らかとなった。ラット末梢神経障害モデルを用いた検討から、FK1706は,これらの神経線維の数や神経軸索数を改善し,痛覚閾値や運動機能を改善することを明らかにした。ラット脊髄打撲損傷モデルにおいて,運動機能の改善には障害周辺部の神経軸索の形状回復が重要であることを示し、FK1706は,神経軸索の形状を回復させると共に,運動機能を改善させることを明らかにした。神経損傷治療薬開発の新しい方向性を示す研究であり、博士(薬学)に値すると結論された。

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