学位論文要旨



No 217470
著者(漢字) 赤坂,ゆにけ
著者(英字)
著者(カナ) アカサカ,ユニケ
標題(和) 骨格筋細胞におけるレプチン誘導性脂肪酸酸化とシグナル伝達
標題(洋)
報告番号 217470
報告番号 乙17470
学位授与日 2011.03.09
学位種別 論文博士
学位種類 博士(薬学)
学位記番号 第17470号
研究科
専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 橋本,祐一
 東京大学 教授 松木,則夫
 東京大学 准教授 紺谷,圏二
 東京大学 准教授 池谷,裕二
 東京大学 准教授 富田,泰輔
内容要旨 要旨を表示する

肥満症は、肥満とは異なり、生活習慣病などの病気を合併している場合、あるいは起こしやすい状態を指し、治療が必要である。肥満症治療の基本となるのは、食事療法・運動療法であるが、減量や減量後の体重維持は困難である。一方、薬物療法に関しては、日本で現在認可されている肥満治療薬はマジンドールしかなく、またFDAの認可を受けた長期投与可能な肥満治療薬は2剤であるが、副作用や効果に問題があり、十分とはいえない。近年、脳をターゲットとした食欲抑制薬の開発も盛んであるが、うつなどの副作用から、脳をターゲットとするリスクが問題視されている。このような状況から、肥満に対して効果があり、かっ安全でQOLを損なわない肥満治療薬創製が望まれている。そのアプローチの一つとして、私は末梢組織のエネルギー代謝を調節することによる肥満治療の可能性に着目している。

末梢組織のエネルギー代謝に影響を与える生理活性物質の一つとして、レプチンに注目した。レプチンは脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの一種であり、主に中枢神経系を介した食欲抑制作用や、交感神経系の興奮を介したエネルギー消費促進作用により体重を減少させ、肥満や体重の制御に関与している。一方、レプチンは食欲抑制作用とは別に、骨格筋に対して直接的なエネルギー消費増加作用も有することが示されている。肥満においては、脂肪組織の増大に伴い、高レプチン血症になっているにもかかわらず、体重が減少しにくいことから、レプチン抵抗性を呈していると考えられている。レプチン抵抗性は、中枢神経系のみならず、骨格筋おいても報告されており、骨格筋におけるレプチン抵抗性解除が肥満治療の一つの解決策になり得るかどうか、興味深い。しかしながら、レプチン抵抗性の成因やメカニズムについては不明である。そこで、骨格筋におけるレプチン作用やシグナル伝達を解明することにより、レプチン抵抗性の成因・メカニズム解明、さらにはレプチン抵抗性解除の治療ターゲット探索に繋がるものと考えた。

本研究では、骨格筋におけるレプチン作用、すなわち脂肪酸酸化とシグナル伝達について検討した。また、レプチン受容体のうち、機能のよく知られていないshort-formレプチン受容体の役割についてもあわせて検討した。

第一章骨格筋細胞におけるレプチン誘導性脂肪酸酸化

【背景および目的】

骨格筋におけるレプチン作用として、脂肪酸酸化亢進作用が知られており、そのメカニズムの一つとしてAMPK/ACC経路を介するという説明もあるが、それ以外のメカニズムを示唆する報告もあり、不明な点が多い。レプチンシグナルとしてよく知られているJAK2/STAT3経路と、骨格筋におけるレプチン作用との関係については、これまでに検討されておらず、よくわかっていない。本研究では、レプチンを骨格筋細胞に作用させた場合の脂肪酸酸化亢進作用とそのシグナル伝達、特にJAK2/STAT3経路の関与を明らかにすることを目的とした。

【方法】

マウス骨格筋由来C2C12細胞は、筋芽細胞を筋管細胞に分化させて使用した。初代骨格筋細胞は、C57BL/6Jマウス後肢から採取し、分化させて使用した。脂肪酸酸化は[1-14C]パルミチン酸からの14CO2産生を測定することにより、評価した。

【結果】

レプチン受容体には、STAT3結合領域を有するlong-form受容体と、STAT3結合領域を欠くshort-form受容体が存在する。C2C12細胞においては、long-form(Ob-Rb)、short-form受容体(Ob-Ra)両者が発現していることが確認された。C2C12細胞にレプチンを添加したところ、濃度依存的(10-100nM)、時間依存的な脂肪酸酸化亢進作用を検出した(図1A)。顕著な作用はレプチン処理後6時間以降に認められ、12時間でピークに達した。RNA合成阻害剤であるActinomycinD処理による影響を調べたところ、脂肪酸酸化反応が消失したことから、レプチンによる脂肪酸酸化は転写を介するものであることが示唆された。脂肪酸酸化に関与する遺伝子群、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ(MCAD)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1(CPT-1),脱共役タンパク2(UCP2)の発現変動を調べたところ、レプチン処理24時間でそれぞれの発現が増加することが示された(図1B)。

レプチンシグナルとしてJAK2/STAT3経路が知られており、中枢神経系における役割の重要性については研究されている。一方、骨格筋におけるJAK2/STAT3経路の役割については不明である。そこで、このシグナル経路と脂肪酸酸化の関連を検討した。レプチンを添加し、JAK2およびSTAT3のリン酸化をWestern Blotにて調べたところ、リン酸化の上昇が認められた。JAK2阻害剤(10μM AG490)存在下でレプチン処理を行ったところ、JAK2の自己リン酸化がほぼ完全に抑制され、脂肪酸酸化亢進作用もJAK2阻害剤10FM以上で完全に抑制された(図2A)。また、siRNA処理によりSTAT3発現を抑制したところ、脂肪酸酸化亢進作用が消失した(図2B)。したがって、レプチンによる脂肪酸酸化はJAK2/STAT3経路を介していることが示唆された。一方、AMPK/ACC経路の関与について、レプチン処理後24時間のACC活性で評価した。ACC阻害剤であるTOFA(5-(Tetradecyloxy)-2-furoic acid)によるACC活性の阻害は認められたが、レプチンは100nMにてもACC活性に影響を与えなかった。このことから、本系においてAMPK/ACC経路の関与の可能性は低いと考えられた。

次に、より生理的に近いと考えられるマウス後肢から摘出・調製した初代培養骨格筋細胞において、レプチン作用とそのシグナルを検討した。脂肪酸酸化亢進はレプチン処理6時間では認められず、24時間後に顕著に認められた。また、C2C12細胞と同様にJAK2/STAT3経路の関与が示された。

生体の骨格筋にても、レプチンによる脂肪酸酸化、遺伝子発現変化が起こるかどうか、レプチンを欠損するob/obマウスへのレプチン投与により検討した。皮下に埋め込んだ浸透圧ポンプにて、4mg/kg/dayの用量でレプチンを3日間投与したところ、血漿中レプチン濃度は10nMであった。骨格筋を摘出して脂肪酸酸化能を調べたところ、対照群と比較して30%の脂肪酸酸化能亢進が認められ、C2C12細胞と同様の脂肪酸酸化関連遺伝子(MCAD,CPT-1,UCP-2)の発現が上昇していた。

第二章レプチン誘導性脂肺酸酸化におけるレプチン受容体の関与

【背景および目的】

レプチン受容体には、long-formとshort-form受容体が存在し、骨格筋には両者が発現している。Short-form受容体にはSTAT3結合領域が存在しないことから、一般的にはlong-form受容体のみが機能的であるとされている。しかしながら、db/dbマウス(long-form受容体ホモ欠損)にレプチンを投与した場合、レプチン作用が認められることから、short-form受容体もエネルギー代謝に対して何らかの役割があることが予想された。そこで、第一章で検討した骨格筋におけるレプチン作用に対するshort-formレプチン受容体の役割とシグナル伝達を明らかにすることを目的とし、db/dbマウス由来初代培養骨格筋細胞を用いて、レプチン作用とそのシグナル伝達を検討した。

【方法】

初代培養骨格筋細胞は、db/dbマウス、m/mマウス(misty/misty、db/dbマウスの同腹個体)の後肢より採取し、筋管細胞に分化させて使用した。

【結果】

Short-form受容体(Ob-Ra,Ob-Rc)の発現は、m/m,db/db細胞間でそれぞれ比較すると同程度であった。今回、レプチンはm/mのみならず、予想に反して、db/db細胞においても脂肪酸酸化亢進作用を示すことが明らかとなった。次に、レプチンによるシグナル伝達について検討した。レプチンは、long-form受容体に結合すると、JAK2が活性化して自己リン酸化が起こり、レプチン受容体をリン酸化する。リン酸化されたTyrl138がSTAT3をリクルートし、STAT3はJAK2にリン酸化されて核内に移行し、制御遺伝子を発現させる。Db/db細胞では、STAT3を結合するTyr1138が存在しないshort-form受容体の発現のみであることから、JAK2のリン酸化は起こるが、STAT3のリン酸化が起こることは予想し得ない。しかしながら、今回、JAK2およびSTAT3のリン酸化がm/mのみならず、db/db細胞においても捉えられた(図3A)。また、sTAT3 siRNAにより両細胞における脂肪酸酸化が抑制された(図3B)。したがって、db/db細胞におけるレプチン誘導性脂肪酸酸化にもSTAT3が寄与していることが確認された。

Short-form受容体のみの細胞においてもSTAT3リン酸化が認められたことから、JAK2からSTAT3リン酸化に至る間に何らかのシグナル分子の存在が予想された。各種阻害剤を用いてレプチン作用に与える影響を調べたところ、いずれの細胞にてもMEK(20μM U0126)およびJNK阻害剤(100μM SP600125)は無影響であったが、JAK2(10μM AG490)およびp38 MAPK阻害剤(40μM SB203580)はほぼ完全に脂肪酸酸化亢進を抑制した(図4)。両細胞において、レプチンによるp38 MAPKリン酸化の上昇と、JAK2阻害剤による消失が示された。P38 MAPK阻害剤はJAK2リン酸化に影響を与えず、STAT3リン酸化のみを抑制したことから、JAK2/P38 MAPK/STAT3経路が示唆された。加えて、p38 MAPK siRNAを用いて、レプチンによる脂肪酸酸化亢進ならびにSTAT3リン酸化に対する影響を確認した。いずれの細胞においても、p38 MAPK siRNAにより、脂肪酸酸化が抑制され、また、STAT3リン酸化についても同様に抑制されたことから、レプチン誘導性脂肪酸酸化に対するp38 MAPKの関与が確認された。

m/mおよびdb/db細胞において、脂肪酸酸化に関与する遺伝子群(MCAD、CPT-1,UCP2)の発現変動を調べたところ、レプチン処理により増加することが示された。また、STAT3 siRNA処理により各遺伝子発現の抑制がみられたことから、脂肪酸酸化に関与する遺伝子群はSTAT3により発現制御される可能性が示された。

【結論】

本研究では、レプチンは骨格筋細胞において、JAK2/STAT3経路および遺伝子発現を介して、6-24時間後に脂肪酸酸化を亢進することを示した。また、short-formレプチン受容体は、long-form受容体に加えて、レプチンの骨格筋における脂肪酸酸化亢進に寄与する可能性を示した。そのシグナル伝達として、p38 MAPKの関与、すなわちJAK2/p38MAPK/STAT3経路が示唆された。

骨格筋細胞におけるレプチン作用・シグナルを解明した本研究は、骨格筋におけるレプチン抵抗性の成因・メカニズム解明や、レプチン抵抗性解除をターゲットとした肥満治療薬創製の一助となるものと考えられる。

図1. C2C12細胞におけるレプチン誘導性脂肪酸酸化

図2. レプチン誘導性脂肪酸酸化のJAK2/STAT3シグナルの関与

図3. m/m,db/dbマウス骨格筋における脂肪酸酸化に対するSTAT3の関与

図4. m/m,db/dbマウス骨格筋における脂肪酸酸化に対するkinase阻害剤の影響

審査要旨 要旨を表示する

赤坂ゆにけは、「骨格筋細胞におけるレプチン誘導性脂肪酸酸化とシグナル伝達」と題して、以下の研究を行った。

赤坂は、現行の肥満症治療薬には副作用や効果に問題があることから、肥満に対して有効で、かつ安全でQOLを損なわない肥満治療薬創製を目指そうと考えた。また、脳をターゲットとするリスクが問題視されている状況から、末梢組織のエネルギー代謝を調節することによる肥満治療の可能性を考え、生理活性物質であるレプチンに注目した。レプチンは、脂肪細胞から分泌され、主に中枢神経系を介した食欲抑制作用や、交感神経系の興奮を介したエネルギー消費促進作用により体重を減少させ、肥満や体重の制御に関与している。しかしながら、肥満においては、高レプチン血症になっているにもかかわらず体重が減少しにくく、レプチン抵抗性を呈していると考えられている。レプチン抵抗性は骨格筋においても報告されており、赤坂は、骨格筋のレプチン抵抗性解除が肥満治療の一つの解決策になり得るかどうか、興味を持った。しかしながら、レプチン抵抗性の成因やメカニズムについては不明である。そこで、骨格筋におけるレプチン作用やシグナル伝達を解明することにより、レプチン抵抗性の成因メカニズム解明、さらにはレプチン抵抗性解除の治療ターゲット探索に繋がるものと考えた。

赤坂は、まず骨格筋細胞におけるレプチンの直接作用を検討した。マウス骨格筋由来C2C12細胞は、筋芽細胞を筋管細胞に分化させて使用した。C2C12細胞にレプチンを添加したところ、濃度依存的(10-100nM)、時間依存的な脂肪酸酸化亢進作用を検出した。顕著な作用はレプチン処理後6時間以降に認められた。RNA合成阻害剤であるActinomycinD処理により脂肪酸酸化反応が消失したことから、レプチンによる脂肪酸酸化は転写を介するものであることを示した。脂肪酸酸化に関与する遺伝子群、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ(MCAD)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1(CPT-1)、脱共役タンパク2(UCP2)の発現変動を調べ、レプチン処理24時間でそれぞれの発現が増加することを示した。

レプチンシグナルとしてJAK2/STAT3経路が知られており、中枢神経系における役割の重要性については研究されているが、骨格筋におけるJAK2/STAT3経路の役割については不明である。そこでまず、レプチンによるJAK2およびSTAT3のリン酸化の上昇を検出した。つづいて、JAK2阻害剤(10μM AG490)存在下でレプチン処理を行い、JAK2の自己リン酸化がほぼ完全に抑制されること、脂肪酸酸化亢進作用もJAK2阻害剤10μM以上で完全に抑制されることを示した。また、STAT3 siRNA処理により脂肪酸酸化亢進作用が消失したことから、レプチンによる脂肪酸酸化はJAK2/STAT3経路を介していることを示した。一方、AMPK/ACC経路の関与について、レプチン処理後24時間のACC活性で評価を行い、レプチン100nMにてもACC活性に影響を与えなかったことから、本系においてAMPK/ACC経路の関与の可能性は低いことを示した。

次に、より生理的に近いと考えられるマウス後肢から摘出・調製した初代培養骨格筋細胞におけるレプチン作用とそのシグナルを検討し、脂肪酸酸化亢進およびJAK2/STAT3経路の関与を示した。さらに、生体の骨格筋にても、レプチンによる脂肪酸酸化、遺伝子発現変化が起こるかどうか、レプチンを欠損しているob/obマウスへのレプチン投与により検討した。皮下に埋め込んだ浸透圧ポンプにて、4mg/kg/dayの用量でレプチンを3日間投与し(血漿中レプチン濃度:10nM)、骨格筋を摘出して脂肪酸酸化能を調べ、対照群と比較して30%の脂肪酸酸化能亢進と、脂肪酸酸化関連遺伝子(MCAD,CPT-1,UCP-2)発現の上昇を示した。

レプチン受容体には、long-formとshort-form受容体が存在するが、short-form受容体にはSTAT3結合領域が存在しないことから、一般的にlong-form受容体のみが機能的であるとされている。しかしながら、db/dbマウス(long-form受容体ホモ欠損)にレプチンを投与した場合、レプチン作用が認められることから、赤坂は、short-form受容体もエネルギー代謝に対して何らかの役割述あることを予想し、今回検討した骨格筋細胞におけるレプチン作用に対するshort-formレプチン受容体の役割とシグナル伝達を明らかにすることを目指した。

レプチンは、予想に反して、db/db細胞においても脂肪酸酸化亢進作用を示すことを初めて明らかにした。次に、レプチンによるシグナル伝達について検討した。db/db細胞では、STAT3を結合するTyr 1138が存在しないshort-form受容体の発現のみであることから、JAK2のリン酸化は起こるが、STAT3のリン酸化が起こることは予想し得ない。しかしながら、今回、JAK2およびSTAT3のリン酸化をdb/db細胞においても捉えた。また、sTAT3 siRNAにより脂肪酸酸化が抑制されたことから、db/db細胞におけるレプチン誘導性脂肪酸酸化へのSTAT3の寄与を確認した。

Short-form受容体のみを発現する細胞においてもレプチンによるSTAT3リン酸化が認められたことから、赤坂はJAK2からSTAT3リン酸化に至る間に何らかのシグナル分子の存在を予想した。各種阻害剤を用いてレプチン作用に与える影響を調べ、MEK(20μM U0126)およびJNK阻害剤(100μM SP600125)は無影響であったが、JAK2(10μM AG490)およびp38 MAPK阻害剤(40μM SB203580)はほぼ完全に脂肪酸酸化亢進を抑制することを示した。レプチンによるp38MAPKリン酸化の上昇と、その上昇がJAK2阻害剤(10μM AG490)により消失することを示した。p38 MAPK阻害剤はJAK2リン酸化に影響を与えず、STAT3リン酸化のみを抑制したことから、JAK2/P38MAPK/STAT3経路を示唆した。加えて、p38M APK siRNAによる脂肪酸酸化の抑制と、STAT3リン酸化の抑制から、レプチン誘導性脂肪酸酸化に対するp38 MAPKの関与を確認した。

db/db細胞において、脂肪酸酸化に関与する遺伝子群(MCAD、CPT-1,UCP2)の発現がレプチン処理により増加すること、また、STAT3 siRNA処理により各遺伝子発現の抑制がみられたことから、脂肪酸酸化に関与する遺伝子群はSTAT3により発現制御される可能性を示した。

本研究では、(1)レプチンは骨格筋細胞において、JAK2/STAT3経路および遺伝子発現を介して、6-24時間後に脂肪酸酸化を亢進すること、(2)short-formレプチン受容体は、long-form受容体に加えて、JAK2/p38 MAPK/STAT3経路を介してレプチンの骨格筋細胞における脂肪酸酸化亢進に寄与する可能性を示した。

骨格筋細胞におけるレプチンの直接作用およびシグナル伝達、short-formレプチン受容体の役割を解明した本研究は、末梢組織におけるレプチン作用を説明するのみならず、骨格筋におけるレプチン抵抗性の成因・メカニズム解明研究への手がかりを示すものである。以上から、本研究は、博士(薬学)の学位を授与するに値するものと考えられた。

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