学位論文要旨



No 120119
著者(漢字) 栗原,宏征
著者(英字)
著者(カナ) クリハラ,ヒロユキ
標題(和) 新規人工細胞外マトリクス作製技術開発と機能評価
標題(洋)
報告番号 120119
報告番号 甲20119
学位授与日 2005.03.24
学位種別 課程博士
学位種類 博士(工学)
学位記番号 博工第6061号
研究科 工学系研究科
専攻 化学生命工学専攻
論文審査委員 主査: 東京大学 教授 長棟,輝行
 東京大学 教授 多比良,和誠
 東京大学 助教授 上田,宏
 東京大学 助教授 鈴木,勉
 東京大学 講師 新海,政重
内容要旨 要旨を表示する

1. 緒言

 細胞外マトリクス(Extracellular matrix, ECM)は、細胞間に存在する繊維状タンパク質の総称であり、細胞の支持体として機能している。接着依存性細胞は、ECMのアミノ酸配列情報をインテグリンと呼ばれる膜受容体により認識し、このECM上に接着することで初めて生存・増殖が可能となる。インテグリンはリガンド存在下でα/βのヘテロ2量体を形成し、種々のGタンパク質を活性化し細胞骨格の再構成、細胞周期の活性化を促進する。このインテグリンのリガンド分子として初めて同定されたのがArg-Gly-Asp(RGD)モチーフと呼ばれるトリペプチド配列である。RGDモチーフは、この短いペプチド配列のみでインテグリンと相互作用することから、種々の細胞親和性材料に頻繁に導入されている配列である。近年、遺伝子工学的手法によりRGDモチーフを人為的に導入した組み換えタンパク質の研究が多くなされており、コラーゲン等に代わる人工ECM分子としての利用が検討されている。例えば、絹糸タンパク質やエラスチンなどの天然タンパク質に見られる繰り返し構造モチーフを人工設計し、そこにRGDモチーフを導入することで、構造・機能を併せ持つ全く新しいプロテインポリマーの設計が報告されている。本論文では、このようなプロテインポリマーの鋳型となる繰り返しDNA配列を手軽に作製する新規手法を提案した。また、本手法を用いRGDモチーフを含む繰り返し配列を組み換えタンパク質として大腸菌にて生産し、その人工細胞外マトリクス分子としての機能を評価した。

2 新規繰り返しDNA 配列作製手法の開発

2-1 伸長機構

 プロテインポリマーを設計する際、微生物発現の鋳型となる繰り返しDNAが必要となる。従来、繰り返しDNAはモノマーDNA分子のHead-to-tailライゲーション法により作製されていた (Fig. 1A)。しかしながら、ライゲーション反応は、反応効率が低く、非常に繰り返しモノマーDNAを必要とする。そこで、DNAポリメラーゼを用いたライゲーション反応を提案した(Fig.1B)。まず、任意のアミノ酸配列をコードする塩基配列の2回繰り返しDNA配列を用意し、増幅鋳型が存在しない条件下でPCR反応を行う。モノマーDNA分子は、2回任意の同じ配列が繰り返されているため、5'側にずれた形で二本鎖DNAを形成可能である。形成した5'突出末端DNA分子は、DNAポリメラーゼによる伸長反応により、5'末端が補完され、繰り返しDNA配列が伸長した平滑末端DNAが生成する。さらに、この反応が繰り返されることにより、種々の長さを有する繰り返しDNAライプラリーが作製される。このPCR反応をOverlap Elongation PCR と名付けた。

2-2 モデル実験-ヘキサヌクレオチドの伸長

 種々の GC 含量を有する任意のヘキサヌクレオチド配列を設計し、これを2回繰り返したモノマーDNAを用意した(Fig.2)。これらのDNA分子を鋳型の存在しない条件下でPCR反応を行った結果、GC 含量が多いモノマー配列(GC5,GC6)に関しては伸長産物の蓄積がほとんど見られなかったが、それ以外は幅広いサイズ長のDNA産物が蓄積することが示された (Fig. 3A)。 これらのDNA産物の塩基配列を解析したところ、モノマーDNA配列が繰り返された産物であることが明らかとなった (データ不掲載)。また、5'リン酸化したモノマーDNA分子 (ポリグルタミン酸をコードするヘキサヌクレオチド)のライゲーション反応と、本手法によって得られる産物を比較したところ、本手法では、少ないモノマー濃度で、非常に長いDNA産物(10kbp以上)が得られることが示された (Fig. 3B)。

2-2 Overlap elongation PCR 変法

 任意の塩基配列の2回繰り返しDNAでは、作製したいアミノ酸配列が長くなったとき、結果として長いモノマーDNA分子を必要とする。この点を改善するためにOverlap Elongation PCRのための新しいヌクレオチド設計を提案した。プライマーダイマーは増幅鋳型が存在しないとき非常に形成しやすく、5'末端1塩基の相補性でダイマー由来産物が蓄積することが知られている。Overlap Elongation PCRに関しても一種のプライマーダイマー形成反応が繰り返し起きることにより伸長産物が蓄積しているものと言える。そこで、伸長可能な二本鎖DNAを形成に関与する相補配列部位を短くすることができないか検討した。例えば VPGVG の繰り返し配列を作製するために、センス鎖としてVPGVGをコードするヌクレオチドを用意する。それに対しアンチセンス鎖はVPGをコードする配列分だけ5'側にずらした形で設計する。この2本のヌクレオチドを用いPCRを行うことで、VPGをコードする5'GTTCCGGGTの部位が二本鎖形成の起点となり、繰り返しDNA配列の伸長が可能になると考えた(Fig.4A)。実際、このヌクレオチド設計でもPCRを行うことで伸長産物が生成可能であることが確認された(Fig.4B)。これにより、長いモノマーDNA配列に関しても、望んだDNA配列+数塩基という短いヌクレオチドを初発のモノマー分子として繰り返しDNAライブラリー作製を可能とした。

3 RGD ポリマーの大腸菌生産、機能評価

 これまで、人工細胞外マトリクスとしての利用を目指し、絹糸構造モチーフ配列 GAGAGSとRGD配列を交互に導入した組み換えタンパク質が大腸菌にて作製されており、優れた細胞接着基質として機能することが報告されている。またRGDモチーフをタンデムに繰り返したポリマーは、ペプチド合成手法により作製されており(平均分子量10kDa)、腫瘍転移抑制物質として機能することが報告されている。しかしながら、人工の細胞外マトリクス分子としては評価しておらず、また組み換えタンパク質としての生産も検討されていない。そこで本手法を用いRGDポリマーの組み換えタンパク質として設計し、その人工細胞外マトリクス分子としての機能を評価した。

3-1 RGD ポリマーの大腸菌での発現

 RGDポリマーの鋳型となる繰り返しDNA配列をOverlap elongationPCR法にて作製した。RGDをコードする2回繰り返しDNA(18-bp)を出発DNAモノマーとして調製し、PCRを行った。その結果、サイクル数の増加に伴って、伸長産物が蓄積することが明らかとなった(Fig.4A)。また、得られたDNA産物をPAGEにて分離したところ、9bp間隔のラダーが確認された(Fig.4B)。すなわち、PCR反応により、RGDをコードするDNA部位が5'側にずれ、DNAポリメラーゼによって補完されることで、繰り返しDNA配列の伸長、蓄積が起きていることを示している。この反応により得られたDNAライブラリーから、RGDを21回、43回コードするDNAを単離し、大腸菌にて発現を行った。その結果、チオレドキシン融合タンパク質として大腸菌にて発現可能であることが示された(Fig.4C)。RGDの43回繰り返しは分子量14kDaであり、先に報告されている合成RGDポリマー(約10kDa)より大きな分子サイズのポリマーに関しても大腸菌発現系にて生産可能であることが示された。

3-2 RGD ポリマーの高次構造

 大腸菌にて得られたチオレドシキシン融合タンパク質を変性条件下金属アフニティ精製した後、透析を行ったところ、RGD43は水溶液中で繊維状の沈殿を形成することが明らかとなった。組み換えタンパク質の水溶解性は、チオレドシキシン(TRX)、RGD2(TRX+RGD2回)で10mg/mL以上、RGD21で2.5mg/mLであるのに対し、RGD43は約100μgしか溶解しない。そこで、RGDのアルギニンをイソロイシンに置換したIGDの繰り返し配列も同様に作製し、チオレドキシン融合タンパク質として発現したが、IGDの44回繰り返しを有するチオレドキシンの水溶性は5mg/mL以上あった(データ不掲載)。このことから、RGD43分子はアルギニンとアスパラギン酸残基の静電相互作用にて組織化した超高次構造を形成していることが示唆された。これまでに、(RADA)をモノマー配列とする繰り返しペプチド(4回繰り返し)が有機合成にて作製されており、自己組織化した繊維状構造体を形成することが報告されている。これらのRGD組み換えタンパク質のCDスペクトルを測定したところ、RGD43分子に関して特に、ランダムコイル、βシート構造が増加していることが示された (Fig. 5)。さらにRGD43沈殿物をSEMにて観察したところ、数十から数百ナノメートル経の繊維からなる枝分かれした超高次構造を形成していることが明らかとなった (Fig.6)

3-3 RGDポリマーの細胞接着性の評価

 これらのタンパク質の細胞外基質としての機能を評価するために精製したTRX、 RGD2、RGD21、RGD43をポリスチレンプレートに吸着させ、マウス繊維芽細胞(NIH3T3)を無血清条件下で培養した。TRXをコートしたプレートでは、TRX中にインテグリンリガンドを含まないため細胞はほとんど接着せず、その多くは浮遊状態で存在していた。一方、RGDを含む組み換えタンパク質では、すべてのRGDを含む組み換えタンパク質(RGD2,RGD21,RGD43)に関して、有意な細胞接着性が認められた(Fig.7)。特に低濃度条件下におけるRGD43およびRGD21の細胞接着能は非常に優れており、ウシ血清由来フィブロネクチンよりも優れた細胞接着能を有することが示された(Fig.7)。また、他の細胞株(PC12, HEK293等)に関してもRGD43は優れた細胞接着性を示した(データ不掲載)。RGD43上に接着・伸展している細胞を固定化し、アクチン、ビンキュリン抗体にて染色したところ、ストレスファイバー(Fig. 8A)、接着班(Fig.8B)の形成が確認された。このことから、細胞はインテグリンを介したシグナル活性化により細胞骨格の再構成を行い、RGDポリマーに接着していることが示された。

3-4 RGD43プロテインシートの作製

 RGD43は非常に高い細胞接着能を有し、かつユニークな繊維状構造を形成する。しかしながら、RGD43を繊維上沈殿のまま用いると、細胞はプレート上に不均一に接着し、また沈殿密度の高いところには比較的接着細胞数が少ないといった現象が見られた(Fig.9A)。そこで、RGD43を有機溶媒 (HFIP)に可溶化し、ガラスプレート上で乾固することにより、RGD43プロテインシートを作製した(Fig.9C)。このシート上で神経芽細胞PC12を無血清培養したところ、非常に均一にシート上に接着・伸展した(Fig.9B)。また、このプロテインシートは24時間培養後もフィルム状の性状を保っており、種々の細胞工学への利用が期待される。SEM観察の結果、このプロテインシートは多孔性の構造を有しており、RGD43繊維状沈殿の構造とは大きく異なっていることが示された (Fig.9 C)。

Fig. 1 Preparation repetitive DNA templates for microbial expression. Conventional head-to-tail ligation method by T4 DNA ligase (A), and PCR madiated ligation mathod proposed in this study, name by overlap elongation PCR (B).

Fig. 2 Summary of model repetitive duplexes used in this study. Names were assigned to the model duplexes based upon the number of GC residues within their hexa-nucleotide sequences.

Fig. 3 Thermal cyclic extemsion of model repetitive duplexes(A). Elongation efficiencies of the poly-glutamabe-encoding short duplex by the the thermal cyclic reaction isothermal expansion, and the T4 ligase-catalyced ligation method (B). The starting du plex concentration, for the isothermal or thermal cyclic reaction mixtures was 1 μM. For the ligation reaction, 1.5 to 50 μM starting duplex was used.

Fig. 4 Modefied nuclectide design for overlap elongation PCR(A), and elongated DNA products of VPGVG encoding DNA separated by 1.5 % agarose gel(B).

Fig. 4 Elongabed DNA products separated in an agarose gel (A) and a non-denabured acrydamide gel (B). SDS-PAGE of expressed and His-tag-purified proteins (C). The samples designabed crude and His are the whole cell extract and the protein purified by the His-taglmetal affinity resin, respectively (C).

Fig. 5 Far-UV circular dichroism spectra analysis of recombinant proteins, RGD 2 (-), RGD 21(--) and RGD 43 (---) in water. The conditions were 2 nm band width, 1-s averaging times, and ten scans over a wavelength range of 190-260 nm at room temperature.

Fig. 6 Scanning electron microscopic images of the RGD43 precipitate. RGD43 precipitates were dried up on glass plate and observed 10keV condition.

Fig. 7 Relative cell adhesion after 3 hours incubation on RGD recombinant proteins and natural ECMs, fibronectin and laminin coating plates. Each protein solusion was adsorbed on polystydene plate and fibroblast NLH 3T3 cells (5x 104 cells well) were seeded and incubated for 3h Relative cell adhesive cells number was estimated as the standard of that onfibronectin at 10μg/ml.

Fig. 8 Actin and focal comtacts obserbatian in adhered cells on RGD43. The fixed cells after 3h incubation on RGD43 were stained by rhodamine-pharoidine (A, Red). Focal contacts in the cells were detected by the immnobloting by the vincullin anti-body, and deteded by FITC-labeled mouse IgG anti-body (B,Green).

Fig. 9 PC12 cells adhered on RGD43 fibrous scaffold(A) and the protein sheet (B) under serum-free comdition. SEM image of RGD43 protein sheet (C).

審査要旨 要旨を表示する

 足場依存性細胞の生存にとって細胞接着は不可欠であることから、コラーゲン、フィブロネクチンなどの細胞外マトリクス分子は細胞培養工学や組織工学など種々の分野で利用されている。現在、これらの細胞外マトリクス分子は牛、豚などの家畜動物に由来する原料から分離精製されたものが主に用いられている。しかし、ウイルス汚染や、最近ではプリオン汚染の危険性から、家畜動物由来の細胞外マトリクスに替わる人工的な細胞外マトリクス分子の安定供給が望まれている。このような背景から、人工的な細胞外マトリクス分子の設計とその生産に関する研究が、90年代初頭から現在まで行われてきた。本研究では、天然の細胞外マトリックス分子の接着モチーフ配列、架橋モチーフ配列、金属プロテアーゼ切断モチーフ配列などを含む繰り返しアミノ酸配列からなる人工的な細胞外マトリクスを大腸菌で作製することを目的として、その為の繰り返しDNA配列作製のための新規な手法を提案し、実際に本手法を用い種々の人工細胞外マトリクス分子を設計・生産し、その細胞接着活性、プロテアーゼによる分解性などの機能性を評価している。

 第1章は本研究の目的と意義、研究背景、既往の研究について述べている。

 第2章では、繰り返しDNA配列を作製する手法としてOverlap elongation PCRを提案し、本手法の有用性に関して述べている。従来のライゲーション反応を用いた繰り返しDNA配列調製法では、数十塩基から百塩基長の比較的長いオリゴヌクレオチドを出発材料として用意する必要があった。本手法を用いると、自分が望む繰り返しアミノ酸配列をコードする10塩基長から20塩基長の比較的短いセンス鎖、そしてセンス鎖に対し数塩基だけ5'側にずらしたアンチセンス鎖を用意し、PCRを行うだけで様々な長さの繰り返しDNA鎖が作製可能である。ここではOverlap elongation PCRの有用性を示すために、6塩基長、9塩基長、さらに長い塩基配列を繰り返し単位とするDNA鎖が本手法を用い伸長可能であること確認している。また得られたDNA産物を発現ベクターにクローニングし、大腸菌を宿主として発現可能であることも示している。

 第3章では、Overlap elongation PCRを用い細胞接着に関与する受容体であるインテグリンのリガンド配列、RGD配列を繰り返した人工細胞外マトリクスを設計し、その細胞接着性などの機能評価を行っている。RGD配列の繰り返し数が2回(RGD2)、21回(RGD21)、43回 (RGD43)のものを大腸菌発現系で作製している。特にRGD43は、その長い繰り返し配列中のRとDの静電的相互作用により自己組織化した構造を形成することを見出している。またRGDの繰り返し数が細胞接着に与える影響を検討し、RGDの繰り返し数が増加するのに伴い細胞接着活性が増大すること、RGD43は幅広い細胞種に関して高い細胞接着活性を示し、天然の細胞外マトリクス分子と比較しても同等、あるいはそれ以上の接着活性を有することを明らかにしている。このようなRGD43を加工することでプロテインシート、3次元ヒドロゲルを作製し、これらの上で細胞が接着・伸展可能であることを示している。また、RGD43を直径200μm程度のスポットとしてアレイしたスライドガラスを用い、細胞マイクロアレイを作製することにも成功している。このように本章では、作製したRGD43が天然の細胞外マトリクス代替物として利用可能であることを述べている。

 第4章では、生体内で徐々に生分解される人工細胞外マトリックス分子の創製を試みている。すなわち、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)切断配列、トランスグルタミナーゼ(TG)架橋化配列およびRGD配列を直列に連結した繰り返し単位を有し、これを12回繰り返した配列を有している人工細胞外マトリックス分子の作製とその機能評価の結果について述べている。作製した分子をTGで架橋することにより、コラーゲン繊維束とほぼ同直径の繊維状構造体を形成できることを示している。また、未架橋の人工細胞外マトリックス分子がMMPを産生する細胞の初期接着過程において比較的容易に分解されるため接着活性が低いのに対して、TG架橋化産物はMMP分解に対する耐性が向上し、MMP産生細胞の初期接着過程にほとんど分解を受けないため細胞接着活性が3倍以上増加することを見出している。このような生分解性が制御された人工細胞外マトリックスはこれまでに例が無く、生体内に移植した後に徐々に生分解されることが期待される新規人工細胞外マトリックスとして有望であると述べている。

 第5章では本論文の総括および今後の展望を述べている。

 以上、本論文は種々の長さの繰り返しDNA配列を、Overlap elongation PCRを用いて非常に短いオリゴヌクレオチドを出発材料として作製する新規な手法を提案し、本手法を利用して天然の細胞外マトリックス分子に匹敵する高い細胞接着活性を有する人工細胞外マトリックス分子や生分解性の制御が可能な架橋化人工細胞外マトリクス分子を作製し、その優れた性能を実証したものである。それらの成果は細胞培養工学や組織工学の分野ならびに化学生命工学分野の発展に寄与するところが大である

 よって本論文は博士(工学)の学位請求論文として合格と認められる。

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