学位論文要旨



No 119659
著者(漢字) 筒井(石川),牧子
著者(英字)
著者(カナ) ツツイ(イシカワ),マキコ
標題(和) 化石貝類群集における捕食・被食関係の古生態学的研究 : 沖縄本島の上部鮮新統、新里層を例に
標題(洋) Paleoecological studies of predator-prey interactions in fossil molluscan assemblages: a case study on the Upper Pliocene Shinzato Formation of Okinawa, Japan
報告番号 119659
報告番号 甲19659
学位授与日 2004.09.30
学位種別 課程博士
学位種類 博士(理学)
学位記番号 博理第4594号
研究科 理学系研究科
専攻 生物科学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 助教授 加瀬,友喜
 東京大学 教授 田嶋,文生
 東京大学 助教授 大路,樹生
 東京大学 助教授 藤田,敏彦
 東京大学 講師 上島,励
内容要旨 要旨を表示する

 捕食・被食関係は、生物の多様化や絶滅の主要因とされる。貝類化石は保存されやすく、地質時代を追って変遷を調べることができるため、絶滅した古生物群の捕食・被食関係の研究によく用いられてきた。

 化石貝類に対する捕食様式は、ヒトデ等による痕跡を残さない捕食、軟体動物による穿孔捕食、そして脊椎動物や甲殻類による破砕捕食の3つに大別される。捕食活動の解析には主に腹足類(図)やカニ(図2)による特徴的な捕食痕が用いられ、その出現頻度の時空的変化は、中生代以降の捕食者の適応放散と、被食者の捕食適応的な形態・生態的進化との関わりを論じた"中生代の海洋革命"説の重要な証拠とされてきた。しかし、捕食痕の認定や頻度の算出には様々な問題がある。本研究では、沖縄本島の上部鮮新統新里層産の漸深海帯化石貝類群集と、比較としてフィリピン・ボホール島沖の漸深海帯現生貝類群集を用い、化石貝類群集における捕食・被食関係について新たな解析法を開発して検証を行った。

1.生痕化石Oichnus apicalisの認定とその意義

新里層産の巻貝化石の殻頂部付近に観察される穿孔痕は、腹足類の穿孔捕食痕に酷似するが、殻表面に対して斜めに貫通し(図3B,F)、穿孔直下の殻軸が溶触される(図3C-D,G-H)など,容易に区別できる。同様の穿孔痕はボホール島沖の漸深海帯現生巻貝でも観察され(図4)、その比較研究から、ヤドカリ共生性ゴカイ(Dipolydora属の未報告種)の住まい痕であることを見いだした。本穿孔痕に対し、生痕化石種Oichuns apicalis(MS)と命名し、化石記録の追跡から、ゴカイとヤドカリの共生関係が始新世には始まっていたことを明らかにした。また、貝類の死殻群集の構成や挙動はヤドカリ類による貝殻利用に影響を受けるため、この生痕化石は化石群集から貝類群集の古生態を復元する上で重要である。

2.カニによる捕食痕を用いた捕食活動の解析とその問題点

 カニによる捕食は、巻貝の殻口部に特徴的な捕食痕を残し(図2,5A,B,E-H)、波浪などによる物理的な破砕と区別される。しかし、カニはヤドカリなどの殻の二次利用者も同様の方法で捕食する(図7H)ため、この捕食痕頻度を用いた研究は、生貝に対する捕食頻度を過大評価している可能性がある。また、生貝に対する捕食でのみ形成される修復痕(図6)の頻度の中生代中期以降の急激な増大は、中生代に捕食頻度が増大したという"中生代の海洋革命"説の最も有力な証拠とされているが、修復痕は致命的でない捕食を示すため、'捕食頻度'だけでなく'捕食による死亡率'にも影響される値である。

 そこで、前述のO.apicalisを用いて死後破壊の頻壌を推定し、それが致命的な捕食痕を用いた捕食頻度の推定に与える影響を検討した(2-1)。また、数理モデルを用いて従来の修復痕頻度を用いた研究の問題点を明らかにし,'捕食頻度'と'捕食による死亡率'の2要因を独立に推定する方法を開発した(2-2)。

2-1.致命的な捕食痕を用いた捕食活動の解析

 巻貝の死後、直接埋没した殻は、生貝に対する捕食のみを受けている。しかし、ヤドカリに利用された殻は、生貝とヤドカリに対する捕食の両方を受けた可能性がある(図7)。よって、この両者を区別できれば、破砕捕食の中での死後破壊(ヤドカリに対する捕食)の割合を算出できる。O.apicalis(図5A,F)と殻口軸唇部に形成されるHelicotaphrichnus commensalis(図5A,C-H)は共にヤドカリ共生性ゴカイの生痕化石で、巻貝の死殻がヤドカリに利用された証拠となる。よって、この生痕を持たない殻に見られる捕食痕の頻度が、生貝に対する捕食の指標となり、その頻度の破砕捕食との差が、死後破壊の割合を示す指標となる。しかし、ヤドカリに利用されてもこの生痕が形成されないこともあるため(図7G)、実際の死後破壊の割合はこの値よりも大きくなる(表1(7))。

 一方、H.commensalisはヤドカリ利用時の殻口の位置を示す指標となり(図5)、破砕以前の殻口部に形成された場合は、ヤドカリに対する捕食の直接的な証拠となる(図5A-D,H)。よって、H.commensalisが破砕以前の殻口部に形成され、更に捕食されたものは、群集全体の死後破壊の最大限の見積もりとなる(表1)。実際の死後破壊はこの最低,最大値の範囲に収まると考えられ、新里層の貝類群集では、過小評価されてきたヤドカリに対する捕食の割合は破砕捕食の20%以上(0.05/0.24)と高いことが示された。

2-2.修復痕を用いた捕食活動の解析

 貝類に見られる修復痕頻度は、(1)捕食の頻度,(2)捕食による死亡率,の2要因に依存する。そこで数理モデルを構築し、貝類群集中の捕食痕の頻度分布を基に、(1)1個体が一生の内に受ける捕食の回数(捕食頻度;r),(2)1回の捕食による死亡率(捕食成功率;p)の2つのパラメータを独立に推定する方法を開発した。

 はじめに、時間を離散的に考え、捕食が存在しない場合には、個体はその固有寿命'L'まで生きるとする。ある1個体の貝が辿る運命を考えた場合、この貝は単位時間ごとに'a'の確率で捕食に遭遇する。ここで、'ap'と'a(1-p)'はそれぞれ致命的な捕食と致命的でない捕食に遭う確率であり、捕食頻度'r'は

r=La(式1)

と定義できる。死殻に致命的な捕食痕がなく、'x'個の修復痕が残される場合は、この貝が一生のうちに'x'回の捕食に耐えたことを示す。また、致命的な捕食痕と'x-1'個の修復痕を持つ場合は、その貝が'x-1'回の捕食に耐え、次の1回で捕食された事を示す。それぞれsub(x),let(x)と定義すると,(式2,3)で表すことができる。

sub(x)=LCx(1-a)L-x{a(1-p)}x forx〓0(式2)

let(x)=[1+xCx-1(1-a)+x+1Cx-1(1-a)2+…+L-1Cx-1(1-a)L-x]ax(1-P)x-1p forx〓1,(式3)

 ここで、極限的に短い単位時間を考えた場合(a->0,L->∞,r=La),二項分布はPoisson分布に一致するため,(式2-3)は'a'と'L'の代わりに'r'の関数で表すことができる。

sub(x)->e-rrx(1-p)x/x!(式4)

let(x)->[1-e-r{1+r+r2/2+…+rx-1/(x-1)!}1(1-p)x-1p(式5)

 カニによる捕食では、致命的な捕食痕に"死後破壊"が含まれている可能性があるため、死後破壊の割合をα、見かけ上"致命的な捕食痕"を持たず'x'個の修復痕をもつ確率をSUB(x),"致命的な捕食痕"と'x-1'個の修復痕を持つ確率をLEr(x)とすると、それぞれ(式6,7)で表すことができる。

SUB(x)=(1-α)sub(x)(式6)

LET(x)=let(x)+αsub(x-1)(式7)

この式から、実際の捕食痕の頻度分布のデータに最も適合する'r','p','α'の値を最小二乗法により算出する(表1)。

 従来、捕食頻度'r'の指標とされてきた修復痕頻度は、(式6,7)を用いるとr(1-p)となり、捕食頻度の大小を議論できないことが分かる。今回開発した方法で新里層の群集を解析した結果、捕食の成功率'p'は被食者の殻形態が細長いほど減少し(r2=0.635,p<.005)、伸長化した貝は殻口からの捕食に対して、より軟体を引き込めるため、捕食に対する抵抗性が高いことが示された(表1)。よって、修復痕頻度は巻貝個体群の構成種の殻形態により大きく影響される可能性がある。中生代以前の巻貝群集では捕食に弱いとされる平巻きやサザエ型(いわゆる古腹足目)の種が多く、伸長化した貝(caenogastropods)の個体群に占める割合は、中生代中期から徐々に増加してきた。つまり、見かけ上の捕食頻度の増加は、捕食に強いとされる貝類種の増加の結果も反映している可能性がある。実際に、従来の研究での修復痕頻度は、時代的な傾向よりも伸長化した貝類が個体群に占める割合に比例している。また、同じ分類群の貝類に対する修復痕頻度の時代的変化に関する数例の研究では、"中生代の海洋革命"説の証拠となるような増加傾向は見られていない。本研究により、捕食者と被食者それぞれの時代的変化を検証するために必要であった"捕食頻度"と"捕食の成功率"の時空的な比較研究が可能になった。

3.ツキガイ科二枚貝Cardiolucina okinawaensisの穿孔捕食痕

 タマガイ類による捕食は、通常被食者の殻に穿孔捕食痕を1つしか残さない。しかし、新里層に多産するツキガイ科の二枚貝Cardiolucina okinawaensisには、1個体に複数個の未貫通のものを含む穿孔捕食痕が残り(図8A,B)、断面では殻体構造の境界部において段差が形成される(図8C)。殻体構造の境界部の構造は消失しており(図8D)、有機質由来の物質であったことが示唆される。消失部分の殻体構造中の分布は、殻の縦断面の模式図(図8E)で、灰色の線で示す。また、殆どの二枚貝では連続的な層となって現れる光輝層(PM)は不連続な塊状となって出現し、成長パターンが他の分類群の二枚貝と異なり不連続であることを示している。

 そこで、同属の現生種C.civicaの殻体構造との比較により、消失部分の解明を試みた(図9)。C.civicaでも未貫通の穿孔捕食痕が多く(図9A,B)、殻体構造の境界部には層状の膜構造がみられ(図9C-E)、穿孔捕食痕は膜部分(図9Fの灰色線)で段差が形成される。光輝層(PM)は不連続な塊状となって出現しC,civicaの成長がC.okinawaensisと同様に不連続であり、殻体構造中に形成される有機質の膜状構造は、貝の成長の停滞に伴って形成されることが示唆される。

 殻体構造中に有機質膜を形成する二枚貝はクチベニガイ、シジミ科などに見られ、酸性環境での殻の溶解を防ぐ、または穿孔捕食を阻止する役割を持つとする研究がある。しかし、それらの有機質膜は殻体中に散逸的に形成されるのに対し、Cardiolucina属の有機質膜は成長に伴い規則的に形成されるという興味深い特徴が見られる。この有機質膜の穿孔捕食に対する影響を調べるため、中新世、鮮新世、現生のツキガイ科Cardiolucina属、及びLucinoma属に形成される有機質膜の枚数と穿孔捕食に対する抵抗性を調べた(表2)ところ、有意な相関が見られ(Fisherの正確確率検定法)、有機質膜が炭酸カルシウムの溶解を阻止し、タマガイ類の穿孔捕食の効果を下げている可能性が示唆された。

図1タマガイ科巻貝による穿孔捕食痕

図2カニによる破砕捕食痕

図3沖縄県宮城島の鮮新統・新里層産化石巻貝類に観察される穿孔痕.スケール;lA,E=5mm,B,C,F,G=1mm,D,H=200μm

図4フィリピン・ボホール島、水深200-400m現生巻貝類に見られるDipolydora属ゴカイによる穿孔痕、スケール;A=1cm,B,D=1mm,C=5mm,E=500μm

図5巻貝の破片化のパターンと生痕化石Helicotaphrichnus commensalis(HC;軸唇部),Oichnus apicalis(OA;殻頂部)の形成位置A,B,Makiyamaia sp.殻頂部にOA,破砕以前の殻口部にHCを持つ.C,D.破砕されたクダマキガイ科巻貝,破砕以前の殻口部にHCを持つ.E,F.Gemmula granosa.殻頂部にOA,破砕後の殻口部にHCを持つ.G,H.G.granosa.破砕以前と以後の殻口部の両方にHCを持つ.

図7化石化の過程に起こる貝殻の破片化の要因

生貝の死因には、痕跡の残らない場合(A)もあるが、一部は軟体動物による穿孔捕食(B)や、カニ,魚類などによる破砕捕食(C)を受け、遺骸群集となる。遺骸群集の一部は物理的に破片化を受け(D),または受けずに(E),そのまま埋没群集になる。残りはヤドカリにより再利用され(F,G),その一部には共生生物の生痕形成が伴う(F)。ヤドカリに利用された貝殻は埋没群集に加わるが(I),その過程で更にヤドカリに対する破砕捕食(H)や,物理的な破片化(J)を受ける。埋没群集からReworkされた貝殻は再び同様の過程を通る(K)。最終的に、埋没群集は続成作用やそれに伴う物理的な破片化を受け(L),または受けずに(M),化石群集となる。

表1.新里層産化石巻貝類15種での死後破壊の推定、及び数理モデルによる解析結果

図9 新里層産Cardiolucina okinawaensisに見られる穿孔捕食痕と殻構造

スケール;A,E=1mm,B=200μm,C,D=100μm

図10 現生Cardiolucina civicaに見られる穿孔捕食痕と殼構造

スケール:A,E=1mm,B=200μm,C=100μm,D,E=100μm

表2.有機質膜の枚数と捕食に対する防御効率

審査要旨 要旨を表示する

 捕食・被食関係は生物の進化を促す重要な要因であり、古生物学でも現生生物を扱う生態学とは異なる立場から捕食・被食に関する多くの研究がなされている。とくに、化石貝類の殻などの硬組織に残る捕食痕の化石記録の探索とそれらの地質時代の変遷を明らかにする研究が盛んで、捕食者の適応放散と被食者の捕食適応的な形態・生態的進化について多くの新事実が明らかにされつつある。しかし、これまでの研究では、捕食痕の認定や捕食痕に基づく捕食頻度の評価には多くの問題が残されていた。本論文は、沖縄本島宮城島の上部鮮新統・新里層の世界でも類のない保存良好な深海貝類群集をもとに、新たな解析法を導入し、化石貝類群集における捕食・被食関係の解析を行なったものである。本論文は3章からなり、第1章は化石腹足類の殻頂部に見られる新生痕化石種の設立とその古生態学的意義、第2章は生痕化石と数理モデルを用いた化石腹足類に対する捕食頻度の評価についての新たな手法の開発とその応用、第3章はツキガイ科化石二枚貝に見られる穿孔捕食痕の成因とその適応的意義について述べられている。

 第1章では、新里層から産出する深海性腹足類殻の殻頂部に特異的に見られる穿孔痕の成因を明らかにしている。この穿孔痕は、従来捕食性巻貝類の捕食穿孔痕との区別が困難であったが、その詳細な観察およびフィリピン・ボホール島沖の漸深海帯現生巻類の観察から、ヤドカリ共生性ゴカイ(Dipolidora属の未報告種)の住まい痕であることを明らかにし、新生痕化石種Oichnus apicalisを提唱している。また、本生痕化石の化石記録を調査し、フランスの始新世から最古の記録を見出し、ヤドカリと穿孔性ゴカイの共生がこの時代には始まっていたことを明らかにしている。さらに、この生痕化石は化石群集から貝類群集の古生態を復元する上で、極めて重要であることを指摘している。この研究は捕食痕を用いた古生態学的研究に新たな情報を提供するものであり、この分野の重要な貢献と判断される。

 第2章は本論文の最も独創的な部分である。従来の捕食・被食の古生態学的研究では、甲殻類による巻貝殻口部の特徴的な破砕の痕の化石記録が用いられている。しかし、波浪や堆積物中に埋没後の物理的な破砕との区別が困難であった。また、その替わりとして用いられる修復痕頻度から、絶対的な捕食圧を導き出すことが出来なかった。本研究では、第1章で明らかにした新生痕化石と従来から知られている巻貝軸唇部に見られるヤドカリ共生性ゴカイの穿孔痕(Helicotaphrichnus commensalis)を用いた甲殻類の捕食圧の推定と、それとは全く異なる数理的モデルによる捕食圧を推定する新たな手法を提唱している。上部鮮新統・新里層の巻貝群集に2つの新手法を用いて解析した結果、1)この群集では巻貝類に対する甲殻類の捕食よりも、死殻2次利用者であるヤドカリに対する捕食が無視できないほど存在すること、2)巻貝類に対する甲殻類の捕食成功率は殻形態に強く依存することを明らかにしている。すなわち、伸長した殻を持つ巻貝殻に見られる捕食痕は、巻貝に対する捕食ではなく、多くは巻貝殻の2次利用者であるヤドカリに対する捕食であることを見事に示している。さらに、従来の研究で示された中生代以降の捕食痕の増大は、捕食圧の増大以外にも、地質時代における巻貝群の伸長した殻形態をもつ種の相対的な増加も起因している可能性を指摘している。今後、この分野の研究に新たな波紋を投げかけるであろう。

 第3章では、新里層に多産するツキガイ科二枚貝Cardiolucina quadrataを例に、捕食成功率の低い種に見られる捕食適応的な性質の解析を試みている。この化石二枚貝には、1個体に多数のタマガイ類による未貫通の穿孔捕食痕が見られ、完貫通したものはそのうちの一つである。このような異常な捕食痕はクチベニガイ科やカキ科の二枚貝に知られていたが、ツキガイ科二枚貝にもあることを初めて明らかにしている。本論文ではその成因が同二枚貝の不連続な成長様式によるもので、その成長に伴う殻内面の有機質膜の形成により生ずることを明らかにし、同属の現世及び新生代中新世以降の化石種を検討し、Cardiolucina属に普遍的な現象であることを明らかにした。これはツキガイ科二枚貝が殻構造中に有機質膜を持つことが示された初めての例であり、さらにその膜が穿孔捕食に対する効果的な対捕食者戦略であることを示している。

 なお、本論文第1章は加瀬友喜、第2章は加瀬友喜、筒井秀和、東條文治、第3章は加瀬友喜との共同研究であるが、論文提出者が主体となって分析及び検証を行ったもので、論文提出者の寄与が十分であると判断する。

 以上要するに、本研究は軟体動物を用いた捕食・被食の進化史研究に関して重要な貢献であり、この研究分野の新たな進展をもたらす新知見を見出した優れた研究であると判断される。したがって、博士(理学)の学位を授与できると認める。

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